その日、フェレットは光った!
「『一般人気絶魔法』!」
一般人気絶魔法とは、魔法が普及していない管理外世界などで一般人に魔法を見られた時に使う緊急事態時用魔法なのだ!
・・・
八神家
「ぅ、ぅうん」
なのはが目を覚ますと、目の前にユーノの顔があった。
「ふぇ! あ」
慌てて起き上がろうとするなのはの頭をユーノが優しく押さえた。
「急に起き上がっちゃ駄目だよ?」
「は、はい! …て、あれ? ここは? それにフェレット…」
「フェレット?」
「はい、喋るフェレッt… あ…」
優しく頭を撫でられて、静かになるなのは… そして、ソファーに横になってユーノに膝枕されている事に気づいた。
「なのはさん、君はこの家に来た途端、貧血で倒れたんだよ?」
「え? 倒れた? 貧血で?」
「そうだよ? ね、アルフさん?」
「ああ、玄関に入った途端、がくってね? 本当にびっくりしたよ。」
ザフィーラに抱きついているアルフがユーノの声に応えた。
「ほらね? たぶん大丈夫だと思うけど、もし明日以降気分が悪くなったりしたら病院に行くんだよ?」
「はい、わかりました。」
「それじゃ、ゆっくり起き上がって…」
ユーノは自分の魔法で気絶させたので、膝枕をして様子を見ていたのだ。
ちなみに、貧血の時に膝枕は手当てとして普通しない。気になる人は自分で調べよう!
席に着くなのはとユーノ
「ほな、もう一度乾杯しよか!」
なのはが目覚めるまで正座していたはやてが音頭をとる。
はやてとフェイトの2人は、なのはが来る事を誰にも言ってなかったことで説教を受けていたのだ。
フェレットユーノだけでなく、人型のザフィーラを見られてもその時点でアウトなわけだし…
ちなみに、何故ユーノがフェレットになっていたのかと言うと、子供達からのリクエストに応えたからである。
パーティーが再開する。
・・・
カレルとリエラの双子と遊ぶヴィヴィオ
ヴィータはエリオやキャロと体を動かすTVゲームで勝負している。
子供達の様子を見ながらリンディとエイミィはシグナムやシャマルと雑談をする。
アルフはザフィーラに肉を「あーん」と食べさせている。
はやては主催者としてお菓子や飲み物をそれぞれに配り、フェイトはその手伝いを始めた。
ユーノは、皆が楽しそうにしている中で、先ほどまでフェイトと話をしていたなのはが静かな事に気付いた。
「なのはさん、どうしたの? 楽しくない? それとも気分が悪い?」
「いえ! そんなことはないんです。 ただ、いいなぁって」
「いいなぁ?」
こくん、と頷くなのは
「わんちゃんの怪我が治ったお祝いをこんなに盛大にするのって… みんな、ザフィーラちゃんの事が本当にが好きなんだなぁって。」
確かに、犬の快気祝いでここまでするのは珍しいかな?と思うユーノ… !何かを思いつく
「くすくすくす」
「何か、お、おかしかったですか?」
「ん~ん、そんなことないよ?」
そういって、彼はヴィヴィオ達の方に声をかける
「ヴィヴィオー! ザフィーラのこと好きかーい?」
すると、
「好きーーー!」
元気いっぱいの答えが返ってきた。 続けて、
「カレルとリエラはー?」
双子にも聞くと
「「すきーーー!」」
こちらもまた元気な返事が返ってくる。 すると、
「僕も好きですよー」
「私も好きですー」
「ザフィーラは家族だからな!」
エリオ、キャロ、ヴィータが続き、
「あら、私もザフィーラのことは好きよ?」
「私も私も!」
「大事な家族だからな」
「ええ、私も好きですよ?」
リンディ、エイミィ、シグナム、シャマル、
「うちも大好きやー!」
「私も好きだよ」
はやてとフェイトも続けて答えた。
「僕も、ザフィーラは好きだし… なのはさんも好きですよね?」
「え、は、はい!」
なのはは笑顔でそう答え、
「私なんか、好きどころか愛してるよーー」
ザフィーラに抱きついて離さないアルフがそう締めた。
パーティー会場である八神家が笑顔と笑い声で溢れる。
「(なんだ? これは? 何かの罠か?)」
ザフィーラは混乱している。
090806/初投稿