海鳴 八神家から高町家へ向かうタクシーの中
はやてやフェイトと違って有給が取れなかったユーノは、転送ポートに近い海鳴のビジネスホテルを予約してあり、その近くに高町家があるので、なのはを送る事になった。
「パーティーは楽しかった?」
「は、はい、とっても!」
緊張ぎみに返事をするなのは そして…
「ユ、ユーノさん?」
「なんだい?」
「こ、この前… その…」
なのはは、この前の『顔を見に来た』発言の真意を聞こうとした。
「この前?」
「はい、この前、わ、私に」
「?」
「か、顔を」
「!」
ユーノは、なのはが何を聞こうとしているのか察したが…
(この前、面白い子だと思ったけど… ここまでとは…)
何気に酷いユーノであった。
・・・
八神家
ハラオウン一家は八神家にお泊りすることになった。 …子供達が寝てしまい、そういうことになったのである。
「そういえば、なのはちゃんは今頃上手くやれてるやろか?」
「『あなたの顔を見に来たんですよ。』だもんね?」
「あら、何の話?」
「なんだか、面白そうですね?」
後片付けをしているはやてとフェイトの会話にリンディとシャマルが入ってきた。
「あんな? ユーノ君がこの前…
一日が終わろうとしていた…
・・・
再び、ユーノとなのは
ユーノはこれまでの事を考えていた。
ヴィヴィオを娘にした事がある。
キャロさんとエリオくんを育てた事もある。
3人まとめて育てた事がある。
クロノさんをクロノと呼び捨てにしていた事もある。
ゲンヤさんと子育てについて語り合った事もある。
スバルさんに告白された事もある。
フェイトさんをフェイトと呼び捨てにして、いい感じになりそうだった事すらある。
それが、今はどうだろう?
キャロさんとエリオくんは原作どおりフェイトさんが保護している。
ヴィヴィオもフェイトさんの保護に入っている。
ゲンヤさんと子育てについて語り合っていない。
クロノさんを呼び捨てにしていない。
スバルさんもギンガさんも機動六課で元気にやっている。
フェイトさんやはやてさんは原作よりもずっと幸せかもしれない。
ユーノ・スクライアは1人だ。 仲間はいるが、1人だ。
原作のユーノ・スクライアも、仲間はいても、1人だった気がする。
…世界とは、そんなものなのかもしれn
《(マスター、そろそろなのはさんのお宅に着きますよ?)》
「(レイジングハート… ああ、そうだったね)」
《(マスター?)》
「(…僕には、君がいる。)」
「ふふ」
「え? どうしました?」
ユーノの小さな笑い声に、なのはが首をかしげる。
「いや、喋るフェレットはよかったなって」
「ぇ? あ! そ、そんなこと思い出さないでください!」
笑いの理由をごまかしながら… ふと、あることを思いついた。
「なのはさんは、フェレット好きなの?」
「だから、その話h」
「好きなの?」
「ぇ、ぅ、えと、好きか嫌いかなら… 好きです」
なのはのその答えに、ユーノは続けて質問する。
「その好きは… 抱きついて首を絞めたり、しっぽをモフモフしすぎたり… 腕を間接と逆に曲げようとしたり… ジャイアントスイングで投げ飛ばしたりするような好きかい?」
「そ、そんな事しませんよ!」
「ヴィヴィオはしたよ?」
「子供と一緒にしないでください!」
「あはは、そうだね、ごめん」
謝りながら、なのはの頭を撫でる。 完全に子供扱いである。
「う~、子供扱い~…」
「頭を撫でられるのは嫌かい?」
「い、嫌じゃないですけど…」
顔を赤くするなのはをかわいいと思うユーノ
「高町なのはさん」
「はい?」
「僕の名前はユーノ・スクライアです。」
「は、はい 知ってますけd」
なのはの頭から手を離し、その手をなのはの前に出す
「あらためて… 僕と、友達になってくれませんか?」
その突然の行動に戸惑いながらも、「これがアルフさんの言う『不思議』なのかも…」と思うなのは
「…はい」
なのはがユーノの手を取り、それが握手となり、互いに微笑み合う。
「「これからよろしくおねがいします。」」
その後の短い話 了
090808/初投稿
090818/誤字脱字など修正