ミッドチルダ クラナガン郊外
横島家
「忠夫、あんた『海』見てきなさい」
その母の発言に首をかしげる横島君(御年9歳)
「海?オカン、この間家族で行ったやないか。親父がバカやったけど」
「そっちの海ちゃうわ!海ってのは本局の次元航行部隊のことや」
それから1時間後、横島君は次元航行艦『アースラ』に乗艦していた。
「はぁ~・・・これが次元航行艦かぁ~。すごいな~」
目を輝かせながら周囲を見る横島君。艦のクルーはそれを微笑ましそうに見ている
それからしばらく過ぎ
「横島君、ここが97管理外世界よ」
「はあ~。これが地球か~。綺麗やな~」
そのまま感動したまま地球を見ている脇でなにか騒いでいたが横島君は気づいていない。
そして97管理外世界に降下。すると二人の少女が戦闘を繰り広げていた。
クロノが出動するがそれを見ていた横島君が何かに気づき血相を変えてそれを追う。
高町なのはとフェイト・テスタロッサの戦闘に介入し口上を述べているクロノ。
「時空管理きょ、がふっ!」
それに対し思いっきり速度ののった蹴りがクロノの後頭部に直撃。
「な、なにをするんだ!!」
それに対してクロノは激怒するが横島君はさらに怒鳴り返す。
「じゃかしい!!管理外世界での魔法行使が見逃せないとはいえ女の子に問答無用で射撃魔法をぶっ放すとはどういう了見だ!ゴルァ!!」
母親である百合子の教育の賜物か、元来の性格か女の子に手を上げるどころか何が何でも守ろうとする横島君。逆に百合子はそれが命取りにならないかが不安であった。だが、この時その性格ゆえ現場およびアースラ艦橋が大混乱に陥ったのは言うまでもない。
横島君とクロノが空中で取っ組みあっている間にフェイトとアルフはジュエル・シードを回収し離脱。なのはとユーノはそれを茫然と見上げていた。
『いいかげんにしんさい!!』
二人の取っ組みあいはリンディの雷が落ちるまで続いた。
アースラに到着したなのはとユーノが見たものは、リンディに大目玉を食らう二人の姿だった。
会議室で自己紹介などをしていた際、横島君の自己紹介を聞いたユーノが首をかしげる。
「陸戦AA?それも空戦適正なし??じゃあ、なんで飛んでたのさ!?」
それは疑問に思っていたのだろうクロノとリンディもこちらを見てくる。
「あ~・・・あれなぁ・・・・飛行じゃないんだよ」
頬を掻きながら困ったような笑みを浮かべる横島君。他の面々はさらに首をかしげる。
「じゃあ、一体どうやって飛んでいたの?」
「ん~・・・まあ、簡単な話で体内に魔力ため込んで足の裏から徐々に噴き出して浮き上がるんですよ。で、それを維持しながら出力調整して加減速・上昇下降を行う・・・ってとこですね。だから飛行っていうよりロボットのブーストジャンプの方が感覚的には近いかな~。いや~、空戦適正なかったんですけどそれでも飛んでみたくっていろいろしてたら出来ちゃいました」
「な、なんて非常識な・・・・」
「ぼ、僕もその意見には賛成かも・・・・」
それから数日後
事件は急展開を見せプレシア・テスタロッサの本拠地へ突入を図る管理局。それに着いていこうとした横島君は自身の母親に「嫌い」と言われ塞ぎこんでしまったフェイトを心配しフェイトのもとを訪れていた。
「アンタ・・・・頼むよ。フェイトを・・・・」
沈痛な表情をしたアルフが横島君に頭を下げる。
「ああ。・・・・フェ~イト、すごいこと・・・言われちゃったな」
虚ろな目で横島君を見るフェイト。そのフェイトを抱きしめる横島君。
「確かにあの人が言うようにフェイトはアリシア・テスタロッサのクローンなのかもな。でもな・・・」
クローンという単語に反応するフェイト。
「フェイトはフェイトじゃん。泣いてるのも笑ってるのもこうやって塞ぎこんでるのもアリシアじゃない。フェイトが今こうやって塞ぎこんでるんだろう?」
フェイトの目を見つめながらやさしく話しかける横島君。すると横島君の反対側にアルフが座りフェイトを挟み込む。
「そうだよフェイト。フェイトはフェイトじゃないか。どんな生まれだってフェイトはあたしの大好きなご主人さまさ」
「な?フェイトはいろんな人に必要にされてるんだぜ>アルフやなのは、ほかにもたくさんいる。もちろん俺自身もフェイトにいてほしいよ。だから」
言葉を続けながらぎゅっと抱きしめる。反対側からアルフも横島君ごと抱きしめる
「一緒に行こうぜ?それでガツンって言ってやればいいんだよ。『私は何と言われようがあんたの娘だ!!』・・・・ってな?」
「・・・ぁ」
フェイトの目に光が戻ってくる
「ふぇ、ふぇ~ん!!」
二人に挟まれ大泣きするフェイト。しばらく泣いていたがふっきれたのか頷く。
「よっしゃ!!いくで!!」
三人は時の庭園に突入。なのはたちに合流。
プレシアのいる場所に踏み込んだのだが
「世界はいつだっ「クロノ、ストップ」て・・・なんだいきなり」
いきなりアリシアの入っているカプセルに近づく。
「アリシアに近づかないで!」
「あのな、んなわけわからんとこ行くんならここで生き返らせればいいだろ」
その発言に現場の時間が止まる。
「まあ・・・そのレアスキル・・・ってほどでもないんだけどさ。俺って攻撃より補助とか治療魔法の方がとんでもなく強力なんだよ」
そういいながらありったけの魔力を注ぎ込みアリシアに治療魔法をかける。
「な、なんだその治療魔法は!?」
「なんて・・・・強力な」
「かあ・・・さま?」
「アリシア!!」
横島君を押しのけ生き返ったアリシアに抱きつくプレシア。
「あらま・・・・ついでにあんたもしとくか」
そのまま、流れ的にしたほうがいいと判断しプレシアにも治療魔法をかける横島君。元来の優しさがここでも発揮されることとなった。
「母様」
「なに?アリシア?」
「・・・・いままで私の妹によくもあんな仕打ちをしてくれましたね!!」
「・・・え?」
「・・・俺知らないも~ん」
その発言にさらに固まる現場。プレシアはキョトンとし先が見えた横島君はさっさと後ろに下がりフェイトを引っ張ってくる。
「あ!フェイト~♪」
近づいてくるフェイトに気づいたアリシアは満面の笑みでフェイトに抱きついた。
「ごめんね~。母様のバカのせいで散々迷惑かけちゃって。でもこれからは大丈夫だからね!すべてお姉ちゃんに任せなさい!!」
「・・・・おねえ・・・ちゃん?」
「うん、そうだよ」
「お姉ちゃん!!」
ひしっと抱き合う二人。その場面を見て多くの武装隊員やブリッジクルーが感動の涙を流している。
「フェイトちゃん良かったの・・・ぐすっ」
「あたしゃ感動で・・・ああ!目の前が涙で・・・うぅ」
「うぅ・・・いい話だ。ぐすっ・・・」
「フェイトさん・・・・ついに報われたのね」
上からなのは、アルフ、ユーノ、リンディの順である。
「タダオ、あたしゃ感動したよ。これはお礼だよ」
涙やなんやで顔がぐしゃぐしゃになっているが傍にいた横島君をその豊満な胸で抱きしめるアルフ。とある時系列での横島君と違い女性に対しての煩悩が限りなく少ないこの横島君は一瞬にして顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「あ~!!アルフズルい!!あたしたちも・・・行く!フェイト!!」
「ふぇ!?ちょ、お姉ちゃん!?」
それに気づいたアリシアはとりあえずそれに参加することにしたらしい。フェイトを引っ張りながら突撃する。あわてて姉を止めようとするフェイトだがどうにもアルフと横島君の抱擁(アルフが一方的に抱きついているだけ)が気になりあまり強く言えない。
そのまま勢いをつけ横島君に抱きつくアリシア。とそれに引きずられる形で横島君に抱きつくフェイト。ちなみにそんな姿てみて本来黙っているはずのないプレシアさんはというと・・・・
「ああ!アリシア許して・・・・あれは、あれは仕方なかったのよ~」
アリシアの説教により精神的に大ダメージを負いそれどころでは無かったりする。
一方、現場の局員たちは・・・
「俺たち何しに出てきたんだっけ」
「言うな・・・・空しくなっちまう」
「泣くな!泣くな相棒!!泣いたらお天道様に笑われちまうぜ!」
「艦長~・・・帰っちゃダメっすか?」
「あら、まだいたの?」
「ひどっ!?」(出動しこの場にいた武装隊員全員)
あまりにもな活躍のなさと当然のごとくな空気化にこちらも精神的に大ダメージ。
そして空気化しつつあったクロノとなのはは・・・・
「・・・はっ!?まずはプレシア・テスタロッサを拘束・・・「クロノ君どくの!」ぶべらっ!!」
あまりもな情景に固まっていたクロノは自分の使命を思い出し動こうとするが、目の前の情景(横島君にアルフ、フェイト、アリシアが抱きついている情景)になにを感じたかクロノを習得していないはずの徹と貫をかけたレイジングハートでぶん殴り横島君に向け突撃。
「仲間はずれにしないでよ~!」
(そういう問題か!?)
なのはのどこか抜けた発言に心の中で突っ込む横島君と武装隊員たち。
その後、しばらくカオスが続いたが何とか収まり全員アースラへ。
そして本来は護送室にいるはずのフェイトとアルフはアリシアとともに横島君の傍でお茶を飲んでいた。
「待て!二人は今回の事件の重要参考に「事件?なんの?」ん・・・って、だから事件というのは・・・」
「フェイトは練習のために撃った魔法を適当な空間内に向けて処理してたんだよ?それが『たまたま』傍を通っていた輸送船に当たってロストロギアがばらまかれた。だから回収するためにその世界に行って回収して他の。そこで『不幸な行き違い』によってなのはちゃん達と戦うことになったけど事件は無事解決!母様は『事情』を話すために管理局に行く。そういうことだよ」
「しかし、これは立派な犯罪「事・故!つまりアクシデントなの。オーケイ?」」
アリシアのあまりもな発言にあぜんとするクロノ。よく見ると横島君が口笛を吹きながらそそくさと食堂から離れていく。
「なっ!君のせいか!!コラッ!待てー!!」
「ははは!待てと言われて待つやつはおら~ん!!」
そのままくだらない鬼ごっこを始める二人。それを笑いながら見送る三人。
「ね、フェイト、アルフ」
「なに?お姉ちゃん?」
「なんだい?」
アリシアの呼びかけに首をかしげる二人。アリシアはニパッと笑い
「タダオって素敵な男の子だよね」
「う、うん」
「そうだねぇ・・・・ついこうぎゅって抱きしめてお持ち帰りしたくなるのはたしかだね」
アリシアの問いに顔を真っ赤にするフェイトとうんうんと頷くアルフ。
「それじゃあさ・・・・」
二人に向かってこごえでごにょごにょと囁くアリシア。その内容はだれにもわからない。
そして現在
高層マンション 最上階
横島君の部屋
「う、う~ん・・・・・朝か・・・・って!」
目を覚ますと同時に目を見開く横島君
「三人とも何してんだ!?」
「タ、タダオおはよう。その・・・」
「タダオ、おっはよ~。ふふん、それはね・・・・」
「夜這いならぬ朝這い・・・いや朝駆けかね?まあ、いいや」
裸ワイシャツの恰好で豊満な体を横島君にこすりつけるアリシアとフェイト。アルフはすでに裸の状態で横島君を跨いでいる。
「それじゃあ・・・・」
「いただきま~す」
照れながら切り出すフェイトとためらうことなく横島君に襲い掛かるアルフとアリシア。
「ちょ!まっ!やめっ!!・・・アーッ!!」
早朝の住宅街に横島君の断末魔(違っ!)の叫びが響いた。
今日は、全員で人骨温泉に向かう日だ。もっとも、横島君は着くまで無事だろうか?それは宇宙意思にもわからない。
「らめえぇぇl!!朝からは・・・アーッ!!」
南無・・・
あとがき
え~・・・おキヌちゃんの登場する話を書くつもりがなんか気が付いたらPT事件でいかにして三人をおとしたかを書いていた海斗です。
あるぇ~?なんでこんなことになっているんだろう・・・・とりあえず元凶である友人を襲撃して憂さ晴らしをしてこよう。うん。
とりあえず、さんにんをおとした経緯はこんな感じでしょうか。今後もチマチマと他の女性陣をいかにしておとしたかを書いていこうと思います。あ、あとはなんでハーレム容認したかとかも書かねば・・・・。
つぎは本当におキヌちゃん登場です。それでは・・・