―――『インタビュー』―――
嫌な上司がいたんですよ。
ソイツは、ハゲでデブで、何かとセクハラしてくるはっきり言って嫌なヤツでした。
そのうえ新人をいびるのが趣味で毎年来る新人は殆ど残りませんし、古参である私達も辟易してたの。
そんな時、あの子がやってきたのよ。 そう、ユーノ君。
彼が来てから、それまでの暗い空気が嘘のように…、こほっ、こほっ、
とにかく、私達は彼を大切にしたのよ。 久しぶりの新人で、かわいい男の子だったから、大切にしないわけg…、
こほっ、こほっ、ん、ん。 とにかく、あのクソオヤジはそれが気に入らなかったみたいでね?
ある日、ユーノ君にこう言ったの。
「君、ちょっと無限書庫に行って資料を受け取ってきてくれない? 昨日頼んどいたから、受付に聞けば渡してくれるよ」
ええ、そうなの、あのクソオヤジ、『資料請求して三ヶ月後に資料が届く』ことで有名な無限書庫にユーノ君をお使いに行かせたの。
私達はすぐにわかったわよ、ああ、またいつもの嫌がらせが始まったって…
でも、ユーノ君はその日のうちに資料を持ってきちゃったの。 不思議でしょ?
あのクソオヤジすっごく驚いてね、で、味をしめたのか、その日から資料請求を全部ユーノ君に任せちゃったの。
私達ユーノ君に言ったのよ、「あんなやつの言うことなんて」って、そしたら…なんていったと思う?
「あの人は出世したいみたいですから、さっさと出てってもらいましょう?」
もう、ね、すっごくかっこよくってね、私もう…
・・・
「え? 資料はまだ出来上がっていない?」
「はい。 その資料の請求は確かにありましたが… なにぶん、こんな感じですので…」
そう言って私が顔を横に向けると、彼もつられて同じ方を向きました。
そこには忙しそうに飛び回る人、人、人…
「すごく、忙しいんですね…」
「はい、ですので、資料が集まるのは三ヶ月は待ちとなります。」
「! あー、これがあの人達の言っていた新人潰しってやつか…」
「はい?」
「いえ、なんでもありませ… あ!」
「?」
「ウチの上司が頼んだ資料、僕が探してもいいですかね?」
「え? ええ、それはかまいませんが… 大変ですよ?」
「とにかく、1回やらせてくれませんか? 無理なら帰りますから…」
「はい、それではこちらへ…」
そんな感じで彼は無限書庫に入って… 本当に、すごかったんですよ…
私達がやる時の倍以上の速度で資料が… 私、感動しちゃいました。
それで、三ヶ月待ちの資料を3時間で集めちゃって…
「資料、全部みつかりました。では、僕はこれで」
って何事も無かったみたいに… その日以来、あの部署からは資料請求じゃなくて彼が来るようになったんです。
え? 無限書庫の利用許可証? ええ、渡しましたよ? え? ああ、ちゃんと正規の手続きをしてますよ。
知ってます? あの空港火災で彼が人命救助活動できたのは、無限書庫で結界魔法の資料を集めて研究してたからなんですよ?
・・・
「ああ? ユーノのやつがどんなやつかって?
あいつはなかなか… いや、かなりすごいやつだぜ?」
「そうです! ユーノさんはすっごいんです!!」
「あいつオリジナルの結界魔法な、俺達の部隊が全員でかかってやっと壊せるんだ。」
「すっごいんですよ! あの空港火災の時、ずがががーん!!って壊れる壁をどがーーんってシールドで!!」
「すまん、こいつユーノのことになるとあつくなっちまってな、話は後にしてくれねぇか?」
「それで、ユーノさんの結界魔法がこうばああああんっt」
「おい、スバル! おめぇももういい年なんだからそんな話かt
・・・
暗い部屋に、ドゥーエから届いた映像が流れる。
「これが、ユーノ・スクライアについての?」
「…はい。」
沈黙が痛い…
「? どうしました?」
「最後に出てきたあれは… タイプゼロ…?」
「タイプゼロ?」
「ふむ、少し調べてみるか…」
暗い部屋に1人、残される…
思い出されるのは、空港火災の時…
彼の使った結界魔法は凄まじく、予想された被害を半分に抑えた…
「空港火災に現れた英雄、結界魔導師ユーノ・スクライア…
あの結界魔法は… 絶対に私達の邪魔になる…」
・・・
①ユーノが所属していた部署の事務員
俗に言うショタコン
②無限書庫の受付
人手不足で『受付もしている』が正解。本当は司書
③ナカジマ父娘
スバルはゲンヤの部署で事務員をしている。
「うちの事務もまともにできないやつがユーノと同じ部署で働けるわけがねぇだろ?」と言われて騙されている。
④スカさん側
空港火災で頑張ったことから目を付けられた。
これによりナカジマ姉妹がスカさんに目を付けられた。
090725/初投稿
090815/誤字脱字など修正