「ふう、ようやっと終わったわい」「ご苦労様でした、学園長先生」「いやー苦労したぞい。ホントは木乃香と同室になって貰うつもりじゃったんじゃがのう。 アスナちゃんの『お願い』はもう勘弁じゃわい」 そう言って、体をブルブル震わせる。「……何があったんですか、学園長先生?」「やめとくれぇーーーーーーっ! それはワシの秘蔵のコレクションなんじゃーーーーーーーーーーーっ!!」 その日、学園長室の近辺にいた生徒は、学園長のこの世の終わりを垣間見たと言わんばかりの絶叫を聞いた。 しばらく続いたそれは、ドゴンっと言う鈍い音が聞こえたと思うと、キレイに治まったという。「やりすぎじゃないかい?」「あら、これ位で如何にかなる方では無いわ」 二人の男女の目の前には、頭から血を流して倒れる学園長が。 男は冷や汗を流しながら、微笑む女性の言葉に耳を傾ける。 この人には逆らわん方が良い。そう思いながら…… まほらのほほん記 第6巻 異なる明日 2学期の始業式まで、あと4日。 明日にはこのリゾート地を出て、麻帆良へと旅立つ。 この地にいる5人の中で、唯一の男である横島忠夫は、ボケ~っとダラダラ、グダグダ、ゴロゴロ…… 彼のそれなりに長く、波乱万丈といって良い人生で、ここまで平和な時間は無かったであろう。 そんな時間を過ごす中で、彼は少しだけ思い悩んでいた。 何故、自分はゴーストスイーパー何かになっちまったんだろうか? 雪之丞やナギやラカンみたいな戦闘民族とは違い、戦う事も、争う事も、何より痛い事なんてイヤでイヤで仕方がない自分が。 ぼへーってしながら日々を過ごし、ナンパしたり、美人のネーちゃんとイチャイチャしてるのが大好きな自分が。 そんな自分が何で命のやり取り何かしているんだろう? 美神さんと出会ってしまったから? いやいや、あの見事な乳や尻や太腿と出会わない人生などありえん。 もしあの人と出会えなければ、下手すりゃおキヌちゃんは幽霊のまま。 何より、アシュタロスが侵攻してきた時点で、人生終了していた可能性が高い。 ルシオラとも出会えなかったしな。 最後にはオカルトテロで他世界に飛ばされちまったとは言え、ソレがなけりゃイオやセリカにも出会う事が出来なかった。 そう考えてみると結果オーライな気がしてならん。 だからと言って、これ以上戦いの日々を送る必要性も感じない。 そう思い始めると、どうにも思考が止まらない。 もう良いんじゃねーか? そう思い始めているのだ。 元の世界に帰れば、自分の事務所が待っているのだが、それらは全部タマモやシロに任せて、今度は企業でも起してみるのも良いかも知れない。 長く果てない人生だ。 いつか再びゴーストスイーパーに戻るにしても、今この時は平和で呑気な仕事をしてもいいのでは無いだろうか? そんな事を考えながら、横島は横たわっていた安楽椅子の上でゴロンと寝返りをうつ。 彼の視界には、明日帰る為の準備に勤しんでいるアスナ達が見える。 アスナは、横島が何か考え込んで悩んでいるのに気づいてるのか、何も言わない。 あやかと千鶴と夏美も似たようなモノだ。時折呆れたように溜息は吐くけれど。 そんなアスナ達を眺めていたが、しばらくして横島は立ち上がる。 決してあやか達の目が冷たくなって来たからじゃーない。 少し身体を動かしたくなってきたからだ! 横島は自分にそう言い聞かせながら、唸り声を上げ大きく伸びをする。 そして勢い良く立ち上がると、アスナ達の所に行き、何か手伝おうとするが、「ん? 邪魔よ、あっち行って」「はあ……、もう良いですわ。そっち行ってじっとしてて下さいませ」「横島さん、大人しくしてて下さいね?」「あはは、よ、横島さんは遊んでて良いよ?」「おがーーーーん!! みんながワイを邪見にするんじゃーーーーーーーーーーーッ!!」 ヨロッとよろめいたかと思うと、泣き叫びながら海に飛び込み、そのまま水平線の彼方に消えていった。「あー、あの様子は不味いわね。今頃、夜になったら纏めてアフンアフン言わせちゃるわっ! とか考えてるわよ、間違いなく」 アスナの呆れた様な声に千鶴は、「あらあら、それは楽しみね、夏美?」「そ、そんな事は、ない……よ?」 両手の指をもじもじと合わせながら小声で呟く。 それを見て、千鶴は更に追い討ちを掛けようとするが、「もう、夏美さんをからかうのもいい加減になさい」 あやかの言葉に思い止まる千鶴。 だが、千鶴はあやかの後ろに立つと、おもむろに彼女の胸を揉みしだく。「随分と大きくなったわね、あやか。横島さんに毎日可愛がって貰ったお陰かしら?」 「ひぃあっ!?」 いきなり来た快感に身悶えるあやか。 あやかの過敏すぎる反応を見て、横島との情事を想い浮かべてしまい、全身をピンク色に染め上げる夏美。 アスナは千鶴の言葉に、あれ? 使徒になったんだから大きくはならないんじゃないの? と思ったが、毎日毎夜、霊力を注いで貰っていたのは確かなので、成長したのかな? なんて考えていた。 実際、彼女の胸は自分よりも大きく、少し悔しい。 なんせ横島忠夫と言う男は、結局の所は大きな胸が大好きなのだ。 口では、大きいのも小さいのもどっちも好きじゃー! なーんて言ってはいるが、彼が見ているエッチな本は、大抵巨乳関係なのだから。 あやかとは、目算で3~4cmは差がある。千鶴に至っては比べるのも馬鹿らしくなる事に、11cmは違う。「悔しくなんてないんだからぁっ!!」 突然叫びだすアスナ。 それに驚いたのか、千鶴はあやかを身悶えさせていた手を止めてしまい、チャンスとばかりに彼女の手から逃げ出すあやか。 あやかは、ハァハァと荒々しい息を吐きながら、「ナニをなさるんですの、千鶴さん!?」「ナニって……、エッチな子になっちゃって、あやかったら……」 ハンカチで目元を拭いながら、悲しそうにする千鶴。 「くっ……、もういいですわ……。そんな事より、さっさと後片付けと帰る準備を済ませますわよ」 パンパンと手を叩きながら皆を急かす。 その声に、明後日の方を見ながら咆哮していたアスナも、のろのろとだが体を動かし始める。 千鶴と夏美も返事を返し、そのまま彼女達の手伝いに入った。 さっきのアスナの言葉を思い出してなのか、艶のある溜息を吐きながら。 2人にとっては残念な事に、その日はあやかの治療最終日と言う事もあって、そんなイベントは起きなかったのだが。 スゥースゥーと、規則正しい寝息。 普段の様子からは考えられない程に、あどけない様で眠るあやか。 事が終わり、疲れ切って自分の上で眠るあやかの重みに、顔の筋肉を緩ませる。 月明かりに照らされ、淡く金色に輝く彼女の髪を優しく撫でる。「ん、んぅ~」 気持ちが良いのか、年相応に可愛らしく微笑む。 そんな彼女を見て、横島は昼間考えていた事が、間違いでは無いのだと思った。 もう、戦う必要なんて無いのだと。 今自分の上にいる少女は、ラプシィアに襲われるまではただの一般人で、そんな彼女と共に過ごして行くのに戦いは不要なのだと。 元の世界に帰った時には、2人で商売をするのもいいだろう。 アスナはタマモ達に任せて、自分とあやか、それにもしかしたら夏美も一緒に来てくれるかも知れん。 そしたら2人じゃ無くて3人だな。 千鶴はこちらに残ると言っているから、その日の為にもラプシィアの賞金と、此方に来る際に持ってきた貴金属を元手に株や証券等で金稼ぎするのも良いだろう。 儲けたお金は千鶴に託し、自分達は商売の経験を得る。 そんな簡単にはイカンだろうが、自信がある。 横島はそんな事を考えつつ、自分の胸の上で安らかに眠るあやかをもう一度見る。 可愛らしく、それでも色気のある姿で眠るあやか。 彼女を見ていると、ムクムクと淫心が湧いてくる。 既に治療も完了したあやか。 これからは、治療の為でなく抱きたいから抱く。 体勢を入れ替えると、彼女を起さないよう、ゆっくりと慎重に彼女の胎内に侵入していく。「……んぅ……ぁぅん……」 既に一度、彼女の中で射精している為か、彼女の胎内は充分過ぎるほどに濡れ、抵抗無くズブ、ズブ、ゆっくりと奥へと飲み込まれていく。 毎日毎夜、挿入して来た割には、相変わらずあやかの膣内はキツく狭い。 横島は乱暴に腰を振りたくなるのをグッと堪え、じわじわと胎内から引き抜き膣口まで戻すと、再びズブズブとゆっくり奥まで挿入する。 どれ位の間そうしていただろう? 慎重に慎重を重ねた結果、あやかは今だ目を覚まさず、頬を上気させ、うわ言の様に喘ぎ悶える。「……ぃぁ……んぅ、よ……ま、さんぅ……ひぃん……」 あやかはどんな夢を見ているんだろうな? そう思いながら、腰をゆっくりと前後に揺らす。 このまま眠ったまま最後までイッて貰おうか? 横島がそんな邪念を発した瞬間、「ヒィアッ!?」っと身体を弓なりに反らせ、あやかが目を覚ます。 誤って彼女の敏感な部分を突いてしまったようだ。 彼女は素早く現状を把握すると、両手を広げて横島の頭を包み、胸で挟み込んだ。「貴方ときたら、本当にもうっ!」 口調は怒っていたが、心底愛おしそうに横島の頭を抱きしめる姿は、女神を思わせる。 あやかは暗闇の中、チラリと時計の方を見て、時間を確かめた。 既に日付は変わっており、あやかはソレを確認すると、「たった今から患者では無く、貴方の使徒としてご奉仕しますわ」 胸で挟み込んでいた横島の顔を、自分の目の前に持ってくると、そのまま唇を奪い自分から腰を振り始めた。 局部を結合させ、腰を捻りくねらせる。「ふぅぅっ、んっく、はぁっ……お腹の中、一杯ですわ……」「あやかもいやらしくなっちまって」 ニヤケながらも、嬉しそうに言ってくる横島に、「あっ、貴方の使徒ですもの……、んく、くぅぅん、いやらしくも、はぁっ、なりますわっ、ふぁぁ」 元来マジメで優等生な彼女だ。 この一月、毎日肌を合わせたのは伊達じゃ無い。 横島の動きを完全にトレースし、彼の良い様に肢体を振るわせる。 抱かれた数では圧倒的にアスナを上回り、この世界に措いては並ぶ者無き程に横島に愛された。 そんな彼女が、横島に気持ちよくなって貰う為に全力を尽くす。 擦り合わされる肉棒を、膣肉でねっとりと包んでマッサージ。 女の象徴である乳房に彼の両手を導き、色っぽく喘ぎ声を上げる。 腰の動きに強弱を付けて、肉棒に与える刺激に緩急をつけて高まらせる。 次第に追い詰められていく横島に、最後は貴方のお好きな様にと首に両腕を巻きつけ、彼の成すがままに。 横島は、危なかった~、と一息つけながら、負けるものかとあやかの脚を大胆に開かせる。 あやかの子宮をゴリゴリと擦り、抽送を激しくする。 ぐぷ、じゅぷぷっ、水音が激しさを増し、くの字に曲げたあやかの腰の奥を貫いていく。「ひっ、ひぅぅっ、あぅっ! ……っくぅん、はぁぁっ……も、もう、限界、ですわっ! ふぁう、んっ、んくぅっ!」 快感に揺れるあやかの淫猥な姿が、横島を欲情させる。 入り口を捏ね回し、側壁を強く擦りつけ、子宮を叩き、勢い良く引き抜く。 あやかの胎内を抉り、嬲り、蹂躙し続ける。「ああああっ! ん、あぁああ! く、来るっ、来ますわっ! やっ、あああぁ、あぁあああっ!」 あやかの絶頂の嬌声に合わせて、横島は全体重をかけて肉棒を力任せに子宮に叩きこむ。 膣壁が痛い位に彼の肉棒を締め付け、肉ひだが圧力を強める。 あやかは目尻から涙を零し、口からは涎を流し、秘所からは愛液を溢れ出させる。 そんな淫らな姿に満足の声を上げながら、横島の肉棒が思い切り爆ぜた。「あ、あ、あぁああああああああああぁああっ!」 横島の精液が、あやかの子宮口にかけられる。 あやかの膣肉は、横島の精液を搾り取るようにギュギュッと彼の肉棒を締め付け、激しく痙攣を繰り返した。 横島は完全に射精し終えると、彼女の体に覆い被さるように倒れ込む。 そんな彼の身体を優しく抱きとめ、背中に手を回すと、うっとりと微笑んだ。 もう、こんな時間を過ごす事は、滅多に無いのですね…… あやかは、そう思うと寂しくなる自分に驚く。「こんな事ではいけませんわね」 ボソッと囁いた言葉に、「ん? どうした、あやか」 横島はあやかの上から身体を下ろすと、彼女の胎内深くに収められた肉棒を抜き出す。 ソレをどこか寂しそうに見つめながら、あやかは、「いいえ、なんでもありませんわ」 そう言うと、自分の横でぐたーっとしている彼の胸に飛び込んだ。 彼の胸で自分の胸を潰しながら、横島の首筋に自分の唇を押し付ける。 そんなあやかの頬を、横島は優しく撫でる。「麻帆良に帰ったら、アナタはどうするのですか?」「そうやな~、何か商売でも始めてみっかな~」 あやかは少し驚きの表情を浮かべる。 てっきり、除霊や退魔の仕事をするものだと思っていたから。「命のやり取りは疲れた。いつ終わるか分からん人生だ、そろそろのんびり過ごしてもいいんじゃねーかと思ってさ」 横島の優しい表情や、お馬鹿な顔、そして鼻を伸ばしたいやらしい顔しか見ていない。 そんな彼が、荒事に勤しんでいる事自体が可笑しいのかも知れない。 そしてあやかは、彼は平穏な日常こそが良く似合う、そう思った。「そう、そうですわね。私も手伝いますわ」「おう! 頼むな、あやか」 その後は時々淫声を上げながらも、今後の予定を立てていく二人。 朝まで続いても終わらなかったソレは、飛行機の中でも続けられ、アスナを驚かせた。 アスナにとって横島は、ゴーストスイーパーしか有り得なかったから。「事務所はどうするの?」 アスナのその言葉に、横島は迷わずタマモに任せると言って、アスナの反論を封じた。 もっとも、アスナも特別反対な訳ではなかったが。「ま、いっか」 アスナはそう結論付けると、麻帆良に行ってからの横島との『新婚生活』に思いを馳せた。 ここに来る前に、学園長に頼んでおいた2人で住む家が、彼女を待っている。 あやかは仕事のパートナー、私は可愛いお嫁さん。 鼻歌を紡ぎながら、アスナは明るい未来に胸を高鳴らせた。 夏美や千鶴が白い目を向けている事に気づきもせずに……「アスナはネギ刺しの刑だね、ちづ姉」「そうね、夏美。フフフ……」「アハハハハ……」「ウフフフフ……」「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 女の狂笑が木霊する。 20年前の大戦で両親を失い、今度は愛する男を失った。 どちらも、西洋魔法使いの手によって。 いや、違う。両親の仇は特定出来ないが、愛する男の仇は解っていた。 『横島 忠夫』 女は憎む。横島忠夫を憎み、怨嗟する。 殺したい。引き裂きたい。横島忠夫の愛する者を奪ってやりたい。 ヤツの目の前で惨たらしく、犯し、引き裂き、ジワジワと苦しませながら殺す。 愛する者を失い、ヤツが泣き叫ぶ所を見てやりたい。 そして、もっとも残酷な方法で殺してやるのだ。 女、天ヶ崎千草は希う。 横島忠夫の全てを蹂躙出来るのなら、自分の全てを捨てても後悔は無い。 今の自分では敵わない事は解っていた。 それでも彼女は向う。 男の終焉の地、麻帆良へ。 何をする訳でも無い。 今回は怨敵の顔を拝み、愛した男の痕跡を探しに行くだけ。 愛した男、ラプシィア・ルンの…… その時、ドクン、身体の奥から鼓動が聞こえた。