―――『天使に知って欲しいこと』―――
《守護騎士達は、もうすぐ666頁を蒐集し終わるようだな…》
彼女は、この時をずっと待っていた。
「きゃあ!」
「シャマル!?」
シャマルの手から闇の書が離れて、
「闇の書が、浮いている? 今までピクリともしなかったのに…」
「蒐集の効果がでたのか?」
宙に浮き、光りを放つ
「どうしたのだ? む! これは…」
「何があった? って、なんだ? 闇の書が?」
徐々に強くなった光が、空間を歪め
「あ、あれは…」
「主…?」
「闇の書が、主を強制転移したのか?
「いったい、何が始まるっt! なんだこれ!? 体が!!」
強制転移に使用した分と、書を完成させる分の魔力を守護騎士を蒐集する事で賄う。
・・・
守護騎士を蒐集し終え、主と融合した我は『聖王のゆりかご』を葬り去るため、まず2つの月を砕いた。
「《我はずっと見ていた。 見ていることしかできなかった。》」
両親と離れ離れになったあなたが、管理局の施設に預けられた時も
「《我は、我が動くことで、あなたにより酷いことがなされる可能性があったため、何もできなかった。》」
泣くことしかできないあなたが、ジェイル・スカリエッティの下に送られた時も
「《我は、我が動くことで、あなたにより酷いことがなされる可能性があったため、何もできなかった。》」
あなたが、ジェイル・スカリエッティに体を弄られていた時も
「《我は、我が動くことで、あなたにより酷いことがなされる可能性があったため、何もできなかった。》」
「《我はいつも、我が動くことで起こる、起こりうる様々な可能性のために…》」
砕けた月が、大地に落ちる。 ゆりかごが、月の破片と共に堕ちる。
「《世界は、滅ぶ… 我が、滅ぼす…》」
そんな心の無い我が、心の無いアナタに願う
「《アンジェラ》」
天使と名付けられるほど、あなたは愛されていた、せめてそれだけは――――――
・・・
①守護騎士を蒐集
効率の問題もあるが、守護騎士に『主が決して目覚めない』ことを知らせたくなかったというのもある。
②闇の書はずっと見ていた。
だから、スカさんの計画を知っていた。
ソノイチノニで管制人格が2つの月を砕いたのは何故だ?という疑問を持った人への答えでもある。
③そのさんでヴィヴィオは保護したんじゃ?
ソノイチノニでシグナムたちがエリオたちを攫ったように、ヴィヴィオを攫っている。ユーノは気づいていないが。
④アンジェラ
闇の書の主の名前 作者オリジナルキャラ。 天使の名前にしようと思っていたが、わかりやすさでこれに。
考えることもできず、ただ闇の書に魔力を送るためだけに生かされていた。
090730/初投稿
090815/誤字脱字など修正