―――『全てはあなたのために』―――
「まだ目覚めないのか?」
「ええ… 蒐集で少しはましになったけど…」
生体ポッドで眠り続ける子供がいる…
「目が覚めたら、こいつも私達を…」
「ヴィータ… それ以上は言うな」
4人の視線は自分達の主に向けられる。
「…行きましょう。 今の私達にはそれしかできない。」
「シャマル! でも!」
「気持ちはわかるが仕方あるまい…」
「でもよぅ…」
「主が目覚めれば、あの男の頼みを聞かなくて済むようになる…」
「ああ… この前の… 子供を攫ってくるような…」
「シグナム…」
「…行きましょう?」
「ああ… さっさと目覚めさせて、ここから出よう」
彼らは知らない…
主が目覚めた時に全てが終わることを…
・・・
「旦那? 目が覚めた?」
「ああ、もう大丈夫だ。」
「あ、駄目だよ。 もう少し休まなきゃ!」
「しかし…」
「…」
「…すまん」
暫くすると、寝息が聞こえてきた
「旦那…」
心地良い風が、木々を揺らす。
空には無数の星と大きな月。
「
少し強く吹いた風が、言葉を攫った。
・・・
ザン!!
「がっ! ぁ」
ドゥーエの体が少し震え、止まる。
「レジアス…」
「う… ぁ…」
ドゥーエの不意打ちで負傷したレジアスは、もう何も話せない。
「…シグナム、アギトを頼む。」
「旦那!?」
「お前はどうする?」
「コレを公表する」
デバイスを握る… その中には今回の事件の詳細な…
・・・
「シグナム!」
「! シャマルか、ユーノ・スクライアは…」
その言葉にうつむくシャマル
「そうか… やつ等が計画に邪魔だと言う結界魔法、手に入れたのだな。」
「ええ…」
「シャマル、嘆くのは後だ… 今は、主のためにできる限りの蒐集を!」
「ええ、わかってる…」
・・・
世界が震える…
「なんだ…これは!?」
ゼストによって公表された事実に?
「きゃあっ!」
「キャロ! つかまって!」
管理局の艦が次々と落ちていくことに?
「ルールーも! しっかりつかまるんだ!!」
「ヴォルテール! 私達を守って!」
「白天王、おねがい…」
聖王のゆりかごが地上を攻撃していることに?
「すごい魔力を感じる…」
「! エリオ君! あれは!?」
「あれ? !! 成長してるみたいだけど、間違いない! あれはっ!」
そのいずれも違う。
「「「闇の書の主!!!」」」
世界が震えるのは、世界を滅ぼす力が目覚めたからだった!
・・・
「2つの月の魔力を受ける前に…」
闇の書の暴走により、2つの月が…
「月が… 砕けた…」
ゆりかごを制御するクアットロにとって… いや、誰にとってもそれは予想外であった。
「あれが目覚めることなんて… 絶対ありえn…」
ゆりかごとミッドチルダはその周辺世界ごと…
・・・
①闇の書の主と守護騎士達
「闇の書に魔力を奪われすぎて意識不明になった」と言われ、主を助けるために蒐集を開始している。
実際はスカさんが弄りすぎたから。
生体ポッドから出すことができないので、渋々スカさんたちの『頼み』を聞いている。エリオとキャロを攫ったり…
②ゼストとアギト
ルーテシアがいないのはエリオとキャロと3人行動しているから
③レジアス死亡→ゼストが知りうる全てを公表
シグナムと戦う理由が無い
④ユーノを殺すついでに蒐集
シャマルがその役を買って出た。
主が目覚めても、スカさん達に利用されるだけだと考え付いたら蒐集しとくでしょう。
⑤エリオ&キャロ&ルーテシア
エリオとキャロは洗脳済みであるが、この程度である。
⑥闇の書の主が目覚めないはず?
管制人格が勝手に動いている。主は何も考えることができない。
守護騎士が出た時に、「闇の書が起動してから研究したらよかった」とはスカさん談。
Q1闇の書のことを『調べる』ことができなかったのは何故か?
A1ユーノが無限書庫に入り浸っていて資料集めできなかった。
だから管制人格が勝手に動くことまで調べることができなかった。
Q2闇の書そのものを弄らなかったのは?
A2考えられる理由は3つ
1.闇の書は危険なロストロギアである。リスクが高すぎると判断。
2.スカさんはデバイスに興味がなかった。興味があったらアギトを弄っているはずである。
3.弄るだけ弄ったが管制人格に気付く前に飽きたり他の仕事が入ったりした。
090726/初投稿
090815/誤字脱字など修正