<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[43411] 僕のヒーローアカデミア*changeRoad*
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/11 18:25
小さなヒーロー学校は雄英と一緒になった。A組に転校してきたのは
十神希愛だった。

十神希愛(とがみノア)
1年A組
個性「変換」物質を別の物に変えることが出来る。例を挙げると炎を水に
変えたりできる。視界に入ったものを変えることが出来る。

癖毛のショートカット。中性的な容姿をしている少女。男になることも可能
だという。



[43411] 転校生
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/04 18:22
「十神希愛です、よろしくお願いします!ヒーロー名はソレイユです」

少し誇らしげに言う。照れくさくも思ったが何か受けた。そう自己紹介
してから既に一週間ぐらい経っている。

「そっか、十神君のいた学校は人数も少ないため根津校長先生が合併しようと
考えたわけか。つまり上の学年や先生にも同じような人がいるのか?」

飯田天哉、A組の男子学級委員長。一目で誰が学級委員か察しがついていた。
女子は八百万百。

「十神さんの個性、変換は物質や物体を別のものに変えることが出来るん
ですよね?」
「うん。それでね特に轟君辺りかな?轟君って氷と炎を操れるんだよね。
私が彼に触れて同時に個性を発動すれば一種の合体技が出来るんだよ!」
「おぉ!!なんか見てみたいかも!」

そう言って来たのは麗日お茶子だ。

「馴染むのが早いな十神」

右目に眼帯をした若い男。十神と同じ学校で教師をしていて今も雄英の
教師として働いている早乙女零夜。ヒーロー名「ノーチェス」として
有名である。顔も良く、性格も良い、さらに実力が高い。特に女性に
人気がある。そんな彼の個性は威圧、相手を見て殺気を放つことで相手の
身動きを封じることが出来る。体力ではなく精神がかなり強くなければ
動くことは出来ない。その殺気で相手を吹き飛ばしたり、身体能力を
上げたり、さらに具現化して武器にすること、集中させてエネルギー弾として
放つことが可能だ。

「わぁ…カッコイイ!」

十神たちと話す早乙女を見て芦戸はそう言った。

「分かる。ルックスも良いし強いし…本当にカッコいいよねぇ!」

葉隠も返した。

「流石、名門校。色々と違うなぁ…色々出来ることが多い。確か君たちはもう
必殺技を作ったりはしたんだよな?」
「はい。仮免許試験の前に」
「そうか…なら十神にも必殺技を考えてもらった方がいいか…相談してみるか」

そう言って早乙女は何処かに消えていった。



[43411] 早乙女零夜
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/07 22:29
ヒーロー名「ノーチェス」
本名「早乙女零夜」
個性「威圧」
相手を見て殺気を放つことで相手の身動きを封じる。相当な精神力が
無ければ動くことは出来ない。その殺気で相手や物を吹き飛ばす、纏って
身体能力を強化する、具現化して武器にする、集中させてエネルギー弾の
ように放つなどのことが出来る。

希愛のいた学校で教師をしていた若手プロヒーロー。今は雄英高校の教師を
している。容姿も良く強いため女性のファンが多いヒーロー。気さくな男。
生徒との距離感は近く友達感覚で話しかけに行くことも多い。



[43411] 3年生
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/07 22:54
通形ミリオ、天喰環、波動ねじれ、この三人は雄英高校でビッグ3と
呼ばれている。十神希愛や早乙女零夜と同時に三年のヒーロー科に
転入してきた人物、三雲クロノだ。彼の個性は文武強化、頭脳と運動能力を
倍増させる個性だ。能力なしでもかなり頭が良く運動能力も高いため
個性を使えばかなり強力な存在になる。

「既に冷たい…話しかけたら殺されそうだ」
「大丈夫だよ環。意外と優しいかもしれないだろ?」
「そうそう、見た目だけで判断しちゃダメだよねぇ?」

一人で座り本を読んでいるクロノに三人は近寄った。それに気が付き彼は
本を閉じた。

「あ、ごめん。邪魔しちゃったよね、でも話してみたくて…読書が好きなの?」
「そうだけど…」

クロノの手からねじれは本を掠め取りカバーを外す。

「あ!!これ知ってるよ!今、凄い人気になってる本だよね!?でも難しい
物語だって聞いたなぁ…。クロノ君、凄い頭いいよね?こういうのも簡単に
読めちゃう感じ!?」
「よくよく読めば難しいところはない」

彼はきっぱりと言い放った。「あ、そうだ!」ねじれは問題集を取り出した。

「うち、ここが分からないんだよねぇ…教えて欲しいな」
「あ、じゃあ僕も教えてもらおうかな?環はどうする?」
「ッ、クロノが…いいなら」
「教えて欲しいなら教える。良いか悪いかは関係ない」



[43411] 三雲クロノ
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/07 23:05
ヒーロー名「カーディナル」
名前「三雲クロノ」
個性「文武強化」
頭脳、運動能力を倍増させる個性。素早い動きと飛びぬけた頭脳で相手を
翻弄することが出来る。

テストでは常にトップ。個性無しでも運動能力が高いためかなり強い。
普段から孤立しがちで冷たい人間に思われるが話しかければ応答するし、
してほしいことなどがあれば言ってくれればやってくれる。どんな状況下で
あっても冷静な判断をすることができ、常に起こり得ることを考えている。



[43411] 3年vs
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/07 23:26
ヒーローインターン、そこでは職場体験と違いプロヒーロー同等に
扱われる。プロヒーローのサイドキックとして色々経験できる。
インターン先は限られているという。で、なんか話が勝手に進んでいって
1-A(希愛含め21名)とビッグ3通形ミリオ&三雲クロノが戦うことになった。

「あの人も…十神さんと同じ?」

緑谷の問いかけに十神は頷いた。

「人数が少ないから色々知ってるけど…テストはいつも満点でトップ、実技
試験もトップで切り抜けてるんだよ。個性無しでもそれだけの実力を持ってるけど個性を発動すればかなり苦戦すると思う」
「え!?そんなに強いのかよ…俺たちでどうにかなるのか?」

切島の言葉に十神も押し黙った。だがここまで話が進んではやるしかない。



[43411] 個性と個性
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/08 10:35
「流石に三年相手に作戦無しってのは心許ないな…」

全員が困る中、十神は轟に声を掛けた。

「どうしたんだ?十神」
「轟君の個性は強力だけど大雑把な操作になる。それ、もしかしたら私なら
どうにかなるかもしれない。少し協力して」
「協力するっつったって…」
「轟さん、十神さんの個性は変換です。それに昼間に彼女が言ってたでは
ないですか。触れた相手の個性、属性操作などでは色々出来ることが
多いんです」

八百万の説明でようやく大体のクラスメイトが納得した。

「十神の個性は全く違う物質に変えることが出来る。同時に形を変化させる
事も出来るし、やりようによっては個性を模倣することもできるはず。轟や
上鳴辺りが一番相性が良いかもしれない」
「うわぁ!早乙女先生!?」

笑顔で話す彼はそのまま視線を皆に向ける。

「俺が手助けできるのはここまで…頑張れよ」



[43411] 戦闘開始
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/08 10:59
「クロノはA組の転入生の事は知ってるの?」

準備運動をするミリオはクロノに目を向けた。

「他人との連携なら飛びぬけている、個性の関係上な。あっちには
氷や炎、雷を操る生徒がいる。なら恐らくアイツの戦法はそれらを操る
生徒との連携が増えてくるはずだ。炎やら氷やらを操作して形を変えたり
軌道を操ることが出来る。変換って個性は割とアバウトだ。変換、変更、
変化…その辺を操っていると早乙女先生が言っていたのを覚えている。が、
身体能力はそこまで高くない」
「お、おぉ…じゃあ連携の鍵は彼女かな?とりあえず彼女に気を付けるね」

ミリオとクロノが先に動き出した。同時に十神も動き出した。クロノの
予想通り彼女は氷と炎を操る轟との連携を試みていた。

「じゃあ、行くぞ!」
「…氷か」
「ただの氷だと思わないでくださいよ!この氷の立方体は…」

轟とだけではなかった。爆豪とも連携を取っていた。

「咄嗟に見出した新連携技・クリスタライズボムです!」
「凄い!かっちゃんの個性と轟君の個性を合わせるなんて…!十神さんの
個性は元より連携寄りだけど同時に二人のこせうぃお合わせることができる
なんて…え…?」

地面の下からスルリと現れたミリオは無傷、さらに爆発した中を直進してきた
クロノもほとんど傷を負っていない。



[43411] 戦闘終了
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/14 14:09
「クロノの個性文武強化は知能と身体能力を強化する。素のスペックが
高い奴が使えばかなり厄介な個性だ。一方、十神は物質を他のものに変える
個性を持つ。個性だけ見れば希十神が有利だ。…だけど」

早乙女が口を閉じた。

「頭脳と身体能力は圧倒的に三雲のほうが上か」
「おぉ、流石相澤先生。理解が早いな」

ミリオが基本、A組の相手をしているが希愛だけクロノがついている。
何処から出てくるか分からない相手を警戒しながら緑谷は考え続ける。

「(十神さんの個性なら通形先輩を妨害できるかも知れない。けど助けに
行きたくても何処から出て来るのか予想も出来ない、行ったとしても三雲
先輩に一蹴される可能性も高い)」
「緑谷さん、私たちは通形先輩の相手に専念しましょう。十神さんが
言っていたあの人の個性なら既に私たちの個性についても考えられてるかと
思います」

クロノは個性が無くとも高い頭脳と身体能力を持つ。そこにプラス彼の
個性ならばワン・フォー・オール並の力も発揮することが出来てしまう。
希愛もクラスメイトのフォローに行きたいが躱すので精いっぱいだった。

「個性はそれなりに扱えているが力に欠けているな…」

クロノが大きく拳を振りかぶる。希愛は空気を炎に変え翼の形にして宙に
浮く。彼の拳が地面に振り下ろされた瞬間、大きな音と爆発を起こした。
全員が冷や汗をかく。

「なぁっ!?大きく地面が抉れてるぞ!」
「流石にここまでやっちまったら続行も何もねえな。さぁ終わり終わり」

早乙女は笑顔で手を叩き終わりの合図をした。ミリオ曰く、弱くても
努力をすれば強くなれると伝えたかったらしい。



[43411] 謎のヴィラン、イザナ
Name: 照間蒼玉◆ae0ba03e ID:194be21b
Date: 2019/12/21 18:48
死穢八齋會。その若頭、治崎廻、オーバーホールは極度の潔癖症。

メンバーにはマスクを付けさせているが唯一マスクをしていない人物がいた。

その代わりに左目に眼帯をしている。右目は変わった色をしている。黄色と

紫色が混じった瞳。

「よぉ治崎、あの子の世話係、本当に俺がやっていいのか?」

「イザナ、どうやらエリはお前に懐いているらしい。だから任せる。

頼むぞ、右腕を名乗るからにはしくじるな」

そう、この男は若頭の右腕、イザナ。個性は「時速変化」自身の動く速度を

あげる、触れた相手の速度を下げることが出来る。自身に使う場合、

例えば腕、腕力や握力が強ければ強い程、個性も強くなる。左手で遅くし、

右手で早くすることが出来る。

「じゃあ…早速行ってくるわ」

【イザナ】
個性「時速変化」

ヴィラン連合兼死穢八齋會若頭の右腕をする青年。何故ヴィラン側に
いるのかは不明。別国の無法地帯出身で格闘センスはかなり良く、プロ
ヒーローと個性無しで対等に戦える。



[43411] マグナガイア、メディスン
Name: 照間蒼玉◆ae0ba03e ID:194be21b
Date: 2019/12/21 20:45
神奈川にあるヒーロー事務所。受話器を肩で挟みながら事務所の

若手ヒーローはメモを取る。

「オーケー、助かるわ。引き続き、そっちはお前に任せとくぜ」

受話器を置く。この男はマグナガイア、個性「ショックヴァイヴレーション」

右半身で衝撃波を操り、左半身で振動波を操ることが出来る。

「忙しい中、良い情報があるぜマグナ」

「良い情報って…なんだ?メディスン」

暗い紫髪の男、マグナガイアのサイドキックであるメディスンだ。彼の個性は

「毒爪」体内で生成した毒を爪先から放出することが出来る。口から

吹き付けることも可能で武器に纏うこともできる。毒の強さも色々だ。

「雄英高校…あぁ、そういえば雄英と合併したって聞いたな。それでこれは

三雲からか」

「どうしてもヒーローインターンがしたいという1年生がいるようです」

「へぇ…じゃあソイツにも来てもらうとするか。ついでに三雲の事を

どう見てるのかタイプなのか聞いてみ、って待て待て!!その爪を首筋に

当てるな!!お前のそれは洒落にならねえよ!!」

【マグナガイア】
本名「丘野千咲」
個性「ショックヴァイヴレーション」
若い層のプロヒーロー。三雲クロノのヒーローインターン先。ルックスも
性格も完璧。

【メディスン】
本名「霧崎芳賀」
個性「毒爪」
マグナガイアのサイドキック。ヤンチャしていたらしいがマグナガイアに
敗北、彼のサイドキックとして働きだした。



[43411] ヒーローインターンへ
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2019/12/28 18:24
「麗日ちゃんに梅雨ちゃん、それに緑谷君もヒーローインターン先が

決まったんだね」

「うん、ノアちゃんも先輩にお願いしてたでしょ?どうなの?」

麗日にそう聞かれ希愛は自慢げに胸を張る。

「是非とも、だって!」

昨日、職員室の電話でクロノは自分のインターン先であるマグナガイアの方に

連絡していた。

「あー…そうなんですか。いや1年生を連れていきたいんですが…え、もう

許可出してる?じゃあ伝えといてください」

クロノが受話器を置く。そして希愛のほうを見て頷いた。彼女の顔が

パッと明るくなった。

「マグナガイア!!?今、凄く話題になっている期待の新ヒーローベスト3に

入っているあの!?個性ショックヴァイヴレーションは右で衝撃波、左で

振動波を操る!特に衝撃波は打撃攻撃を受けた時に衝撃を吸い取り倍にして

返すことが出来てそれはマグナガイアの代名詞、リバースショックという技!」

「凄い!緑谷君って本当にヒーローに詳しいんだ!もっと教えて。ほら

行き先のヒーローの事は知っておいた方が良いでしょ?」



[43411] 出会いがしら
Name: 照間蒼玉◆268db033 ID:194be21b
Date: 2020/01/04 18:30
クロノは扉の前に立ち振り返る。

「じゃあ中に入るぞ」

お前が先に行けという風な仕草をするのでノアがドアノブに手を掛けた。

ノアはゆっくり扉を開けた。だがスッと扉を閉めた。ガンッ、と何かが

当たったのを確認しもう一度扉を開ける。いない、スッと横から手が

伸びて来た。そして爪が立てられる。

「毒か…知ってんだろ?ノア、ソレイユの個性は変換。なら毒も効かない」

「そのようだな」

自身の手を見てメディスンは頷く。手には純粋な水が付いていた。

「(下調べ済みか。さっきの奇襲も、殺気などを感じての行動では無かった。
開ける速度も遅かった、用心深いのか…)」

メディスンは構えを解く。ノアは安堵した。すると突然大きな笑い声が
聞こえた。そして誰かが拍手する。

「最初の奇襲を上手く躱し個性にも対応するとはね。いやぁ、やってくれるぜ
俺はマグナガイア、そっちは俺のサイドキック、メディスン。待ってたぜ
首を長くしてな」
「すぐに仕事なんだろ?ノア、さっさと着替えるぞ」



[43411] 裏路地戦
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/05 14:12
ふとクロノが足を止め横に続く裏路地へと入っていく、ノアは黙って

彼についていくと目の前に一人の男が立っていた。

「随分と若いヒーローだ…いや、ヒーロー見習いかな?」

男がクロノに手を伸ばすもクロノは彼の手を掴んだ。

「一つ、お前は死穢八齋會か?」

「鋭いガキだ…そうだ。俺は死穢八齋會若頭の右腕イザナ。ここで会ったが
100年目ってな」

イザナは左手を伸ばしたがそれを避けクロノが個性を発動。そのまま前蹴りを

放った。

「ここで騒ぎを起こすのは良くない。退くぞノア」

「は、はい!!」

「逃げられると思うなよ!」

「お前こそガキを見くびるな」

クロノが鋭い口調でそう言い放った。ノアはクロノの腰に手を回す。

「じゃあ、行きます!!」

クロノもノアを自分の方に寄せて互いにしがみ付いている。発生した

突風が二人を宙に舞いあげイザナを壁へ放り投げた。

「何をしているイザナ」

エリを連れた治崎は壁にもたれかかるイザナに声を掛けた。困ったような

笑みでイザナは答えた。

「ちょっと油断しちゃっただけだ。重傷は負っちゃいねえ」

立ち上がりイザナは大きく体を伸ばした。さっきのヒーロー見習い、中々

良い目をしている。



[43411] 後悔
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/05 14:59
数日後、様々なヒーローが集められた。

「相澤先生に早乙女先生!?」

「ここではイレイザーヘッドとノーチェスだ。どうだ?ヒーローインターンは」

早乙女零夜、ノーチェスはノアにそう聞いた。彼女を含めA組の四人に。

「学ぶことが沢山あります」

「そりゃあ良い!」

ノーチェスは全員をべた褒めした。サー・ナイトアイが代表して

今回の事を説明する。全員で死穢八齋會の摘発をするというものだ。そして

エリという少女を守り確保すること。

「だがよこいつらがその子を最初から保護してれば解決してたんじゃ

ないのか?」

悔しそうに俯くミリオと緑谷を指差しロックロックはそう言い放った。さっき

まで笑みを浮かべていたノーチェスの顔から笑顔が剥がれ落ち辺りには彼の

殺気が充満していた。完全に余裕仕切っていたロックは意識を失う寸前で

気を張る。フッと殺気が消えノーチェスは愛想笑いを浮かべる。

「すみません皆さん。ですけど…大切な生徒が責められるのは好ましくない。

ここにいるヒーローは最強じゃないんですから。良い教訓が出来たとは

思いませんか?」

ロックロックの背中に嫌な汗が流れていた。今後の方針も決まり、日程は

決まり次第全員に通告される。全員が帰った後、マグナガイアとサーが

残って会話を交わしている。

「貴方の部下ヒーローからの情報はどうですか?」

「アンタたちが調べた通りの情報が入ってきてる。まぁアイツはヴィラン役を

エンジョイしてるみたいだけどな。ついさっきもクロノとノアとやり合ったと

報告してきた」



[43411] 構えろ!
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/05 16:00
その日は思いの外、早くやって来た。先日の話し合いで。

「一つ、俺から良いですか?」

「カーディナル…どうぞ」

「作戦というか一つの手段的なモノですが…。俺たちが突撃するときの

死穢八齋會の動きについて考えてみました」

ざわつくヒーローたちにマグナガイアが声を掛ける。

「カーディナルの個性は文武強化、身体能力と頭脳を強化することが出来る。

元々天才だからな、聞いておいて損はないと思うぜ。ここにいる奴、誰よりも

先を考えてると思うし…邪魔したな、続きを言ってくれ」

マグナガイアは明るい口調で言った。

「その可能性の中の一つに時間稼ぎのために大量の極道たちで出迎える

可能性を考えた。大量の極道と活瓶力也が恐らく先制攻撃を仕掛けてくる。

人数も絶代、なるべく序盤で人数を裂きたくはない。だからこちらの先制

攻撃はノーチェスの個性です」

またもや全員が騒めきだす。何を言ってるんだこの学生は、と言いたげだ。

だが一部の人間には納得がいっている。緑谷やノアも納得した。

「ノーチェスの個性は威圧…同時に広範囲の人間を上手くやれば気絶させられる

かもしれないわね」

リューキュウが説明する。クロノが頷き話を続ける。

「常人ならノーチェスの個性で気絶するでしょう。あっちには個性強化薬

なんてのもある。活瓶には効果は出ずとも多少戦力を残せるはずです」

説明し終わると彼は何事も無かったかのように座る。少しの沈黙の後

サーが拍手する。

「良い考えだ。学生にしておくのは勿体ない。プランとして考えておきま

しょう。彼の言った通りになったら頼みますよノーチェス」

ノーチェスは自信満々に頷いた。そして現在、警官を含めたヒーローたちが

いるのは死穢八齋會のアジト。警察の一人がピンポンに手を伸ばした瞬間、

壁を突き破り何者かが先制攻撃を仕掛けて来た。

「うわぁっ!?本当にクロノ君の言う通りになった~!!」

ねじれが声を上げた。「ノーチェス!」「分かってる!」サーの掛け声に

ノーチェスが答え彼が集団の前に出た。

「全員…気ィ張れェぇぇぇェェェェェェ!!!」

全員が構える。同時にノーチェスの殺気が辺りを覆い、次々と突撃してきた

極道たちが倒れていく。

「な、何だ…コイツぅ…!!」

「今だ!突っ込むぞ!!」

「活瓶の方はリューキュウ事務所が引き受けるわ!」

リューキュウたち以外が全員、中へと進んでいく。



[43411] 再戦の時
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/05 18:20
少し進むと地面が動き出す。

「これは…ミミックの個性か!?」

「うわっ!!?―」

ノアとクロノが地面に吸い込まれていく。ここに至る数分前、ミミックに

一人の男が声を掛けて来た。イザナだ。

「ミミック、この男女二人と俺を別空間に落としてくれないか?」

「何故だ?」

「ちょっと喧嘩を売りたくなってね…頼むぜミミック」

地面の中に消えていったノアとクロノ。先に降りたクロノが落ちてくるノアを

しっかり抱えゆっくりと地面に降ろした。上には穴が無い。

「不味いな…まさか真っ先に分断されるとは」

「あ、でも道がありますよ!何処かに階段があるかもしれないし…ぁあッ!?」

クロノがノアを自身の方に寄せた。何かが落ちて来た、否…ドロップキックを

してきたが不発に終わった。その何かは人間、裏路地で交戦しかけた男

イザナだった。

「また会ったな、確か…カーディナルとソレイユだってな?これでも情報通でな

調べさせてもらったよ個性も全部な。どっちも厄介そうだがそっちの坊主は

特に面倒くさいタイプだな」

「それは降参するって意味か?」

「まさか!俺は自分から吹っ掛けた喧嘩を自分からドタキャンするつもりは

無い!」

いなくなったかと思うとイザナはいつの間にかクロノの目前に立ち彼の

顔面にパンチをかました。

「油断するなよ、嬢ちゃん!」

イザナの裏拳が狙うのはノアのうなじだ。高速で放たれる裏拳の威力は

かなり高くなっている。当たれば大怪我の可能性だってある。怪我では

済まない可能性も…裏拳はノアを貫通した。ノアの体はただの水だった。

「私の個性、本当に理解していますか?」

挑発気味に言うノアにイザナは好戦的な笑みを浮かべる。フラフラと立ち

上がったクロノは手の甲で鼻を拭う。血がべっとりとついていた。

「大丈夫ですか?クロノさん」

「あぁ。少し下がっていたからダメージは軽減出来た。恐らく俺たちしか

いない、どういう意味か分かるな」

クロノは横目でノアの反応を見て声を掛ける。

「俺たちでお前を倒す!今のうちに命乞いでもするんだな」

「どっちが命乞いをするんだろうな?」

二人が不敵な笑みを浮かべ同時に地面を蹴り拳を突き出した。

さぁて、もう少し楽しませてもらうぜ敵役をな!



[43411] ピンチ
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/05 20:23
二人の拳がぶつかったとき風が吹き荒れた。同じ力でぶつけられ競り合いに

なっている。

「速さを操っているみたいだな。速度が上がれば力も上がる、裏路地では

左手で俺の動きを遅くしようとしていたな?」

「…隠し事は出来ないなぁ。そうだ、俺の個性は速度を上げたり下げたりできる

この効果は自由自在だが俺の握力やら筋力で幅は広がっていく」

拳を引き気が逸れていたクロノは前のめりに倒れかける。畳み掛けるように

彼の腹を個性により速度を上げた膝蹴りが抉った。はずだったがそのクロノは

氷に変わり砕け散った。一瞬怯んだ時、クロノは後ろから攻撃を仕掛け

ていた。ギリギリで反応しイザナは腕を交差させた。

「(なんだ…この感じ)ッ!?」

イザナの体が吹き飛んだ。腕にジンジンとした痛みが広がった。

「なるほど…風をも操れるのか。最初は気象操作かと思ったが中々

アバウトな個性だな」

イザナは首の骨を鳴らし肩を回す。そして深呼吸したかと思うとすぐに

消えクロノの横を駆け後ろにいるノアの顔を掴み上げた。そして地面に

叩き落す。だが彼女は地面を水に変えてダメージを軽減した。

「軽減?そんなのは理解しているよ」

ノアの体が九の字に折り曲がる。クロノが入れ替わるように前に出て殴り

掛かるがイザナはそれを受け流し左手で彼に触れ笑みを浮かべる。

「さて、これで面倒くさいヒーロー見習いは無力化したな少しだけ…

戦闘経験が浅い嬢ちゃんはどう戦うのかな?ってね」



[43411] イザナの正体
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/05 20:54
実のところ、ノアは力がない。パワーレスだ。元より運動能力が高くないため

前衛で来るタイプとの戦い方は考えなければならない。

「体力の差は歴然だな。早く、個性を使ったらどうだ?お前の個性は

役に立つと思うんだが?」

「なんで敵にそんなことを?不利になるかもしれないのに」

ノアがそう言うと一瞬キョトンとした顔をしてすぐ笑った。

「次世代のヒーローに倒されるってのも良いような気がしてな。死を

選ぶか、それとも指摘を受け入れ俺と戦うか…好きにしろ」

地面に足を着くとイザナは構えなおし軽くステップを踏む。ノアは頭を

フル回転させる。そうだ…打破できることがあるかもしれない。ノアは

覚悟を決めた。爆豪や轟のように炎を両手から噴射させ速度を上げる。

隙だらけのイザナに突進、タックルし腰に両腕を回す。

「オイ!まさか…馬鹿野郎!!」

大きな火柱が立ち上がる。炎は暗い地下を赤に染める。だが違和感があった。

「オイ…オイ、何故俺に止めを刺さなかったんだ?」

火柱の中は空洞だった。クロノの体にイザナの右手が触れ自由に身動きが

取れるようになった。

「最初から違和感があった。確信になったのはついさっき…そうだろ?ノア」

クロノが問うとノアは頷いた。

「なんとなく悪い感じはしなかったから。それに私、しっかり調べました。

マグナガイアの事務所にいるヒーローの事、貴方のイザナってのは潜り込む

ための偽名、本当はクルアーンでしょう?」

イザナもといクルアーンはまた笑みを浮かべた。そして二人を見て

話し出す。

「久々に楽しめたよ。カーディナル、ソレイユ。さぁ、早く地上に

上がるぞ。ラスボスのお待ちかねだ!」



[43411] 合流
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/06 11:09
クルアーンはサーとマグナガイアの話し合いで敵に変装しスパイ活動を

していた。

「この階段を上り少し走った先に治崎たちは逃げ込んでいるはずだ」

階段を駆け上がり目の前に立ちはだかる壁をクルアーンが殴り飛ばした。

別の壁を突き破り緑谷達も辿り着いた。

「イザナ…何をしている。さっさとこいつらを始末しろ」

「悪いな治崎、俺は元々スパイなんだ。どうだった?俺の演技…完璧だろ?」

クルアーンは自慢げに笑みを浮かべエリに近寄り抱きしめた。

「よく今日まで耐えたな…エリ」

「イザナ、お兄ちゃん…!でもそっか…クルアーンっていうんだね」

「いや…イザナで良いさ。クルアーンはヒーロー名、イザナは俺の本名。

さぁ移動するぞ。任せていいか?ガキ共」

「はい!!」

全員が答える。クルアーンはミリオとエリを抱き抱え個性で自身の速度を

限界まで上げ離れる。緑谷たちは治崎と対峙する。

「すいやせん、アイツが裏切るのは予定外です…」

「気にするな。計画はこのまま続ける」



[43411] ダブル攻撃
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/11 18:52
「オイオイ…冗談じゃねえぞ」

巨大化していく治崎。自分のせいで周りが死んでしまうのなら自分一人が

犠牲になった方が良いと思い彼女は自ら彼の元へ走ってしまった。音元に

続き活瓶を取り込み更に巨大化していった。どうにかエリを奪還し緑谷は

彼女を背負い立ち向かう。

「私、緑谷君を手伝いに行きます」

ノアはそう言った。クロノも立ち上がり空を見上げる。そしてノーチェスの

ほうを見た。

「ノーチェス、俺とノアを殺気を具現化し空へ飛ばしてくれ。ノア、足場は

宙で作れるか?」

「はい」

「よし…頼みますノーチェス!」

ノーチェスは溜息を吐き苦笑する。

「空中に放り投げた後、どうにか息を合わせろよ…行くぞ!!」

殺気を具現化し大きな手が見える。その手に二人は掴まれノーチェスは

力を込めて空中でぶん投げた。ノアとクロノの目が合いノアは即座に太い

植物の足場を作る。クロノは片足を地面に付け右脚を横に伸ばす。

最高到達点に辿り着いたノアは落下してくるがその足元にはクロノが

構えている。

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

クロノの蹴り、そしてノアが足を曲げて伸ばすことでバネのように飛んで

いく。ノアの個性は瞬時に何を何処にどんな形で具現化させるか想像する

必要がある。彼女が作り出したのはさっきの植物を炎に変えそれを翼に

して空を飛ぶことが出来るようにした。

「私にも手伝わせて緑谷君!」

「十神さん…ありがとう。行くぞ!!治崎!!」

緑谷の100%状態での蹴り、そしてノアが炎で作り出した大太刀での突き、

それは確実に治崎にダメージを与えた。落ちてくる三人をノーチェスが

殺気を具現化し、ゆっくり地面へ降ろした。



[43411] 未来へ
Name: 照間蒼玉◆10bafa83 ID:194be21b
Date: 2020/01/18 18:42
被害はデクたちのおかげで少ない。それは奇跡だった。

「よぉ、全員無事で何よりだ」

「無事じゃないなマグナ、右脚骨折だろ」

クロノは責め立てるように言った。マグナの顔が引きつる。

「ま、まぁ!他と比べりゃ骨の一本や二本、安いもんだ。それに大役ご苦労、

イザナ。ヒーロー名は変えるんだろ?エリちゃんのために」

クルアーンからイザナという名前に変更しエリから呼ばれやすくなった。

彼もまた上半身には包帯が巻かれていた。

「まさか捨て身の攻撃に出るとは思ってなかったな…メディスンは?」

「あいつは無傷だったよ。一応診察してもらったけどな。って、それを

話に来たわけじゃねえ!ソレイユ、お前の個性、両親の混合だって

聞いたが俺はそうじゃねえと考えている。アンタの父さんは元、ヒーロー

ロールシャッハ、今は十神新輝は複数の個性を持っていたと聞いてる。

似たような個性、性質変化と個性を進化させる個性」

ソファに深く腰掛けマグナガイアは話を続ける。

「ちなみにマグナガイアはロールシャッハのサイドキックから独立し

今に至っている。つまりは若いお前の父親を知っている」

「なるほど」やっと理解した。イザナのおかげだ。

「母親は優佳里さんだったか。あの人は個性を強化する個性を持っていた。

もし、親のすべての個性を受け継いでいるとしたら…お前の変換という個性は

もう一段階以上あるはずだ」

マグナガイアはソレイユ、ノアを見据える。真剣な表情はいつもの

茶目っ気ある顔に変わった。

「まぁ気を張りすぎるなよソレイユ。これ、秘密な?バレると叱られる。

太陽名乗ってんだろ、役割を忘れちゃならねえぞ」

「…はい!!」



[43411] ケーキの労い
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/25 18:32
寮に帰ると全員が駆け寄って来た。久しぶりに帰って来た場所はとても

温かかった。

「オイ、十神はいるか?よし、いるな。ほれ」

早乙女零夜は十神に箱を二つ渡す。

「どっちもクロノからだってさ。手作りだとよ」

渡してそのまま彼は出て行った。テーブルに置き見てみると中には四角形の

ケーキが入っていた。21個それぞれ名前まで書いてある。

「わぁ!可愛いケーキ!!」

麗日は自分の名前が書かれたピンク色のケーキを見てそういった。

「私のにはカエルのチョコが飾ってあるわ」

「うちのケーキにはブルーベリージャムが挟まってる!」

梅雨と芦戸たちが喜んでいた。箱にはノアのケーキもあった。どうやったの

だろう虹色のホイップクリームが間に挟まったチョコケーキだ。

「へぇ、三雲先輩は器用なんだね。十神さんは知ってた?」

「うん…林間の時にね包丁だけで野菜を可愛い形に切ってたよ。あ、轟君

爆豪君!二人のケーキもあるよ」

ノアは二人に声を掛けた。

「あぁ…今度食べるよ」

轟に言われそのケーキは冷蔵庫にしまわれた。



[43411] 3年生の労い
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/01/25 18:42
「クリームを絞ってその後にスポンジをかぶせてくれ」

「あいあいさー!」

調理場を借り三雲はケーキを21人分、否25人分作り上げる。

ねじれと環の手伝いもあって少し短い時間で終わった。

「これが私のケーキ!?やった~、いただきまーす!」

「…いただきます」

二人がケーキを食べる。その間、三雲はせっせと21人分のケーキを二つの

箱に詰めた。もう一個は小さな箱に入れる。

「…美味しい…こんな綺麗なものを食べてしまったら 罰が当たる…」

「何が罰だよ。一個作るのにそんな手間暇かけてねえ、ほとんど感覚だ」

「でも、こんなに器用なんだね。ねぇねぇもっと見せてよ!」

「うるせぇ!太っても知らねえからな」

不服そうな顔をしている三雲だが内心笑みを浮かべていた。孤立していた

自分はいつの間にかここに馴染んでいた。



[43411] 合体技
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/02/08 18:30
轟たちが講習から戻ってきた。授業では再び必殺技づくりに専念することに

なった。そこではエクトプラズムと早乙女零夜が担当することになっている。

「ほぅ合体技か…良いんじゃねえか?十神の個性は他人の個性と相性が良い。

試しにやってみろ」

早乙女は少し挑発するように言った。そして彼は全員の方を向き問いかける。

誰か合体技をやってみたい人、と。多くが手を挙げたが珍しい人物が手を

挙げた。轟だ。

「で、どうすればいいんだ?俺は」

「大丈夫、いつも通り氷を出してくれればいいの。後は私に任せて」

轟は頷き氷を放つ。否、ノアの個性「変換」によって形が即座に変わった。

強力故細かい制御が効かない轟の不利な面をノアの柔軟性の高い個性で

補う。大雑把に放たれた氷は全て剣の形になり地面に降り注いだ。

「合体技・白銀ノ剣舞(クリスタライズソードダンス)!ってね」

どっと声が上がった。轟も驚いてノアのほうを見た。

「凄い、轟さんの個性は強力な故、大雑把になることが多いはず。それを

十神さんの個性で繊細に操作し細かく操作されていますわ!」

「十神の個性は単体では火力に欠ける。一方、轟の個性は単体でも十分

火力がある。だが操作が甘い、十神はそれを手助けすることができる」

早乙女が補足する。その後に二ッと歯を見せて笑う。

「つまりは相性が良いってことだな!他にもやってみたらどうだ?爆豪とか

上鳴辺りが良いと思うぜ」

「なら、今度は二人同時の三位一体の合体技とかカッコイイかも!!」



[43411] 文化祭に行こう
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/02/16 09:28
A組の出し物…バンド&ダンス。

授業内では決まらなかったがその後しっかり考えて決められた。

翌日の昼、インターン組が呼び出され緑谷と十神は病院に行くことに

なった。何でもエリが目を覚まし彼らの事を気にしているらしいからだ。

病室に行くと一足先にミリオとイザナがいた。

「よぉ、インターンぶりだな」

「イザナさん!先輩まで」

イザナは声を掛ける。彼はエリの隣に座っていた。

「お互い命があってよかったな。エリも無事に目を覚ましてよかったな」

イザナはエリをそっと撫でた。「そうだ」とイザナは声を上げた。

「雄英でもうすぐ文化祭があるんだろ?エリ、興味ないか?色んなお店が

あるんだぜ。りんご飴もあるかもなぁ…」

「りんご、あめ?」

エリは首を傾げた。

「りんごをもっと甘くしたお菓子だよ。それ以外にも美味しいものが

沢山食べられるかもしれないぜ…いいか?イレイザー」

イザナは相澤のほうを見た。彼は「確認してみる」とだけ答えた。

「やったね!エリちゃん」

「うん、嬉しい!!…イザナお兄ちゃんも来てくれる?」

エリはギュッとイザナの手を握って見上げる。

「…あぁ、一緒に行こうか」



[43411] ようこそ雄英に!
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/02/29 18:54
赤いワンピースのエリ。彼女の小さな手を大きな骨が張った手がギュッと

握っている。紺色のパーカーを着た男だ。彼らが並んでいれば父と子として

見ることもできるだろう。

「ここが雄英か…流石にデカいなぁ」

「ここで文化祭がやるの?」

「そうだよ。じゃあ中に入ろう。通形がここを案内してくれるってさ。

緑谷とか十神にも会えるかもな」

エリの顔がパァッと晴れた。イザナは手を握り直し中に入る。



「十神さん、少しいいですか?」

八百万はノアを呼んだ。

「実は裏方に回っていただけないか、と相談がありまして」

更に轟が付け足す。

「ノアの個性で形とか向きとかを操って欲しいと思ったんだ。無理、か?」

「形…うん、分かった。良いよ」

「よかった、出番はしっかりありますからね十神さん」

外に出るとそこには見知った顔が見えた。エリとイザナだ。

「二人とも!!久しぶり!!」

「おぉ、十神か。そうだな久しぶりだな」

ノアは身を屈める。

「エリちゃん、すっごく服、似合ってるよ!」

「!あ、ありがとう…!」



[43411] ミスコンで困るクロノ
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/03/11 21:25
3年生の教室ではねじれとクロノが話していた。

「こっちの服が良いかな?それともこっち?」

「どっちもねじれらしくて良いと思うけどな。でもこっちじゃねえの?

お前、綺麗ってよりはお茶目で可愛いっていうのが似合うんだし」

クロノがそう言うとねじれは彼の肩を掴んで揺らす。

「クロノ君、ありがと~~~!!嬉しいよ!!」

「や、やめっ、やめろ!!」

「カッコイイ人は服のセンスもあるのか…それに比べたら…うっ、考えたら

お腹が…」

「オイここで倒れてんじゃねえよ天喰」

呆れた様子でクロノは環に目を向けた。クロノの顔をねじれはじっと

見つめる。そう、じっと…。

「えぇい、何じっと見てんだテメェ!」

「この学校、イケメンコンテストもあればいいのになぁ…クロノ君、

イケメンだし!絶対優勝だよね!!?」

「うるせぇよ、黙ってろ」


一方、1-Aではダンスの練習とバンドの練習、そして演出に分かれて

準備を進めていた。

「ちょっといいかな?実はね私は途中で裏方に回るということを母親に

話しましたらなんと!裏に回らなくてもいいようにしてあげると言われて!」

「それはつまり…?」

八百万が聞くと十神は頷いた。

「母親の個性は個性を強化する個性でね?それで使用するときに相手に

触れなくても範囲内にいれば操作できるようにしてくれるって。だから本番は

バンドで大丈夫!」

ノアは親指を立てて見せた。



[43411] ジェントル・クリミナル&ラブラバ
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/03/17 10:37
その動画に出ている紳士はこういった。

これから行うことは世界を揺るがす、と…。その動画を見ていたのは計二人。

緑谷出久と早乙女零夜。緑谷は買い物の帰りに動画の男に遭遇する。

「(流石に遅いなぁ…もう少しで始まっちゃうんだけど…)」

ノアは時計に目を向けて不安を募らせる。一方、職員室にいた早乙女は席を

立つ。

「ちょっと、どこ行く気?」

ミッドナイトは彼に問いかけた。零夜は笑顔を向けて言う。

「生徒の帰りが遅いから迎えに行くだけだ。何かあったら大変だからな」

「…そう。でも遅くならないでよ」

「分かってる」

そう答えて彼は廊下を速足で抜けていく。例の動画、そして正義感がある

緑谷の帰りの遅さ…動画の男と戦闘になっていると考えると辻褄が合う。

校舎を出ると目を閉じ個性を使う。弱めの殺気。緑谷なら気付けるはず。

戦闘中の緑谷は察知する。

「(この感じは…早乙女先生の殺気…!)」

攻撃を躱し攻撃を放つ。じっと見つめるラブラバの背中に冷や汗が流れる。

「ジェントル、不味いわ!!この感じ…」

ラブラバが急に倒れた。ジェントルは目を見開く。何が起きたのか理解が

追いついていない。

「そうこの感じは殺気だ。生半可な精神力の人間はこの量の殺気には耐えられ

ないぜ?」

「なっ、いつの間に―ぐふっ!!?」

片脚で地面を蹴り、もう片方の足で軽く着地。素早くジェントルの顔面に

膝蹴りを入れる。

「先生!?」

「何驚いてるんだ?ちゃんと合図は送っただろ」

「じ、じゃなくて!!」

戻ってきたジェントルは零夜の顔面にドロップキックをする。零夜が相手を

睨む。最大に近い殺気を放ち手を出すことも無く気絶させて見せた。近くに

いた緑谷も殺気が引いても動けなかった。だが彼の背中を零夜は軽く叩き

我に返らせる。

「戻るぞ。どれだけ仲間を待たせるつもりだ」



[43411] 新たな家族
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/03/21 18:34
A組の出し物は大成功だ。エリにとってもかなり楽しめたようだ。

「ノアさんのね最後の氷がぶわぁって!!妖精さんとかチョウチョになって

キラキラぁってなってね!!」

言葉がまとまらないほど嬉しかったようだ。その様子を見ていたイザナが

笑顔を浮かべた。

「ご機嫌だなエリちゃん。まだまだ回るところは沢山あるぜ、みんなで

回るか」

エリを肩車するイザナ。その姿を見て緑谷、ノア、通形は笑い出した。

「イザナとエリちゃんは親子みたいだね。エリちゃん、いいなぁ!カッコイイ

お父さんがいるなんて」

通形に言われエリは頬を赤く染めている。「父親、ね…」小さくイザナが

呟く。彼はエリに目を向けた。

「そうだな…ならエリちゃんに俺の名前をあげよう。新しい家族だ」

「新しい…家族?」

「そう。俺の名字は天羽だからエリちゃんの名字も俺と同じになる。だから

これから天羽エリだ」

エリはポカンとしている。ノアは紙に名字を書いた。

「天羽ってこうやって書くんだよ。天使の羽って書いて『あもう』って」

「天使の、羽!可愛い…!」

ミスコンを見終わって、別れの時が来た。エリに緑谷は手作りのりんご飴を

渡した。



[43411] ビルボードチャート
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/03/28 18:23
ワイルドワイルドプッシ―キャッツ復活。

ビルボードチャートが発表される。下半期の今回は神野事件から3ヶ月後で

節目であると考えられる。そのためヒーローたちが集まってはじめられた。

9位にマグナガイアがランクイン。それぞれのヒーローたちにマイクが

向けられた。女性からマイクをかすめ取りマグナガイアは笑顔を向けた。

「悪を絶滅させるのは、無理です」

そう話した時ざわめいた。

「誤解しないで欲しい。俺たちが限界ってワケじゃない。寧ろ、俺たちは

まだまだ頑張るさ。平和の象徴が消えたからもう終わり?冗談じゃねえ

今、ここにいるのは誰だ!俺たちだ、1位はエンデヴァーだ!」

マグナガイアはマイク越しに叫ぶ。

「ヒーローのように戦えない奴らがどうしたらヒーローになれるか

知ってるか?それは個性で差別しないこと、根も葉もない噂をすぐに信じない

こと。…さっさとしろよって視線がするから俺はこれで終わりにするよ」

真剣な表情が消え愛想のある笑顔で終わった。彼は横目で2位、ホークスを

見た。彼は軽く手を合わせ謝罪する。若い者同士何か伝わったらしい。

終わるとマグナガイアの元にホークスとエンデヴァーがやってきた。

そして場所は変わって九州。全員の視線が三人のヒーローに向けられていた。

数分もすれば噂は広がり人だかりができる。

「マグナガイア!」「サイン頂戴!!」

「おぉ流石マグナガイア、女性のファンが雪崩のように集まってるな」

「お、羨ましいのか?男の嫉妬は見苦しいぜ?」

マグナガイアはそう呟きながらサインを何個も書いていく。人混みを掻き分け

飛び出してきた小さな少女。転びかけた彼女を彼は抱き上げた。

「おっと、危ない危ない。お母さんは?」

「あ、あそこにいるよ!あのねサインが欲しいなって」

「おぉ、いいぜ。ほれ貸しな、書いてあげるぜ」

その様子を見ていたホークスたちは微笑ましく感じた。女性といっても

年齢層が広いようだ。




[43411] 新たな脳無
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/03/28 18:45
ホークスに案内された店に入り焼き鳥を頬張る。幾つか持ち帰りをすると

決めたマグナガイアはプラスチック容器に入れていた。

「それで噂話ってなんだ?」

エンデヴァーが話を切り出した。それで本題に入っていく。異能解放戦線等の

本が売れ始め、それに感化される人間が増えてきた。更に脳無に関しても

話が回っていた。本についてならマグナガイアも見たことがある。本屋に

集まりその本を見ていたチビッ子たちにもその本について話したことが

あった。

「人間ってのは怖いねぇ。目で見たわけでも無いのに不安な時に聞くと

信じてしまう。噂も人間も怖いことに変わりはしない。嘘だと訂正しても

広まるのには時間がかかる。理由は簡単、広範囲に広まっているのは勿論、

その噂に近い不安定な状況が続いているから。それを止めるには噂よりも

デカイ真実が必要だ」

マグナガイアは話ながら席を立ち女性店員の前に立った。大きな音と共に

窓ガラスの破片が散り頬を掠る。顔だけ突っ込んできた脳無は人語を話す。

エンデヴァーに指示されホークスが住人の避難をさせる。マグナガイアも

女性店員にホークスの指示に従うように言った。そして窓のほうを見た。

脳無と対峙するエンデヴァーとマグナガイア。彼らの戦いはメディアによって

生中継で伝えられる。



[43411] 新たな平和の象徴
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/04/04 19:47
エンデヴァーが相手をする脳無は今までの脳無とは違う。

「野郎、強い奴相手で俺にも目ェ付けんのかよ!」

マグナガイアは不敵な笑みを浮かべ応戦する。

「エンデヴァー下がってろよ!最後を決めたほうがカッコイイと思うぜ?」

「しかし…!!」

「俺が弱点を探ってやるから下がれ!!」

そう叫ぶと彼は目の前を向く。顔面に脳無の拳がめり込む。仰け反ったが

彼はその腕を掴んだ。

「お前、まだそれぞれの個性については理解できてねえようだな」

『オ、マエ…筋力強化モッテルノカ?』

「言わねえよ…テメェが強い奴を探してるなら丁度いい…強者好き同士

仲良くしようぜ!!」

左手から衝撃波、右手を強く握りアッパーを放ち同時に衝撃波を送り

ダメージを多くして上に打ち上げた。だが、次に聞こえたのは骨が折れた

鈍い音とマグナガイアの悲鳴だった。360度回転し更に骨を粉々に、そして

ありもしない方向に折れ曲がっている。

「マグナガイア!!!」

違う場所で避難誘導等をしていたホークスは叫んだ。マグナガイアの体は

既に限界を迎えていた。


悪いな…メディスン。

勝手に持ち込ませてもらったぜぇ…お前が作ってた毒…。


「これでも飲んでろ…クソ野郎ォォォォォォォォォォ!!!!」

マグナガイアは何かが入った瓶を口の中に突っ込んだ。同時に衝撃波も

放った。

「後はぁ…任せた…エンデヴァー…」

マグナガイアはフラフラと後ろに下がり倒れた。数時間後、エンデヴァーは

その脳無に勝ち全ての国民が新たな象徴を称える。



[43411] 後日談
Name: 照間蒼玉◆677d057d ID:194be21b
Date: 2020/04/04 20:05
目を覚ましたのはその戦いから数日後。マグナガイアの体は全身包帯で

包まれていた。

「全く、勝手に毒薬を持ち込むとは…」

「悪いなメディスン」

メディスンは呆れたような顔をする。顔を下に向けるとマグナガイアの手に

小さな手が添えられていた。

「手は…動かなくなっちゃうの?」

エリは心配そうに聞いてきた。そんな彼女をそっと撫でた。

「動くさ。無くなったわけじゃないからな」

そう伝えると彼女は柔らかい笑顔を向けて「よかった」と呟いた。


その日は妙な夢を見た。

不気味な男は拘束されている青年の顔に手をかざした。

それはなんだ?その青年の拘束は解かれて彼は振り向いた。その顔は実の

父親、新輝そっくりだ。彼はそっと私を抱きしめた。


「貴方?どうしたの?」

優佳里は新輝に声を掛けた。優佳里に笑顔を向け彼は大丈夫だと言った。

「ノアは…俺の事を知ったらなんて思うかな?嫌われちまうのかな」

「まさかノアは良い子です。絶対嫌いません。私も大好きですもの」

優佳里は新輝の大きな手を握った。容姿は20代後半あたりから何も

変わらない。唯一変わったのは大事な家族が出来たこと。命と引き換えに

守りたいほど愛しい妻と娘が出来たこと。


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.017932891845703