前回までのあらすじ
固定砲台でググれ「OHANASHI聞かせて?」
俺「今度、うちの猫が子猫生むんだ・・・・・・『にゃんぎらす』って名前も考えたんだ。」
ハローミッド。グッバイリアル。
凡人に憑依してシグナムに殴られたりしながらなんとか生きてます。オリ主です。
毎回言われていることですが、なのはさん撃墜時の映像とか何の意図があって撮ったりしたんだろうね?
後々にドキュメンタリーでも制作する気だったのかしら管理局。
けど、無印の映像はどうやって入手したんだろ?特にユーノとの出会いシーンとか。
・・・・・・。
もしかしてなのはさんそっくりさんな子役を探してきたりしたのかな?
やべぇ、そうだったら凄く会いてぇ!
というわけでお説教が終わったらこっそり酢飯に聞きに行きました。
「ああ、あれ?
よく出来てたでしょー。自信作なんだ!」
そう大きな胸を張る眼鏡。
なんと驚くことにあの映像はこのおっぱいが自主制作した3Dなんだと言う!
魔法すげぇ!おっぱいもすげぇ!
そんなソフトあるのか?!
なんでも給料三か月分ぐらいしたらしいが、MAD職人としていいソフトが出るとついつい衝動的に購入してしまうらしい。
才能の壮大な無駄遣いを見た!野生のネ申発見!
つーかうp主かよ!
「盗撮淑女P」という投稿者名を引き出して、必ずマイリスに入れると約束した。
なんだかこっちの世界でもやっていける気がしてきたなぁ。
◆
さて、例えばさ。
学校の掃除でトイレ担当になったときとかさ。
皆嫌がるけど、仕方なく女子トイレに入らないといけない事態になったときとか凄くドキドキしなかったか?
俺はした。
とってもした。
個室の中には誰もいないって判ってるのに、ああいつも皆がここに裸の尻をおしつけて、あまつさえ(検閲が入りました)してるんだなぁと思うとなんだかとってもいけないことをしてる気がするの。
まあ何が言いたいかというと。俺@女子トイレ!
プライバシーのかけらもない機動六課では安心して一人になれる個室がここだけだったという話なのだ。
高まる鼓動をゆっくりと沈め、今後の方針について重大なことを決めないといけない。
それは「ティアナに俺が憑依していることを機動六課のメンバーに教えるかどうか」だ。
まずはメリットから行こう。
一番大きなものに、戦闘に参加しなくてもよくなるだろうことだ。いくらオリ主だって言っても、素人を戦場に出す危険性は理解しているだろう。
そして第二に、カリム涙目な原作知識。これさえあればJS事件なんか起こりようがないよね?さっさとスカさん達拘束すれば危険は安全だ。
デメリットはティアナの重要性が増して色々な方面に狙われる危険性が出てくることだな。機動六課関連以外に知られたらどうなるか判らない魔法世界。
それこそ人体実験とか怖いこと一杯やってて人権どこって感じだ。
そして、危険はないが不自由な生活を強いられることも確実だ。
んで、カミングアウトするにしても問題点はある。
どうやったら信じてもらえるか?
今の俺を見て、病院が来い状態だと判断される可能性のほうが高そうなんだよなぁ。大魔王ナーノ様から受けたショックのせいで錯乱してると思われるかもしれない。
う~~~~~~~~~~~ん。
とりあえず、様子を見るか。
結局結論は現状維持という方向に決まった。
下手に動くと怪我しかねないもんな。
こうやって凡人は機を逃すという天の声が聞こえてきそうだが、気にしないでおこう。
凡人は凡人たるからこそ凡人なのだ。
ふと、ここが女子トイレであることを思い出す。
・・・・・・。
そ、そうだな。
トイレに入って用も足さずに出るって言うのもおかしいもんな。
別に尿意とか無いけど、なんかあるような気がしてきたし、我慢は身体に毒だからな!
理論武装は完了!
だ、だから、その過程で色んなモノが見えたとしても仕方のないことなのだ!!
パンツとその下のショーツに手を掛ける。
それではオリ主っ!いきま~~~~~~っす!!!
ズボッ
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!!」
◆
――キャロ 部隊長室
ここにいるのは八神隊長、フェイトさん、なのはさん。
そしてその中心でヒックヒックと泣き疲れた様子のティアナさん。
先ほどシャワーを浴びたので髪が濡れている。
服装もいつもの格好じゃなく、バスローブ姿だ。
「それで、ティアナは自分はティアナじゃないって主張するんやな?」
「ヴぁい、ぞーでず。」
優しく語り掛ける部隊長。
ティアナさんは小さな鼻がかった声でそう返した。
その返答に三人は戸惑った顔を見合わせます。
今まで私も短い間でしたがティアナさんと一緒に生活してきました。けれど、こんな小さな子どものようなティアナさんは想像できません。
だから、ティアナさん――いえティアナさんの中の人が言ってる事は本当なのかなと思ってしまいます。
「うーーーーーん・・・・・・・・・。
私も不思議な出来事にはぎょうさん出会ってきたけど、こんなことは初めてや。
なのは隊長やフェイト隊長はどう思うん?」
「・・・私は・・・ティアナが嘘をついてるようには見えない・・・かな?」
「フェイト隊長はどーや?」
「・・・・・・同じ・・・意見かな。」
「そうかー・・・・・・」
沈黙が続きます。
皆さん色々な可能性を考えているのでしょう。
ティアナさんの鼻を啜る音だけが部屋に響きます。
「・・・・・・そういえば、どうしてキャロはティアナの様子がおかしいって判ったのかな?
そのときの事を話してくれる?」
フェイトさんが行き詰った思考を一旦脇に置きました。
「あ、はい。
えーとですねぇ・・・・・・」
あのとき私はちょうどトイレに入ったときでした。
奥の個室から大きな叫び声がしたんです。
それで何事かと思うと、ズボンを下げたティアナさんが扉から飛び出してきて倒れました。
ティアナさんは錯乱した様子で個室の中を指差していました。
そこにあったのは・・・その・・・・・・真っ赤に染まったおトイレだったんです。
「・・・・・・つまり、突然始まった生理出血に驚いたってこと?」
コクン。
うつむいたままティアナさんが頷きます。
えーと・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
その後、ティアナさんを宥めてシャワーに連れて行きまして、おトイレを水洗いしました。
ティアナさんが落ち着いてから色々と聞いてるうちに、これは少しおかしいかなと思って。
生理用品について尋ねても要領を得ませんでしたので、お呼び出ししたんです。
「・・・・・・ごんなぢいざな子に世話を掛げでじまっで、悲じいやら情げないやらで・・・・・・ヒック・・・・・・」
「あっ、そんな気にしないでください!
私も最初は凄く戸惑ったんですから大丈夫ですよ!」
ワーっと泣き伏せるティアナさんを慰めます。
心細い時は頭をなでなでされると落ち着くんですよ。
なんだかこうしていると本当にティアナさんとは別人なんだなと感じます。
「そうなん?」
「うん、キャロはちょっと早かったからね。
夜中に始まってちょっとした騒動になったかな。」
「ワーーーッ?!
フェイトさん言わないでって約束したのにっ!」
「・・・あ、ごめんねキャロ!ごめんなさい。」
あうあうあ~~~
あのときのことは赤面モノなんですよー。
フェイトさんに悪気はないって判ってるし、必死で頭を下げるフェイトさん。
もう、そんなにされると私が悪いみたいじゃないですか・・・・・・。
「・・・・・・えっとそれでどうしようか・・・・・・?」
「おっとそやった。
う~~~~~ん、とりあえずカリムと連絡取ってみるわ。
ちょい冗談と切り捨てるには真実味が迫うてるし、ティアナ?が言うてることが事実なら、レリック事件解決に大きな力になるからな。」
コクンと頷き合う隊長陣。
もしかしたら私は大きな歴史の分水領を見ているのかもしれないです。
ティアナさんの頭を撫でながらそう思いました。
◆
――民報クラナガン放送局
こんばんわ。
最初のニュースは、先日法官吏による不法行為の容疑で逮捕されレジアス=ゲイズ元地上本部総司令に関する続報です。
戦闘機人計画など非人道的な計画に深く関わったとされる容疑者は、ジェイル=スカリエッティを名乗る広域次元犯罪者と何らかの取引があったと取調べを受けています。
今日の午前十時過ぎ、ジェイル=スカリエッティのアジトと思われる××地区森林に捜査員が突入し、研究施設とその過程で建造された戦闘機人の一部を取り押さえたということです。
部隊の指揮を取った捜査官の発表によると、研究施設の中には人造魔導師の研究プラントやガジェットと呼ばれる自律兵器。そして、先史時代の古代ベルカの遺産と思われる巨大ロストロギアも発見されたとのことです。
当時の現職地上本部最高責任者であったゲイズ中将の逮捕から早二週間。
捜査の過程で次々と明るみに出る真事実ですが、事件の全貌は未だ見えず市民たちからは不安の声が上がっております。
今後も新たな事実が入り次第お伝えしていきたいと思います。
それでは次のニュースです。
クラナガン市立動物園でカルガモの赤ちゃんが生まれました。
訪れた親子連れの子どもたちは大喜びで・・・・・・
◆
――カリム 聖王教会執務室
家族向けの心温まる話題に変わったところで私はモニターを切った。
ティアナ=ランスター・・・・・・いいえ、彼のもたらした情報によって予言の大きな山場を越える事は出来ました。
最初は半信半疑ではありましたが、一般の職員では知らない秘密を突き付けられ、未来を予言されては信じるほかありませんでした。
最初の出会いから何度も協議をかさね、事実と照らし合わせやっとここまで来られたのです。
彼は先ほどまでここで百八回目の協議と事実確認を行い、今頃はシャッハに送られている事でしょう。
今の彼は教会及でも管理局でも最重要の機密です。
当然その住居もベルカ自治領のどこかとしかされておらず、詳しい位置を知る者は私を含めほんのわずかです。
不自由な生活を強いていることは自覚しておりますが、それが彼を護るためであり、次元世界を護るためでもあります。
彼も情報と引き換えに要求した、安全と自由な生活の両立の困難さは理解しておられるのか、不満は有るものも妥協してくれているようです。
ただいくつか頭を悩ます事例もあります。
それは彼のレアスキル・・・・・・いえ、境遇から来る未来の知識です。私自身は彼の能力の限界をよく理解しましたので気にしてはいないのですが、教会の幹部の中には私以上の能力だと思い彼を危惧している勢力があるのです。
私の予言に群がろうとしてきた人間にとって彼は脅威なのでしょうね。今は協力関係にありますが、いつか袂を分かち私の「お客様」を奪うのではないかとご心配な方々なのです。
彼をよく観察すればそのような人物ではないと判るはずですのにね。
いい意味でも悪い意味でも。
そう感慨に耽っていると緊急通信が入りました。
なんでしょうこんな時間に?
「挨拶は控えさせていただきます。
・・・・・・・・・そしてお気を確かに持ってお聞き願います!」
な、なんでしょう。
何やら物々しいですね。
「先ほど官舎で腐臭騒ぎが起こりました。
職員の一室が厳重に施錠されており、騎士たちが力づくで解放したところその一室には職員の遺体が・・・・・・。
自らのデバイスで喉を突いて即死、おそらく自殺だと思われ遺書も見つかっております。」
なんですって!
どうして今まで判らなかったのですか?
後から振り返ると、この段階ではまだ冷静で居られたのだと思う。
「申し訳ありません。
ですが、事はそれ以上に急だと判断します
どうか・・・・・・
どうか・・・・・・冷静にお聞き願います。」
これ以上悪い事実が待っていると言うのでしょうか?
見れば職員も必死に冷静さを保とうとしているのがわかった。
私は深呼吸を一つとして、自分が落ち着いたことを確認してから続きを促した。
「・・・遺体は、騎士・・・・・・シャッハ。
騎士、シャッハ=ヌエラ・・・・・・です。」
手元に置いていた紅茶のカップが膝の上に落ちた。
ああこれじゃ染みになってしまいますね。
いえ、そのまえに火傷の心配が先でしょうか?
変ですね、こんなに熱いのに「熱さ」を感じませんよ?
「・・・・・・遺書には、【我が主、騎士カリムの名誉と尊厳を不当に奪ったティアナ=ランスターへの抗議として・・・・・・
・・・・・・?!
騎士カリム!
帰ってきてください!あなたには我々を導く義務がある!!」
「・・・・・・っ!
大丈夫です。
・・・・・・しかし、シャッハはつい先ほどまでこの部屋にいたのです!
彼女はそのような理由で死ぬことなど無いですし、そんな時間もありません!
ここから官舎までは早くても四十分はかかります。いくらシャッハでも物理的に無理です!!!」
やはり、どこか信じたくないという気持ちが強かったのでしょうね。
ですが、やはり現実は過酷でした。
「・・・・・・映像をお送りします。
ご自分の目でお確かめください・・・・・・。」
それは凄惨極まる画でした。
白い肌は黒ずみ、眼窩は崩れ落ち、蟲が穴という穴で蠢き・・・
けれど、それは確かにシャッハでした。
喉から吐瀉物がせり上がり、机の上に広がります。
「騎士シャッハの死亡推定時は・・・・・・遺体の状態から、少なくとも七日以上前と推測されます・・・・・・っ!」
顔を背け報告する部下の声がえずく私の耳に何故だか静かに届きます。
けど、それなら・・・・・・私とつい先ほどまで彼を交えて談笑したシャッハは誰だと言うのですか?!
次の日、ベルカ自治領の山中でティアナ=ランスターが【発見】された。
END④「禍福」
おまけ
「パパー明日のお遊戯会絶対来てねー」
「ああ勿論だとも!それでお前は何をやるんだ?」
「えへへ、騎士シャッハの役なんだよ♪」
「『亡霊騎士』か・・・。すごいな、主役じゃないか!」
「うん、悪い魔女をやっつけるよ!」
『ベルカの亡霊騎士』・・・・・・それは死してなお忠義を尽くした騎士の生き様を示した美談となり、後世に永く語り継がれていく・・・・・・。
あとがき
展開予想されてもそれを踏み抜く。それが漢執筆!
コメント返し出来ておらずに申し訳ありません。