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No.1083の一覧
[0] Fate/the transmigration of the soul 【完結】[ルクセンブルグ](2008/06/18 00:38)
[1] ~Long Intrude 1-1~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:38)
[2] ~Long Intrude 1-2~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:37)
[3] ~Long Intrude 1-3~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:37)
[4] Fate/the transmigration of the soul 2[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:02)
[5] ~Long Intrude 2-1~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:37)
[6] ~Long Intrude 2-2~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:36)
[7] ~Long Intrude 2-3~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:36)
[8] Fate/the transmigration of the soul 3[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:35)
[9] ~Long Intrude 3-1~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:35)
[10] ~Long Intrude 3-2~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:34)
[11] Fate/the transmigration of the soul 4[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:34)
[12] ~Long Intrude 4-1~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:33)
[13] ~Long Intrude 4-2~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:33)
[14] ~Long Intrude 4-3~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:14)
[15] ~Long Intrude 4-4~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:15)
[16] Fate/the transmigration of the soul 5[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:35)
[17] ~Long Intrude 5-1~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:17)
[18] ~Long Intrude 5-2~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:18)
[19] Fate/the transmigration of the soul 6[ルクセンブルグ](2007/01/23 00:17)
[20] ~Long Intrude 6-1~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:19)
[21] ~Long Intrude 6-2~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:20)
[22] Fate/the transmigration of the soul 7[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:21)
[23] ~Long Intrude 7-1~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:21)
[24] ~Long Intrude 7-2~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:22)
[25] Fate/the transmigration of the soul 8[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:23)
[26] ~Long Intrude 8-1~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:23)
[27] ~Long Intrude 8-2~[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:36)
[28] Fate/the transmigration of the soul 9[ルクセンブルグ](2007/01/23 00:18)
[29] ~Long Intrude 9-1~[ルクセンブルグ](2006/08/12 21:22)
[30] ~Long Intrude 9-2~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:27)
[31] Fate/the transmigration of the soul 10[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:28)
[32] ~Long Intrude 10-1~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:29)
[33] ~Long Intrude 10-2~[ルクセンブルグ](2006/07/07 21:30)
[34] Fate/the transmigration of the soul 11[ルクセンブルグ](2006/07/07 23:03)
[35] ~Long Intrude 11-1~[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:37)
[36] ~Long Intrude 11-2~[ルクセンブルグ](2006/08/05 01:23)
[37] Fate/the transmigration of the soul 12[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:37)
[38] ~Long Intrude 12-1~[ルクセンブルグ](2006/09/02 01:15)
[39] ~Long Intrude 12-2~[ルクセンブルグ](2006/09/17 00:36)
[40] Fate/the transmigration of the soul 13[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:38)
[41] ~Long Intrude 13-1~[ルクセンブルグ](2006/10/27 12:14)
[42] ~Long Intrude 13-2~[ルクセンブルグ](2007/01/23 00:20)
[43] Fate/the transmigration of the soul 14[ルクセンブルグ](2006/12/11 02:29)
[44] ~Long Intrude 14-1~[ルクセンブルグ](2007/01/23 00:20)
[45] ~Long Intrude 14-2~[ルクセンブルグ](2007/01/09 00:14)
[46] Fate/the transmigration of the soul 15[ルクセンブルグ](2007/01/16 22:31)
[47] ~Long Intrude 15-1~[ルクセンブルグ](2007/05/18 02:56)
[48] ~Long Intrude 15-2~[ルクセンブルグ](2007/02/27 03:14)
[49] Fate/the transmigration of the soul 16[ルクセンブルグ](2007/05/18 02:58)
[50] ~Long Intrude 16-1~[ルクセンブルグ](2007/04/05 23:27)
[51] ~Long Intrude 16-2~[ルクセンブルグ](2007/04/19 21:56)
[52] Fate/the transmigration of the soul 17[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:38)
[53] ~Long Intrude 17-1~[ルクセンブルグ](2008/01/30 01:39)
[54] ~Long Intrude 17-2~[ルクセンブルグ](2007/06/19 00:04)
[55] Fate/the transmigration of the soul 18[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:32)
[56] ~Long Intrude 18-1~[ルクセンブルグ](2007/09/13 01:17)
[57] ~Long Intrude 18-2~[ルクセンブルグ](2008/02/10 00:29)
[58] Fate/the transmigration of the soul 19[ルクセンブルグ](2008/06/09 01:59)
[59] ~Long Intrude 19-1~[ルクセンブルグ](2008/02/10 00:28)
[60] ~Long Intrude 19-2~[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:31)
[61] Fate/the transmigration of the soul 20[ルクセンブルグ](2008/06/05 21:30)
[62] ~Long Intrude 20~[ルクセンブルグ](2008/06/09 01:59)
[63] fate of “transmigration of the soul”[ルクセンブルグ](2008/06/18 00:31)
[64] ~The Last Intrude~[ルクセンブルグ](2008/06/18 00:29)
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[1083] Fate/the transmigration of the soul 7
Name: ルクセンブルグ 前を表示する / 次を表示する
Date: 2006/07/07 21:21
「はじめまして、リン。私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンて言えば判るでしょう?」
「アインツベルン……」

 聞いたことがある。というか、聖杯戦争においてその名を聞かない回はない。

「じゃあ、始めるね。
 ―――やっちゃえ、バーサーカー」

 挨拶もそこそこに、イリヤと名乗った少女は背後に従えていた戦士に命じた。
 同時に巨人が咆哮と共に、その巨体に見合わぬ跳躍でこちらへと落下してくる。

「迎え撃ちます。二人はここに!」

 セイバーが飛び出した。雨合羽をかなぐり捨て、その手に不可視の剣を握って落下してくるバーサーカーを迎え撃つ。
 そしてセイバーとバーサーカーの二人の剣が激突し、強烈な音が鼓膜に響いてくる。
 そこから展開されるのは、まるで伝説の再現のようだった。あらゆるものをなぎ倒し、力任せに剣とはいえない斧のような刃を振るうバーサーカー。それに対し、速度を生かして急所を狙おうと飛び回るセイバー。

「驚いた……、単純な能力だけならセイバー以上じゃない」

 正直見とれてしまった。実際サーヴァント同士の戦いを見るのはこれが始めて。あっちのイリヤスフィールと名乗った少女もこの戦いに見とれているようだ。
 だが、どう見てもセイバーが押されている。おそらくあのサーヴァント自身相当な英霊なのだろう。それをバーサーカーとして召喚しただけでなく、きっちり従えさせている。マスターとしてもあの少女は侮れない。

「凛、あのままではセイバーが不利です。加勢しますか?」

 横からアーチャーが声をかけてきた。
 そうだ、何を見とれている。私はこの戦いに勝つために今までやってきたんじゃないのか!
 頬を叩いて気合を入れ直す!

「OK、アーチャー。ここは本来の戦い方に専念すべきよ」

 彼女はアーチャー。セイバーとどんな因縁があるか知らないが、彼女の宝具は弓であるべきだ。

「……判りました。しかし、凛。先に言っておきます。私の弓は2射だけしか撃てません」
「えっ!?ちょ、何ソレ、聞いてないわよ!」
「聞かれませんでしたので」

 ……って、イラついてる場合じゃない!

「OK、構わないわ。ここであいつを倒せれば御の字よ」
「お二人の防御がいなくなりますが……」
「私と彼の二人だけなら何とでもなるわ!」
「分かりました。では……」

 言うなりアーチャーは、右手にどこからか取り出した紅い布を手にする。
 右手を覆っていた手甲が消え、代わりに布が巻き付いていく。手から肘へ、さらに肩へと右腕をがんじがらめにしていく。
 おそらくソレが彼女の弓を打つ際のスタイルなのだろうが……、傍目には傷ついた腕を酷使しているだけにも見て取れる。

「まずはバーサーカーに隙を作ります。お二人はここを動かないように」

 と、弓を使うとかいっときながら、セイバーと同じようにバーサーカーに突撃して行った。

「ちょっと、アーチャー!」

 二人が激しく交錯する中に飛び込む。大きく飛び上がり、大上段から切りつける。
 ド派手に鈍い音がして、迎撃するバーサーカーの斧剣を押し返す。

「へぇ……、また似通った英霊が召喚されたものねぇ」

 さすがにイリヤスフィールにも判るか。
 ま、あんだけ似てれば疑わないほうがおかしいけど。
 よくよく見れば、撒きついた紅い布が何かの文字を浮かび上がらせている。あれもアーチャーの宝具なのだろうか。
 恐らく巻きつけた場所の力をブーストするものだろう。打ち合っても力負けしていたセイバーと違い、まともにぶつかりながらバーサーカーに負けていない。
 ……つーか、本当にアイツはアーチャーとしての適性を持っているのか?
 戦いを見る限り、限りなくセイバーに近い。と言うより、見た目も武装も同じなのだ、同じと見るのが普通だけど。
 アーチャーが乱入して形勢がほぼ逆転した。バーサーカーにまともに打ち合って押し返すほどの力を持つアーチャー。死角から相手の急所を狙い斬りつけるセイバー。
 示し合わせたわけでもないのに息が合っている。だが決定打が出ない。力任せに剣を振るっているとはいえ、その速度が尋常ではない。アーチャーもセイバーも間合いの中に入っていけない。
 そして、私達から遠ざかるように徐々に戦場を坂の上へ、上へと移動していく。

「□□□□□□□□□ーーーー!!!」

 その時、振るわれた斧剣にセイバーが反応できなかった。刀身で何とか斬撃を止め、弾き飛ばされる形で吹っ飛んでいく。

「セイバー!」

 それに気を取られたアーチャーが、移動した直後の不利な体勢から剣を振り、打ち負けた。

「□□□□□□□□□ーーーー!!!」

 次に飛んできたのは左の拳。金槌も全力で振るえば凶器になるように、埒外の膂力で振るわれる拳はとっさにガードした腕ごとアーチャーを殴り飛ばした。
 冗談じゃない。ガードしたとはいえ、アーチャーの体格のサーヴァントを墓地辺りまで吹っ飛ばすなんて!

「衛宮君、何ぼさっとしてるの!行くわよ!!」
「お、おう!」

 戦いの光景に魅入られていた衛宮君を叱咤して、私達は二人を追っていったバーサーカーを追う。確実にとどめを刺すつもりなのだろう。
 だが、吹っ飛ばされた墓地での光景を見て私は再び声を失った。
 セイバーもアーチャーも無事だった。逆に無事ですんでいないのはバーサーカーの方だ。
 墓地内での戦闘。バーサーカーの剣は振られるたびに大小の墓石を粉砕していく。それは、あるかないかの些細な障害。
 だが、ここに来てその障害はセイバーとの実力を拮抗させるものとなっていた。邪魔な墓石を粉砕しながら攻撃するバーサーカー。そして、障害など無いかのように駆け回るセイバー。そして、セイバーと同じように駆け回るアーチャーがいることで、状況はバーサーカーに絶対的な不利となっていた。
 そして、数号打ちあった後、決定的な隙がバーサーカーに出た。
 打ち込んだアーチャーの剣を押し返すコンマ数秒の間にセイバーが肉薄し、バーサーカーの足を斬りつけた。
 そして、斬りつけたセイバーがつけた傷に気を取られたバーサーカーは、

「シッ!!」

 切り返したアーチャーの剣で、剣を持った右腕を切り落とされた。
 すぐさまアーチャーが距離をとる。追おうとするバーサーカーをセイバーが足を止める。離れた塀に着地したアーチャーはその左手にいつのまにか弓を持っていた。
 だが、その弓もランサーのときと同様に、無骨でとても宝具とは呼べない代物だった。ただ射るための理想を追求し、何の神秘も求めず形作った弓。そんな印象を受ける。
 そして、右手に取り出したのは一本の捻れた剣。矢にするにしては大きすぎる。
 彼女はその剣を弓へとつがえ引き絞る。……弓ではなく矢の方が宝具としての神秘を持っているのか。
 しかし、つがえる動きが少々ぎこちない印象も受けるが……。
 布の光がいっそう強まり、

「―――う、くっ!」

 私の中から4割ほどの魔力が一気に吸い上げられる。

「遠坂、どうした!?」
「アーチャーが魔力を持っていったの。これくらい……」

 宝具が起動し、傍目から見ても強烈な力が矢に注がれていく。
 直後、対抗していたセイバーが下がった。

「――――!」

 アーチャーの声と共に、矢が虚空へ放たれる。絶妙なタイミングだ、よけている暇は無い!矢として使われた剣は空を捻り裂き、バーサーカーへと疾る。

「□□□□□□□□ーーー!!!」

 バーサーカーが吼える。いつの間にか持ち替えていた斧剣で、逃げるセイバーではなく空中を向かってくる矢を迎撃し、


 瞬間、全ての音が消え去った。

 
「「――――!!?」」

 衝撃波と轟音。あまりのでかさに私達まで吹き飛ばされそうになる。
 土煙が視界を覆いつくし、バーサーカーがどうなったかわからない。
 戦場に一瞬の静寂があり……、

「□□□□□□□□ーーー!!!」

 土煙を突き破り、バーサーカーがセイバーに向かって斧剣を振り下ろす。

「――――!!?」

 油断していたわけではないだろうが、セイバーはその一撃に反応が遅れた。
 そして、まともに斬り飛ばされた。


 だん、と。
 遠くに、倒れ伏すセイバー。
 傷は相当に深く入ってしまっている。もう立ち上がるなんて不可能だ。
 なのに……、

「っ、あ…………」

 セイバーは立ち上がる。そうしなければ、マスターである衛宮君が殺されるのだと言うかのように―――

 最初にそれに反応したのはアーチャーだ。弓を消し、こちらへと跳躍しようとして……、膝に力が入らなかったのかそのまま落下した。
 あの馬鹿、私の魔力と同時に自分の活動する魔力まで宝具に込めたっての!?
 バーサーカーがさらに地を蹴る。活動できないセイバーに向かって……、

 ザン!と、ごっそり腹を持っていたかれたのは、横に居たはずの衛宮君だった。

「が――――は」

 彼は……一体何をやっているのか。
 愕然を通り越して、意味が解らない。自分が死ねばセイバーが現界していられないというのに、傷だらけのセイバーを守る必要など無いというのに……、
 もちろん、呆気にとられているのは私だけじゃない、目の前のセイバーも、離れた所で成り行きを見ていたイリヤという少女も……、

「ああああああああーーーー!!!!!」

 アーチャーに至っては……、暴走を始めた。
 怒りのままに立ち上がり、見えない剣を振りかぶる。
 からっけつの魔力を持っていくとしたら私しか居ない。その私から問答無用に魔力を吸い上げていく。
 その勢いたるや、ぶっとい注射器で強引かつ容赦なく血を吸い上げるかのごとく。
 その暴発させんばかりの魔力を、そのまま宝具に……、って、ちょ……!何考えてんのよ!!

「き、消えなさい!!アーチャー!!」

 呪文も何もない!今すぐアーチャーの魔力行使を止めさせないと私の魔力が枯渇する!
 令呪が効力を発揮してアーチャーがいきなり消失し、魔力の暴食が止まる。
 そこでようやく……、静寂が訪れた。
 ヤバイ、5割どころじゃない……。今ので私の魔力は1割を切った。足元がふらつく!

「――――なんで?」

 ぼんやりと、イリヤスフィールがつぶやく。
 しばらく呆然としていた彼女は、

「……もういい。こんなの、つまんない」

 セイバーにも私にもトドメをささず、バーサーカーを呼び戻した。

「――――リン。次に会ったら殺すから」

 悠々と立ち去っていく。無論、私達は微動だにできない。

「アンタは、……何考えてるのよ。……もう助けるなんて出来ないってのに。アーチャーまで……」

 意識が薄くなる。
 死の気配が薄れた反動だろうか。本能的な安堵が体の活動を停止しようとしている。

「シロウ!!」
「凛!?」

 二人の声が聞こえたのを最後に、私の意識は途切れた。


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