―――『新しい家族』―――
キャロ
「私がパパと初めて出会った時、パパはフェレットモードでした。」
本局の保護施設に保護されて、暫くしてからでした。
「ヴォルテールを召喚してみてくれないかな?」
あの日、魔法の練習をするために練習場に着いた時、職員さんの1人にそう言われたんです。
「でも、私、制御が…」
色々言ったけど、結局断れなくて召喚することになったんです。
ヴォルテールは大きいから、いつも使っている場所より広い練習場に移動して、そこにパパが居たんです。
最初はなんでこんなところにこんな子がって思ったんですけど、
「はじめまして、ユーノ・スクライアです。」
って、二本足で立っておじぎしたので、職員さんの使い魔さんなのかなって…
そして、私は職員さんに言われたとおりにヴォルテールを召喚したけど、やっぱり制御に失敗しちゃって…
でも、パパはすぐに『六重動物保護用拘束魔法』でヴォルテールを寝かせちゃったんです。
「ふむ、完全勝利だね。」
パパは腰に手を当てて、寝ているヴォルテールの頭の上でそう言いました。
私がびっくりしていると、いつの間にか私の前に来ていたパパは、『ぼん』って人型になって
「それじゃあ、キャロさん?」
「は、はい!」
私は小動物が突然人間になったのと、ヴォルテールが負けたことで気が動転していて、
「今日から君の保護者になったから、よろしく!」
「… え?」
なにがなんだかわからないうちに、翌日にはパパが保護者になっていました。
・・・
エリオ
「僕の場合ですか?」
僕はあの頃、色々あったせいで荒れていたんですけど、ある日、あの映像を見る事になったんです。
最初はただの教育プログラムの一環で一般教養とかだと思ったんですけど…
『ふむ、完全勝利だね。』
はい、1匹のフェレットが巨大な竜に完勝する… 今キャロが話したときの映像でした。
それを見終わった後で、パパが来たんです。 フェレットモードで…
「僕が君に勝てば、僕は君の保護者になる。 僕が君に負けたらおとなしく帰る。」
そんなことを言ってユーノさんは、何か格闘技の構え(?)をしました。
僕は負けました。 というより、フェレットモードのパパを殴れる奴は人間じゃないです。
そうして、なにか、納得のいかないまま、僕はパパの子供になりました。
でも、いつの間にか、パパの事が大好きになってて…
・・・
ナカジマ家
泣き疲れて眠る2人を寝室へ運んだ後、ゲンヤは溜息をつく。
「お父さん。」
「スバルか…」
「私、頑張るよ… 頑張って、ユーノさんの分まで人を助ける!」
そう言って自分の部屋へ入る娘の、その目が腫れていた事で、堪えていた悲しみが溢れ出す。
「…ばかやろう」
・・・
①キャロ
別にヴォルテールを抑えることができなくても保護者にはなれた。
それでもあえてヴォルテールに挑んだのは、キャロに暴走しても大丈夫だと思わせるため。
フェレットモードなのは少しでも魔力を抑えるためである。 原作を参照してください。
フェレットモードには他にも有利な点が他にもある。
シールドは人間状態だと直径2mくらい必要なのにフェレットなら直径50cmくらいですむ。 その面積の分だけ魔力の消費が抑えられる。
小さいので小回りが利くというのも言うまでも無い。 そして何よりかわいい。
『六重動物保護用拘束魔法』という名前だが、実際は『対ヴォルテール専用拘束魔法』である。
②エリオ
先に『フェレットVSヴォルテール』を見ていたので、『恐怖心』も持っていた。
③三回目の時には?
大人には『空港火災に現れた英雄』というネームバリューを最大限生かし、2人にはフェレットモードでかわいさをアピール。
③何故ナカジマ家?
ユーノが子供を引き取ると聞いて、後見人に名乗りを上げた。 空港火災で娘を助けてくれたお礼のつもりだった。
ユーノは、三回目に保護できたのはナカジマ家の存在が大きいと判断し、五回目も頼む事にした。
五回目では、ユーノが死んだ後2人を引き取った。
090801/初投稿
090803/①に加筆
090816/誤字脱字など修正