8月1日(土)
「わー、もうすぐ着きますよ。楽しみですね、海。」
列車の窓際の席で、開け放たれた窓から見える海原に目を細めつつ委員長こと甘粕真与がはしゃぐ。
「つーか、アタイも結構楽しみ系かもー。エグイ水着も持ってきたしー。うるぁ待っとれよ男ども!入れ食いしてやんよコラァ!」
「アンタは一体何しに行く気よ。つか誰の目の前か考えて欲しいんですけど。」
「メンゴメンゴー。」
早くも暴走しかかる羽黒を千歌がたしなめるが、羽黒の目は既に狩猟者のそれになっていた。色の黒さも相まって、皆の脳裏に「…ブッシュマン?」というフレーズが浮かぶ。
「羽黒。引率の教師の前で堂々とそういうことを宣言をするな、俗物が!」
パァン!と座席に座った姿勢のまま一瞬で取り出した鞭を床で鳴らしてみせるのは当然、小島梅子(28)独身・彼氏いない歴28年最近ピリオド、だった。
「楽しみだなぁ…海の家…イカとうもろこしアイスキャンデーかき氷…」
「熊飼、お前もわざわざ海まで何をしに行くつもりなんだ、全く…」
一癖も二癖もある連中の担任を引き受けてしまった若さゆえの過ちを時折梅子は呪いたくなる。しかも一番の問題児軍団は別にいるのだ。本日はその軍団は同行していない、いや、
「梅先生、そう怒らずに今日は楽しくいこうよ。せっかくなんだしさ。」
問題児軍団の司令塔のみ、同行していた。今一番梅子の心を悩ませる問題児が。
「う、まぁ、直江がそういうのなら…」
伏せ目がちになり、頬を染めて俯く梅子。
「へぇー、梅先生もナオっちの言うことは素直に聞くんだー。」
「な。べ、別に私はそういうわけでは…」
「直江ちゃんはいつも真面目な子だから、先生たちの覚えもいいのです。チカちゃんも品行方正に頑張っていれば、こうして信頼してもらえるのですよ?」
(委員長ナイスフォロー。でも俺はもう少し慌てる梅子の姿が見たかったぞ。)
「へー嬉しいなー。俺、梅先生に信頼してもらっちゃってるんだ。だよねぇ俺真面目に頑張ってるもんね。色々と。」
「お、お前のどこが真面目だと…」
最近不真面目なことばかりに頑張ってもらっている身の梅子としては、異議を唱えたいがそうもいかない。またまた真っ赤になるばかりであった。
「あ、みんな、着いたみたいだよ。」
夏休みに突入していた本日、F組の珍しい組み合わせの集団はなぜか梅子による教師引率の元、海へ遊びに来ていた。
中心にいるのがこの男である以上、「なぜか」なわけなどないが。
「よーし、行こっか。あ、先生、荷物お持ちします。」
「あ、ありがとう…」
梅子調教開始前のとある夜。大和は敬愛するヘンゲル将軍との電話中、足元が崩れ去るような衝撃を受けていた。
「そ、そんな将軍!では、我々がこんなにも恋焦がれる、理想の女というものは現実には実在しないというのですか!」
「うむ大和よ。残念ながらな。女が望む、こうあるべき、という男などどこを探してもいないように、我らが考える理想の女という生き物も男の頭の中にしか存在しておらぬのだ。それが現実である。」
「う、嘘だ…将軍!なぜ、なぜそれを俺に教えるのです!女を知り、目覚めて…幸せを感じ始めたばかりのこの俺になんで…こんなに苦しいのなら…悲しいのなら…愛などいらぬ!」
(スグル…今の俺には二次元に走ったお前の悲しみがわかるかもしれない…)
「お前にだからこそ教えるのだ。将来ワシに比肩し得る智謀と絶倫を誇るお前にだからこそ。
聞くがよい大和よ。たしかに我らが欲する理想の女は存在していない。だがそれは負け犬の思考だ。逆に考えるのだ。「自らの手で造り出しちゃえばいいさ」と考えるのだ。」
その瞬間、大和の中にピシャーンと稲妻の如き衝撃が走った。
「将軍!」
「うむ!やるのだ大和!」
「さすがは将軍!まことに好色であらせられます!」
「大和。物事は正確に表現すべきだな。私は、ドスケベだ!」
「将軍!」
「大和!」
「将軍!」
「大和!」
・・・・・・・・・・・・
愛と感動に満ちたやり取りのあと、大和は将軍の助言の下、梅子育成計画の一環としての海水浴の計画を練り、そして実行に至ったのである。今回はファミリー抜きでだ。特に百代が絡んだら色々目論見をご破算にされそうな気がするから。
「ところで計画の前、何話してたんだっけ。記憶に残ってないや。」
ノリと勢いだけの会話とはそういうものである。
「ビーチパラソルはこんなものでいいかな。」
「上出来上出来。ん~、来てよかった~。」
水着に着替えてきた女性陣を迎える。委員長の未成熟なボディに別に興味はないし、その横で鼻息を荒げているガングロの狩人は論外だ。しかし、小笠原千歌のフェロモン溢れる肢体にはやはりこう…くるものがある。
おっと熱視線。
「んんっ!」
わざとらしい咳払いに振り返ると、そこには当然水着姿の梅子がいた。以前にもプール掃除の時に披露していたものと同じなので残念ながら新鮮さはないが、何度見たっていいものはいいに決まっている。
「梅先生、お綺麗です。」
やはり最初の褒め言葉は彼女に言ってあげなければ。お、もじもじとそれとなくボディラインが強調されるような立ち方をしようとしている。
「ぷ。リップサービスちょーうけるー。若い子とは肌の張りがちがうっつー系。」
台無しにする奴もいるけど。てかお前の肌のがガサガサだ。梅子のほうが百倍コラーゲンぷりっぷりだっての。
「ほらほらナオっちにクマちゃん、ちゃんとあたしたちも褒めてくんなきゃ。」
からかうように言ってくる千歌たちのことも褒める。こっちは半分だけリップサービス。
「ごめんごめん、もちろんみんなも綺麗だよ。」「うん、すごく似合ってる。」
「ふふん、お姉さんの魅力に参ってしまったみたいですね、直江ちゃん、熊飼ちゃん。」
「うっそーやっぱし?でもごめーんアタイ今日は遠洋漁業なの、近海の獲物ですます気ないっつーの。」
おめーは褒めてねーよ。
「ぅお、イケメン発見!ヘーイそこのカ・レ・シ~?アタイと下半身の安保条約結ばない系?」
ハンターが獲物を追って走り出した。
「どういう逆ナンだよ!っつーか、安全保障どころか相手の下半身の平和がもろ危ないっての。
ナオっちー、あたし泳いでくるね。荷物番お願い。」
「いえここはみんなのお姉さんであるところの私が。」
「いいじゃん、ね?」
留守番を申し出る委員長を千歌が引っ張っていく。
「いいっていいって。行ってらっしゃい。クマちゃんも海の家、行ってきなよ。俺は先生ともう少しのんびりしてるからさ。」
「そう?ありがとう、直江君。じゃあお言葉に甘えて。」
みんなを送り出して二人っきりになる。予定通りだが、
(夏の海はやっぱり気持いいなあ。梅子の教育のためのつもりだったけど、こうしてのんびりもやっぱいいかも。)
などと、少し休憩モードに入ってしまった。
が、気付けば、敷物の中央と端で離れて腰を降ろしていたはずの梅子が、すすっ、とすぐ横に移動してきていた。
「どしたの、先生。暑いのにそんなにくっついてきて。」
「ふ、二人きりになったな、大和。」
「すぐみんな戻ってくるかもしれないよ、先生。」
あくまで「先生」と呼び、いつものように名前で呼んでくれない大和に梅子は不満げな顔を見せる。
「そ、そんなつれないことを言わないでもいいじゃないか。こうやって二人きりになるのは久しぶりなのに。
…少しくらいいちゃついても。だ、だがいやらしいことはいかんぞ!衆目というものがある!」
(積極的になったなぁ。随分ハードルが下がったもんだ。)
「梅子、お肌曝して大丈夫なの?」
それとなく誘導してやる。
「あ、ああそうだ!忘れていたな。大和、さ、サンオイルを塗ってくれないか?」
いそいそ、ウキウキとバッグを漁り、中からサンオイルを取り出すと、満面の笑みで差し出してきた。
「お願いできるか?」
「オーケー。」
こういう時に梅子が見せる花が咲くような笑顔が好きだ。…キツイ表情がデフォルトな女だもんな。モロやスグルが言っているギャップ萌えというヤツだろうか。
まぁ、笑顔を独占できるのが俺一人ってのは悪くない気分だ。
「じゃ、塗っていくよ。」
「ああ、頼む。」
掌の上にたらーっとオイルを垂らし、両手で梅子の背中に触れる。「ん。」と小さく声を漏らし、ぴくっと反応した。
そのまますーっと伸ばし、撫でさするように触れていくと、んふーっと気持ち良さそうな声が漏れた。梅子も幸せそうな顔をしているが、何だかんだで俺も梅子に触れるのが久しぶりなので、お互いにこのスキンシップを堪能する。
「あっ。」「ん?どしたの?」「い、いや。」
背中に回っているビキニの紐を解いたとき、梅子がちょっと驚いていたが、サンオイルを塗るんならこのくらい当たり前だろ?ふふん。
「ひゃっ。」
太ももに触れると、今度ははっきりと声を漏らした。もみもみと刷り込むようにオイルを塗りこむ。もじもじと内腿を擦り合わせ始めた。
調子に乗って、内腿のほうに手を突っ込むフリで指を股ぐりのところに這わせてすーっと撫で上げる。
「あ…やめ…」
さすがにやめさせようと身じろぎしたが、ここで抵抗したらかえって注目の的だ。
というか、初めから梅子は注目を集めている。俺が傍から見て彼氏のように(実際そうだが)振舞っているために誰も声をかけてこないだけで、そうしていなかったら既に悪い虫の1~2ダースはまとわり付いて来たに決まっている。そのくらい魅力的なのだ。
この水着姿を以前にも俺は目にしていたが、その時に比べ、梅子は何というか…匂い立つように色気が増しているように見えるなぁ。さっきは新鮮さが薄れたとか思ったが、それは馴染んだだけで、美しさは増していくばかりだと思う。陳腐な言葉だが、やはり男を知ると女は変わるのだ。梅子が28年間自分のために美しい蝶へと脱皮せずに待っていたくれた(大和の思い込み)ことに感謝する。
そう変えたのが自分だと思うとまた、感慨深いものがあるなぁ。うん、あれだ、女性の身体は男性の愛撫によって、主にこう乳房を刺激されることでオキシトシンを分泌し、それが子宮に届くことで幸福を感じ、自分に快感という幸せを与えてくれる男性との間の愛が深まっていくんだ。そしてそれにより愛を求めて女性ホルモンの分泌が盛んになり、魅力的になっていくんだ。同様に子供を産むときにも子宮収縮ホルモンであるところのオキシトシンが分泌されるからオキシトシンたっぷり脳で赤ちゃんと挨拶するので赤ちゃんにラブラブになるわけでその時に旦那が立ち会っていればまたオキシトシン漬けの母に父への愛情を高めさせて植えつけることができるからやっぱ俺も梅子の出産の時には立ち会おうそしてさらに産後の梅子のおっぱいもさらにこうこうこうして刺激してさらにさらにおきしとしんだこのこのこのこいつがおっぱいがおれをくるわせやがる―――
「だ、だめ、これ以上は、ここじゃ、本当にだめだ、あ、あぁん、」
はっ。
気付けば俺はうつ伏せの梅子の身体の下に手を滑り込ませ、熱心に乳房にオイルを刷り込んで揉み解していた。
羞恥と快感に耐えかね、梅子ははぁはぁと熱い吐息を漏らしている。
カップごと手ブラして身体を起き上がらせると、怒りと快感と羞恥で上気した顔でビキニのヒモを結びつつ怒鳴る。
「こ、この、やりすぎだ!…こ、こういうことは時と場所を選べ!」
小声で怒鳴る。
「やー、ごめんごめん、夏の陽気と梅子の色気に当てられて。」
「そ、そんな言葉で誤魔化されると思うのか!」
語気は荒いがまんざらでもない顔をしている。充分誤魔化されてくれそうだ。
「ただ今戻りましたー!」
「ふー、泳いだ泳いだ。」
「ふわっ!?」
委員長と千歌の仲良しコンビが戻ってきたのに気付いて、梅子がばばっと跳びずさって離れた。
「ナオっちたちも泳いで来ればいいのに。あれ?梅子先生ナオっちにオイル塗ってもらってたんだ。じゃ、ついでにあたしにもやってもらおうかな。」
それを聞いた瞬間梅子の顔が強張る。縋るように大和のほうを見ると、
「ん、わかった。」
いとも簡単に同意していた。
(そ、そんな…)
目の前で大和が千歌にオイルを塗っていく。梅子は当然それをやきもきしながら見ていた。
「んー、ナオっち上手。脚のほうもお願いー。」
気持ち良さ気にそれを受け入れる千歌の表情に、梅子のジェラシーは最高潮に高まっていた。
(ああ…それは、それは私の特権だったのに。大和の手が、大和が私以外を可愛がっている…。やっぱり、若い子のほうがいいのか?)
「はい、終わり。」
「ナオっちサンキュー。喉渇いたし、あたしたちも海の家いこっか、マヨ。」
「今度は私たちが荷物番するべきだと思うのですよ、チカちゃん。」
そこにクマちゃんが戻ってきた。手に焼きそばやらイカやらを山ほど持って。
「ただいまー。いつも厳選品の発見に一生懸命になっているけど、あまりいいものとはいえないものでも、こういうところで雰囲気と一緒に味わうのもいいもんだね。
あ、直江君、小笠原さんたちも、留守番は今から僕がやるから、まだ遊んでおいでよ。」
「あ、じゃあお言葉に甘えるわね。」
「熊飼ちゃん、どうもなのです。」
「じゃあ俺は―」
いい終える前に梅子が大和の手を掴んで走り出していた。
「…行っちゃった。」
「何だったんでしょうか?」
「焼きそば美味しいなあ。」
大分スピードは落ちたが、それでも早歩きで梅子はずんずんと大和を引っ張って行く。
「ちょっと、梅子、痛いってば。そんなに強く手を握らないでよ。」
岩場の陰になる場所に着いたところで、いきなりキスされた。
「ふむっん…………んん………ぷはっ。
大和。ひどいじゃないか……私の、私の目の前であんな…」
「あんな、って何さ?」
百も承知ですっとぼける。
「他の女に触ってた。百歩譲ってそれだけなら許せるが、すごく嬉しそうだったのが悔しいんだ!」
「頼まれて、サンオイル塗ってただけじゃない。」
梅子は「う~」と恨みがまし気な顔をすると、抱きつくように大和に身を預けながら訴えてくる。
「やっぱり、若い女のほうがいいのか?こんなお前よりもかなり年上の女じゃ満足できないのか?それなら私はどうすればいいんだ。なぁ…大和…」
放っておくと、「何でもするから捨てないで」とまで言い出しそうだったので、大和は今度は自分から梅子の唇を塞ぎ舌をねじ込んで口中を蹂躙する。
真面目な梅子のことである。一度「大和のためなら何でもする」と口に出して誓ったなら、その通り自分を奴隷に貶めてどこまでも大和に従順になるだろう。
ここで突き放し、絶望させてから改めて拾いなおせば、下北沢が言うところの、大和にとって都合のいい、何でもしてくれる「メス」の出来上がりだ。だがそんな存在に興味はない。
大和が好きなのは、ピンシャンキリリと凛々しくもかわいいところがあり、強く優しくも厳しいそのままの小島梅子なのである。大和にとって何より大事なそれを彼女から失わせる気はなく、ありのまま共にありたいのだ。
ただほんの少し、そう、ほんの少しだけ大和の好みに意識改革して、エッチなことに積極的にしたい、そして一緒に色々楽しみたいだけなのである。
梅子を端女に貶めてもいいのは自分の腕の中にあるときだけ、ベッドかそれに類する大和のプレイスポット限定で、である。
あくまでも直江家の男の遺伝子レベルを基準においての「ほんの少し」であることを強調しておきたい。
そして「自分の腕の中」なら梅子を際限なくド変態に仕込む気満々であることも付け加えておく。
絡めあった舌を梅子の唇から抜き、大和は囁いた。
「馬鹿だなぁ、俺が梅子に飽きるわけないじゃないか。」
「ああん、大和ぉ。」
胸をもみもみと揉みしだかれながら蕩けきった様子で大和の背中を抱く。が、大和の指がビキニの紐を引いて解いたのに気付き、慌ててカップを手で押さえた。
「大和、まさか、ここで!?」
「梅子が連れてきたんじゃない。」
「わ、私はそんなつもりで来たのでは…」
戸惑う梅子に落ち着く暇を与えず、ブラを抜き去った。
「あっ。」
トップレスにされてしまい、さっきまであんなに積極的だったのに急に羞恥心が復活したらしい梅子は、慌てて周囲を確認する。手ブラ状態でをきょろきょろと見回すと、幸いにも見ているものは誰もいないとわかった。
「だ、駄目だ大和。こんなところじゃ…誰かが来るかもわからないし…」
居心地悪く体をくねらせる梅子を抱きしめて、耳元に息を吹き込む。
「来たら見せ付けてやればいいじゃない。」
「そんなぁ。」
大和はしゃがみこむと、今度はパンティを引き締まった太ももまで下ろしてしまう。そのまま梅子の叢に息がかかるほど顔を近づけ、舌を伸ばしてちろちろと陰唇を嘗め回し始めた。
「んー、やっぱ今日は汗の味が強いね。」
「やぁ、こんなことやめて、お願い。後で、ね?後でにしてくれ、じゃないと、私…」
手ブラを解けないので抵抗できず、なすがままになる。本気で梅子が抵抗するつもりがあるならどの状態からでも大和など一撃で沈んでいるだろうが。
大和の舌に感じる味に、梅子の汗以外の分泌物の味が混じりだした頃合を見計らって、するりとパンティを脚から抜き取ってしまう。
「あっ、いやぁ、返してぇ。」
太ももを押さえるものが無くなった梅子の脚を開かせ、片足立ちにさせて両手を岩場に付かせる。股間に顔を突っ込んだ大和はさらに激しい愛撫を加え始めた。
「あぁっ、だめ、だめぇ、だめなのぉ。」
がくがくと腰が砕けはじめている梅子から体を離すと、大和は自分の肉棒に奉仕するように要求した。
「えっ、そ、その…そんなゆっくりとしているわけにいかないだろう?は、早くしないと、」
まだ周りが気になって仕方ない梅子の前で、梅子から奪った水着をぶらぶらとちらつかせる。
「じゃ、これを返してあげるのやめようかな~」
「うう…」
うっすらと涙ぐんでいる。もう半泣き状態だった。
仕方なく(繰り返すが梅子が本気で嫌だったら腕力でもって水着を取り返して大和をぶん殴るくらいのことは造作も無い)仰向けに横たわった大和の横に膝立ちになり、人工呼吸のような体勢で大和にむかって顔を近づける。人工呼吸と違うのは、口付ける場所が口よりもかなり下であることだ。
「んんっ、んんふぅん、んむっ、んむっ、んむっ…」
発見される危険性を減らすために、少しでも時間を短縮しようと懸命に奉仕する梅子のお尻を大和はナデナデと撫で回す。
不意にお尻に這わせていた指をその谷間に滑り込ませ、つぷっと差し込んだ。
「ふんんんっ!」
いきなり襲ってきた快感に、歯を立ててしまわないよう必死に堪えつつ愛撫を続ける。
「ふん、ふん、ふん…」
もう完全に梅子は泣いていた。なぜ自分はこんなことをしているのだろう。衆目がないとはいえ、公衆の場で、一糸纏わぬ姿にされて恥ずかしいポーズで奉仕することを強制されて。これはサムライのすることではない。娼婦だって今の自分を見たら指を指して笑い者にする。余りに情けなかった。何が情けないといって、今の自分が、この男が満足ならこんなことをされても嬉しいとどこかで思ってしまっていることだ。
「ふんんん…んぐ、」
懸命な努力が実ってか、男の亀頭が口の中でぷっくりと膨れてくるのを感じる。目をやると、陰嚢がきゅっとしまり、睾丸が持ち上がってくるのが視認できる。射精が近いとわかった梅子は、もうそのことしか頭にないといった勢いで回転を上げはじめた。
「ううっ、う、梅子。で、出る、そのまま、そのまま…」
「んっ!んんんん!」
熱く粘ついた液体に突き上げられ、奥を叩かれる。えづきそうになるがそれを我慢し、しゃくりあげるように何度も注がれるそれを口と喉で全て受け止めた。
「ふぅ。」
「んん、んうう…」
頭をふらつかせながら持ち上げる梅子の目に理性の光は無かった。
「梅子…そのまま乗って。」
「う、うん…」
言われるがままに大和の体を跨ぎ、右手で陰唇を開いて、左手で全く萎えない大和の男根に指を沿え、ゆっくりと腰を下ろしていく。もう、誰が見ていても構わない、という心境に達していた。
「あ、はぁ、あああ…大和が、大和が入ってくるぅ…」
ぬぬぬ、と飲みこまれたペニスの先が、子宮の頚部にこつっと触れた。
「ほら、動いて。」
「ああ、はい…」
大和の胸板の上に手を付き、腰を上下に動かしだす。意外に鍛えられている大和の胸の筋肉に触れていると、そこに雄の逞しさを感じられてその感触に夢中になっていく。
「あっ、はっ、はぁっ、あああっ、」
ぷるんぷるんと乳房を振り乱しながらずちゅずちゅと腰を動かしつつも大和の胸を撫でる手を止めない。大和のほうも梅子の胸に手を伸ばしてきた。揺さぶりあげるように揉み、既に硬く屹立して飛び出してきた乳首をきゅっと抓るように刺激され、思わず軽く絶頂に達してしまう。
「あひぃ!ひぃ、ひぃ、ひぃ、あ、ああ、い、いい、気持ちいい!もっと、ああもっと、やまとぉ、もっと頂戴ぃ!」
下からもぐっ、ぐっ、と腰を使われ、自分でも前後に揺するように腰を蠢かせて乱れる梅子の下の口からは、とめどなく愛液が溢れ出していた。
「ああ、もう、もういくよ。梅子、どこに出して欲しい?」
「ああん、このまま、このまま中に、ああ、欲しいんだぁ、お願い中にきてぇ!」
その言葉が合図だったかのように、大和は梅子のお尻を抱え込むと引き寄せ、鈴口と子宮口をかっちりとキスさせて揺する。両手で自分の乳房をつかむ梅子が一際強く締め付けると、大和が精子を吐き出し、注ぎ込み始めた。
「あ、熱い、熱いのぉ、あああああ!」
どきゅ、どきゅ!と信じられない勢いと量で精液が膣を埋めつくした。。ひくひくと陰唇が痙攣するたびに結合部から少しづつあふれ出してきた。
力が抜けてしまった梅子は、大和の胸の上に倒れこむ。そのままの体勢でしばらくの間びく、びく、とおこりのように体を震わせていた。
(ああ…もう、見られても構わない、もう少し、こうして繋がっていたい…
でも、こうして見られるかもしれないと思いながら外でするの、とても刺激的だった…)
また一つ、梅子の中で何かのイケナイ扉が開かれてしまった瞬間だった。
「ナオっちたち、どこ行ったのかな?」
「小島先生と泳いでいるんじゃないでしょうか?先生も、待ちきれないみたいな感じで走っていきましたし。」
再びクマちゃんと交代してパラソルの下で休憩していた千歌と委員長の所に、近づいてくる男たちがいた。
「ねぇ、女の子だけ?それじゃ退屈でしょ、こっち来て一緒に遊ぼうよ。」
「そうそう、何か奢っちゃうよ?」
「ごめーん。連れがいるからさ。」
あしらおうとする千歌だったが、男たちは食い下がる。
「いいじゃん、女の子たち残して暇させてる奴らなんかさぁ。」
「お断りしているのです。どうか引き下がってくださいなのです。」
「ああ、お子ちゃまは用ないからさ。」
「きゃ!」
引き下がらない男を押しやろうとした委員長を、男のほうが押してしまう形になり、よろけて尻餅をついた。
「マヨ!ちょっとあんたたち!間に合ってるって言ってるんだから、さっさと次に行きなさいよ!」
「ちっ…めんどくせーな、いいから来いよ!」
いきなり態度を豹変させて千歌の手をつかんだ男に、千歌は軽く恐怖する。
「な、何よ!ちょっと、誰か助けてよ!」
「何をしている。」
「あ、先生、直江ちゃん!」
梅子が男たちの前に、腕組みしつつ水着姿で、でんと立ちはだかった。千歌の手をつかんでいた男の手首を大和が持ち上げるようにひねると、悲鳴を上げながら男は手を離す。
「てめ何しやがる!お、よく見りゃこっちのお姉さんもなかなかじゃねえか。あんたもこっち来、ぐべ!」
最後まで言い切る前に梅子は貫手を相手の喉元に突き込んだ。声も出せず男は倒れる。
「私の生徒たちに手を出そうとして、徒で済むと思うな!恥を知れ、この俗物どもが!」
瞬きする間に距離を詰め、二人目にミドルキックを叩き込み「く」の字に曲げつつ吹っ飛ばし、三人目の手を小手返しに掴んでそのまま背負い投げる。四人目の鳩尾に肘を叩き込んで、逃げ出した最後の五人目の走るその先に一瞬で回りこんで、脚払いをして仰向けに倒れたその股間に踏みつけを食らわせた。周りで見ていた男たちはみな前かがみになり、ほんの少しだけ男に同情した。
「ふん。思い知ったか、ケダモノども。」
「あ~ん、先生~。ありがとうございます~。あ、ナオっちも。」
「とても危ないところだったのです。」
へたり込んでいた二人がお礼を言ってくる。そうとう怖かったらしく、まだ立つことができないようだ。
「大丈夫だったか?全く、夏になるとこういう度し難い輩がぼうふらのごとく湧くから…」
「きっと、この変態たちあたしたちを岩場の陰とかに引きずり込んで、いやらしいこととかしようとしてたんですよ!」
横で、ぴしりと梅子が固まったのがわかった。
「全く、本当にいけない人たちなのです!こういう人がそういう信じられないことをするから、若者の性は乱れているなんて言われてしまうのですよ!ぷんぷんです!」
「ホントよね!全く信じられないわ!なに考えてこういうバカはそんなことするのかしら!恥知らずにもほどがあるわ!」
うーん、恐怖の反動で、なのかわからないけど、怒りに燃えた二人が饒舌になってるなあ。ああ、梅子がだらだらと嫌な汗かいてる。くっくっく、そりゃそうだよな。さっきまで自分がまさにそういうことをヤッてたんだから。
「う、うむ、そうだな、全くもってけしからん。だが、まあ、きちんと制裁もくわえたことでもあるし、もう、な?」
思わずぷっと吹きだした俺をきっと睨んだ。おおこわ。
「あっれー、なにこの男ども。なんで転がってんの?アタイが拾って食ってもいい系?」
「ただいま。いやあ満足したよ。そろそろ替わろうか。」
「んん、もうそろそろいい時間だし、帰りの準備にかかろうか。」
「そ、そうだなぁー。うん、今日のところはみな十分に楽しんだことだし、そろそろ帰るとしようじゃないか、うむ!」
「小島先生、なんで声が上ずってるのですか?」
未だ汗をだらだらと流しつつ、決して皆と目を合わせられない梅子だった。
帰り道、女性陣と彼女らを送り届ける役を申し出てくれたクマちゃんと別れた二人は、肩を並べて家路についていた。
「岩場の陰でいたしたりしてる人は変態なんだってね。」
「………」
「「いけない人」で「恥知らず」でもあるらしいね。」
「う、ううううるさい!お前だってそうではないか!」
「うん、俺は自分で変態だしいけない人だって自覚あるもん。」
「ぬぬぬぅ~。」
「大丈夫。俺、変態な梅子でも好きだからさぁ。」
「そ、そんなことを言われても嬉しくない!」
ぽかぽかと叩かれる。ナンパ男どもに容赦ない鉄槌を下したのと同じ手とは思えない様子で。
「梅子は俺が変態だったら嫌いになるの?」
「う。…そういうわけでは…。」
「じゃあ、俺、今度からもう少し変態チックなことするけど、いいね。」
「ま、待て!それとこれとは話が違うぞ!わ、私は、」
「声、大きい。」
帰り道にする会話ではない。はっと気付いて梅子は真っ赤になって、そのまま黙って歩く。
次は何をされるのか、実は期待してしまっていることはまだ自覚していない梅子だった。
第5話、海へ行くの巻でした。屋外羞恥プレイの次は何をやらせてみようかな~。リクエストとかあったら聞いてみたいかもです。
あ、リンカーンとかMC、NTRはリクエストされてもお応えできないと思うんですけど・・・。