●空港火災までにした方が良いこと
①無限書庫で働いて、インテリジェントデバイスをナカジマ姉妹用、キャロさんとエリオくん用の4つ買えるようにしましょう。
・ナカジマ姉妹が敵にならず、むしろ敵の戦闘機人を減らす事ができる…可能性があります。
・エリオくんはガリューを拘束できます。 キャロさんはルーテシアさんを拘束できます。
②対物理系の結界や盾を構成しておくとより多くの人命を救うことができます。
・壊れていく空港で、壁や柱の代わりにすることで被害者の避難行動とレスキューの救命行動をスムーズにできます。
③構成を解析して結界魔法や拘束魔法、封印魔法を強化しましょう。
・自分自身の強化でもありますが、①で購入したインテリジェントデバイスにインストールするためにも必要です。
④魔力量の増加トレーニングをしましょう。 デバイスにベルカのカートリッジシステムを付けるのもいいでしょう。
・説明するまでも無く自分自身の強化です。 幻術魔法とフェレットモードを組み合わせるのもいいでしょう。
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例えば、今年100件の犯罪が起こっていることがわかっているとする。
犯罪者が1人1件の罪を犯しているなら、100人を捕まえれば検挙率は100%になる。 が、1人10件なら10人捕まえるだけで検挙率は100%になる。
そして、今年ではなくそれ以前に罪を犯した者を捕まえた場合、検挙率は今年の数字に加わるので、そういう場合『今年の検挙率』が100%を超えることもある。
なので、検挙率が35%増加するということも、過去に検挙できなかった犯罪者を捕まえる事ができれば一応可能ではある。 長続きはしないだろうが…
まぁ、複数犯とか誰にも知られていない犯罪があった場合とか、いろいろあるのだけれども…
要するに、ミッドには何年も捕まらずに数百、数千件もの罪を犯している者、またはグループが多いのだろう。
そう、オーバーSランクの魔導師が犯人だった場合は、言うまでもなく捕まえる事は至難の業だ。
あ、空を飛べない局員は多いので、空を飛べるというだけでも逃亡の成功率は上がるのか…
とにかく、彼らを捕まえる事ができれば犯罪発生率が20%減るというのも理解できる。
アインへリアルというのは、そういう凶悪な犯罪魔導師を問答無用で撃ち落す兵器なのだろう。
「まぁ、ゆりかご浮上の邪魔になるから、スカリエッティ達に壊されるわけだけど…」
無限書庫で新聞記事に呟きながら、僕は、僕が僕であるために必要な資料を探し続ける…
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空港火災現場にて
ガシャン!
カートリッジを使用し魔力が増強される。
「とあるフェレットの憂鬱」
対物理や耐熱に優れたシールドや結界で、柱や壁のあった場所に結界を張って天井を支える。
ガシャン!
「とあるフェレットの憂鬱」
自力で脱出できない要救助者達を集めて結界で覆い、救助隊が来るまで持つように言う。
途中、外からはやてやフェイトの魔力を感じたので念話で状況を説明する。
彼女達から救助隊に連絡が行くだろうから、これで僕が発見した人達は助かる。
ガシャン!
『とあるフェレットの憂鬱』
ナカジマ姉妹を保護した時点で残りカートリッジが無くなる。
カートリッジシステムが無かったら魔力切れで倒れていたかもしれない…
後日、ナカジマ親子から命の恩人扱いされた。
確かに彼女達が助かった事は嬉しいのだが、助ける事ができたのは『製作者』のおかげなのだ…
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無限書庫
「達成感が無い。」
無限書庫で司書長として様々な世界の過去の偉人達が遺した資料を読むと、その思いは強くなる。
PT事件の時、プレシアの攻撃を防いだり、拘束したりした時には感じた。
けれど、それはユーノ・スクライアという人間のスペックとあの魔法があればこそだと気付いたら虚しくなった。
闇の諸事件の時、僕にできたのは『知っていること』を『無限書庫で調べた』ように振舞うことだった。
はやてとヴォルケンリッターに感謝されたが、その感謝は『ユーノ・スクライア』と『製作者』にしているのであって『僕』にではないと思った。
あの時、僕に選べる選択肢は1つだけだった。
『製作者』の助言どおりに事を進め、被害を少なくしながら多くの人を救う。
何度も繰り返していながら、何も出来ずに死ぬだけだった僕にとって、それはまさに天啓だった。
だが、今の僕には苦痛だ。
誰かに褒められると、誰かに感謝されると、僕の心は傷ついていく。
『とあるフェレットの憂鬱』
これを解析して構成した魔法に別の名前を付けないのは、僕なりの『けじめ』なのだ。
『ユーノ・スクライアが使う事に特化された魔法』
これを超える何かを生み出せない限り、僕の虚無感はなくならない。 達成感を感じない!
だから、僕は資料を集める。
何が出来るかわからない。 何も出来ないかもしれない。
それでも何かを探し続ける。
『製作者』を超えるべく、僕にできる何かを…
「意地があんだよ、男の子にはな!」
・・・
ナカジマ家
感謝の言葉を聞きたくなくて、今まで避けてきたが…
「これが約束していた物だよ。」
スバルとギンガに蒼いインテリジェントデバイスを渡す。
2人の安全を考えると避けるわけにはいかない重要なイベントなのだ。
「本当に貰っても良いんですか?」
「インテリジェントって、高いんでしょう?」
「気にしないでいいよ。
あ、それは防御とバインドに特化した魔法を入れてあるから持っているだけでいいし、2人の持っているデバイスと変に干渉することも無いようにしてあるから。」
2人のデバイスは母の形見だから無茶できなかった。
変な干渉を防ぐのなら両方を調整したほうが楽だとマイスター達も言っていたんだけど…
「防御とバインドですか?」
「そうだよ。 僕は攻撃魔法が苦手なんだ。」
「それじゃあ、防御とバインドはこちらに任せて空いた分に他の魔法を入れたほうがいいんでしょうか?」
ブリッツキャリバーを触りながらギンガが聞いてくる。 スバルも答えを待っている。
今まで、インテリジェントデバイスは『対ナンバーズ用の道具』としか考えていなかったが、2つのデバイスを使用することになる2人には結構重要なことらしい。
「…自動的にシールドを張ったりしてくれる分にはインテリジェントのほうがいいと思うけど、自分で張るときには『どちらに慣れているか』によるんじゃないかな?」
「どちらに慣れているか?」
「ブリッツキャリバーよりもそっちでシールド張るほうが早いなら防御を任せても良いんじゃないかなってこと。」
「なるほど… 今度比べてみます。」
「そうするといいよ」
しかし、複数のデバイスを持って、それぞれに攻撃や防御などを担当させるっていうのは、有りかもしれない…
「インテリジェント、カートリッジ、攻防の担当…」
「ユーノさん?」
「アインへリアルに使われているシステムによっては…」
「アインヘ?」
『製作者』を超えることができるかもしれない
「ありがとう、ギンガ」
「え?」
「君のおかげで、可能性が見えてきた!」
「ギン姉のおかげ?」
「僕は調べたい事ができたから、悪いけど帰るね! ゲンヤさんによろしく言っておいて!」
「あ、ユーノさん!?」
「まって!」
僕は駆け足で無限書庫へ向かった。
・・・
①検挙率とアインへリアル
作者独自設定なので違っていても起こらないで下さい。
アインへリアルがどういったものなら検挙率を上げる事が出来るのか考えたらこの考えになった。
壁を通り抜けたり転移したりで空き巣し放題。
風のように速く動ければ置き引きや引ったくりも簡単。
誘拐や殺人などの凶悪犯罪も容易にできる… 軽犯罪を重ねるほうがリスクが少ないだろうけど。
魔導師が犯罪に走ったら魔法を使えない人はもちろん、使える人でも捕まえるのって難しいよねぇ…
②達成感が無い
肉体と魔法、どちらかが自分の努力によって得られたものだったら感じる事ができたかもしれない。
③マイスター達
技術開発室の人達。 無限書庫の司書達も彼らに業務補佐用のデバイスを作ってもらっている。
④ナカジマ姉妹
父も交えて4人でのディナーがお流れになった。 可哀想に…
090820/初投稿