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No.11660の一覧
[0] ヨコアスR(ネギま×GS)[uyr yama](2013/02/17 10:06)
[1] 序の巻[uyr yama](2010/07/08 18:22)
[2] GS日記 第1巻 [uyr yama](2010/01/13 02:33)
[3] GS日記 第2巻[uyr yama](2010/01/13 02:34)
[4] GS日記 第3巻[uyr yama](2010/12/07 08:54)
[5] GS日記 第4巻[uyr yama](2010/01/13 02:38)
[6] GS日記 第5巻[uyr yama](2010/01/13 02:40)
[7] GS日記 第6巻   エロ有り(小竜姫)  [uyr yama](2010/07/08 18:23)
[8] GS日記 第7巻[uyr yama](2010/07/08 18:23)
[9] GS日記 第8巻 [uyr yama](2010/07/08 18:24)
[10] GS日記 第9巻[uyr yama](2010/07/08 18:25)
[11] GS日記 第10巻 [uyr yama](2010/01/14 01:38)
[12] GS日記 最終巻   エロ有り(GS編オリキャラ乱交)[uyr yama](2010/07/08 18:25)
[13] GS編 設定資料集(笑)[uyr yama](2010/01/14 01:45)
[14] まほらのほほん記 第1巻[uyr yama](2010/01/26 22:00)
[15] まほらのほほん記 第2巻[uyr yama](2010/01/26 22:03)
[16] まほらのほほん記 第3巻   エロ有り(あやか)[uyr yama](2010/05/02 15:36)
[17] まほらのほほん記 第4巻   エロ有り(アスナ)[uyr yama](2010/05/02 15:37)
[18] まほらのほほん記 第5巻   エロ有り(夏美)[uyr yama](2010/05/02 15:38)
[19] まほらのほほん記 第6巻   エロ有り(あやか)[uyr yama](2010/05/02 15:39)
[20] まほらのほほん記 第7巻[uyr yama](2010/02/16 12:12)
[21] まほらのほほん記 第8巻[uyr yama](2009/12/31 18:59)
[22] まほらのほほん記 第9巻[uyr yama](2009/12/31 19:01)
[23] まほらのほほん記 第10巻[uyr yama](2010/07/08 18:28)
[24] まほらのほほん記 第11巻[uyr yama](2009/11/07 01:55)
[25] まほらのほほん記 第12巻[uyr yama](2010/07/08 18:29)
[26] まほらのほほん記 第13巻   エロ有り(アスナ、他)[uyr yama](2010/07/08 18:29)
[27] まほらのほほん記 第14巻   エロ有り(アキラ)[uyr yama](2010/07/08 18:30)
[28] まほらのほほん記 第15巻[uyr yama](2009/12/31 19:35)
[29] まほらのほほん記 第16巻[uyr yama](2010/07/08 18:31)
[30] まほらのほほん記 第17巻   エロ有り(のどか)[uyr yama](2010/07/08 18:31)
[31] まほらのほほん記 第18巻   エロ有り(夕映)[uyr yama](2010/06/21 15:53)
[32] まほらのほほん記 第19巻   エロ有り(シスター、千鶴)[uyr yama](2010/07/08 18:32)
[33] まほらのほほん記 第20巻   エロ有り(アスナ)[uyr yama](2010/07/08 18:33)
[34] まほらのほほん記 第21巻[uyr yama](2010/07/08 18:33)
[35] まほらのほほん記 第22巻   エロ有り(愛衣)[uyr yama](2010/06/21 15:53)
[36] ネギま!のほほん記 第1巻[uyr yama](2010/07/08 18:34)
[37] ネギま!のほほん記 第2巻[uyr yama](2010/11/16 23:09)
[38] ネギま!のほほん記 第3巻[uyr yama](2010/07/08 18:35)
[39] ネギま!のほほん記 第4巻[uyr yama](2010/07/08 18:36)
[40] ネギま!のほほん記 第5巻  微百合含むエロ有り(アスナ&茶々丸)[uyr yama](2010/05/02 15:47)
[41] ネギま!のほほん記 第6巻[uyr yama](2010/07/08 18:37)
[42] ネギま!のほほん記 第7巻  微百合エロ有り(横パ乱交)[uyr yama](2010/05/02 15:48)
[43] ネギま!のほほん記 第8巻[uyr yama](2010/02/16 12:07)
[44] ネギま!のほほん記 第9巻[uyr yama](2010/07/08 18:38)
[45] ネギま!のほほん記 第10巻[uyr yama](2010/02/17 00:08)
[46] ネギま!のほほん記 第11巻[uyr yama](2010/02/16 12:10)
[47] ネギま!のほほん記 第12巻  エロ有り(シスター)[uyr yama](2010/07/08 18:38)
[48] ネギま!のほほん記 第13巻  エロ有り(木乃香)[uyr yama](2010/07/08 18:39)
[49] ネギま!のほほん記 第14巻  エロ有り(アスナSP)[uyr yama](2010/07/08 18:39)
[50] ネギま!のほほん記 第15巻[uyr yama](2010/03/15 02:12)
[51] ネギま!のほほん記 第16巻  エロ有り(アキラ&裕奈)[uyr yama](2010/06/21 15:54)
[52] ネギま!のほほん記 第17巻  エロ有り(あやか、ちょい裕奈&アキラ)[uyr yama](2010/05/02 15:53)
[53] ネギま!のほほん記 第18巻  エロ有り(木乃香)[uyr yama](2010/07/08 18:41)
[54] ネギま!のほほん記 第19巻[uyr yama](2010/07/08 18:41)
[55] ネギま!のほほん記 第20巻  エロ有り(千鶴SP)[uyr yama](2010/07/08 18:41)
[56] ネギま!のほほん記 第21巻[uyr yama](2010/07/08 18:42)
[57] ネギま!のほほん記 第22巻  エロ有り(茶々丸)[uyr yama](2010/07/08 18:42)
[58] ネギま!のほほん記 第23巻  エロ有り(夕映&のどかSP)[uyr yama](2010/07/08 18:43)
[59] ネギま!のほほん記 第24巻  エロ有り(夕映&のどかSP)[uyr yama](2010/07/08 18:43)
[60] ネギま!のほほん記 第25巻  エロ有り(夕映&のどかSP)[uyr yama](2010/07/08 18:43)
[61] ネギま!のほほん記 第26巻  エロ有り(アキラ&亜子)[uyr yama](2010/07/08 09:49)
[62] ネギま!のほほん記 第27巻  エロ有り(木乃香SP)[uyr yama](2010/07/08 09:47)
[63] ネギま!のほほん記 第28巻[uyr yama](2010/07/15 00:40)
[64] ネギま!のほほん記 第29巻  エロ有り(夏美SP)[uyr yama](2010/08/02 16:25)
[65] ネギま!のほほん記 第30巻  エロ有り(アキラSP)[uyr yama](2010/08/04 13:50)
[66] ネギま!のほほん記 第31巻  エロ有り(あやかSP)[uyr yama](2010/08/12 17:46)
[67] ネギま!のほほん記 第32巻  エロ有り(美空&ココネSP)[uyr yama](2010/08/27 01:45)
[68] 一周年記念アタック![uyr yama](2010/12/28 00:38)
[69] 俺が為に鐘よ鳴れ 第1巻[uyr yama](2010/09/03 22:09)
[70] 俺が為に鐘よ鳴れ 第2巻[uyr yama](2010/10/14 08:49)
[71] 俺が為に鐘よ鳴れ 第3巻[uyr yama](2010/10/25 22:03)
[72] 俺が為に鐘よ鳴れ 第4巻  エロ有り(TS注意!ネギSP)[uyr yama](2010/11/16 23:12)
[73] 俺が為に鐘よ鳴れ 第5巻  微エロ百合有り(アスナ&木乃香)[uyr yama](2010/11/23 23:15)
[74] 俺が為に鐘よ鳴れ 第6巻[uyr yama](2010/11/29 15:21)
[75] 俺が為に鐘よ鳴れ 第7巻  微エロ有り(亜子)[uyr yama](2010/12/14 09:01)
[76] 俺が為に鐘よ鳴れ 第8巻  エロ有り(亜子SP)[uyr yama](2010/12/25 09:08)
[77] 閑話の1  エロ有り(亜子)[uyr yama](2011/02/07 10:51)
[78] 閑話の2  エロ有り(タマモSP)[uyr yama](2011/02/07 12:11)
[79] 閑話の3  (NTR美砂)[uyr yama](2011/03/08 00:09)
[80] 閑話の4  エロ有り(NTR美砂SP)[uyr yama](2011/03/08 00:14)
[81] 閑話の5  エロ有り(円SP)[uyr yama](2011/05/23 00:10)
[82] 閑話の6  エロ有り(桜子SP)[uyr yama](2011/06/05 09:52)
[83] 鬼鳴きの古都 第一巻  エロ有り(アスナSP)[uyr yama](2011/10/26 14:11)
[84] 鬼鳴きの古都 第二巻  エロ有り[uyr yama](2011/10/26 20:30)
[85] 30万HITスペシャル企画 ヨコなの 第1話[uyr yama](2010/04/26 09:14)
[86] 40万HITスペシャル企画 ヨコなの 第2話[uyr yama](2010/07/08 18:44)
[87] 50万HITスペシャル企画 ヨコなの 第3話 エロ有り(美由希H、なのは自慰)[uyr yama](2010/05/03 00:57)
[88] 60万HITスペシャル企画 ヨコなの 第4話 前編[uyr yama](2010/04/26 09:16)
[89] 60万HITスペシャル企画 ヨコなの 第4話 後編[uyr yama](2010/04/26 09:17)
[90] 70万HITスペシャル企画 ヨコなの 第5話[uyr yama](2010/04/26 09:18)
[91] 80万HITスペシャル企画 ヨコなの 第6話[uyr yama](2010/04/26 09:19)
[92] 90万HITスペシャル企画 ヨコなの 最終話[uyr yama](2010/05/02 00:58)
[93] キーやんのママがみてる&Fate/イリヤとしないTo![uyr yama](2010/05/10 00:21)
[94] 100万HITスペシャル企画[uyr yama](2010/12/07 08:55)
[95] 1111111HIT企画 横島エロ無双SP&無印ネタ語り[uyr yama](2010/11/03 16:12)
[96] 130万HITスペシャル企画  エロ有り(クスハ)[uyr yama](2010/12/12 10:49)
[97] 150万HITスペシャル企画  エロ有り(クスハ)[uyr yama](2010/12/07 09:02)
[99] 180万HITスペシャル企画[uyr yama](2011/04/18 14:11)
[100] 180万HITスペシャル企画 追加パック  エロ有り(黒桜×シャイン)[uyr yama](2011/04/21 20:32)
[101] ロードス島戦記Y 邪神戦争編 序[uyr yama](2011/04/28 17:57)
[102] 没シーン①[uyr yama](2011/08/17 21:54)
[103] せっちゃんといっしょ! ①[uyr yama](2011/09/04 19:20)
[104] せっちゃんといっしょ! ②[uyr yama](2011/09/05 16:14)
[105] せっちゃんといっしょ! ③[uyr yama](2011/09/08 16:37)
[106] せっちゃんといっしょ! ④[uyr yama](2011/09/12 23:03)
[107] 鬼鳴きの古都 第三巻  百合有り(アス×あや)[uyr yama](2012/07/14 00:02)
[108] 簡易データ表[uyr yama](2011/09/21 20:50)
[109] 逆行大作戦!! 第一話  エロ有り(ロリタマ)[uyr yama](2012/04/25 21:10)
[110] 逆行大作戦!! 第二話 [uyr yama](2012/05/02 13:10)
[111] 逆行大作戦!! 第三話  エロ有り(早苗)[uyr yama](2012/05/09 20:38)
[112] 逆行大作戦  第四話  エロ有り(冥子)[uyr yama](2012/05/27 16:33)
[113] 逆行大作戦  第五話  エロ有り(冥子)[uyr yama](2012/07/12 17:32)
[114] 逆行大作戦  第六話  エロ有り(モブ)[uyr yama](2012/08/03 23:45)
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[11660] まほらのほほん記 第2巻
Name: uyr yama◆157cb198 ID:c975af4b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/26 22:03






  まほらのほほん記  第2巻  初めての衝撃











「水着のねーーちゃーーーーーんっ!!」

 
 そんな叫び声を上げながら、ビーチへと駆け出す一人の男性。

 色々あって私の主様となった人、横島忠夫さん。

 霊気構造を崩壊させていた私を、自らの使徒とする事で救ってくれた。

 あれから数日が経っても、まだ私は身体の調子が酷く悪い。

 元の調子に戻るのには、早くても一月は掛かる。

 彼のその言葉に、私と横島さん、それに同じ使徒で先輩になるアスナさん。
 ルームメイトで、私を心配して身の回りのあれこれをしてくれる夏美さん。
 そして、あれから鬱々と塞ぎこむ千鶴さん。

 その5人で、我が雪広グループのリゾートアイランドにやって来たのです。

 心配させてばかりの私、そんな私の両親がいろいろと便宜を図ってくれたお陰。

 もちろん貸切ですので、あの方がお望みの水着のねーちゃんはおりません! ええ、おりませんとも!!

 こんなにも美人で可愛い女の子を、4人も! 連れてらっしゃるというのに、あの人は本当にもうっ!!


「なんでじゃーーーーーっ! 青い海、白い砂浜だと言うのに、水着のねーちゃんどころか人っ子一人いねーーーーーーーーーーーーっ!!」 


 波打ち際で、辺りを忙しなくキョロキョロさせて、あの人が叫ぶ。
 それを見て、夏美さんは楽しそうにケラケラと笑い、アスナさんは恥かしそうに頭を抱えてます。
 千鶴さんは……、儚げな表情を浮かべながら、悲しそうに笑います。

 そしてスグに、

「あやか、大丈夫? 余り日に当るのは良くないわ。早く屋根のある所に行きましょう?」


 私の手を引き、休憩所の様な場所まで行くと、私を椅子に座らせ、アスナさんと夏美さんを手足の様に扱き使いながら、一心に私の世話をする。
 私の膝にタオルケットを掛け、テーブルを持ってきて飲み物の用意までしてくれる。

 ありがたい事なのですが……

 何故そこまで罪悪感を感じるのですか?

 私がこうなってしまったのは、千鶴さんの責任ではないでしょう?

 何度そう言っても、千鶴さんは首を振るばかり。

 あの時、私の事を思わず、あの人の事を想ってしまったのはそんなに罪なのでしょうか?
 出来の悪いパニックモンスター的な、B級映画の様な出来事に巻き込まれた私達。
 死を目前にし、化け物に蹂躙された貴女が、あの方に助けられたあの時、あの方を想って顔を赤らめたり青ざめさせたりするのは、そんなにいけないこと?

 あの時の千鶴さんは、年相応でとても可愛らしく、貴方もこんな表情が出来たのですね。

 私はとても嬉しく思いましたのに。



 私がそうやって千鶴さんの事で悩み考えていると、先ほどまで波打ち際で叫んでいたあの人が私の所にやって来る。

 そして、私のおでこに手をやると、

「大丈夫か? 熱はないようだが……」


 そう言って、おでこに当てていた手を、そのまま頬を通って下にツツゥーと下ろしていき、私の顎をクイッと持ち上げる。

「ここに来る前に補給しといたが、やっぱ飛行機は辛かったか?」

「ええ、そうですわね、少しだけ」


 自分の頬が赤く染まって行くのが良く分る。
 頭がポ~っとして、身体中の血液が顔に集まってしまったみたいですわ。
 私は下品にならない程度にうっすらと口を開け、そっと目を瞑って彼の唇を待つ。

 彼の唇が私の唇と重なり合い、私の口の中に彼の舌がヌルッと侵入してきます。
 彼の舌が私の舌を絡めとり、ちゅるると私の唾液を啜り上げてくる。

「んん……」


 ちゅ……くちゅぅ……と、静まり返り波の音しか聞こえなかった周囲に響き渡り、その淫音を聞くたびに如何にかなってしまいそう。
 彼は私の胸の膨らみを手の平で覆うと、優しくゆっくりと揉みあげてくる。
 私はその度にビクンビクンと身体が痙攣してしまう。
 彼の手の平は、私の胸の頂を何度もクニュクニュコリコリと弄び、私を高みへと連れて行く。、
 そのままたっぷりと5分程それが行われ、何度も私は頭を真っ白にしてしまう。

 私がイッてしまう度に、ドンドンと霊力が送り込まれて行くのがわかります。

 そっと私の唇から放れてしまった彼の唇を、私は物欲しそうに見てしまう。
 もっと、もっとして下さい、と……
 そんないやらしい私の唇の端から唾液が流れ落ち、それを舌を這わせペロッと舐め啜る彼。

 それだけで私は感じてしまい、子宮がキュンっとなった気がしますわ。
 下着がぐっしょりと濡れ、彼が欲しくてたまらない。
 飛行機に乗る前に、あれだけ私の胎内に注いで貰いましたというのに。
 こんなにも彼を愛おしく想ってしまう。まだ、出会ってから5日しか経っていないというのに。
 使徒になったせい? わかりません、もしかしたらそうかも知れませんわね。

 それでも、今の私が幸せを感じている事は確かで、何より使徒になったのは最終的には私が望んだ事。




 あの時、あの事件の後で、私は自分という存在が薄れて行くのが解りました。

 血の気が引き、力が入らずにグッタリと横たわっていた私は、あの人が呼び寄せた両親と千鶴さん、
 アスナさんと高畑先生、そして先生が連れて来て下さった夏美さんに囲まれて……


 私は、人として死ぬ事を選んだ。


 霊気構造の崩壊。精神の疲弊。
 本来ならば、これに身体の致命的損傷も加わる筈でした。
 ですが、横島さんのおかげでそれは無くなり、それどころか自分の最後まで教えてくれました。
 話によると、『この世界』には霊気構造云々の技術は確立されてなく、それを判断出来るのは横島さんだけとか。
 そのまま原因も解らず死んでしまう筈だった私を、助ける事が出来る可能性を持っているのも、彼だけでした。


 そして告げられたのです。

 人として死ぬか、それとも彼の従者となって、人としての理から外れ、彼とその仲間達と共に永遠を彷徨うか。


 永遠の若さ。それは女性にとっては心底欲しい物かも知れません。

 ですが、それはとても辛く苦しいものではないかと、私は思うのです。
 両親や友人が年老い、死んで行くのをただ見守る事しか出来ず、自分はいつまでも若いまま。
 若いままなのですから一つ所に居る事も出来ず、文字通り彷徨う事になるのでしょう。
 それはとても恐ろしい事だと私は思いました。
 ですから、迷わず死を選びました。

 何より、彼にこれ以上迷惑をかけたくは無かったですから。

 何のリスクも無く、そんな事が出来る筈などありませんわ。

 そう告げると、彼は困った様に笑い、

「確かにしばらくは俺の負担にしかならん」


 そう正直に話してくれました。
 ただ、自分にもメリットは有る、とも言いましたが。
 先行投資だと、今は負担にしかならなくても、いつかは自分の支えになれるのだと。

 そう言ってくれたあの人に、私は首を振ってもう一度拒絶の意志を口にしようとしました。

 ですが、私の両親が泣いて止めるのです。
 頼むから生きて欲しい、そう言いながら。
 千鶴さんと夏美さんも、同じようにワンワン泣きながら、生きて、と……


 私は生きる、そう決めました。

 説得はされたのですが、それでも最後に決めたのは自分。

 彼の使徒となった私は、それから今日までの間、幾度と無く彼に愛され……、でも、それは私にとって必要な行為。
 私の霊気構造の崩壊を止める為に、私は人としての器を捨て、そして魂の補修の為に大量の魔力が必要となったのですから。





「もう充分ですわ。折角の南の海ですもの、アスナさんと夏美さんを連れて遊んで来てはどうです?」


 私がそう言うと、最後に頬に触れるだけのキスをして、
 真っ赤になっている夏美さんと、頬を引き攣らせているアスナさんを連れて、着替えの為と荷物を置きに水上コテージに行ってしまわれました。

 2人一部屋で使うそこは、それぞれ私とアスナさん、夏美さんと千鶴さん、そして最後に横島さんの3部屋。

 私の荷物はアスナさんが、千鶴さんの荷物は横島さんがそれぞれ持ってコテージに入って行くのを確認すると、私は千鶴さんに傍に来て欲しいと伝えます。

 いい加減、今のままでは不健康極まりないですわ。

 ですから、アスナさんと二人で考えた作戦を発動ですわね。

 夏美さんにも、お願いしとかなければいけませんわね。


 使徒となってから、1日に何度も彼に抱かれている私。
 その所為でしょうか? こうなる前と倫理観が違う気がします。
 簡単に言えば、千鶴さんは横島さんに抱かれてしまえばいいのでは? そう思うのですわ。
 悶々と彼の事を想い悩むより、ずーっと健康的に感じますし、何より、私への罪悪感を少しでも減らす方策でもあります。
 性魔術、それによって彼に魔力の譲渡を行えば、それだけで私の為になるのですから。 


「いいの、あやか……?」

 おずおずと不安気に、小声で私に囁く千鶴さん。
 彼女は、こんな自信無さ気な方ではありませんのに。
 やはりここは……

「ええ、千鶴さん。私に遠慮する事ありませんのよ? 先にあの方を想ったのは、貴方なんですから」

 戸惑いながらも、ハッキリと頷く彼女を見て、これでもう大丈夫と確信しました。

 あの方は、人を癒す天才ですから。

 その後は、化け物に犯された私でも大丈夫かしら? そう呟く彼女に、それは私も一緒でしたわ。そう言って彼女を元気付ける。

 夏美さんに根回しをし、横島さんにも千鶴さんを抱いてあげて欲しいと言っておく。

 まさか、あんな事になるなんて思いもよらずに。
 




 まあ、結果オーライですわね♪










































 顔を赤らめながら励まし見送る夏美に、私は手を振って応えながら、ゆっくりとした足取りで彼のいるコテージへと向った。

 本当に良いの?

 あやかが大変な時に、初恋の胸の高鳴りに浮かれていた汚い私。

 そんな私を彼が愛してくれる?

 死にそうなあやかを放っておいて、血塗れで戻ってきた彼に抱きつき、求めるようないやらしい私なんかを。

 横島さんは、それは化け物の体液のせいだと言ってくれたけど。

 違う、私は確かに欲したのだ。

 あやかの安否を気にするよりも、彼が欲しかった、抱かれたかった。


 そして、今も……

 罪悪感を感じながらも、彼の胸に飛び込む誘惑に勝てない。
 トクトクと高鳴る胸。あの時、媚薬に犯された時みたいに熱く火照る肢体。

 あやかが用意してくれた私の心の逃げ道。

 横島さんへの魔力譲渡。
 その言葉に縋り、彼に抱かれるのは、本当に良い事なの?
 それでも私は……


 彼の泊まるコテージの入り口に着くと、私はコンコンと扉をノックして、

「失礼します」

 そう言いながら中へと入る。

 中は明かりも無く、人の気配が一切ない。
 誰もいない部屋に入ると、私は彼の使うベットに腰を掛ける。
 どこかホッとする自分がいる事に気づく。

 彼が眠るだろうベットにパタンと倒れこむと、私は備え付けの鏡に映る、自分の酷い顔に驚いた。


 ああ、これじゃ皆が私を心配するのも当然だわ。

 そうね、私はあやかを理由にして逃げていただけなのかもね。

 そう思うと、自然と顔から笑みが戻り、クスクスと笑い出してしまう。

 誰もいない彼の部屋で、彼が眠るだろうベットに潜り込み、私は布団に包まれながら幸せな夢を見ようと思う。

 今頃彼は何をしているのだろう?
 あやかとアスナさんの所かしら?
 フフフ、ずるい子達ね。今日は私に譲るって言ってたくせに。
 明日はお仕置きね! 何が良いかしら……


 私はあの惨劇のあった日から、初めて心から笑った。

 そして、そのまま幸せな明日を夢見ながら、ぐっすりと眠りについたのです。

































「ってことなのよ、夏美」


 千鶴は自分の大きな胸の前で、手をパンと鳴らす。

 彼女は満面の笑みを浮かべているが、先ほどから話しかけられている夏美は、ガタガタブルブルと震えるばかり。

 それはそうだろう。なんてったって千鶴の背後からは、何やら黒いオーラが噴出しているのだから。

「そ、そうだったんだぁ、ちづ姉。元気になってよかったね!」


 必死で恐怖を抑えながら、夏美は擦れた声を紡ぐ。

「あら、ありがとう夏美、心配かけてごめんね? でもね? 貴方は今、何をしてるのかしら?」


 ゴ、ゴ、ゴ、千鶴の背後から吹き出る黒いオーラから、瘴気が発せられる。

 夏美は思わず「ヒィッ!?」と悲鳴を上げ、逃げようとするも、恐怖からか他の要因のせいか動けない。

「ち、違うよちづ姉っ!? 私は被害者だよう! 夜這いされたんだよっ!!」

「そう、それは大変だったわね。でもね、夏美ちゃん。だったらなんで彼の胸にスリスリしてたの?」


 そう、彼女は裸の横島のお腹に胸を押し付けるようにして、幸せそうに彼の胸に頬をスリスリし、更に、彼の足に自分の足を絡め、身体を密着させていたのだ!

 スリスリしている時の彼女の顔は、とても幸せそうに緩みきっていて、そんな幸せそうな彼女を千鶴は今まで見た事が無かった。

 ごろにゃーんっと、子猫が甘える様であった彼女は、千鶴と目が合うまでずっとそうしていたのだ。

「え、えっと……、てへっ」


 悪戯がばれた子供のように笑顔で返す夏美。

 千鶴はどこからともなく2本のネギを取り出し、自分の目の前でクロスさせる。

 シャッシャッシャッ……

 ネギとネギを擦り合わせる千鶴。

 夏美は千鶴が何をしようとしているのかは解らない、理解出来ない。

 でもこれから起こるのが、自分にとって最悪の惨劇である事だけは解った。

 体の振るえが止まらない。

 ゼェゼェと何故か呼吸が荒くなってくる。

「ね、ねぇ、ちづ姉? 何をしているの?」


 夏美の問いかけに、千鶴は心底楽しそうな笑みを浮かべる。

「2人とも一晩中裸でそうしてたのよね? 風邪をひいてはいけないわ」


 そしてゆっくりと、2人が重なり合うベットへと近づいてくる。

 寝た振りをして誤魔化そうとしていた横島も、余りの恐怖から背中が汗でぐっしょりと濡れる。

 
 助けて! 誰か助けて!!

 2人の心からの救済の願いは、どこに届く事もなく。


 シャッシャッシャッ……

 ネギの擦りあう音が、こんなにも恐ろしいなんて。

「風邪の時はね、ネギをお尻に刺すといいらしいわよ? 温熱効果が高まって……そうよね、寝たふりしている横島さん?」

「ギックゥ!?」

 ビクンとする横島。

 それを見て、更に笑みを深める千鶴。

「さあ2人とも、プッスリ逝きましょうか……。大丈夫、私なんかふとーい触手にお尻を犯されたけど、今はとっても元気だわ。ネギの1本や2本、平気よね?」


 2人は必死で起き上がり、逃げようとするも、絡み合った足が邪魔で逃げ出せない。

 そんな2人のすぐ側まで来ると、千鶴はネギを天高く掲げた。

「いやーーーーーーーっ!? ちづ姉、ゆるしてぇーーーーーーーーーーっ!!」
「いややーーーーーーっ!! そんなんワイはいやじゃーーーーーーーーっ!!」

































「おはようございます、アスナさん」

「おはよ、あやか」


 すっきりと晴れわたり、今日も良い1日が送れそう。

 2人はベットから起きると、窓から覗く澄み渡る青空を見てそう思った。

 今頃、彼と千鶴は良い朝を迎えているのかしらね?

 2人はチクンとする胸の痛みを誤魔化し、それでも友人が元気になってくれれば良いのに、そう思った。

 そう思ったその時、どこからともなく聞こえてくる男と女の絶叫。




 いやーーーーーーーっ!? ちづ姉、ゆるしてぇーーーーーーーーーーっ!!
 いややーーーーーーっ!! そんなんワイはいやじゃーーーーーーーーっ!!




「何ですの?」

「さあ? ろくでも無い事だってのは分かるけどね?」


 二人はそのまま笑い合う。


 アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さ、朝ごはんの用意するわね」

「手伝いますわ、アスナさん」





 そして、長い長い、この世界に来て、まだ学校行ってないけど、初めての夏休みが本当に始まる。

 のほほんと過ごす毎日が、今日から始まる。







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