―――『母への想い』―――
『正義の魔法少女フェイトちゃん』
新聞の一面に、私の大きな写真付きでそう書いてあった。
「アルフ、恥ずかしいから、それ片付けてよ。」
「いいじゃないか? この写真、白黒だけど、結構かわいく写ってるよ?」
「だから、そういうのが恥ずかしいんだって…」
アルフから新聞を取り上げたとき、私ではない女の子が小さく載っていることに気付いた。
「あれ? この子…」
「ああ、フェイトが助けた子だよ。あの翠屋…近所のお菓子売ってる店の子だったみたいだね。」
「高町なのはっていうんだ…」
なのはの写真の横には「もう一度会えたら御礼を言いたいです。」と書かれていた。
・・・
数日後、海鳴市近海の海上
「なんだい、お前は!!」
黒いバリアジャケットの男が私が苦労の末に海から取り出した6個のジュエルシードを奪った。
「僕は時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。 ロストロギア、ジュエルシードの回収に来た。」
「「!?」」
「君達が持っている残り15個のジュエルシードも回収させてもらう」
「な、なんで私達が15個もっているって…」
「ジュエルシードの発掘責任者が地球に一度来て、君達が回収しているのを確認した、と連絡をくれたんだよ。」
魔力切れでアルフに支えられている私に手を差し出し
「さぁ、抵抗せずに渡してくれ。ジュエルシードは危険なものらしいからな…」
偉そうに言葉を続ける局員。
「アルフ!」
「ああ!」
アルフが、万が一のためにと残していた魔力で、私達は逃げ出した。
・・・
「母さんの! 邪魔をするなぁあああ!!」
「君は利用されているだけだと! 何度も言ったぁああ!」
ざしゅ
鈍い音が、黒服局員の左腕を奪ったことを教えてくれる。
「さ、殺傷設定だとっ!」
「私は、あなたを殺してでも母さんのことを守る! 守ってみせる!!」
「くぅっ」
『ふっ… ふふふ』
「母さん!?」
『フェイト… h』
そこから先を、私は覚えていない。
・・・
「この人が?」
「そうだ、君と同じ、作られた存在だ。」
生体ポッドの中で眠るのは一人の女性だった。
「彼女には、数日前にジュエルシードという魔力の塊のような物を埋め込んだ。」
「魔力の塊を埋め込む? レリックのような?」
「ん、似たようなものだ。 目覚めれば… 最低でも魔力ランクSS+に届くだろう。」
「…それで、僕を連れてきたのは?」
「なあに、君にも同じ処置をしようと思ってね」
「わかりました。」
女性の… フェイトの隣の生体ポッドが音も無く開き…
・・・
「《まだ改良余地ある拘束魔法》」
「はぁっ!」
ばぎぃぃぃん!
「くっ、なら、《三重拘束結界》」
《プラズマスマッシャー》
ざしゅっ!
《サンダースマッシャー》
「くそっ! 《二重強化盾》」
ドンッ! バリィィィン!
変態マッドめ… 何をしたら魔力がこんなに馬鹿みたいにっ!
「がぁっ!」
地面に叩きつけられる
「母さんが望んでるんだ…」
「プレシアさんはすでに死んでるよ… ぐっ!」
腹を踏まれる… 何度も、何度も…
「母さんを守るんだ! 母さんが望んでるんだ! 母さんが! 母さんがぁああああ!!」
空には、おそらくゆりかごからの…
「ヴィヴィオ… すまない…」
光が…
・・・
①なのはの写真
フェイトに助けられた後、病院で取材を受けた。
②クロノとの2度の戦闘
一度目は撤退、二度目は殺傷設定。 しかし途中、プレシアに捨てられて、そのショックで動けない時にクロノの攻撃を…
③フェイトの隣の生体ポッドに入ったのは
エリオ スカリエッティの言うことに逆らえないように処置済み
④ユーノVSフェイト
フェイトは捨て駒。 スカさん側にはSSSエリオくんがいる。
○二回目はスカさん側の完全勝利で終わっている。
●ぼつねた
ミッドチルダを崩壊させた後、クアットロはヴィヴィオの傍に来ていた。スカリエッティが来るからである。
「聖王様、お父上が来ましたわ」
クアットロは、ヴィヴィオに『スカリエッティが父親』だと思うように処置してあったのだ。
「ヴィヴィオ、パパだよ!」
計画が上手くいったからか、スカリエッティは上機嫌であり、ふざけた態度でヴィヴィオに近づいた。
「…ぅ」
「?」
「聖王様?」
ヴィヴィオの様子がおかしい、本当ならスカリエッティに親愛の情をみせるべきなのに…
「ちがう」
「おや? クアットロ?」
「すいません、なにか間違えたのかm」
ドン!
ヴィヴィオから放出された強大な魔力がクアットロや、スカリエッティ、その場にいた他のナンバーズを壁に叩きつける。
「ちがう、ちがう、ちがうちがうちがう!」
放出される魔力の圧力はさらに強くなっていく
「ぐぅ… あ… ぅ」
1人、また1人と、押し潰されていくのに耐えられなくなっていくスカリエッティ一味
「な、なぜ? …あ、なたのお父、上で、すよ?」
何故こうなったのか、何がまずかったのか、何か間違ったのか… 思考を止めずにクアットロがそう訊ねる…
「ちがう! こいつは私のパパじゃない!」
「なぜ、そう、思、われる、ので、す? この、人は、確、かに、あ、なt」
さらに強まる魔力の圧力
「ちがう、私のパパは、もっと… もっとモフモフだぁああ!!!」
モフモフ? モフモフとは何だ?
クアットロの優秀な頭脳がその答えを出す前に、ゆりかご内部に生きているものはヴィヴィオだけとなった…
・・・
○暗い話を書いていると、気が付いたら書き上げていたんだ。
090728/初投稿
090815/誤字脱字など修正