楓と2人、捜しに捜した出口をようやく見つけた矢先の事だ。 ───よし!これでこの迷宮から出られるぞ!! ネギは安堵の溜息を吐くけども、世の中そんなに甘くは無かった。 みんなが待つ場所に戻ってみれば、暴れ倒している動く石像。 その石像、どう見ても魔法の力を感じる。 ネギは驚愕した。 石像に、ではない。「中国武術研究会部長の力、見るアルよー!」「にんにん♪」「ふん、仕方ない……か……」 3人の教え子達の、超!パワーに、である。「ハイッ!!」 気合と共に突き出された古菲の拳が、石像の脚部を破砕し体勢を崩させると、「甲賀中忍、長瀬楓。参る……」 楓が16人に分裂してオールレンジアタック。 瞬く間に石像がボロボロになっていく。 そして、古菲と楓が与えたダメージで動きが鈍くなった石像の正面に立つ、刹那。 彼女の手にはサムライブレードと思しき刃物。 明らかに銃刀法違反です。なんて、ネギが軽く現実逃避をしていると、 斬ッ! 空気を切り裂き、閃光が走った。 そうして目の前の石像の胴体と下半身が分断され、轟音を立てて崩れ落ちた。 呆然と見る。もう、ピクリとも動かなくなってしまった石像と、それを成した自分の教え子である3人の少女を。 同時に、頭が冷えてクリアになる。 おかしいと思ってはいた。 それがなんなのか、ようやく解った気がする。 ───コレ『が』僕の試験だ。 ここに自分を連れて来た宮崎のどか。 魔法の本の存在を皆に明かした綾瀬夕映。 この2人は魔法使いだ。 だったら、学園長から何らかの指令を受けて…… 更には刹那達によって破壊された、魔力で動いていたと思われる石像。 発見した出口の扉に書かれていた、中2相当の英語の設問。 しかも、それは明日のテスト範囲の問題だ。 何より、ふらっと現れ、ふらっと消えた横島。 今もきっと、自分が教師として、何より立派な魔法使いとして相応しいのか見ているに違いない。 ネギはキョロキョロ辺りを見回し、誰も、そして何もない方向へ、深々と頭を下げた。「ありがとうございます、横島さん。昨日は僕を心配して、顔を見せてくれたんですね……」 心から信頼している父の親友へと向けた感謝の言葉。 小さく呟かれたその言葉は、忍者である楓と、そして刹那の耳にしか届かず。 でも2人は、ネギの言葉を聞こえなかった風を装い、そっと離れた。 そして神経を尖らせる。そこに居る。そう、居るはずの男の気配を何とか探ろうとして。 だけども、見つける事が叶わず、顔を悔しさで歪ませた。 さっきの石像との戦闘も、本来だったらここまでやらなくても良かったのだ。特に刹那は。 彼女はあくまでネギのサポート役で、彼女が石像を倒してしまっては、何にもならないではないか…… それも全て、横島忠夫への焦りからくるもの。 刹那も、楓も、古菲も、昨日の横島との対面で、少なからずプライドを刺激された。 自分が、自分達が、しょせんは井の中の蛙である事を、嫌になるくらい見せつけられて。「くそっ!」 悔しそうに言葉を吐き捨てる刹那。 あんなんでも名高い紅き翼の一員だった男だ。 自分では到底及ばないと理解しているつもりだった。 そう、つもりだったのだ。 なのに、気づけば普段の行動からあの男を侮っていた。 侮れる様な男では無かったと言うのに…… そんな彼女の様子に気づいて、緊張に体を強張らせる古菲。「もしかして、いるアルか?」「恐らくは、でござるが……」「……帰ったら、修行のやり直しアルネ~」 目が遠くを見、輝きを放った。「私は幸せ者アル。あの様な強者が近くにいる、これで私はもっと強くなれるアルネ!」 そして笑う。 武道家として、より高みに昇れる喜びで。 ちっぽけなプライドが崩された後は、純粋に強くなりたいという欲求。 そんな古菲を見て、楓もまた、笑った。 今の自分が及ばぬあの男、横島忠夫が近くに居るのならば、適当な理由を見つけて手合わせを願う事も可能かもしれない。 そうしたならば、確実に自分たちは、もっと、もっともっと、もっともっともっと強くなれる! 「楓、帰ったら手合わせするアルよ」「わかったでござる。で、ござるが……」「うむ、まずは勉強アルな」 2人の視線の先は、幼い教師。 今回のテストの点数如何で、その出処進退が決まってしまう危うい立場の少年だ。 この数日共に過ごし、ネギの真面目で誠実な性格を、とても好ましく思っている。 だからまずはネギの為に頑張ろう。 テストの平均点を上げ、ネギがこの学園都市に残れるように。 今、こうしている自分達を見ているだろう彼に向って、楓と古菲は笑って見せた。 次は、こんな無様は晒さない。そして、ネギは自分たちが守ってみせる。 凶暴な笑みを、見えぬ横島に向けるのだ。 でーもー、横島忠夫はこんな所にゃ、いやしねーっ! 彼がどこで何してるかと言うと…… 「すごく、気持ち良いです……」「ほら、もっと優しく撫でるんだ、茶々丸ちゃん」「こ、こう……でしょうか?」「ん……、イイ感じだ……」「ええ、とても、もふもふです」「だろ? ここに来て良かったろ?」「はい。ウサギさんも、ハムスターさんも、みなさんとっても可愛いかと……」「いやー、茶々丸ちゃんは絶対好きだと思ったんだよなー。ふれあい動物園」 麻帆良から車で1時間のとあるデートスポット。 横島と茶々丸は、ふわふわもこもこの生き物達と戯れていたのだった。「ウサギさんの手は毛で覆われてるんですね」「うおーっ! この犬、ワイに吠えてきやがる!」 こんな感じ。 ネギま!のほほん記 第22巻 茶々丸タイム ふれあい動物園で楽しい時間を過ごした後は、近くの牧場で牛さんを見ながら、取れたての牛乳で作られたソフトクリームを食べてみた。 初めて5感がある状態での飲食。 味覚センサーが正常に働いているのだろう。 心地好い冷たさと、頬が蕩けそうになる甘さで、とても美味しく思うのだ。 だから夢中になって食べる茶々丸。 ぺろぺろ、あむあむ、一心不乱。 そのせいか口の周り一杯にクリームをつけてしまい、でも夢中で食べてるから気づけない。 そんな茶々丸を可愛く思った横島は、顔を彼女に近づけ、クリームをぺろりと舐め取る。「あっ……」 顔を真っ赤にする茶々丸。 これでは子供みたいだと、とても恥ずかしく思う。 それに彼の舌が頬に触れた瞬間、甘い痺れが全身を襲った。 お腹の辺りが熱く切なく、それが何なのか分からないでいる茶々丸は、ふるふると震えたのだ。 可愛い仕草を見せる茶々丸に、横島はその舌を彼女の唇へと少しづつ近づけていく。「よ、よこしま……さん、ふぁ……」 下唇を丹念に舐め、次に上唇を舐める。 そうして今度は閉じた唇を舌先で割り、口中へと進入させた。 横島の舌先が自分の舌先にツン、と触れた瞬間、感電したみたいに全身が痺れ、茶々丸は意識を飛ばしかける。 それは彼女が良く知る感覚に、とても良く似た感覚である。 そう、魔力供給時に感じるものと、おんなじ。「んちゅ、ンッ、ぢゅ……んふっ……んぐぅ、ンッ、ンッ、ンンッ!」 快感に身体を支配された茶々丸は、なすがままに横島に口の中を蹂躙される。 舌を絡め取られ、唾液を流し込まれる。 絶え間なく襲ってくる快感の波。 そして口の中に広がる横島の、味。 前だったらオーバーヒートしてしまうぐらい熱が上がり、でも、新しくなった今の茶々丸はこの程度ではそうならなかった。 超と葉加瀬の仕事によるモノだ。2人は前回の茶々丸のオーバーヒートした状況から、しっかりと可動領域を強化していたのだ。「んむ……、茶々丸ちゃんが食べてんのも美味しいな」 茶々丸の唇から離れつつ、横島は楽しそうにそう言った。 ボーっと呆けた様な感じで、茶々丸は横島の言葉を耳に入れる。 熱くなった頬が、もっと熱くなってしまった。「あ、あの……」 何か言おう、そう思うも上手く言葉に出来ない。 それでも半開きに開いた口で、何とか言葉を紡ごうとするも、「俺のチョコ味も食べてみる?」 横島に先んじられてしまった。 混乱した頭のまま、茶々丸はコクリ、自然と頭を下げてしまう。 彼が食べているチョコ味のソフトクリームを食べてみたかった訳では、もちろん無い。 茶々丸の頭を占めるのは、さっきの、キス。「私は、欲しい……んだと思います……」 そう、キスをして欲しかった。 さっきみたく、口の中を蹂躙して欲しかった。 さっきみたく、彼の唾液を流し込まれたかった。 彼の吐息を近くで感じ、彼の匂いで包まれたかった。 彼の暖かさ、彼の唾液の味、そして何より、彼の顔を、もっと近くで…… 新しく追加された5感を、思う存分に彼で占めたかったのだ。 そんな茶々丸の目の前で、大きな口を開けてチョコ味のソフトクリームを口にする横島。 口の中にチョコ味のソフトクリームを入れたまま、段々と茶々丸の唇に近づき…… 甘く、ほろ苦く、冷たい感触。 なのに、とても熱い。冷たいのに、熱かった。 楽しい時間はあっという間だ。 気づくと太陽が最も高い位置まで上がり、それも今では地平線を赤く染めている。 学校はとっくの昔に終わっているのだろう。 アスナや木之香も家に帰っているはずだ。 だから、 ───もうすぐ、この時間も終わってしまうのですね…… 横島の背に手を回し、貪欲な彼に唇を貪られながら、茶々丸は寂しさに、涙がこぼれる。 ところで、横島は忘れてはいない。 それは、茶々丸が今の身体になる前の話。 散々に絞り取られた時のことだ。 あれはあれで良かった! そうは思うものの、矢張り仕返しはしたいものだ。 無論、横島は今の茶々丸が異常なほどに、『感度』が高い事に気がついている。 頬を舐めただけでフルフル震える、ちょっと舌先をツンツンしただけで絶頂しちゃう。 そんな可愛く敏感な茶々丸。 頭に角が、ケツに矢じりの様な尻尾が生えてくる感さえある横島。 勿論、色は真っ黒だ! 横島は陶然とする茶々丸の手を優しく引き車の助手席に乗せると、とある目的地に向って走らせる。 本日のメイン。西洋のお城みたいな建物。その名も、『ラブキャッスル』 のれんの様な物がかかっている入り口を車で通り抜けると、既に5分の4は埋まっている駐車場の空きスペースに車を止める。「あの、ここは……?」 我に返った茶々丸が疑問の声を上げるのも聞かず、中に入り空いている部屋を確認した。「茶々丸ちゃん、どれがいい?」「え? それでは、これで……」 指差した先は、ドピンクの回転ベッドが有る部屋……ではなく、可愛いぬいぐるみが大量に置かれているファンシーな部屋であった。 ピクリと頬が引き攣りかける横島であったが、実は横島自身もラブなホテ~ルは初体験。 ───まあ、いっか…… とちょっとした逡巡をあっさり乗り越え、お札を機械に入れて茶々丸の指した部屋のボタンを押した。 ガコンっ、落ちてきたキーを素早く手に取ると、戸惑いを見せる茶々丸の腰に手を回し、抱える様にしてエレベーターに乗り込んだ。 ウィーンと上がっていく狭いエレベーターの中、流石にここが何なのか分かってきた茶々丸。 この状況は彼女自身も望んでいたはず。なのに、どうして……? 身体の震えが止まらない。 逃げたい。でも、傍にいたい。 茶々丸にとって初めての感情。 その感情に恐怖し、戸惑う。 でも……、横島の腕にあたる茶々丸の胸。「前と違って、やーらかくって、ふにふにしてて気持ちいーぞーっ!」 思わず横島の顔を凝視してしまう。 横島は自分が何をくっちゃべったのか分かっていない。 どうしようもなく鼻の下が伸びきり、これからの期待感で一杯の顔。 そんな横島を見て、茶々丸の恐怖が、消えた。 彼女の心の中を占めたのは、見返せたと言う悦び。『背中に当る胸がゴツゴツ固くて、全然気持ち良くねーなんて思ってねーかんなぁーーーーっ!!』 かつて、こんな事を言われてムカッとした茶々丸。 その苛立ちが、すぅーっと消えた。と同時に、得も知れぬ恐怖も、また消えたのだ。 茶々丸は腕を引く。 手を握り締め、拳を作った。 そして、横島の脇腹目掛け、思いっきり突き出すのだ。 ドスンッ!!「れバッ!?」 横島の身体にメリ込んだ拳。 苦悶の表情となる横島。 うずくまり、脂汗をダラダラ流しながら茶々丸を見上げる。 先程までの乙女の表情と違い、口元が笑み、少しだけ勝ち誇りながら距離を取る。 その距離は、茶々丸にとって心の余裕が出来る距離だ。 一息つき、素早く気を取り直すと、今度は自分から腕を絡めて逃がさない体勢に入る。 茶々丸の体温を感じながら、横島は嫌な気がして仕方無い。 もしや、再びエンドレス・ヌキ魔クールのお時間!? 横島に戦慄が走る。 逃げねば、逃げよう、逃がしてプリーズ!「早く行きましょう。今日は私の体の具合を確かめて貰わねばならないのですから」 エレベーターから降りると、先程までとは違い、茶々丸に引き摺られる様にして歩く横島。 ファンシーなぬいぐるみ部屋に入り、パタンと扉が閉じた。 絶望する横島。 再び絞り取られるのかと…… でも、それもすぐに気にならなくなった。 横島の目の前で、シュルル……、服を丁寧に脱いでいく茶々丸。 ゴクン、咽が鳴った。 茶々丸もまた、勝ち誇った表情は鳴りを潜め、恥ずかしそうにチラチラと横島に上目遣い。 最後のショーツをスルリと脱ぐと、横島の眼前に広がるのは『キレイな女の裸』だった。 肌を晒した茶々丸に、ぼへ~っと見惚れる横島。 そんな横島の様子に、嬉しそうにする茶々丸。 茶々丸は横島の背中に回ると、彼が服を脱ぐのを手伝っていく。 上着、シャツ、ズボン、靴下、最後にパンツ。 ビーンと勃起する一物に、うっとりとした視線を向けながら、ベッドの端に腰をかける。「跪いて私の足に口づけをしてください……」 掠れるような小声を口から漏らした。 間違いなくエヴァンジェリンの影響である。 当然、ギョッとする横島。 そして、自分で言っときながら顔を真っ赤にして恥ずかしがっている茶々丸。 でも恥ずかしがってはいるけれど、それでも右足を横島の方へと向ける。 爪先をピンと伸ばし、横島に向けて上げられた右足。そして、その先に見える無毛の丘陵。 横島の目が正常ならば、確かにそこはヌラリと光ってるのだ。普通の女の子が感じているみたいに。 いや、茶々丸はもう、普通の女の子と変わらない。 ちょっと変な方へと、足を踏み出しかけていたりはするけれど。 横島は予想外の展開に半ば呆然としながらも、茶々丸の目の前で跪き、足の甲に唇を押しつけた。「あ……はぁっン……」 恍惚とする茶々丸。 目の前で好きな人が跪く。それは凄まじい快感。 まるで魔力を供給して貰うみたいに……、いいや、それ以上の快感が走り抜けた。 自分の指の第2関節を甘噛みしながら、視線は常に横島に。 熱く、どこまでも熱く感じる女の部分。 茶々丸は初めて感じるその感覚に、溺れてしまいそう。「……っ!? ん……くぅっ……!!」 茶々丸の視界に、チカッと星が弾けた。 横島が、茶々丸の足の指を一本一本、丁寧に舌を這わせてしゃぶり出したのだ。 頬が一層上気し、目はうるうる潤んで今にも涙がこぼれてしまいそう。「よ、こしまさん……、もっと……して……」 やらせている事はどうにも女王様と下僕プレイなんだが、どうやら最後の一線で乙女のまま。 逆にこれはこれで良い!なんて横島は鼻息荒く、足の指から裏へ、そして踵を通って踝に。 そのままツツゥーっと上へ、上へ…… 太腿を手で摩りながら段々とその先、愛液が溢れ出して止まらない、その中心部を目指す。「み、見てるのですか……? 私の女性器を……」 羞恥と興奮に顔を紅潮させながら、茶々丸は横島がソコへ辿り着き易いようにと、足を開いていく。 どういう技術を使われているのかは不明だが、すっかり発情しきっている茶々丸のアソコは、洪水のようにいやらしい液体に塗れ、横島を求めてヒクヒクと蠢いていた。「ずいぶんと感じやすい身体だな」「これでは、ダメなんでしょうか……?」 不安げな声。 でも横島は頭を振って否定する。「いんや、とおっても可愛いぞ」 ビクン! 身体を跳ねさせたかと思うと、「んはぁっ!?」 甲高い声を上げ、ピュピュピュッ! 大量の飛沫を女性器から噴出しながら、上体をベッドにパタンと投げた。 目を虚ろに虚空を見上げ、荒く息を吐きながら困惑する。「ひぅっ……ん、ん……、い、いまの……は……?」「言葉だけでイッたんだな、茶々丸ちゃん」「イク……、今のが、イク……」 茶々丸はブルッと身体を震わせながら上体を起こすと、自らの指でワレメを広げて見せた。 あっという間にエッチな液体に濡れて、粘りつき糸を引く指先。 だらだらと溢れるその液体が、ベッドのシーツに染みを作っていく。 液体が湧き出すピンク色のワレメの奥が引くつきながら、横島の進入を今か今かと待ち侘びているみたい。 「胸のドキドキが、止まりません。ですから、はやく私の中を、確かめてもらえませんか……?」「もう、足を舐めんでええんか?」「あ……いえ、どうしたら……、あの、とにかく可愛がってください、私を……っ!」 困ったようにオロオロする茶々丸だったが、そんな彼女の可愛い仕草にクスリと笑った横島は、すぐに、「りょーかいっ!」 言うなり太腿に這わせていた舌を、茶々丸の膣口へと突き入れた。 「んふああああぁぁっ! 横島さんの舌が……あっ、ああんっ……私の中をっ!」 作られたモノだとは信じられないほどに、中までトロトロになっている。 味は……女のモノで間違いはなかった。 どうやって作られたのか? 横島はそんな事を考え……たりなんかしやしねーし。 ちゅる、じゅじゅっ……、快感に悶える茶々丸の愛液をすすり出す。 「どこか……んっ……おかしいところは……」 だが横島は茶々丸の問いかけに答えず、無言で彼女の股間を、肉棒で貫いた。 意識が弾け飛ぶ。何度も、何度でも。 熱暴走が起きても可笑しくはない体温の上昇は、どこまでも果てしなく。 少しでも体を冷やそうとしているのか、目からは涙が止め処なく溢れ、汗に似た何かが身体中から滲み出る。 舌を突き出し、何とかこの延々と続く絶頂感から逃れようとするも、あまり効果はなかった。 「あっ! くっ! んんんっ! あぁっ! ひぃっ! いひぁっ! んぅっ!」 激しく出入りする横島の肉棒に、茶々丸はただただ翻弄されるだけ。 でも、横島にも余裕はなかった。 彼女の胎内は、恐ろしい程に気持ち良かったのだ。 ヌメリ、張り付き、吸引される。 男の性感を計算し尽くした、膣道。 ミミズ千匹、巾着袋……、古来から言われてる女の名器を併せ持ったアソコ。 まさに魔性と言っても良い一品だ。 その部分だけならば、傾国の女として名を馳せることも可能だろう。 ただ、茶々丸では男を翻弄する前に、異常なほどに感じ易い身体のせいで、逆に男に翻弄される。 例え女王さまと下僕プレイを始めようと、いざ本番となったらあっさり攻守は逆転するのだ。「ん、あ、あああっ、ダメっ、ダメっ! 壊れます、これ以上は、私が、壊れますっ!!」 ぐねぐね蠢く茶々丸の胎内を、負けじと腰を振り、回転させ対抗する。 「横島さん、のっ……ああんっ……おちんちんが……っ!」 激しく腰を突き上げられ、凄まじい快感の嵐を、髪を振り乱して耐えようとあげく。 それでも間断なく弾ける意識に、恐怖が胸を過ぎる。 ───このままでは、私が消えてしまう…… だけども、「茶々丸っ、ちゃん……、気持ち、良いぞっ! すんごく、最高だっ!」「ほ、本当、ですか……っ!」 恐怖が消え、歓喜が湧き上がった。 その瞬間、凄まじいまでの締め付けが横島の肉棒を襲い、「ちょっ、急にキツすぎっ!?」 情けねーことに、横島は精を解き放ってしまう。 同時に茶々丸が大きく果て、「私の、お、お腹の中、熱い、横島さんがっ、んぁああああああああああああああぁぁぁぁあああああああっっっ!!!」 茶々丸の内部が激しい収縮を繰り返し、横島の精を搾り出す。 そうして、ついにブラックアウトした。 茶々丸が意識を回復すると、そこは車の中。 目に入るのは、すれ違う対向車のヘッドライトに照らされた横島の横顔。「茶々丸ちゃん、起きた?」 前を見たまま、優しく言葉をかけてくる。「はい、申し訳ありませんでした……」「なにがだ?」「その、また、機能を停止させてしまいました……」「いや~、前回はともかく、今回は俺の所為だし?」「それに……」「……ん?」「あの部屋、まだ堪能してません」 入って、ヤッて、気絶して。 沢山のぬいぐるみにも興味はあったし、何より、どんな設備があるのか調べ損なってしまった。 本当に残念だったのだ、茶々丸は。「ぷっ!」 笑いの衝動で吹き出す横島。 勿論、横島は茶々丸が『気絶』したあと、たっぷり堪能した。 引き出しにしまわれていた大人のおもちゃを手にとってみたり、 備え付けのビデオカメラで茶々丸の艶姿を撮ってみたり、 時間ギリギリまでエロDVDを鑑賞したり。 でも、「また今度、な?」 1人より2人。そっちの方が、断然面白い! そんな横島に、茶々丸は驚いたように目を見開き、そして、嬉しそうに目を細めた。「はいっ。よろしくお願いします」 コテン、と頭を横島の肩に預ける。 静かな時間。聞こえるのは車の走る音だけ。 無言の時間が続く。でも、とても心が穏やかだ。 だから茶々丸はこう言うのだ。「私は、きっとアナタが、好きです……」 嬉しそうに笑いながら、大好きです。 ちなみに、後日行われたアスナと茶々丸のデート(?)の時は、チラリとラブなホテ~ルに目が行ったものの、「ここは横島さんと行く所ですから」 と通り過ぎ、結局は横島宅で行われたらしい。 まあ、色々と、3P…… 後書き アスナも茶々丸の事が大好きですよ? ただし、横島が居なければ肌を合わせようとは思いません。