―――『彼が遺したモノ』―――
XV級艦船「クラウディア」 クロノ・ハラオウンの部屋
クロノは驚愕していた。
時空管理局地上本部が謎の集団から攻撃を受けたとの知らせを受け、出動の準備をしている時に、レイジングハートが目の前に転移してきたのだ。
《クロノさん、マスターからの遺言です。》
クロノは、敵の魔力はジュエルシードをその体に埋め込んだことが原因であるという情報と、
「『僕の自慢の封印魔法』… ユーノのやつ…」
この事件を解決する切り札を手に入れた。
・・・
管理局極秘地下施設 臨時作戦会議室
「構成が凄すぎて、バルディッシュの補助無しじゃ絶対発動できない」
クロノからの極秘通信により、フェイトや他の管理局の生き残りはユーノからの情報を得る事ができた。
「そうね、ユーノ君の発想は素晴らしいわ… 頭が痛くなるくらい。
…生物の体内にあるジュエルシードを封印なんて、一体何を考えていたのかしら?」
リンディがユーノを褒め(?)る。
「このメンバーでこの魔法を使えるのはリンディ総務統括官とフェイト執務官だけですが…」
「私はこの『三重高硬度拘束結界』担当になるから、実質フェイトだけね」
リンディは他の局員達と作戦を練っていた。
「他の管理世界や聖王教会にも連絡を取れました! 作戦の援護を約束してくれました!」
その報告により、その場に居た全員が安堵の表情を浮かべる。
あらゆる作戦の基本は『各個撃破』である。
敵はSSSの魔力を垂れ流しているのでその位置を知るのは容易い。
群れからはぐれた、または味方の攻撃で飛び出させたところを、『三重高硬度拘束結界』で拘束し、『僕の自慢の封印魔法』でジュエルシードを封印、捕縛する。
「相手の魔力は大きいものの、構成があまり練られていないようですし…」
「ええ、計測できたデータから、敵がこの拘束から抜け出すには5秒はかかる… 3秒あればジュエルシードを封印できます。」
「もっとも、ジュエルシードを封印できても、相手は戦闘機人、なんらかの特殊能力がある可能性は高いわ。 注意は怠らないで。」
リンディのその言葉に皆が頷く
「キャロとエリオがフリードリヒに乗ってクロノからの通信を受けられなかった部署にデバイスを運んでる。
他の足の速い局員も頑張ってる。 …敵が固まっていることは面倒ですが、こういう方法での連絡ができるのは不幸中の幸いでした。」
・・・
大勢の局員の前でフェイトが大声で叫ぶ
「高所から攻撃する事で、敵の砲撃を地上から空に向けさせ、被害を抑えます!
それに、無駄に力を使わせれば相手は弱っていきます! 焦る必要はありません!
確保するのも、確実に1人ずつです! 無理はしません! 私達が負ける事はありえません!!
私達の手で、この事件を終わらせます!!!」
「「「「「「「「「「「「「「「おおおおーーー!!」」」」」」」」」」」」」」」
「ユーノの仇は、必ず私が…」
その呟きは誰にも聞こえず、そして誰も応えてくれなかったけれど…
・・・
①XV級艦船「クラウディア」へのレイジングハートを転送
普通ならこんなことは不可能である。 爆弾とか転送されたら死んじゃうし…
双子が大怪我や急病などをした時にそなえてユーノが色々していた。 結界魔導師として呼ばれたときとかに
何故クロノに転送したかというと、地上にいる知人はすでに死んでいる可能性があるから。
②時空管理局地上本部が攻撃される? それに管理局極秘地下施設って?
ユーノが結界魔導師としての用事で来ていた。地下施設は地球でいう核シェルターの様な物だと思ってください。
実は、ユーノが『ゆりかご』を消滅させるところは『監視カメラのようなもの』で撮られていた。 貴重な物の管理はしっかりするよね…
スカさんはユーノが見つけたジュエルシードで復讐する事にしたのです。 ジュエルシード21個全てを確保した上で…
③デバイスを運んでいる?
『僕の自慢の封印魔法』が入っている。 インテリジェントなので数は少ない。
レイジングハートは『補助』を主にしているのでその構成は完全なものではなく、フェイトクラスの魔力のある魔導師が『無理やり』使用する形となる。
構成がユーノが使う完全なものなら、魔力の低い魔導師でもデバイス有りで使えたかもしれないが、SSS戦闘機人との戦闘の前線に出れるかというと…
④結果は?
死亡者や負傷者等の人的被害はもちろん、その他も確認するのが嫌になるほどの被害が出た。 歴史に残る大惨事である。
ゼストは体を壊していたのが原因で、局が何もしてなくても二週間で死亡。 その際アギトと融合解除している。
アギトもその小さな体はジュエルシードの魔力に耐えられず、ゼストとの融合が解けて二日後に停止している(修復不可能)。
ルーテシアはその魔力で無尽蔵の召喚をしていたが、クロノによる大気圏外からの攻撃で消滅した。
攻撃してくる局員の動きを知るために、その隠れ場所を失くすために巨大なクレーターを作り、その中心にいたことが死亡フラグだった。
ナンバーズを捕獲するのに三ヶ月かかった。 全員が事件発生から半年前後で死亡。 その殆どが『子供』だった…
そう、肝心のスカさんは見つからず、ナンバーズの『古株』と共に逃亡中である。
090803/初投稿
090816/誤字脱字など修正
100328/誤字修正