―――『休日』―――
ミッドチルダ 遊園地
「さて、それじゃあ… クロノ達はあっちだっけ?」
ユーノは遊園地のイベント会場の方を指差した。 地図は一度見て覚えている。
「ああ、ヒーローショーに行く。カレルとリエラに激しい乗り物はまだ無理だからな。」
クロノは笑いながらそう言った。 久しぶりに子供達といられるので嬉しいのだ。
「そうだね… それじゃあ、ヒーローショーが終わる迄に激しいのは乗り終えておくよ。」
今日のアルフは大人フォームである。「子供が多いんだから保護者も多いほうがいいだろう?」ということらしい。
「ああ、わかった。」
「じゃ、後でね」
「「またねー」」
クロノ夫妻はその子供達と一緒にヒーローショーの会場に向かった。
「エリオくんとキャロさんはジェットコースターだね?」
「はい、すごく速くて人気だって聞いて、一度乗ってみたかったんです。」
「私は少し怖いけど… フリードリヒに乗れるなら大丈夫って聞いたので…」
「体が固定されるから感じは違うけど… 確かに大丈夫だろうね。」
フェイトはこの2人なら問題ないと判断した。
「エリオ君とキャロちゃんは私達が見ているから、3人はゆっくりな乗り物に行くといいわ。」
「ヴィヴィオは激しいのに乗れる身長じゃないからね」
そう言うと、リンディとアルフはエリオとキャロを連れてジェットコースターに向かった。
残されたユーノとフェイトとヴィヴィオの3人はリンディの提案に従って乗り物を選んでいった。
ユーノは前回の経験から、自分の休日とフェイトの休日が重なる時は、こうやって会ったり、遊びに行ったりすることにしていた。
もちろん、最初の頃はほぼ毎日会うようにしていたが、リンディの養子に入り、精神が安定したと思えてきてからは少しずつ会う日を減らしていた。
今日はユーノとフェイトだけでなくクロノの休日も重なったのでハラオウン一家+ユーノ&ヴィヴィオで遊園地に来たのだ。
お昼ご飯を食べ終えた頃に集合の連絡があり、全員が集合した。
「2人とも、ヒーローショーはかっこよかったかい?」
「「お父さんのほうがかっこよかったー」」
「…」
「…」
「クロノ、何したの?」
「いや、2人が攫われそうになってな…」
「…演出だろ?」
「つい体が…」
集合時、以外な事にキャロよりもエリオのほうが調子を崩していた。が、地球で言うメリーゴーランドやお化け屋敷、ミラーハウス等の様な物を巡ったので途中から調子を戻し、元気に走り回っていた。
「エリオ君は体が固定されると駄目な人だったんだね」
「そうみたいです… 僕だけなら絶叫マシンよりも速く動けるのに… 不思議です。」
夕方になり、久しぶりにクロノと遊べて嬉しかったのか、カレルとリエラははしゃぎ疲れて眠ってしまい、エリオやキャロ、ヴィヴィオも疲れ(というか眠気?)を見せ始めたので帰ることになった。
しかし…
・・・
「綺麗だね…」
「うん」
リンディ&エイミィの企みで、ユーノとフェイトは観覧車に乗る事になった。
「ユーノ」
「ん?」
窓から見える景色を見ていたはずのフェイトが、真剣な目でユーノを見ていた
「私は、もう大丈夫だよ?」
「!」
「本当にもう大丈夫だから… もし… もし同情で私のところに来ているんなら…」
2人の間に少しの時間が流れる
「フェイト」
「なに?」
「同情が無いと言えば嘘になる。」
「! ぅ、うん」
涙目になるフェイト
「でも、同情じゃない部分もある。」
「!」
「だけど、フェイトが嫌だと言うなら、もう関わらないようにするよ?」
「い、嫌なんかじゃない!」
「嫌じゃ、ないから…」
・・・
①ミッドチルダにハラオウン一家が?
PT事件は即解決しているし、闇の書事件も起きていないので地球に住む必要も理由も無い。
エリオとキャロはフェイトに保護された後ハラオウン一家に入っている。
②クロノ一家チーム→クロノ&エイミィ&カレル&リエラ
絶叫マシンチーム→リンディ&アルフ&エリオ&キャロ
のんびりまったり→ユーノ&フェイト&ヴィヴィオ
総勢11人、最初書いたものは誰が何話しているのか作者でもわからなくなった。
③<「でも、同情じゃない部分もある。」>
理由があるとはいえ、フェイトから母親を奪った、そして、それを隠している罪悪感。 …それと+α。
090802/初投稿
090816/誤字脱字など修正