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[40017] 【ゼロの使い魔×暁の護衛】 暁の使い魔
Name: mo-nn◆0c6d8911 ID:d30a7e1c
Date: 2014/06/01 02:30
暁の護衛とゼロの使い魔のクロスです。
海斗がルイズに召喚されます。

以上。物語紹介終わり

→プロローグ



[40017] プロローグ
Name: mo-nn◆0c6d8911 ID:d30a7e1c
Date: 2014/06/01 02:28
まず前を見て欲しい。
そこに見える大きな屋敷は俺の勤め先で有る二階堂の屋敷だ。
とある事情から俺はここで令嬢のボディーガードをする事になっていた。
正確には俺は学生なので勤めているわけでは無いのだが、まあとりあえず俺は今ここで住み込みで働いている。
数人の家族を養うだけには広すぎる屋敷、無駄に多い使用人。
辺りを見渡すと老年の庭師が作業をしている。
そして俺は特に護衛をする訳でもなく庭のベンチに腰掛け読書を嗜んでいた。

ふと気配を感じ視線を上げると屋敷の方から走ってくるメイドの姿が目に入った。
二階堂に勤めている割には随分とお粗末な姿だ。

「あれは育ちの悪い顔だな。」

・・・・俺も人の事は言えないが。

直ぐに興味を無くし本に視線を戻す。
ああ、本は良いものだ。
可能で有れば世界中に有る本をこの手で「おいそこのしゃくれ顔の男。」・・・ん?

声に顔を上げるとそこには一人のメイドが立っていた。

「おかしいな、ここにはイケメンしかいないはずだが。」

「鏡を貸してあげるから三度見渡して悔い改めろ。」

「いや、いい。それより要件はなんだよツキ。」

立っていたメイドはツキ。
二階堂に勤めているメイドだ。
メイドと言ってもただのメイドじゃない、メイド長だ。
二階堂のおっさんを魔王だとするならば言わば中ボスクラスの存在である。

「二階の廊下に飾ってあるお皿を割ったのは海斗か。」

・・・・・・さっきブーメランにしてて遊んでたやつか。

「違う」

「それは本当か?」

「ああ」

「わかった。今回の所は海斗の事を信用する。」

「そうか、話は変わるがなんで俺の手を握り締めてるんだ?」

「あの、私・・・ね。海斗の・・・・・・。」

まさか、こいつ。発情?
抱いてやらん事も無いがこいつ程度の顔じゃあ金でも貰わんと楽しめねぇな

「三万で抱いてやる。」

「指紋採取完了。じゃそうゆう事で」

「おい待てこの糞メイド」

身軽な動きでこの場を離れようとするツキの腕を掴む。

「な、何をするか」

「お前さっき俺を信用するとか言ってたよな?」

「言った。けどやっぱり信用できないから自分で調べる事にする。」

「おいおいちょっと待てよ。指紋なんかで犯人を特定できると思ってるのか?」

「・・・・・・。」

「それにだ、二階の皿ってあの俺の部屋の前にある2万円くらいの皿だろ?」

「それは違う。あのお皿は4億円以上はする」

「え?」

「とある高名な方が旦那様の誕生日に作ってくださった物で、世界に一つしかないくらい貴重なものです。」

「あ、そう・・・」

「それで?あの安っぽいお皿がどうかしたか」

「貴重な物じゃなかったのかよ。」

「二階堂の財力からしたらあの程度の皿イタチのしっぽ切りにもならない。ただ、旦那様のお気に入りでは有りますが。」

「・・・・まぁそれでだ、あの皿は俺の部屋の前にあるわけだから必然と俺が触る可能性も高くなってくるわけだ。」

「それで?」

「だからだ、仮に俺の指紋があの更に付いていようと俺が犯人で有ると特定はできないわけなんだ。わかったか」

「話はそれで終わり?」

「あ、ああ。それだけだが。」

「二階堂の技術力を舐めないで欲しい。指紋が付着された時間くらいは容易に測定できる。」

「え?」

「じゃあ私はもういく。」

身を翻し駆けていこうとするツキの腕を再度掴む。

「今度はなんだ。」

呆れたような顔をして振り向くツキ。
これ以上ごまかすのは無理のふみ、正直に話すことにした。

「実はだな、あの皿を割ったのは俺なんだ。」

「やっと正直に話したか。」

「けれど聞いてくれ、事情があったんだ。」

少しでも同情を得ようと言い訳を話そうとするとツキの様子が少しおかしい。
いや、初めからおかしかったか。
思い出すにツキが屋敷を走る姿など始めて見た。

「そんな事情は知らないし聞いていない。海斗はすぐ旦那様に誤りに行ったほうが良い。」

「なんだと?」

「旦那様がカンカンに怒っている。犯人が海斗ならすぐに謝らないと大変な事になる。」

「このままだと海斗を庇う麗華お嬢様の立場も危うくなるかもしれない」

「んなもん知るか。勝手にやってろ。俺はここで本読んでるわ」

ツキの腕を話ベンチに横たわり本を読み始める。
ツキがまだ何か言っていたようだがそれらは全て耳に入ってこず
気がついたらツキは居なくなっていた。

「・・・・・・・・・・。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は今おっさんの部屋の前にいた。
別にさっきの件は関係ない。
借りていた本を返しに来ただけだ。
気が向いたらついでに皿の件を誤っておこう。

扉をノックする。

「入りたまえ。」

扉の向こうから偉そうな声が帰ってくる。
俺は無造作に扉をあけ中に入る。

「借りていた本を返しに来たぞ。」

「なんだ、貴様か。」

おっさんは手にしていた書類を机に置き、かけていたメガネを外す。
何かの作業をしていたようだ。

「それで、何かようかね?」

「借りていた本を返しに来た。中々だった。」

「ふん、貴様程度の脳で最後まで理解できたとは思えないがな。」

一一尺に触る言い方をするやろうだぜ。

「それにしても都合が良い。今貴様の部屋に執事を送っていた所だ」

「何?」

「端的に言うとだ、貴様はクビだ。」

「・・・・・・それは」

「まさか理由が分からないとは言わんだろうな。」

「あんなたかが皿一枚であまり調子のんなよおっさん。」

「一枚だと?貴様今まで自分が壊してきた物の数を覚えていないのか?」

「覚えてねぇな。せいぜい二、三個って所か?」

「12個だ馬鹿者!!ゴッポの肖像画!ピカゾの晩年の作品!全て貴様が壊したんだ!!!謝罪しろ!」

「ふぁい」

「ふぁぁぁいじゃない!!!!別に金を返せとは言わん。どれも貴様が弁償するには高すぎる物だからな」

「当たり前だろ。」

「だから出て行け。」

「麗華はどうすんだよ」

「おい、誰かこいつを屋敷からつまみ出せ。」

「おい。」

「ふん、貴様が心配せんでも優秀なボディーガードを付けてやつつもりだ。」

数人の執事が俺の体をつかみ運び出す。

「おい、触るんじゃねーこら」

「暴れるなこのクズ!」

腹に拳を叩き込まれる。
そのまま屋敷の外に投げ出され、門の鍵は占められてしまった。

「カーッっぺ。もう二度度帰ってくるんじゃねーぞゴミ虫野郎」

「せめてものの同情としてスーツだけはくれてやる。」

「あばよ」



「・・・・・・・・・・・」

これは本当にまずい事になったかもしれん。
とりあえず麗華に連絡をしようと携帯をとりだそうとするが

「あいつら携帯も没収して行きやがったか。」

手持ちの金は0。
これからどうするか。

「・・・とりあえず本屋にでも、ん?」

突然辺りを強烈な光を多う。
咄嗟に腕で目を光から庇い、一歩後退し構えを取る。
昔ならった古武術の構えだ。

光はすぐに止み、警戒しながら腕を解く。
そして衝撃的な物が目に飛び込んでくる。
目の前にあるもの、それは端的に言うと魔法陣であった。

「なんだ、これは?」

静かに魔法陣に手を添える。
その瞬間、魔法陣からは光の帯のような物が飛び出てくる。

「んな!?」

あっと言う間に体を絡め取られてしまう。
しかし帯は絡め取られるだけでなく徐々に海斗を魔法陣へと引きずり込もうと力を加えてくる。

「面白い。力比べは得だぜ?」

足腰に力を加え思い切り踏ん張る。
が、そんな抵抗も虚しく徐々に海斗の体は魔法陣へと取り込まれていく。

「嘘だろ!?なんて力してやがるこの紐は、あ、ちょやめ」






ここは二階堂邸
一人のボディーガードがクビになった。









「あんた誰?」


これはある男のちょっとした物語



[40017] 第1話
Name: mo-nn◆0c6d8911 ID:d30a7e1c
Date: 2014/06/01 02:33




世界が暗い。
そして体全体を覆う痛みと興奮

今まで感じた事のない痛み、興奮。

いや、違う。
覚えがあった。

生まれてからずっと繰り返していたこと。

これは、目覚めだ


「オレは―――」


意識が、目覚める。




これはある男のちょっとした物語



「あんた誰?」

目が覚めるとだだっ広い場所。
オレの前に立つチビが何かを問いかけてくる。
だがまるでとてつもなく長い間眠っていたかのように意識がはっきりとしない。

「・・・・・・・・・。」

「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするんだよ!」

チビの言葉を無視し周りを見渡すとなにやら騒がしい。
多くの人間がオレを囲み、興味深目に此方を伺っている。

一人、二人・・・、

「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
「間違いって、ルイズはいっつもそうじゃん」
「さすがはゼロのルイズだ!」

一瞬、強い殺気を含む視線を感じ振り向く。
青色の髪をした一人の少女と目が合った。
だがしかし直ぐに目を逸らされてしまう。

・・・・・・三人か。



「おいハゲ、これはどうゆう事だ?」

手始めにまず、オレの動向を最初から警戒し隙を見せなかった男に話しかける。
見てくれで想像するにはここの責任者か何かだろう。


「え?えぇ、え?、ハゲ!?。そ、そうですな。オホン。ここは、トリステイン魔法学院。
 私たちは、といっても生徒たちのことだが、二年に進級するための、春の使い魔召喚の儀式を行っている。君はその『使い魔』の召喚で呼ばれたというわけだ」


「何言ってんだこいつ、頭おかしいのか?」

俺を囲んでいた人間の一人に話しかける。

「おいコイツは頭おかしいよな?」

「平民風情が僕に気安く話しかけるな!!」

「おかしいよな?」

「お前なんて口の聞き方だっ――――

少し弱めに腹を殴る。
金髪の少年は鍛えていないのか、嗚咽を吐きながら膝を付いた。


「君っ、一体何を!!」


ハゲが手に持っている棒を構え、敵意を持った視線を向けてくる。
成るほど、これ以上やるなら容赦をしないと。


だがそんな事はオレには関係ない。


もう一度腹を殴る。


「おかしいよな?」

「はぁ、はぁ・・・うぇぇえ、はぃぃ、うげぇぇ・・・おがじいでず!」

「貴様!!・・・・・・」

「ほらな、こいつも言っている。お前は頭がおかしい」

オレの言葉を無視し杖を此方に向けるハゲ、そして何かを唱え始める。
ご丁寧に分かりやすい殺気を放って。

オレは全力で2メールの距離を飛び、ハゲの懐へと潜り込む。

「・・・・っ!」

このまま思い切り腹部に拳を叩き込み、頭を蹴り飛ばして終わりだ。
次の瞬間、ハゲの持つ杖から炎が飛び出してきた。

「なに?」

その炎は蛇の動き、オレの急所を差し貫こうと迫り来る。
回避は不可能と悟り、体を捻り急所から外す。
しかし炎はオレの体を差し貫く瞬間、まるで初めからそこには無かったかのように消滅した。
オレは好機と見るとハゲの頭を両手で鷲掴みにし、親指を目に・・・・・・

「ファイヤーボール!!!」

その瞬間、なかなかの衝撃が俺とハゲの間から発生し、二人は吹き飛ばされる。
3メートルほど吹き飛び、受身をとって立ち上がる。

目の前には先ほどのチビ。

「あ、あああああんた、私の質問に答えなさいよ!」

右手には小さな杖を持っている。
余程怖いのか、足がガクガクと震え、目頭には涙が溜まっている。


「ヴァリエール!彼は危険よ!!離れて!」

紅い髪をした巨乳の女が遠くからチビに向かって叫ぶ。

「嫌よ・・・、コイツは私が召喚した私の使い魔よ!これから私の使い魔になるんだから!」

俺が、使い魔?

「・・・・・・なんで泣いてんだよ。」

「な、泣いてないもん」

「いや、もろ泣いてっから」

「泣いて、ないもん・・・・・・」

「ないてるだろ」

「・・・ぐす・・・・・・」

いつの間にかオレは完全に囲まれていた。

「おいおいなんだこれは」

「早く質問に答えなさいよ!」

「あぁ?」

「っつ、だからアンタは誰なのよ!」

「名前を名乗るならまずは自分からだと親に習わなかったのかよチビ!!」

「そ、そうね。確かに失礼だったわ。私の名前は・・・ってチビってなによ!!」

「ささっと名乗らんか!!!」

「う、名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ、ほら、私も名乗ったんだから、あんたも名乗りなさい。」

「ルイス・フロイス・ド・ラリッテール?」

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!!!!もうルイズで良いからさっさと名前を教えなさい!!!」

次ふざけたらマジギレされそうなので名前を教える事にする。

「オレは――――。」

「「「「「・・・・・・」」」」」

周囲の視線が突き刺さる。

「オレは――」

「「「「「・・・・・・・」」」」」

オレは、だれだ?・・・・・・分からない。何も思い出せない。
昨日のことが、なに一つ思い出せない。
何を食べ、何処で眠り、誰と過ごしていたのか。
オレは・・・一体。

・・・・・・・・・。

・・・・・。

・・・。


「オレはオーバマ・リーだ。気軽にオーバマと呼べ。」

「リー?聞きなれない家名ね、よろしくオーバマ」

「おい、呼んでるぞオーバマ」

オレは先ほど腹を殴った少年の肩を叩く。

「ぼ、僕はオーバマって名前ではない!」

「へえ、そうだったのか」

「あ、ああああんたいい加減にしなさいよ?名前はなんなのよ!」

「・・・・・・・・・」

「な、何よ。黙ってないで何か言いなさいよ。言いなさいったらねっ」

「わからん。記憶に混乱がみられる。」

「は?」

「だから分からんと言っている、俺が何故ここにいるのか、昨日何をしていたのか。全く覚えがない。」

「それって、もしかして私の魔法のせい。なの?」

突然、目の前のチビが顔面を蒼白にし、ただでさえ白い顔が真っ青になっていく。

「私、は、始めて魔法に成功し、・・・でも失敗してて・・・。私のせいで記憶が・・・」

そして、目の端に涙を溜める。
その姿を目にした時、ふと脳裏に一人の少女が浮かぶ。
少女は豪華な屋敷にいた。
何かに怒っているのか、目頭に涙を浮かべ誰かを蹴り飛ばし叫んでいる。
あれは、オレか?

少女は一体なんと言って・・・・・・

「わ、私、その・・・

「カイトだ」

「え?」

「オレの名前だ。お前はルイズだったか?」

「え、ええ、それより貴方記憶っ」

「詳しく話を聞かせてくれ、何がなんだかさっぱり分からん。」

「わ、分かったは、ここはトリステイン魔法学院で「それはもう聞いた」 うっ」

「い、今は使い魔召喚の儀式の最「それも聞いた」 そ、そうねだから・・・」

ルイズと名乗った少女は息を深く吸い込み
まるで一世一代のプロポーズを行うが如く目を見開いた

「アンタ、いえ。カイト!!」

「おう」

「一度しか言わないからよく聞いてなさいよ!」

「わかった。」


「カイト、アンタ私の使い魔になりなさい!!!」

「・・・・・・。」



なぜだろうか
記憶は無いハズなのにデジャブを感じる。


第2話 完




あとがき

うわー



[40017] 第2話
Name: mo-nn◆0c6d8911 ID:8a388b8d
Date: 2014/06/02 00:43
オレは今ルイズの部屋に居る。
この部屋の主で有る彼女は自分のベットに腰掛け此方を睨みつけてくる。
かれこれ一体どのくらい時間が過ぎ去って行ったのか。

一旦記憶を整理する。
目が覚めるとオレは知らない場所にいた。
記憶に多少の混乱が見られる中、オレは一人の少女に自分の使い魔になれと言われ・・・・・・



---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・---




「カイト、アンタ私の使い魔になりなさい!!!」

断られる事なんて、考えてもいないような。
涼しげな表情で、少女はそういった。


「・・・・・・・・・」

じっと少女の顔を見つめる。

「な、なによ」

どうしてだろうか、記憶は無いはずなのに。
オレはそれに懐かしさを覚える。

「黙ってないで何かいいなさいよ」

ふと、一瞬だが。
少女、ルイズの目線に不安が過ぎる。
だがそれは一時の事で直ぐに見えなくなった。

「・・・・・・」

「さーて、そろそろ帰るかー」

後ろを向き逃げようとする、が。
頭に強い衝撃が走りのけぞる。

「頭を叩くな」

「あ、ああああアンタがアホ丸出しにするからよ!」

「うるせー」

「とにかく、アンタは私の使い魔になるのよ、なりなさい!なるんだから!」

「そうか、お前の使い魔か」

「ええ」

「さよなら」

「踵を返すんじゃないわよ!」

「使い魔なんれお断りだ」

少し強めに言葉を返す。
しかしこの少女と会話をしていると何かがおかしい。
ああ、本当に。
何故オレはこんなくだらないやり取りに懐かしさを覚えてしまうのか。
以前のオレは高圧的な女に因縁でもふっかけられた事でもあるのか?

「そもそもなんでオレなんだよ」

「それはカイトが私に召喚されたからよ」

「召喚、だと?」

「そうよ、その調子だと何も知らないみたいね」

「生憎だが記憶がないんでな」

先ほどから頭の中を過ぎる光景のせいか。
オレはルイズが決して折れる事がないだろうと感じる。
そして思考を重ね、一つの結論を出す。
脳裏に浮かぶ一人の少女。
それはどこか寂しそうな表情をしている気がした。

「いいぜ、なってやるよお前の使い魔に」



---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・---



「こうしてオレは目の前に座るビッチに唇を奪われ・・・

「アンタさっきから何ブツブツ言ってるのよ。」

「キスの味を思い出してたんだ。」

「んなっ!?」

こういった事に耐性が無いのか、
途端ルイズの顔が真っ赤に染まり、ベットから立ち上がる。

「あ、ああああまりご主人様を怒らせるんじゃないわよ!なんなのよ!!アンタ!!!!」

「ただのしがない青少年だ」

「しがない青少年はそんな事言わない!」

はぁはぁ息を荒げながら大股開きで近づいてくる。

「とにかくアンタは私の使い魔なんだから!ちゃんと自分の事を説明しなさい!!!」

「記憶がないと言っただろ、脳味噌入ってんのかその頭に」

ぐわしと、頭を引っつかむ。

「何するのよ!」

「お前何歳なんだ?やたら小さいじゃねーか」

「ぐ、ぐぎぎぎぎ、人が気にしている所を・・・・・・!」

「やっぱ気にしているのか」

「いいからその手を離しなさい!!」

「胸も小さいしな」

「黙れ」

腕を振り上げ顎を殴られた。

「て、てめぇ・・・殴りやがったな・・・・・」

「アンタが人の話を聞かないからよ!それに平民が貴族にそんな口利いていいと思ってるの?」

「そんなもん関係ねーな、オレはオレの好きなように話し行動する」

記憶の失う前のオレは随分と勝手な男だったようだ。
スラスラと言葉が浮かんでくる。

「記憶がないみたいだから今は許すけど、せめて外ではちゃんとしなさいよね」

「オレは子供かなんかかよ」

「似たようなもんじゃないの。貴族も知らないようだし、信じられないわ」

「オレからしたら魔法の方が信じられんな」

「そういえばアンタ魔法が無い所から来たんだっけ」

ふと思い出したかのかルイズの口から言葉が漏れる。

「ああ、すべての記憶を失ったわけでは無いからな。少なくとも魔法なんて出鱈目な物は存在しなかった。」

「そう」

ルイズは何処か遠い目をし考える仕草を見せる。
そして考えがまとまったのか口を開いた。

「カイトは知らないと思うから言っておくけどね。平民は貴族には勝てないの、だから間違っても貴族に喧嘩を売るような真似だけはしないでね」

「はぁん」

「ちょっと、ちゃんと話を聞いているの?」

「大丈夫大丈夫」

本当かしらと、何処か納得のいってない表情で首を傾げ訝しげに此方を見つめる。

「まあいいわ。とりあえず使い魔の仕事言うけどアンタには主に洗濯、掃除。その他雑用をやってもらうわ」

「やだね」

「なんでよ!!!!!!!!!!」

「じゃあオレもう寝るわ。朝になったら起こしてくれ。」

「ちょっとアンタ何処に向かってるのよ。」

「そこに有るベット」

「それは私のベットでまだ話は終わってな、・・・・って入るな!!!」

息を荒げたルイズに引きずり出される。

「アンタの寝床はそこよソコ」

「あ?」

指された指先の先を目線で追う。
そこには申し訳程度に藁が引かれた寝床のような物があった。

「・・・・・・・・。おやすみ」

「だから私のベットに入るな!!」

「ああーもガタガタうるせーな」


「な、なななな何すんのよ」

地団駄を踏み抗議を行うルイズの首根っこつ掴みベットに投げ入れる。

「オレはここから半分使うからお前はここから半分な」

「ちょっとアンタのスペースが私より2倍くらいある・・・ってなんで私が平民のアンタとベットを共有しないといけないのよ!!!!」

いい加減面倒なので無視する事にした。

「ぐー・・・・・・」

「もう寝てるの!?」

・・・。

・・・。

・・・。


「あーもう!なんなのよこいつーーー!?!」



あとがき

あんまりシリアスな感じにしたくないし、あまり固い文章にはしたくないなぁ



[40017] 第3話
Name: mo-nn◆0c6d8911 ID:d30a7e1c
Date: 2014/06/02 18:40
次の日、早朝。

「体が痛い。」

昨夜は結局ベットから追い出されてしまったため。
結局床で寝る事になってしまった。
特に問題が無かったのでオレは何処ででも寝れる男なのだろう。

「そして眠い。」

環境が変わったせいなのかわからないが、浅い睡眠しか取る事が出来なかった。
立ち上がり、ベットに目を向ける。
そこには幸せそうな顔をし、涎を垂らして寝ているルイズの姿があった。

「おい、ルイズ起きろ。」

声を掛ける。が、反応は無い。
枕元に目を向けると杖が放り投げられてそのままなのか置いてある。

「・・・・・・。」

鼻の穴に入れてみた。

「んげっ」

何か気が抜けるような声を上げる。
だが起きない。

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・――――っ!?」

暫く観察を続けていると、突如凄まじい勢いで起き上がった。
鼻に刺さっていた杖は楕円を描きながら飛んでいく。

「え!?何!、何事よ!!」

首を左右に振り辺りを見渡している所でオレと目が合う。

「おうやっと起きたか。」

凄まじい眼力で此方を睨みつけてきた。

「カイト!アンタまた何かやったわね!」

「なんの話しだ。」

「よく分からないけどとても気分が悪いわ。」

「よく分かりもしないのに人を疑うのが貴族のする事なのか?」

「うっ」

バツが悪いのか顔を俯かせる。

「ごめんなさい。今のは私が悪かったわ」

「分かればいい。」



---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・---



アレから部屋を出てルイズと共に学食へ向かった。
途中赤髪の女と出会い会話を少したが特に何も無く食堂へ付いた。

「ここが食堂よ。使い魔は入れないのだけど一応人間だし取り計らっておいたわ。」

「一応ねぇ」

どうやらこの国では貴族と平民の間に高い壁が有るようだ。

「流石にここでは説明はいらないわよね?感謝して食べなさい」

既に席に付いたルイズはオレに興味を無くしたのか食事の前のお祈りを始めていた。
所がどこを見渡しても席は全て埋まっておりオレの座る場所がない。

「おいルイズ。」

ルイズに声を掛ける。

「何よ。」

祈りを邪魔されたのが不愉快なのかしかめっ面で此方を向いた。

「座る場所が見当たらないのだが?」

「んっ」

言葉にならない声を上げ、どこかに指を指している。
それを目線で追ってみると

「なあ。この床に置いてある犬の餌みたいなのがそうなのか?」

「そうよ」

「ブチ転がすぞお嬢さん」

少し強めに言葉を発する。

「何よ!アンタは使い魔なんだから文句言わないで食べなさい!」

しかし動じず。

「人間の食いもんじゃねーだろ」

「当たり前よ。もともと使い魔の為に容易してた物だし。嫌なら食べなければいいんだわ。」

「・・・・・・・・。」

ああ、そうかよ。
そっちがそのつもりならオレにも考えが有るぜ。
この場を離れ辺りを見渡す。

「おいソコのデブ。」

手始めに近くにいる太った男の肩に手を置き、声を掛ける。

「平民風情が僕に話しかけるな!」

手を振り上げ肩に掛けた手をはらわれる。

「おいおい、そう邪険にするな。良い話なんだから。」

「なんだよ。」

「お前ってデブだよな?」

「僕に喧嘩を売っているのか!!!デブじゃない!」

「話は最後まで聞け」

「ひぃぃ」

太った男の顎を掴み無理矢理こちらに目線を向ける。

「お前はデブだ。だから痩せなくてはならない。違うか?」

「平民には関係な――ひぎぃっ

何かを言いかけた所にビンタをし、黙らせる。

「そうだよな?」

「あ、アンタには―――ひゅぐっ、ぶひっ」

往復でビンタを叩き込む。

「そうだよな?」

「は、はいぃぃ」

「そうかそうか。そうだろうそうだろうな」

満足げに頷いてみせる。

「そこで提案だ。お前にはこの塩水をやるから今お前が食べている飯をオレによこせ。」

「ふ、ふざけるな!誰が―――っひ」

軽く手を上げて見せる。

「わ、わかった。わかったよぉ、だから叩かないで!」

「そうかそうか。契約成立だな。」

そしてニコリと微笑んでみせた。


---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------


「アンタ途中からどっか行ってたけど何してたの?」

「ちょっとな。良い事した後は気分がいいぜ。」

「?????」











――朝のちょっとした出来事――


ルイズ「この服を着せなさい!」

カイト「あい」

ルイズ「そう、それで良いわ・・・ってどこ触って、いや揉んでるのよ!!!!!!!!!!」

カイト「揉みごたえ無い胸だな」

ルイズ「――――!」



[40017] 第4話
Name: mo-nn◆0c6d8911 ID:d30a7e1c
Date: 2014/06/08 14:07
朝食を食べ終えたオレはルイズと共に午前の授業を受けるべく、教室に足を伸ばしていた。
教壇を中心に半円状に並ぶ机が並んでいる。
ルイズとオレは方を並ばせ教室に足を踏み入れると、何処からか嘲笑が聞こえてくる。

オレは立ち止まり、そいつらの顔を記憶するべく辺りを見渡す。

「・・・・・・。」

「ちょっとカイト、立ち止まってないで付いてきなさい。」

動きを止めたオレに気が付いたのか振り向きながら声を掛けてくる。
表情は以外と冷静だが内心イライラしているのだろう。
上唇がピクピクと痙攣している。

「ああ」

ルイズは一番後ろの列に座り教材の準備を始めだした。
オレは立ったまま壁にもたれかかる。

「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」

シュブルーズは微笑を浮かべながら周囲を見渡し、カイトと目線が合うとその笑みが若干引きつる。

「ごほんっ! えー、では皆さん。授業を始めます」

わざとらしい誤魔化すような咳払いをした後、シュブルーズは授業を開始した。

ハルキゲニアの世界、つまりこの世界は魔法使いが覇権を握った世界が有るらしい。
魔法には基本的に四系統魔法が有り、それぞれ自分に合った系統魔法が存在する。
無論訓練次第で他の系統も使えるようになるようだが。
その他に口語魔法、これは基本的に魔法使いならば誰でも使える。
そして伝説の虚無、精霊や魔獣・エルフが用いる先住魔法の四種が存在する。

異世界の授業は今のカイトにとって、興味深い話だった。
今回の授業内容はシュブルーズが担当する授業は土系統。
その中では基本的な物に入る錬金だ

シュブルーズは懐から小さな石を取り出しそれを真鍮へと錬金してみせた。

「・・・・・・」

杖の動き、そして詠唱されている記憶を直ぐに頭に叩き込む。
覚えておいて損は無いからな。

そして授業は進み。


「それでは実際に錬金を試みてもらいましょう」

そう言い、シュブルーズは何人かの生徒を指名し、錬金をさせた。
成功した者も失敗した者もいたが、前者の方が数が多い。

「では後にミス・ヴァリエール!」

「は、はい!」

 指名されたルイズが慌てて立ち上がると、教室が騒然となった。

「先生、彼女に魔法を使わせるのは危険です」

危険、何故だ?
一通り錬金を観察していたが、そこまで危険な物とは思えないが。
だからこそ手始めとしてシュブルーズも数多くの魔法から錬金を選んだのだろう。

「なぜですか?」

そしてそれはシュブールズとしても当然の疑問の用で首を傾げる。

「……ミセス・シュヴルーズは、ルイズを教えるのは初めてですよね?」

「ええ、そうですよ。ですが彼女のことは知っています。座学はとても優秀と聞いていますよ。」

その言葉にキュルケは言葉を失う。

「どうですか? ミス・ヴァリエール?」

「……やります。やらせてください!」

「いい返事です。」

 ルイズが教壇に近づき、ゆっくりと杖を掲げる。

「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」

「わかりました」

いつになく真剣な表情でルイズが頷く。周りの生徒も万が一に備えて身構えていた。

「・・・・・・。」

「ルイズやめて」

「キュルケ、うるさい」

ルイズが呪文を詠唱を初める。
オレはそれをルイズの挙動を何一つ見逃さない用に目を凝らす。
何故か他の生徒は机の下に隠れていた。何してんだこいつら。
見た所何処にも問題は無かった。
完璧な詠唱。
シュブルーズも同意見なのか満足そうに頷いて見せている。
しかしソレが仇となった。

突然石が光り輝きだしたと思った刹那。
机ごと石ころは爆発した。
閃光が辺りを埋め尽くし。
次の瞬間には爆風がカイトを襲っていた。


---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・---


その後の教室は地獄だった
炎が辺りを舞い、驚いた使い魔が暴れだし。
悲鳴、嘆き。そして共食い。

「だから言ったのよ!あいつにやらせるなって!」

「殺せ!!!」

「俺のラッキーが蛇に食われたあああああ!!」

シュブルーズは倒れ、痙攣を繰り返している。
近くで倒れたいたルイズは起き上がり、埃をハンカチで拭く。


「ちょっと、失敗みたいね」


「「「「「「「「「 !!? 」」」」」」」」」


「ちょっと失敗ってレベルじゃないだろ!ゼロのルイズ!」

「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないか!」

成程な、だからゼロのルイズ、か
それから程なくして、ルイズは目頭に涙を貯め、教室を飛び出した。


オレは少し時間を置き、ルイズを探しに行った。



---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・------・・・・・・・・・---

ルイズは学園の敷地内に居た。
壁にもたれ、座り込んでいる。

「なにふてくされてんだ。」

「っ・・・なにしに来たのよ。」

「やれやれ」

オレはルイズの隣に腰を下ろす。

「勝手に座るんじゃないわよ。」

「オレの勝手だ」

「そうね。」

感情を必死に押し殺しているような声でそう言った。
よく見ると震えている。

「アンタも私を馬鹿にしに来たんでしょ?」

「ああ?何が言いたい。」

「教室で皆言ってたわ、始めて魔法を成功させたと思ったらまた爆発だって」

「・・・・・・。」

「自分の使い魔、平民にも見捨てられて可哀想だって」

「はぁん」

「っ・・・アンタ、アンタなんか召喚するんじゃなかったわよ!」

ルイズは振り向いて言い放った。その眼には薄らと涙が浮かんでいた。

「言いたいことはそれだけか?」

オレは顔色を変えずにそう言う。
するとルイズは顔を落とし、急に大人しくなる。

「ごめん、ゴメンなさい。私・・・カイトの記憶を消しちゃったのに」

「気にするな、それに」

「それに?」

「オレはあの魔法が失敗だとは思わない。」

「え?」

途端顔を上げ、此方を見る。

「ばかにしてるの?」

いいや、と首を振る。

「オレは魔法の事はよく分からないが、普通魔法は失敗したら爆発するのか?」

「いいえ、私だけよ。私が魔法を唱えるといつも爆発しちゃうの」

「そうだろうな」

魔法を長時間観察できたのは今日が初めてだが。
失敗魔法を唱えて爆発を起こしていた者をオレは見た事が無い。
普通ならば失敗魔法を唱えた結果は"何も起こらない"、なのだろう。

「魔法を唱えて爆発するのはお前だけだ。」

「慰めているつもりなの?」

「違う。ただオレはあの爆発には驚異を感じた。」

「驚異?」

「ああ」

ルイズ自身が失敗だと思っていたあの爆発
それをコントロールすることが出来たなら、ルイズは相当強くなるだろう。

「私にはカイトが何を言っているのか分からないわ。失敗魔法は失敗魔法よ。」

「そうか」

カイトはこの事を自分の口から伝えるつもりは無かった。
これ自分で気がつかなければならない事だからだ。

立ち上がり拭くに付いた草を払う。
ルイズは何も言わずただ此方を眺めている。

「じゃあな。オレは部屋に戻ってるぜ?」

「ええ。私はもう少しここで考えているわ」

「そうか。」

オレはルイズに背を向け、ここから立ち去ることにした。


---・・・・・・・・・------・・・・・・・・・---


オレはルイズの傍から離れ、適当に辺りを歩いていた。
ルイズには部屋に戻ると伝えてはいたが、どうもそんな気分になれなかったからだ。
少し考えたい事もあるしな。


「・・・・・・・・。」


あとがき

未だ前哨戦。
そこまで長いストーリーにするつもりは有りません。
ある程度キリが良い所まで進めたら、個別エンドとか作ってあそびたい。

カイトは明るくなければ寝れないのではとコメントを頂きました
その部分は悩んだのですが、記憶を失っているので浅い睡眠くらいは取れるだろうと考えた結論です。


次話「諸君! 決闘だ!」





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