―――『相棒』―――
ミッドチルダ 某所に向かう車内
《私は、あなたがわからない。》
あなたは私を目覚めさせた。
母を亡くしたフェイトさんを慰め、はやてさんとその家族を救いました。
融合型デバイス、リインフォースⅡを生み出す手伝いをしました。
私の性能を100%使用する事もできるのに、私の人格を優先してそうしませんでした。
JS事件で一番活躍したのもあなたと私だった。
《ユーノ…》
私に残っていた、あなたが組み上げた魔法で、ヴィヴィオは体内のレリックを封印し、無事取り出すことができました。
あの子はあなたに会いたがっていた。
あの子だけじゃなく、フェイトさんやはやてさん、ハラオウン一家にナカジマ一家、他にも多くの人が、あなたに…
《あなたはいつ、どうやって、『虚数空間結界』を生み出したのでしょう?》
私は、いつもあなたと一緒だったはずなのに…
・・・
ミッドチルダ 某所 見晴らしのいい丘
「レイジングハート、本当にこれでええの?」
「…ねぇ、考え直さない? 私と、ううん、私じゃなくてもいいから…」
《すいませんが、決めたことですから。》
はやてさんとフェイトさんが何度も同じ事を聞いてくるけれど、私の思いは変わらない。
《2人の協力で、ヴィヴィオの体内のレリックコアも封印して取り出せました。 きっと、ユーノの最後の願いはそれだけだから…》
「レイジングハート…」
「ぅぅぅ」
《泣かないでください。 私は、私の役目を終えただけです。》
JS事件から数ヵ月後、ユーノ・スクライアの相棒、レイジングハートは彼の墓に入り、その機能を完全に停止した。
・・・
①レイジングハート
自分の人格を気にして改造しなかった事がユーノの死に繋がったと考え、せめて『相棒』として『同じ場所』にいようと思った。
『虚数空間結界』の構成を洩らさないようにするためでもある。
『ソノゴノニ』で管理局が壊れたレイジングハートを修理、データ復旧しようとしているのも…
②ユーノの墓
ユーノがスクライア一族に帰るつもりがないことを知っていたレイジングハートが頼んだ。
090806/初投稿