前回までのあらすじ
エースオブエース?「フフフフフフ‥ ははははははなのっ!」
俺「何を笑ってるンだ!?」
エースオブエース?「あなたの負けなの。いま確認してみたがティアナの精神は絶望の引力に引かれて消える。オリ主の頑張り過ぎなの!」
俺「ふざけるな! たかが凡人一人、キモオタが引き出してやる!」
エースオブエース?「バカなことはやめるの!」
俺「やってみなければ分からん!」
エースオブエース?「正気なの!?」
俺「都築ほど急ぎすぎもしなければ、三期に絶望もしちゃいない!」
エースオブエース?「Forceの連載は始まっているの!」
俺「オリ主の名は伊達じゃない!!」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・無理でした。orz
凡人に憑依してもう二週間です。
生き残るために魔法を習う傍ら、ティアナ嬢復活の為に奔走しております。
――やあマイケル、どうしたんだい?そんな暗い顔をして?
――ああボブか。ちょっと聞いてくれよ、どうやらうちのワイフが浮気をしてるようなんだ・・・。
――なんだって!日本人の美人妻だと自慢していたのに。
――しかも相手は弟のようなんだ。ああ、もうどうしたらいいか・・・。
――OH~~~、なんてことだいマイケル。同情するよ。
しかし、どうやって君は奥さんが浮気してるって知ったんだい?
――・・・簡単なことさ。
日本人並の僕のウィンナーじゃ、ワイフのポリウレタンな処女膜は突き破れないからさ!
――ダッチワイフ(オランダ妻)なのに日本製とはこれいかに。
――やっぱり奥さんは日本人に限るよ♪
我侭は言わないし、オリエンタルだし。ただ、男は立ててくれるのにアッチは自分で勃起てないといけないのが難点だね♪
A-HAHAHAHAHAHAHAHA!!(ここで観客の笑い声)
「・・・・・・・・・。」
とっておきのネタを披露と出したのに、ティアナ嬢は無反応だった。
あるぇー?
飲み会でこのネタするとドッカンドッカンなのになぁ・・・。
さて、今日もやってきました精神世界。
一体何をしているかと申しますと、ティアナ嬢の反応を引き出そうとしています。
こっちの声が聞こえてるかどうかもはっきりしない現状では、まず外の意識を向けてもらわないとならないわけですよ。
以前は、タッチ(性的な意味で)とかしてたわけですが・・・・・・セクハラとかで訴えられたくないの。後から思い出して血の気が引いたよ、ほんと。
え?憑依オリ主だから別に問題ないだろって?
いやいやいやいや、お前らよく考えてみろよ!
もし、こんな状態でえろいことしてることがばれたら頭冷やされるんだぞ?
ティアナに俺の行動は包み隠さず丸裸と思われるのにそんな恐ろしいことができますかってんだ!
そこ、チキンとか言うな!
というわけで、某聖人を誘惑する悪魔さんから発想をもらって、笑いを取りに行く作戦を実行しています。
正直成果は芳しくないが、今はこれしか思いつかない。
それでは俺の闘争の記録を、ある歌のパロディで楽しみください。
ティアナ嬢が微笑まない 歌詞:オリ主
気がついたら下ネタに走る
そしていつも同じ後悔する
諦めずにアメリカンジョークに挑戦するけど、全く反応無いよ
オリ主も一人いれば楽に漫才・コントできるけど
何回演っても 何回演っても ティアナ嬢が微笑まないよ
あの鉄面皮何回演っても壊せない
うしろに回ってπタッチしてもいずれは頭冷やされる
コロッケさんも試してみたけど世界が違えば意味が無い
だから次は絶対笑わすため俺は『時そば』だけは最後までとっておく
気がついたら時間ももう少ししかない
そしていつもそこでおっぱっぴー
諦めずに視線上げるまでたどり着くけれど、すぐに○ルマ流れる
ネット環境があれば楽に神のMAD見せれるけど
何回捜しても 何回捜しても 冥王動画しかないよ
白い魔王タグ何回やっても外れない
時間を置いて検索かけても増えるのはパンツレスリング
F5連打も試してみたけど鯖落としちゃ意味が無い
だから次は絶対笑わすため俺は『饅頭怖い』は最後までとっておく
旧ボキャ天を見れば楽にシブ知2・3ぐらい出せるけど
何回演っても 何回演っても ティアナ嬢が微笑まないよ
魔王の恐怖何回演っても崩せない
たけし軍団ドリフ欽ちゃんウンナン紳助ミスタビーン
爆笑問題も試してみたけど俺が偽じゃ話術無い
だから次は絶対笑わすため俺はエガちゃんの真似は最後までとっておく
(演奏終了)
「次は絶対腹のそこから笑わせてやるから覚悟しとけよ!うわぁぁぁぁぁぁん!」
去り際にそう泣きながら捨て台詞を吐く俺。
そしてたった一人となった暗い精神世界の中で
「プッ」
と凡人が思わず噴出したとか噴出さなかったとか・・・・・・
◆
――ヴァイス ヘリにて移動中
折角のガキ共の休日は潰れ、俺ものんびりとオーバーホールにでもしゃれこもうと思ってたところでの出撃命令。
全く、敵さんってのはこっちの都合を考えちゃくれないねぇ。あたりまえのことだが、つくづく実感するぜ。
『ほんならヴィータはリィンと合流。協力して海上の南西方向を制圧』
「南西方向了解ですぅ!」
『なのは隊長とフェイト隊長は北西部から。』
「「了解。」」
八神隊長による指示は的確に飛んでくる。
伊達にこの歳で長を任されるだけの実力はあるってことか。
『ヘリの方はヴァイス君とティアナに任せてえーか?』
おっと今度はこっちだ。
ま、それでも俺も最年長の自負ってもんがあるから、若い奴らが安心できるようにどっしりと構えてやらなきゃな。
「おまかせあれぇ!」
「・・・・・・。」
『ティアナッ』
「あ、はい大丈夫です!やれます、やってみせます!」
『・・・・・・そうかぁ。ヴァイス君よろしくなぁ。
レディ二人をちゃんとエスコートするんや。』
「はっはー!それはそれは光栄の極み♪」
『いい返事やな。・・・・・・それじゃあギンガは地下で四人と・・・・・・』
ちょっとわざとらしすぎたか?
だがまあ命のやり取りになるような場面ではこれぐらい陽気の方がいい。そこらへんは部隊長も判ってるようで、ちゃんと合わせてくれたみたいだ。
俺は操縦桿を握りながら片手でミラーをアイツに向ける。
・・・・・・まだしょげたままか。
本来ここでヘリに乗っているのはシャマル先生のはずだったが、今はフォワードチームでアイツの代わりに指揮を取っている。
そして、自然とこちらであの女の子の面倒をみる役目はアイツに任されることになった。
だが、そのことを何故か拒み結局半ば無理やりにヘリに連れ込まれたらしい。
「ティアナ。」
「は、はい!」
「ティアナは、あれから初めての出撃だと思うから不安だと思うの。
けれど、この子も不安な気持ちで一杯だったと思うから守ってあげるんだよ!」
「は、はい!」
なのはさんも気に掛けてるようだ。
俺はよく知らないが、二週間ほど前の事故でアイツが魔法を使えなくなったことを、なのはさんは自分のせいだと感じているようだ。
冷たいようだが、それは見当違いってもんだぜ。結局はアイツ自身の問題だ。一度覚えたことは中々忘れない、原因があるとすればあいつの心の方だな。
<>
「おっと、悪いストームレイダー。
なんでもねぇよ。」
・・・俺が言えることじゃねぇか。まあそうだよな。
立ち直り方があるっていうならむしろ俺の方が教えて欲しいってもんだよ。結局、自分の力だけであがき続けるしかねぇんだ。
俺に出来るのは同情だけなんだな・・・・・・。
・・・・・・。
いかんな、思考が暗い方向にいってる。
こういうときはもっとほかの事考えねぇと。
そういえば、なんで俺なのはさんを『なのはさん』って呼んで、向こうは『ヴァイス君』って呼ばれてるのかねぇ?
一応俺の方が年上なんだが・・・。
やっぱ初対面のときにエースオブエースってことで思わずさんづけしてしまったことが原因かぁ?
そのせいで向こうも俺のこと年下だと思われたんじゃなかろうか?
けど、ハラオウン提督も『クロノ君』だからなぁ。・・・・・・なんていうか判らない人だ。
「それじゃ行って来るです。
ヴァイス陸曹もよろしくですよ♪」
「うぃーす!」
「ストームレイダーも二人を守ってあげてくださいです!」
<>
リィン曹長が出て行った後、ヘリ内には俺とアイツと女の子だけとなる。
「・・・ヴァイスさん。」
「おう、なんだ?」
あれ?こいつ、いつもは俺のことは『ヴァイス陸曹』って呼んでなかったか?
細かいことだが妙に気になった。
「あのですね、もっと高度を落として敵に狙われないように飛ぶことは出来ませんか?」
「はぁ?
いきなり何を言い出すんだ?」
先ほどまでむっつりだったティアナ=ランスターは、冷や汗を浮かべ追い詰められた表情で席の斜め後ろに立っていた。
おいおい、一体どうしたっていうんだよ?
なんでこいつは死ぬ前の兵士みたいな顔してんだ?!
「それは数の子がっ・・・・・・いえ、あのですね、海上の敵は囮に思えてならないんです。
となると敵の狙いは、現場に残されたと思うレリックか、このヘリとしか考えられません!
もし、長距離砲撃を撃たれたら防ぐ手段はありません!」
言ってることは判らないではない。
だが、それはまだ推理の段階だ。現時点では、外に出たら隕石が直撃して死ぬ確率を考慮する行為に等しい。
「駄目だ。
市街地での低高度飛行には特別な状況と許可が要る。」
「けれどっ!」
「一番確実なのは、出来るだけ飛ばして狙われる時間を短くすることだ。もっとも本当に敵がこっちにいたらの話だがな。
お前の言いたい事は判ったから、席に座れ。」
「・・・はい。」
素直に従うか。
精神的に不安定になってきているか?
なのはさんたちがいなくなったせいで抑えが効かなくなってるようだ。
「ロングアーチ、そういうわけなので予定より早く着く事になりそうだ。」
『ロングアーチ了解。無事な帰還をお待ちしておきます。』
「おう。」
はぁ、またしょげてやがる。
ここはいっちょ励ましてやるとすっかね。
「けど、お前。やっぱり指揮適正あるんじゃねぇか?」
「・・・え?」
「海上の敵が囮の可能性考えたんだろ?
目の前の戦いだけじゃなく、その背後の意図を読み取るように意識できるのが、指揮官としての一歩目だ。
お前は確実に成長してるよ。」
「だ、だけど、魔法が・・・・・・」
「スランプに陥るときってのは誰にだってあるんだ。
なのはさんだってそういう時期があったって知ってるんだろ?
お前もそれを乗り越えられれば一皮剥けられるさ」
・・・・・・そう思わなきゃ俺もやってられないしな。
「そういうことじゃなくてですねっ!」
「いいから聞けって。
一歩下がれば視点が広がる。
それは出来ること増えるが、同じように今まで見えていなかった出来ないことも見えてしまうようになるってことだ。
そういうときは、何をすべきじゃなくて、何が出来るかを考えてみろ。」
「自分に出来ることです・・・か?」
「おう、どうせ人間一人にできることなんざたかが知れてるんだ。
ならせめて後悔しないように最善を尽くすしかないんじゃねーか。そう俺は思うぜ。
・・・・・・。」
・・・・・・落ち込むのはそれからだ。
お前はまだこちら側に来るのは早すぎる。
だが、俺は根本的な勘違いをしていたことに後に気付く。
このときのこいつは会話が成り立っているようで、未来の恐怖に怯えて震えていただけだった。
「・・・・・・私に出来ること、俺に出来ること、ティアナ=ランスターに出来ること・・・。」
アイツはブツブツと呟きだす。
その光景は決して見ていて気持ちがいいものとは思えない。
なんだ、何をしゃべっている?しっかりと言葉は聞き取れないが、不吉な雰囲気がさっきからビンビンしてくる。
「このまま何もしないままがいいのか。10番が砲撃するのは確実。
だが魔王は間に合う。けれど、『ギリギリセーフ』?」
「お、おいっ・・・」
「駄目だ駄目だ。既に未来は変化している。同じ結末を辿るとは思えない。
数の子の狙いはレリックとヴィヴィオ・・・。これがある限りフラグは消えない。
なら・・・・・・俺の出来ることは・・・・・・」
ついに自らの両肩を抱き、ガクガクと震え始めた。
「・・・・・・あった!俺に出来ることが。
しかし、俺に出来るのか?だが確実に生き残るにはそれしかない。
ヴィヴィオには聖王の鎧がある。死にはしない。
レリックも暴走するのは魔法ダメージだけだ。」
「おいっ!ティアナ!!」
「・・・・・・いやだ、死ぬのはいやだ、死ぬような思いをするのもいやだ・・・・・・
なら、これが確実。誰も死なない。④はそう言っていた。
・・・・・・もうこれしかないのか?」
駄目だ、聞こえてない!
今俺はここを離れられない。
「ロングアーチ!なのはさん!
アイツの様子がおかしい!すぐに来てくれ!」
『こちらロングアーチ!
グランセニック陸曹、詳しい状況を報告してください!』
『ヴァイス君!・・・うわっクッ!
どうした・・・のっ!』
「そ、それがだな、あいつの様子がおかしくて・・・」
『ティアナが?!』
『それだけでは判りません!詳細な情報を提出してください!』
「ああ、だからなっ・・・・・」
次の瞬間、ヘリの機内に風が舞い起こった!
何事かと思って振り向いた先には、レリックのケースを脇に抱え、ヘリの後部ハッチを開放しているアイツがいる。
待て、何をするつもりなんだ?!
俺は操縦席に座りながら、ケースをヘリから放り投げるのを見ていることしか出来なかった。
◆
――ディエチ 狙撃ポイント
「ディエチちゃーん。ちゃんと見えてる~?」
「ああ、遮蔽物も無いし空気も澄んでる。
・・・・・・よく見える。」
廃棄都市区画と青空に支配された視界。
その中の小さな黒点を拡大していく。
ほら、妙に角ばったヘリだ。資料と同じ。
これなら、ローターの回転数まで正確に観測できるよ。しないけど。
「でもいいのか、クアットロ。撃っちゃって?
ケースは残るだろうけど、マテリアルの方は破壊しちゃうことに・・・。」
「ウフフフフ・・・」
クアットロのこの笑い方はいつ聞いても好きになれないなぁ。なんだかバカにされてる気がする。
「ドクターとウーノ姉さま曰く、あのマテリアルが当たりなら、本当に聖王の器なら砲撃くらいじゃ死んだりしなから大丈夫。だそーよ♪」
「・・・ふーん。」
人間を殺してもいいのかって質問のつもりだったんだけど、あたしたち戦闘機人はそんなことは気にしないのが普通なのか。
クアットロはウーノからお嬢の救出を頼まれてるみたいだ。
あたしは指揮なんか興味ないから、射撃体勢に入る。
・・・・・・あ。
イノーメスカノンを包んでた布、飛んで行っちゃった。肌触りとか結構気に入ってたのになぁ。
キュキュキュ・・・・・・キュキュ。
あれ?さらにヘリを拡大してみてるんだけど、後部ハッチが開いてる?
あ、誰か出てきて・・・・・・何か放り投げた・・・?
「・・・あれは・・・・・・レリックケース・・・?」
「え、ディエチちゃん。今なんて言ったの?」
「・・・うん、レリックケースが。」
「レリックケースが?」
「今落ちてる。」
「落ちてる。・・・・・・って、うふふふふ。まさかそんなことがあるわけがウェエエエェエェェェェェ??!111」
クアットロうるさい。
「な、なんで黙って見てるのよ?!」
「ちゃんと教えた。」
失礼な。
「・・・そういうことじゃなくって、ああもうっ!
セ、セインちゃん、今どこ?!すぐに向かって欲しいところがあるんだけど!!」
『え~~~、クア姉妹使い荒すぎ~』
「いいから、言うこと聞けよ!・・・・・・もとい聞きなさい。
今座標ポイントを送るから・・・・・・。」
「・・・あ」
「今度は何?!」
「マテリアルを抱えた人間がハッチから出てきた。」
「い、一体どうするつもりかしら?
空に逃げられたら砲撃しにくいわね・・・」
「あ、落ちた。」
抱えていた方の人間がよろけたかと思うと、そのまま真っ逆さま。
マテリアルの方はかろうじて引っかかってるみたいだけど。
「ちょっとー!?
なんで、計画通りにいかないのよー!!」
日頃の行いが悪いからじゃないかな?
そう思っても口には出さないディエチの優しさだった。
◆
――ティアナ 訓練場
「うん、すっかり勘を取り戻したみたいだね♪」
そう頷くなのはさん。
よかった、やっとこれでスバル達に合流できる。
「じゃあ、これから遅れに遅れたモード2の訓練に移るよ!」
「え?」
「スバル達はもっと先へ進んでるから急いで追い付くよ!」
「は、はい!」
あの日、自らの殻に篭っていた最後の日。
死の恐怖。痛みの恐怖。自由落下の浮遊感。人としての倫理。
様々なプレッシャーに耐え切れなくなった彼は、私を黒の世界から追い出してしまった。
当時は、いきなり現れた迫る大地に必死でモード2を起動し、ビルの壁面に突き立てることだけに集中していた。
あのときはさすがに肝が冷えたけど、なんとか生きて助かった。
そう、私はいつの間にか「生きる」ことを当然と思えていた。
きっと彼の生きる姿に感化されてしまったのだろう。
今、彼は私の中で眠っている。
かつての私がそうであったように、黒い世界の中心に膝を抱えて蹲っている。
私は一言お礼が言いたかった。
「ありがとう」と伝えたかった。
けれど、その言葉は未だ彼に届きはしない。
「ティアナ、じゃあラスト行こうか。
このシチュエーションの達成目標を述べて。」
「はい!
孤立した状況で、敵の高ランク魔導師が健在。
目標は負傷した仲間を発見し、安全圏までの退避です。」
「うん、じゃあ始めるよ。」
「いつでもどうぞ!」
「あ、ちなみにこれがスバル達と合流できるかの試験になるから頑張ってね♪」
「え?えぇぇぇぇぇ?!」
「ほら、もう始まってるよ!」
「うわっ、そんなぁぁぁ」
今はそう彼がしたように、なんとか彼の反応を引き出そうと勉強中だ。
そして私は二度とあのときのように、自らの殻に閉じこもらないように心を強く持つようにする。
いつか彼が自らの力であの殻を破れたときに、出迎えてあげたい。
この世界は確かに危険なところもあるが、それだけじゃない。綺麗なところも嬉しい事も楽しいこともたくさんあるって教えたい。
そう、思うのです
END⑥「リバーシゲーム」
おまけ
――ルーテシア JSラボ
少女は広い研究所である人間を探していた。
それは少女の最愛の人物であり、長い時間求め続けた人間だ。
ルー子「母さん!」
メガヌ「ルー!どうしたの、そんなに息を切らせて」
ルー子「・・・母さんを探していたの。ガリューも一緒だったんだ。」
メガヌ「ええ、車椅子押してくれてたのよね。」
ガリュー「コクリ」
ルー子「どうしたの?ここってドクターの研究室・・・。」
メガヌ「ええ、彼にも長い間お世話になったことだし、その『お礼』をちょっとね。」
ガリュ「コクリ」
ルー子「・・・だったら私も」
メガヌ「いいのよ。ここを旅立つ時にちゃんと挨拶しましょうね。」
ルー子「え、母さん大丈夫なの?」
メガヌ「ええ、後はしばらく空気の綺麗なところで療養すれば動けるようになるらしいわ。
だから、引越しの準備はお願いしてもいいかしら?」
ルー子「うんッ♪」
――研究室
Dr.「いやはや、台風一過と言うか母はつよしというか・・・」
①「ドクター、今頭を壁から抜きますので舌を噛まないようにお気をつけください。・・・フンッ!」
④「いや~~~ん、なんですこの研究室の散らかりようは?!
まるでここだけ竜巻でも起こったようですわ~♪」
③「メガーヌ・アルピノの仕業だ。
ドクターの所業が許せなかったらしくてな。・・・ひどいものだ」
Dr.「いやいや、彼女はこれでも手加減したのさ。
相変わらず娘の意思はこちらが握ってるし、娘が犯罪者に加担したということは公表されたくないだろうしね。」
④「ふ~~~む。
けれど、意外でしたね~。まさかナンバーⅩⅠのレリックが二つ存在するとは思いませんでしたわ~~~。」
①「あのあとドゥーエに調査を頼んだ結果、どうやらⅩⅠのレリックを埋め込まれる予定だった聖王は双子でしたようです。ドクター。」
④「一番最初に手に入れたレリック。それ故に、お嬢様に対する保険として用意したというのになんて不運なんでしょう。」
Dr.「いや、むしろこれは彼女が起こした【奇跡】だろうね。彼女の熱意が不可能を可能にした。そう考えた方がロマンチックじゃないかぁ?」
①「そのとおりです、ドクター」
④「('A`)」
③「・・・・・・」
⑤「・・・・・・」
③「・・・いたのか」
⑤「・・・ああ。何事かと思ってな。」
④「それでドクターいかがいたします~?
あの娘を縛る策はまだいくつかありますけど?」
Dr.「それは野暮というものだよクアットロ。
これは彼女たち母娘が起こした奇跡。それでいいじゃないか。
我々とて、世間的に見れば不可能に挑む道化達だ。ならば、奇跡は存在すると証明してくれた彼女たちを祝福するとしよう。
ウーノ、お別れパーティーの用意は頼んだよ。」
①「はい、ドクターの御心のままに」
④「・・・む~~~」
Dr.「不満かいクアットロ?」
④「いいえ、ドクターの決めたことなら従いますわ。」
Dr.「私はね、私と君たち姉妹の絆は決してあの母娘に負けるものではないと考える。
では、私たちにも奇跡は起こせるというわけだ。こう考えると愉快だろう?
だからこそ、この奇跡を我々の手で壊しちゃいけないんだ。判ってくれるね君なら。」
④「不本意ですがわかりましたわ。
姉妹の結束を固めるいい材料にするんですね。」
⑤「クアットロ、それは・・・っ」
Dr.「まあ、受け取り方は人それぞれさ。
大事なのは我々が共に同じ目標を持っていること。そして願いは必ず叶うということ。皆がそう考えられればいいじゃないか?」
①「ドクター。ケーキは苺とチョコどちらがいいでしょうか?」
Dr.「そうだねぇ・・・」
⑪「はいはーい、ウェンディはチョコ希望っすー!」
⑨「ば、馬鹿!苺に決まってるだろ!」
⑦「サンクロースが乗ってるのを希望します」
⑥「いや、まだそういう時期じゃないし・・・」
⑫「レモンタルトを」
⑧「ディードと同じものを。」
⑩「シンプルにチーズケーキかな」
⑤「・・・・・・お前たちいつから聞いてた?」
③「全く、・・・・・・・・・花火は当然刺すんだよな?」
④「・・・・・・お姉さま?」
③「い、いいではないか。こんなときぐらい!」
Dr.「トーレの言うとおりだね。
縁起物だし、いっそ皆頼もうか。」
①「・・・ドクターがそう仰られるなら。
貴方たち、注文するのは構わないけれど、ちゃんと残さず食べるんですよ。」
⑥~⑫「は~~~~い♪」
③(・・・・・・は~~い //// )
すかりけ は今日も平和。
あとがき
アンケートは継続中です。
詳しくは前回ごらんください。
あとタイトル早くつけろとお叱りの声があったので即興で考えました。
しかし、我ながら今回はひどい
追伸:今回のENDは前回と対になっていたりします