GS日記 最終巻 再びあの世界へ どうしてこんな事になっちまったんだ…… わからん、さっぱり分からん。 俺は周囲をグルッと見回してみる。 薄暗い和室で、何故だか畳の下から変な力の流れを感じる。 これは魔法陣か何かを使ってるんだろうか? 悪意はなさそうなんで放っておいているが、何だか致命的な物に感じて仕方ない。 そして、何よりヤバイのが、俺の胸の上で幸せそうに眠る冥菜ちゃん…… 俺はタマモ達と住むようになってから、これだけは守ろうと決めた事が一つある。 それは、あの懐かしい時間を共に過ごした連中の血筋にだけは、決して手は出さない。 いや、決して美神さんや冥子ちゃんやエミさんが怖かった訳じゃ無い。 もちろんの事だが、ピートに脅迫めいた忠告を受けた所為でも無い。 自分の意思で決めたことなのだ。 あの頃の大切な思い出を、穢さないようにと…… いや、ちょっと位は良い様な気もするが、それでも成人するまではダメだよな? それなのに、ああそれなのに…… なんでじゃーーーーーーーーーーっ!? ホントになんでこんな事にぃーーーーーーーーーっ!? 俺がそうやって現実逃避をしていたら、不意に何処からか懐かしい声が聞こえた様な気がした。 ようやく会えるのね、ヨコシマ! ッ!? 思わずもう一度周囲を見渡す。 でも、そこは変わらず静かな場所で、人の気配は部屋の外に陣取っている女中さんの他には、スピスピ眠ってる冥菜ちゃん以外は何にも無い。 気のせいか? まさかな、まさかだよな? 俺はチラリと冥菜ちゃんのお腹を見る。 大丈夫。何たって文珠で『避/妊』してるんだからよ。 それでも胸に残る一抹の不安。 ルシオラに会いたく無いって訳じゃない。 でもな、他の女に産んでもらうって覚悟が無いだけだ。 うん、きっと大丈夫、大丈夫、大丈夫…… 自分に何度もそう言い聞かせながら、俺は心臓がバクバク鳴るのを必死で宥め、どうしてこうなったのかを考え始めた。 思い返す……、 確か、冥菜ちゃんの誕生日会という名の、やたらと豪華で盛大なパーティーの最中。 著名人に政治家みたいなのが大量に集まり、なんだか居心地が悪かった俺は、冥子ちゃんが持ってきた飲み物をグイッと一息で飲んで、 そこから記憶が曖昧で、 気づくと冥菜ちゃんを押し倒していて、あの子の処女膜ブチ抜いて、中にドピュッと…… それでも治まらない下半身と、暴走しそうになる煩悩を必死で抑えて、今に至ると…… 相変わらず隆々とそそり立つ肉棒。 治まる気配がまったく無い。 何飲んだんだ俺? ってか原因は冥子ちゃん!?「な~に、横島くん~~~?」「うおわっ!?」 驚いて声のする方を見ると、そこには冥子ちゃんが居た。 いつの間に? いや、だって気配を感じませんでしたよ? 驚愕する俺をそのままに、冥子ちゃんはジーッと俺の一部分を見つめている。「うわ~~大きいのね、横島くんの~~。まーくんの何倍あるのかしら~~~~」「どこ見てるんスかっ、どこっ!?」「どこって~、横島くんのおち……」「わぁーーー、わぁーーーーーーっ、もういいッス、もう分ったからそれ以上言わんといてぇ~」 女の子がそんなはしたない言葉、使ったらいかんと思う。「女の子だなんて、横島くんたらもう~~。冥子、もう70よ?」 ああ、それは簡単な事だ。 俺の中には相変わらずフィルターみたいなんがあって、どうしても老婆には見えない。 って言うか見たくない。 一度はっきりと認めた美神さんでさえ、またフィルターかけてる位だし。 美神さん、おキヌちゃん、冥子ちゃん、エミさん。 この4人な。 ま、しゃーねーさ。俺は永遠の18才、心がそんなに強くない。 っと、まあそんな事より、「冥子ちゃんは幾つになっても可憐ッスよ? そんな事より、俺に何飲ませたんすか、アンタ?」「魔界印の睡眠剤と精力増強剤よ~~~」 俺の頬がピクンと跳ね上がる。 いやーな予感がしやがる。 俺は逃げたくなる気持ちをグッと堪え、冥子ちゃんの企みを全て聞き出す事に。「魔界?」「ええそうよ~。パピリオちゃんにお願いしたの~~。大変だったのよ~~~」「パピリオーーーーっ!? ワイだってまだ会っとらんのに、どうやって!?」 俺が聞くと、冥子ちゃんはふふふ~っと笑いながら冥菜ちゃんの元に行く。 そして冥菜ちゃんの身体を優しく抱き起こすと、彼女のお腹に手をやる。 そこまでされてもまだスピスピ眠る冥菜ちゃんをそのままに、お腹を優しく撫でると、「いい加減起きなさい、冥菜~~」と言って、肩をつかんでガクンガクン揺さぶり始める。「冥菜、もう食べられない~~~」 と、定番のボケをしながら、ふにゃ~っと目を擦り始めた。 そして冥子ちゃんは、冥菜ちゃんの身体をこちらに向けると、いつもの間延びした喋り方はそのままに、真剣な表情で語りだす。 どうでもいいが、冥菜ちゃんのおっぱい丸見えで話に集中できんのだが。「一生懸命、小竜姫さまにお願いしたの~~。ルシオラちゃんを復活させたいから、べスパちゃんかパピリオちゃんに連絡とってって」 そこまで言われてようやく分った。 いや、本当は分っていて、目を逸らしていた事に気づかされた。 冥菜ちゃん、俺の子を宿したんだな、たった一回のエッチで。 どうやったのかは知らんが。「年を取るとね~、昔の悔恨がどうしようもなく辛いの~。 横島くん、私見たいの~、ルシオラちゃんと横島くんが笑い合ってる姿を~~~。 そうしたらきっと、令子ちゃんの最後の苦しみが除かれると思うの~~~」 美神さん、マダ気にしてたんか。 だったら冥子ちゃんが動くのも、しょうがない……のか? いやいや、孫を使うなよ、そんな事に!「いやね~、横島くんったらも~~。冥菜が望んだからしたのよ? キチンと前もって、ぜ~んぶ話してあるんだから~~~」「あー、それならオッケーっすね……、ってそんな訳あるかぁーーーーーーっ!!」 思いっきり立ち上がりながら、俺は冥子ちゃんにツッこんだ。 それを見た冥子ちゃんが目を丸くして、こちらをじーっと見る。 分ってくれたか…… そう思うのも束の間。 冥子ちゃんは冥菜ちゃんの背中を押して、「ほ~ら、冥菜~~。男の人が大きくなってるのよ~。 ど~すれば良いのか、教えたわよね~~~?」 そのままそそくさと部屋を出て行く。 最後に、「その薬の効果切れるまで、あと6時間は掛かるって話よ~? 頑張ってね~~~~~。 あ~、そうだ~。足りなかったら、外にいる子達を使っても良いからね~~~」 そしてパタンと襖を閉める。 ……オイッ!? なんじゃそりゃーーーっ!? 俺の声にならない叫びは、だがしかし、彼女に届く事は無く。 それどころか、小さい口で一生懸命、俺の巨大化した肉棒を奉仕している冥菜ちゃんを見て、どうでも良くなった。 プツンと何かが切れた音がして、気がついたら彼女を押し倒し、次から次へと湧き上がって来る煩悩の赴くままにひたすら犯し抜いた。 冥子ちゃんに言われた6時間後。 ようやく肉棒が萎びた状態になった時、その場はツンとした精臭に包まれていた。 股間から血や精液を垂れ流して眠る、全裸の女が全部で4人。 冥菜ちゃんに、なんで居るのか分らんレミちゃん。 それに初めて見る気がしない、初めて会った女中さんが2人。 やってもうた…… 呆然とする俺に、レミちゃんが俺の胸に飛び込んできた。「正気に戻ったんですね? だったら、今度は正気の状態で抱いて下さい……」 レミちゃんがそう言うと、他の娘達ものろのろと起き上がり、俺を見つめてくる。 ググンッと再び立ち上がる我が相棒。 もうスグ夜明けだ。 今日は徹夜だな…… 俺はレミちゃん達を抱えると、4人を並べてお尻を俺に向けさせる。 まずは名も知らぬ、金髪のショートカットの女中さんの秘裂に肉棒を沈めていく。「くっ、ふあ、あぁぁあああっ! は、入ってくるぅ……横島さまのが、お、奥までぇ!!」 外見年齢20前後の美女の胎内の肉を、無理矢理広げながら、俺はこの女性、何処かで見た事あるような…… そんな事を考えていた。 そのままパンパンと、尻を打つようにこの女性を後ろから責めたてながら、右隣の赤毛の長髪の女性の蜜壷を、グチャグチャと掻き混ぜる。「くっ、あ、あぁああっ!! 旦那さまぁ、ま、まだ、慣れてないんですぅ~、ゆ、っくりしてくださいぃっ!!」 腰をガクガクとさせながら、俺に訴える赤毛の女性も何処かで見たような……。 そして残った手で、レミちゃんの幼いワレメとクリトリスを、トントンとノックするように優しく嬲る。「あっ、く、んぅ、あぁん! よ、よこしまさぁん、レミを可愛がってくださぁい、やぁ、くっ、んぁああん!!」 こんな感じで3人を可愛がっていると、後ろから冥菜ちゃんが抱きついて来る。「横島せんせ~、冥菜も~~~」 そんな冥菜ちゃんを優しく宥めながら、順番順番と言いつつ、金髪の女性の子宮を何度も突き上げる。 何度も達しているのか、嬌声を上げながら膣奥から愛液を吐き出し続ける金髪の女性。「横島さまぁ、そろそろ限界ですっ!」 金髪の女性の切羽詰った声に応え、腰の前後運動を更に激しくし、膣奥を数え切れない位に叩き続ける。 彼女の子宮が熱くなり、俺の射精を促す為にうねり、ねじれ、きつく肉棒に巻きついて扱きたてる。 乙女を奪ったばかりのワレメの奥で、俺は最後の一突きをすると、ビュクッビュクッ、ドクンと大量の精液を吐き出した。 熱い精液を子宮口に叩きつけられる感触に、彼女の身体が何度も跳ね上がり痙攣する。「あっ、あっ、あぁあああっ! や、んぁあっ! よ、横島さま、わたし、もう、いっちゃう、ああ、だめ、い、イックゥゥウウウウウゥウウっ!!」 膣口がぎこちなくすぼまる。 彼女の秘裂からは愛液がまるでシャワーのように勢いよく溢れ出した。 最後に大きく背中を反らせたあと、脱力するようにそのままクタァっとなってしまう。 そんな彼女の中から肉棒を引き抜き、今度は赤毛の女性の花弁に肉棒を食い込ませた。 閉じた小陰唇を広げながら、肉棒を打ち込んでいく。「ひぃ、あぁああっ! い、いいっ!!」 赤毛の女性の喘ぎ声を聞きながら、気づくとレミちゃんが俺の右腕に、冥菜ちゃんが俺の左腕に、それぞれ自分の秘所を擦りつけて喘ぎだす。 3人の女の喘ぎと、ダウンしている女の息切れのような喘ぎを聞きながら、俺の煩悩力がドンドンと増して行くのが分る。 赤毛の女性のしっとりとしている柔肉を何度も貫き、子宮口を抉って抉って抉りまくる。 すると赤毛の女性は身体を小刻みに震わせながら、大声で嬌声を上げ、そのまま脱力してしまう。 ズルッと抜け落ちてしまいそうになる肉棒を、奥に向って突き出しながら、俺は赤毛の女性に、「しっかり締め付けないとダメだぞ?」 少し厳しい口調でそう言った。 彼女は快感に酔って涎を垂らしながらも頷くと、必死に身体を起し膣孔を締め上げてくる。 そんな彼女の中を、さっきと同じように激しく攻め立てた。「ひっ、ひあぁああっ! らめです、旦那さまぁ、も、もぅ、すずめ、頭がおかしくなっちゃうよぉ……」「よぉしっ、おかしくなれっ! イクんだっ!!」 勢いをつけ、最後にズバンと膣奥に向って腰を叩きつけると、子宮口に肉棒を押し付けたまま射精を開始した。「ああああ、イク、旦那さま、わたし、わたし、アアアアッ、旦那さまイッちゃうぅぅぅっ!」 赤毛の女性は身体を大きく反らせると、絶頂の飛沫を股間から吹き上げる。 全身から力が抜け、再び脱力したように腰を落すと、そのまま俺は肉棒を彼女の胎内から引き抜いた。 彼女の中から溢れ出す愛の体液が股間から流れ落ちていく。 これで2人か…… チラッと残りの二人を見ると、期待しているのか、頬を染め上げて甘えてくる。 はぁ、はぁ、と俺は息切れを起しながら思った。 俺の死因は間違いなく腹上死だと…… そう思ったら、自分の中で何かがプチンと切れる音が再びした。「……ふふふ、ふははははーーーーーーーーっ! やったらーーーーーーーーーっ!! ワイはやってやるんやーーーーーーーーーーーっ!!」 俺は冥菜を引き寄せると仰向けに寝せ、その上にレミをぴったりと肌を合わせる様に重ね合わせた。 大きく両足を広げさせ、股間をさらけ出させる。「横島せんせ~~、恥かしいよぉ……」「横島さぁん……」 二人は幼い恥丘を擦り合わせる様に密着させ、二つの肉裂を露出させている。 俺はレミのお尻を掴むと、そんな二人の間に割り込むように肉棒を沈めていく。「きゃぁ、んぅ……」「ああっ、ひぃああんっ……」 ズニュッ、ズチュッ、二人のワレメの間で肉棒を滑らせる。 沢山の体液でグチュグチュとなっている二人のアソコは、滑りもヌメリも最高だ。 そんな二人の間で肉棒を動かすと、上下に絡みついた肉裂がえぐられてクリトリスを刺激する。 冥菜とレミ、二人のクリトリスをそうやって刺激し擦り合わせていくと、あっけなく上りつめていった。「冥菜、イッちゃうよ~~~、きゃあああんっ!」「イキます、私、イッてしまいます! ひっぁぁあああああっ!!」 同時にプルプルと震える二人の身体。 俺はそのまま二人の間にびゅびゅびゅびゅぅぅぅっと大量に射精すると、そのまま後ろにドスンと両手を広げ、仰向けに倒れこむ。 心地良い疲れと達成感に、俺はそのままうつらうつらと船を漕ぎ出すと、またまた下半身に感じるねっとりした快感…… 恐る恐る見てみると、美しい4人の女が俺の股間をキレイに舐め上げ、啜りあっているではないかっ! 流石に限界だっ!? これ以上は死んでまうッ!! 俺の心の叫びなど、一切聞こえないだろう4人の女は、今度は誰から行きますか? などと和気藹々とお喋りしていた。 ははは、そうか……ここが俺の終点か…… ズグンっと女の胎内に入っていく肉棒を眺めながら、俺は走馬灯の様に、あの懐かしい美神除霊事務所であった様々な事件を思い起こす。 楽しかったなぁ。美神さん、おキヌちゃん、俺、先に逝ってます…… △月■日 取り合えず一言。 俺、生還!! ルシオラ復活のカウントダウンが始まった。 ルシオラが生まれる頃には、俺はこの世界には居ないんだけどな。 うん、少しでも早くこっちに戻ってこよう。 それにしても何だ。 あの女中さん2人、すずめさんにめぐりさん。 どっかで見た気がしてならん。 ☆月☆日 美神さんからアスナに、3本も神通棍が贈られた。 イタリアンマフィアは……って言ったら、前みたくぶん殴られた。 それを見て笑う、西条頭テル彦がすんげームカついたぜ! それにしても美神さん。 本当に丸くなったって言うか、金を湯水の様に使いまくっているって言うか。 一度聞いたら、死ぬまでに使い切らないと勿体無いじゃない? だってよ。 子供達に残すって選択は、あまり無いみたいだ。 そんで、ついでよ、って言って、前に借りた竜の牙とニーベルンゲンの指輪を俺にくれた。 ホント、いつもすみません、美神さん。 心配せんでも、キチンと帰ってきますって。 こうやって考えてみると、ルシオラの事は冥子ちゃんが作った、俺への最後の鎖なのかもな。 そして、俺は世界を渡る。 魔力を束ね、あの最後の戦いの時に顕現された門をイメージする。 それをカオスがサポートし、前夜に散々愛し合った小竜姫さまが心配そうに見守る。 少し離れた場所にはゲーム猿とヒャクメ、それにようやく再会できたパピリオが。 ついでに雪之丞の葬式の時にも会った、ワルキューレとジークの姉弟。 そして、べスパ。 昨日、べスパはこちらを複雑な面持ちで見つめると、「姉さんの事は心配しなくて良いよ。私とパピリオがしっかり、あの母体も込みで守ってやる。」 そう言ってくれた。 殺し合いまでした俺たちだが、ようやく仲直りが出来たって事だろうか? パピリオも外見が16才位まで成長していて、帰ってきたら一緒に遊びましょうね、だってよ。 あの変な喋り方、治ったんだな。 でも、胸のサイズは大したこと無かったぜ。 ルシオラと違って未来はあったが、大した未来では無かったようだ。 戦闘力が80を切ってやがるぜ…… そんな事を考えていると、カオスが俺にこう囁く。「平行世界に本当に行くとはな。ワシの真・不老不死術が完成していたら、何を置いてもついて行ったんじゃがなぁ」 本当に残念そうにカオスがぼやく。「次の機会に連れてってやるよ。俺が居ない間、アイツ等の事、頼むな」「任せとけ。あと2年もすればワシも完全体になる。そうなったら、あれじゃぞ? ワシは無双出来る程に強いぞ?」 ニヤリと笑うカオスは、とても頼もしく見える。 見えるだけだがな。 実際、肝心な所でボケるのは、ボケが治っても治らんと思う。 矛盾してる言い方だが、確実に真実を捉えている自信がある。 カオスとそんな馬鹿話をしていると、俺たちの頭上に、混沌とした渦巻状の物が出来上がる。 俺はアスナを抱えると、前にこの世界に帰ってきた時の様に、渦の中心目指して飛び上がった。「いってきまーーーーすっ!」 アスナが大声で、この場に居る神族や魔族に挨拶をする。 いってきます、か…… アスナにとって、この世界こそが自分の世界なんだな。 アスナが望むなら、アチラの世界に置いてくる事も考えていたんだが…… 使徒にする前は。 今は考えてねー。 俺の女だし、誰にも譲らん! そして渦の中心に差し掛かったとき、俺は見送る皆の顔を脳裏に叩き込んだ。 小竜姫さま、パピリオ、べスパ、ワルキューレ、ヒャクメ、ジーク、猿。 必ずまたここに帰ってくるかんな。 俺はそんな想いを込めて、大きく手を振る。 そして、扉を開けた…… 暗闇を抜け、出た先は…… おそらく麻帆良だろうな。 眼下にそびえ立つ巨大な樹木。 神木ばんとー、通称世界樹。 その巨大な樹木の天辺に、俺とアスナは降り立った。「忠夫、あれっ!」 アスナが指差すその先は、二つの凄惨な戦場。 片方は巨大な魔力を持つ緑の魔法使いと、恐らく居合い拳の使い手の戦闘。 ザワリとする何かを抑え、もう片方の戦場を見る。 蟷螂の巨大な化け物の股間から出る、触手のような物に襲われている美女に、その蟷螂の腹部の中に居る、腹を貫かれた少女。 その周囲には、元は人間だった塊がいくつも散らばっている。「アスナ! あっちは、多分タカミチだ。お前はそっちに行ってタカミチの援護をしろ!! タカミチには俺が行くまで時間を稼げって言っておけ。あの子達を助けたら、スグに行く!!」「わかったわっ!」 アスナは元気良く返事をすると、神通棍片手に戦場へと飛び込んでいく。「気をつけろっ、相手は化け物だ! 勘九郎クラスだと思って戦え!!」 俺のその声に手を振って答えると、そのまま「いっけぇーーーーーーっ!!」と叫びながら霊波砲を連打する。 ズドドドォーーンっと轟音が響き渡り、砂煙が立ち上る。 その中に飛び込んでいくアスナを最後に見て、俺は美女達を助ける為に反対側の戦場に飛び込んだ。 まったく、来て早々これかよ。 少しボヤキながら、自分の周囲にいくつものサイキックソーサーを浮かび上がらせると、美女を捕らえている触手目掛けて撃ち放ち、触手を千切り飛ばす。 身体を捕らえていた触手を失い、地面に落下してくる美女。 その身体に纏わり着く様に蠢めいている触手。 口や胸を犯し、嬲っているのを見て、自分の怒りが上がってくるのが良く分る。「んむぐぅーーーーーーっ!?」 口一杯に触手に犯されながら、必死で俺に助けを求めながら落ちて来る。 そんな美女の口中や胸を犯している触手を、文珠で『浄』化させ、そのまま美女をキャッチし抱きとめる。 間一髪だったようだな。 ギリギリ美女の貞操は守られたようだ、多分……「あの化け物に食べられた、私の友人を、助けて……ください……」 着ている服をビリビリに裂かれた上に、体中を粘液でベタベタにされている。 粘液でヌラヌラと濡れる大きな胸を隠す事は無く、泣き黒子の色気がある目元からは、頬を伝う涙の跡。 息も絶え絶えで、それでも必死に言葉を紡ぐ。 そんな美女の助けを求める声に応えるべく、俺は件の少女に目を向けた。 透明な膨れた腹の中にプカプカと浮かび、腹を触手で貫かれている少女。 目は虚ろで、何とか生きている状態、多分だが。 じりじりと服が少しづつ溶かされているのが遠目でも分かる。 腹からは絶え間なく血が噴出し、四肢を触手で完全に押さえられている。 首に巻きついている触手が、そのまま彼女の口の中を出入りしているようだ。 他の触手が股間や尻の周りを愛撫しながら、その中心に入ろうとしているのも見える。 俺はその無残な光景に怒りを感じる。 急がなきゃな。美少女が触手如きに犯されるのを、黙って見過ごす訳にはイカン! それにしても、美女や美少女をこんな目に遭わすたぁー、相変わらずあのホモ野郎、ゲスだな。「任せとけ、必ず助けてみせる」 少しかっこつけて、俺はそう言い切った。「貴方は、だれなんですか?」 目の端に沢山の涙を浮かべながらの美女の問いかけ。 俺は右手の竜の牙を剣の形に変えると、体を化け物に向けたまま、顔だけ美女の方を向く。 そして、「俺は横島。ゴーストスイーパー横島忠夫だっ!!」 内心、くぅ~っ! 俺かっけぇ~! って思いながら化け物に向っていった。 麻帆良に来て早々、俺達の最初の戦いが、こうして始まる。