『Muv-Luv ALTERNATIVE ~復讐の守護者~』
「復讐編:一章-04」
1998年5月――
帝国軍横浜基地衛士訓練校に入校してから一ヶ月が経過。日々の訓練も到って順調。むしろ基礎体力作りばかりで少々辟易してきたというところ。
……もっとも、こんなことが教官に知られたら、その瞬間に地獄の特訓メニュー間違いなしなんだろうが。
最近になってようやく座学のカリキュラムが組まれ出した。この戦争の歴史から軍隊という組織についての講義、兵士としての心構えに衛士の役割からなにから。
要するに、教官も言っていたが最も地味で地道でツラ~イ、だが、重要な基礎知識。
この時間を有意なものにするか無為なものにするかは本人次第。……つまり、寝てる暇はないってことだ。
た、耐えろ……耐えるんだ白銀武ッ! いくら午前中の訓練でへとへとと言っても、ここで眠ってしまえば全て水泡に帰すぞ?!
「つまり、我々が戦うBETAというものはまとめると……地球外惑星を起源とする敵対的生命体であり、人類とは一切のコミュニケーションが成立せず、炭素生命系であること以外に共通するものは確認されていない……謎ばかり目立つ、しかしそれ故に厄介極まりない存在だ」
現在BETAについての講義中。大戦の歴史から始まってまだ一時間も経っていないが、午前中の疲労とほどよい満腹感が混ざり合い、俺の意識を刈り取ろうと諸手を挙げて襲い来る。
ま、負けてたまるかぁ……ああ、なんでもいいから、教官、当ててくれないかなぁ……そうすれば一発で眼が醒めるのに。
「次に、現在確認されているBETAの形態的特徴だが…………築地、……築地ぃいいいいい!!!!」
「!!??」
な、なんだっ?! ――げ! 築地のヤツ、鼻提灯なんて器用な真似を……、って、そうじゃない!
「ふわぁあはいいいい??!!」
弾けるように立ち上がり返事する築地。だが、それはあまりにも遅い……というか、誤魔化せていない。
涎まで垂れていたらしい、机には小さな水溜り。目は焦点があってなく、意識も半覚醒と言う具合だ。
流石にこれはフォローのしようがない。むしろ、下手をすると自分がこうなっていたかもしれないと思うと末恐ろしくて教官の顔を見ることが出来ない。
すまん築地、不甲斐ない俺を赦してくれ……。
と、悲観ぶったところに教官の怒号!
「いい度胸だ築地。つまり貴様はこの講義を受ける必要もなければ意義もないというわけだな? 呑気に眠っていられるほど退屈で無意味だというわけだ。ふん、いいだろう。だったら部隊の皆にBETAについて講義をお願いしようか? さぁ! BETAの形態的特徴について言ってみろっっ!!」
「はぁああ、はいいい!!? あ、ゎゎ、わぁ、」
――ひいいいいいい! こ、怖ぇえええ。ひょっとして、神宮司教官本気で怒ってないか?! なんていうか、今まで散々怒られてきたのが児戯に思えてくるほどの怒りっぷりだ。
うぁ、築地のヤツ顔面蒼白になってるし。い、いや、多分俺も同じ顔をしてるはず……他の連中も、似たようなもんだ。
……確かに、講義は聴いてることが殆どで、身体を動かす訓練より退屈で意義を見出しにくい……。
だが、だからって座学が不要かというとそんな訳があるはずもない。知識ってのは、どうやったって勉強しないと身につかない。繰り返すことで身体に覚えこませる体術やトレーニングとは全然違う。
記憶し、理解し、様々な場面でそれを活かすための、これも一つの訓練なんだ。
築地一人の問題じゃない。現に俺だって居眠りしそうになったわけだし。隊の連中だって認識が甘かったのは否めない。
今回たまたま築地が眠ってしまったからこういう形になっているが……完全に、俺たち全員の怠慢を責められている。
一ヶ月経って、訓練に慣れちまったからか? そんなつもりはなかったのに、いや、違う。実際に心のどこかで座学を莫迦にしている気持ちがあったから、こうなってるんじゃないか。
「どうした? 答えられないのか? 私の話を聞く必要なんかないんじゃなかったのか?」
「は、ぁ……も、申し訳ありませんっ!!」
「それはBETAの形態的特徴について答えられない、ということか? それとも、私の講義中に居眠りしたことか?」
「は、はい! 両方です……!」
半泣き状態の築地が、喚くように答える。険しい表情をしたままの神宮司教官だが、眼を閉じるとそのまま俺たちに言い聞かせる。
「……いいか、貴様がBETAの形態的特徴について答えられないのは当然だ。BETAのことはその形状含め、多くのことが一般市民には伏せられている。これは情報を開示することによって起こるだろう民衆の不安の軽減と、心身ストレスを出来るだけ抑えるためだ」
静かに、教官が続ける。立ったまま、築地は真剣な表情だ。無論、俺の気も引き締まっている。
「知らないことを答えられるわけがない。知らない知識は自分以外のところから学ぶしかない。そして、現在は教官と言う私が訓練兵である貴様達に講義を通して教えている。衛士が戦う相手はBETAだ。その戦うべき敵についての情報を知らずして何をどう戦うと言うのだ? 知らないのはいい。今はそういう時期だ。それを知るための講義だと言うことを忘れるな。……貴様達の小さな脳ミソに刻んでおけ! 優秀な軍人とは豊富な知識とそれを基にした経験がものを言う! 経験ばかりはそう簡単に身に付くものではないだろうが、知識は違う。学び、習得さえすればそれは身に付けられるんだ。貴様達は今、その重要な一つを学んでいるのだと知れ!」
「――はいっっ!」
全員の声が重なる。
「返事だけは威勢がいいな。……築地、座っていいぞ。では、改めてBETAの形態的特徴について述べる。もっとも、現段階ではその一部についてに留めておくが、詳細を知りたいものは後で図書館にでも行くといい」
神妙な面持ちで席に着く築地。……なんていうか、教官には俺達のことなんて全部お見通しなんだな。そりゃそうだよな。教官は本物の衛士で、その経験があるから俺達訓練兵の教導ができるんだ。
そんな教官からすれば今の俺達はどこか腑抜けて見えるんだろう。衛士になる覚悟は出来てるなんて思っていたけど、実際、まだまだってことだ。
くそっ……不甲斐ないぜ。いや、違うな。そう思うならより一層真剣に取り組めばいいだけだ。講義だろうが実技だろうが、どんなに辛い訓練だってやり遂げて早く一人前にならなくちゃな!
そして講義は続き、休憩を挟んで再び体力トレーニングに筋トレ。どうやらこれからの数ヶ月はこの繰り返しらしい……。
うぐ、決意したばっかりだって言うのに、思わず弱音を吐いてしまいそうだぜ。
===
「ぁ、あんたあの時の」
晩飯を食い終わった後で、今日はPXで遊ぼうと言うことになり一時解散。再びPXへ向かう途中で、聞き覚えの声に呼び止められる。
廊下の角、俺と同じようにPXへ向かう道中だったのか、青い髪をポニーテールにした強気なお姉さんが素敵に不敵な笑みを浮かべていらっしゃる。
「あ! ど、どうも。お疲れ様です」
「はいはいお疲れ。なによ、そんなに硬くならなくていいってば」
鬱陶しいわね、とか言いながらしっしっ、と手を振る。いや、一応先任ですしそれなりに礼儀は必要なんじゃ?
あと、しっしって、俺は犬か何かですか?
「まあそれはそうと。何? あんたもPXに行くわけ?」
「はい。これから隊の皆と遊ぼうということになりまして……」
「おーおー。若いわねぇ。結構結構。息抜きは大切よ~? 隊員との交流大いに結構! あたしも混ぜてもらおうかしら?」
歩き出す彼女の少し後ろを歩く。振り向きながら笑顔で答える女性に、少しドギマギしてしまった。
だ、だってしょうがないだろう?! あの時の恐ろしい雰囲気が今は少しもないんだぞ? なんか優しいっていうか、妙に子供っぽい癖に年上の余裕が垣間見えるというか。
――だが! 騙されることなかれ! 最早トラウマに等しい一方的陵辱(?)を思い出せ。こちらの話は一切通用しないどころか反論さえ許されない。そう、この人はそういう恐ろしい女性なのである!
「なによ、急に黙り込んじゃって。ははぁ、美人のお姉さんと一緒で緊張したのかな~? いいわよ、どんどん緊張しなさい。あ、でもあたしに惚れたって駄目よ」
「いえ、在り得ませんから」
げぇぇ、しまった本音がっ?!
「……あんた、前も思ったけどいい度胸してるわね、ホント。……あ~っと、そういえば、名前は?」
ぐ! ここで名前を言ってしまえばなんだかこれからの日々に要らぬスパイスが混ざりそうな気がする……んだけど、拒否権ないよなぁ。
「…………白銀武です。第207衛士訓練部隊に所属しています」
「207……ってことは、あんたの教官って神宮司軍曹?」
女性が立ち止まる。驚いたような表情だが、それはこっちも同じだ。
「はい、そうです……けど、どうして知ってるんです?」
「ああ、あたしたちも神宮司教官の教え子だからね。教官一人で複数の訓練小隊の面倒見てるって、知らないの?」
なるほど、そういうことか。話には聞いていたけど、実際にその小隊の人に会うのは初めてだった。
「ふーん。ってことは、あんた結構優秀なんだ? っつってもまだ一ヶ月そこらじゃ何にもわかんないか。ま、精々泣いて逃げない程度には頑張んなさい。――あたしは水月。速瀬水月よ」
「速瀬、さん」
「……? なによ、神妙な顔しちゃって」
いや、ちょっとっていうかかなり安心しまして。そうだよなぁ、いくら印象が似てるからって、いくらなんでも涼宮とこの人が姉妹なわけがない。
しかし、それよりも優秀ってなんのことだ? 神宮司教官が面倒を見る小隊ってのは、そういう謂れがあるもんなのか?
「あの、今日はこの間の方とは一緒じゃないんですか?」
……などということを聞けるわけもなく。というか、特に気になるわけでもない。優秀かどうかってのは、速瀬さんも言っていたが一ヶ月やそこらでわかるもんじゃない。第一、何を以って優秀と評するのかは、その時々によっても違うだろうし。
なので、会話として無難なものを挙げてみる。
「あら、なによ。あたしじゃ不満なわけ? こないだはあんなに積極的に胸にしがみついてきたくせに」
「それは事実を改ざんしてますよねッッ?!」
「へー、白銀君、そんなことしたんだ」
「お前は何処から湧いてきたんだよ柏木ぃいいいいいいいいいいい!!!!!」
愉しげに口端を吊り上げる速瀬さんに神速で突っ込みをいれるが、そんな物完全に無視して出現した柏木に最早言葉もない。
「え? 何言ってんの。ずっと後ろに居たよ。二人が楽しげに会話してるから邪魔しちゃ悪いと思って」
「だからって黙って聞いてんじゃねぇよ!? むしろそういうところだけ会話に参加してんじゃねぇええええ!!?」
「あら、あんた気づいてなかったの? そこの角であんたと会ってから、この子ずっと居たわよ?」
莫迦な?! そんな気配はなかったはずだぞ!? 少なくとも俺には感じられなかった……。柏木、お前実は恐ろしいヤツだったんだな。……いや、わかってたんだけどさ。
まるで悪魔のような二人は僅かに言葉を交わすと意気投合。何故か純夏のことまで知られてしまってマシンガンのように絶え間ない質問攻めに遭うこと数分。今まで隊の連中にも言わなかったことまで白状させられ、それを全て柏木に聞かれているという事実が更に俺を落ち込ませる。
こ……これはあれか? 精神を陵辱されたとか、そういうことなのか?!
も、もう駄目だ。この状況で涼宮たちと合流することがどれだけ恐ろしいことかっ!!
むしろ柏木! お前こうなることわかってて純夏の話題出しやがったな?!
――あはは、ごめんごめん。
アイコンタクトで会話。「ごめん」じゃねぇえええええええ!!!
絶対に話すんじゃねぇと視線で脅し、他言無用と確約を取り付けるものの、まず間違いなく今夜中に暴露されるのは間違いない。
とほほ……なんてこった。やっぱりこういうことになるんだな、俺って。
で、ようやくにしてPXへ到着。実質四、五分だったはずなのに、やけに濃い時間だった気がする。
既に到着していたらしい築地と月岡、立石がおはじきで白熱していた。待ちきれなかったのかよ、お前ら……。
その三人と少しはなれたところに涼宮……と、もう一人……。
「あら遙。早いじゃない。レポートまとめてたんでしょ?」
「水月。うん、思ったより早く片付いちゃって……。ランニング、終わったの?」
まーね。笑いながら、何故か俺の襟首を掴んだままその女性の前へ。見覚えのあるその顔、腰の辺りまで伸びた髪、おっとりふんわりした天使の微笑み。
間違いなく、あの時速瀬さんと居た女性だった。
「あら、水月……この子、」
「そ、あの時あたしに抱きついてきた変態」
「だからそれ事実じゃないしッッ?!」
ていうか何で俺速瀬さんに掴まれてるんだ?? 逃げ出そうにもすげぇ力で抑えられて動けない。……上着を脱いでも次の瞬間にはまた捕まっているような気がする……。
猫よろしく襟首を摘まれたまま、眼前の涼宮から目を逸らす。背後では忍び笑いしてる柏木に、何事かとおはじきを中断する立石たちの気配。
「し、し、白銀……あ、あ、あああんたっっ!!?? なんでっ?!」
ん? なんだ? 涼宮の様子がおかしい……?
「あら、茜。ははーん、そっか。白銀ぇ、あんたって茜と同じ部隊なんだ?」
「は? ええ、そうですけど……おい、涼宮、なんだよその面白いカオは」
面白い物を見つけた、というように俺の顔を覗き込む速瀬さんに、顔を真っ赤にして見るからに狼狽している涼宮。
状況がよく飲み込めないんだが。そんな俺の困惑を汲み取ったように、天使のような女性が柔らかく口を開いた。
「茜はね、水月に憧れているの」
…………は?
というか、えっと、確か、ハルカさん? 涼宮と知り合いですか……? いや、むしろ速瀬さんも涼宮を知っている風だったな。
――って、まさ、か?
「あのぅ。つかぬ事をお伺いしますが、貴女のお名前は? あ、自分は白銀武と言います」
「あ、ごめんなさい。自己紹介がまだだったね。涼宮遙です。茜とは三つ違いだけど、よろしくね、白銀くん」
ゴッド。俺はあんたを信じない。
「……なによ、白銀。その顔は……」
いや、涼宮。お前もこんな時だけ冷静になってんじゃねぇよ。……しかし、なぁ。
改めて並んで立つ涼宮さんと涼宮を見比べる。ええいややこしいなっ?! と、ともかく、雰囲気も性格も、似ても似つかない姉妹のようだ。
「すっごく失礼なこと考えてるでしょ」
「いや、そんなことはない。お前の姉さんって遙さんだったんだな」
「ぉ、一丁前に名前で呼んでるじゃないの。あたしは苗字なのにねぇ」
「えっ?! い、いや、これは……同じ涼宮じゃわかりにくいと思って?!」
というか、名前で呼んで欲しいんですか??!!
いや、落ち着け。からかわれているだけだ。証拠に、遙さんがくすくす笑っている。
ぐぁ、妙に恥ずかしいな……。なんか俺さっきから子供みたいだ。
と、とにかく。状況は理解した。
以前聞いた涼宮のお姉さんというのがこの遙さんで、憧れのあの人、というのがどうやら速瀬さんらしい。
……涼宮、お前、このヒトのどこに憧れたって言うんだ?
「しーろーがーねぇ~。あんた、今あたしのこと莫迦にしたでしょ?」
「め、滅相もございませんっっ??!」
そんな漫才にもならないコントを続ける俺達を尻目に柏木が遙さんに突撃インタビュー。題目は涼宮の憧れの人。
こいつ、前締め落とされそうになったの全然懲りてねぇな……。
案の定顔を真っ赤にして暴走しそうになる涼宮だが、そこは姉の手前以前より大人しい。……と、いうより、なんか。
「そうなの。水月のことはよく手紙に書いたりしてたんだけど……入隊して初めての休暇の時にね、家に水月を連れて行ったの。茜ったら手紙ですっかり水月に憧れちゃったみたいで、手紙でしか知らない、写真でしか知らない水月を見て大泣きしちゃったの」
「お、お、お、お姉ちゃんーーーーーっっ?!」
「それにね、折角水月が話しかけても私の後ろに隠れたっきり出て来ないし、全然喋れないし……」
「お願いお願いお願いそれ以上言わないでぇっっ!!?」
…………哀れ、涼宮。本気で恥ずかしいんだろうなぁ……あんなに顔を真っ赤にして、あーぁ、半泣きだよ。
なるほど、そりゃあ俺達に話したくないわけだよ。三つ離れてるって言ってたから、三年前か? ま、お互いその頃はまだまだガキなんだし。気にすることでもないような……いや、気にするか、やっぱり。
それよりも、恐ろしいのは妹がこんなに嫌がって泣いてるのにニコニコしながら話す遙さんか??
以前タカユキさんが言っていた言葉を思い出す。真に恐ろしいのはこのお方なのかもしれない……怒らせないようにしようっと。
あ、涼宮の名誉のために言っておくと、その後はなんとか気を取り直して(開き直ったとも言う)、憧れの速瀬さんとも打ち解けて楽しく会話していた。
その後は言うまでもなく、先任二人を交えた交流戦。
専らの話題は速瀬さんたちの訓練の話だったが……ああ、すごいな。知識も鍛え方も、そして衛士となる覚悟も気概も。
なにもかも、俺達はまだ始まったばかりなのだということを痛感する。
……でも、二人と話せたのは悪いことじゃない。むしろいいことだらけだった。
涼宮には悪いが、俺にも目指すべき人が出来たのだ。……べ、別に憧れたわけじゃないぞっ。……多分。
そして話題は月末に行われると言う総戦技演習へ。
自信に満ち溢れた速瀬さんの言葉に嘘はなかったし、分隊長でもあるという遙さんも合格できるだけの実力は在ると自負していた。
それは自惚れなんかじゃない。日々の厳しい訓練を乗り越え身に付けてきた個々の実力、そして四年間を通して培ってきた仲間との絆の前に、障害なんてある訳がなかったのだ。
涼宮は憧れの人と実の姉が衛士になるための最後の難関を乗り越えることを確信していたし、俺達もそうなるだろうと信じていた。
でも、俺達は知らなかったんだ。
勿論、速瀬さんたちはその可能性を知っていた。そういうこともあるのだと、ちゃんと理解して、理解したうえで、それでも合格できると自信を持っていたのだ。
5月27日。訓練途中に呼び出された涼宮が、真っ青な顔をして戻ってきた時。
俺達は、ようやくにして「実戦」というものの片鱗を知ることになる。