はぁ…… 小さくため息をつきながら、自分の体に絡んでいる腕を押し退け上体を起こす。 なんだかおっぱい鷲掴みされていて、しかも中々はなしてくれなかったけども。 彼の手を無理矢理振り払うと、はなれる瞬間、指が私の乳首をひっかいて「んっ」と小さく腰が震えてしまった。 「もう! エッチなんだからっ」 窓から差し込む月明かりに照らされる、暴虐の痕が生々しい自分の肢体。 所々に唇で吸われた赤い斑点が散逸し、他にも乾いたナニかの体液がガビガビになってこびり付いていた。 もう一度、はぁ……と額を押さえて溜息を吐こうとしたその時、彼の腕が彼女の腰を絡め取り、抱き寄せる。 「ひゃんっ」 「うにゃにゃっ!?」 奇しくも重なった、口から漏れた甘い響き。 抱きしめられるように、彼の胸に頭を置くと、目が合った。 同時に甘い吐息を吐きだした椎名桜子が、 「いいよね~、これ────」 そして…… 「う、うん。いい、これ。クセになりそう……」 彼女は、先程までの自分の行為が、信じられない。 でも、この心地よさは、麻薬だ。 横島の胸に頬を当てると、彼の鼓動が、トクン、トクン、と鼓膜を震わせ、その振動がとても心地好くって、うっとりと呟く釘宮円は、そう痛感していた。 痛む股間も、この温もりを感じるための試練だったと思えば、なるほど納得である。 初めてには大きすぎるソレを挿入された時には、この世の終わりなんじゃないかって位の焼けつく痛みに大泣きしたけど。 それでも終わってみれば、「ほんとに、いい……」 もう一度うっとりそう呟き、頬を何度も彼の胸に擦りつけた。 ちょっと離れた場所で眠る美砂には気づかれない。 でもおでこがぶつかるような距離で、桜子も同じように頬を擦りつけているのに気づいてしまえば、円にはもうこの衝動を止める術はなかった。 セックスという行為にハマる人がたくさんいるのも分かる気がする。 刹那的な快楽に興じるのは、心が楽なのだ。 とは言っても、流石に円はそこまで考えている訳ではない。 初めての男である横島に、擬似的かもしれない、恋をした気分でいるのだ。 男女関係においては、多分に潔癖な所がある円らしいといえばらしい。 抱かれたいと思ってしまったのも、抱かれて凄く気持ちよかったのも、こうして横島の胸に抱かれて心地好いと思ってしまうのも。 全部が全部、横島に恋をしたのだ。そう思ってしまったのも。 もちろん、それには理由がある。 本来なら嫌いなタイプである筈の横島に嫌悪感を感じずにいられるのは、あの日見た夢と、この日使われた文珠。 でも、もう遅い。事実が何であれ、サイは投げられ、彼女の中のラブストーリーは始まってしまった。 たくさんのライバルを蹴落とし、自分が彼の隣に立つたった一人の女になるためのラブストーリーが。 負けない。と、他人を応援するのではなく、自分を応援する。 横島専用ともいえよう程に、たった一晩でこなされ尽くしたこの身体。 キチンと責任とって貰わなきゃ。 そう思いながら、ツンと横島のほっぺを突いた。 むにゃ…… 寝惚けてるのか、寝苦しそうに悶える横島。 円はそんな横島を見て猫口になった。 ────なにこれ、面白いっ! 円は横島の頬をプニプニぷにぷに。 それはもう、幸せそうな顔で…… 朝、目を覚ましたらオッパイが3組。 昨日、知ったばかりのオッパイである。 しかも何でか、その内の平均的なオッパイの持ち主は、自分の頬に指を突き刺しつつ、すんごくいい笑顔で眠っていた。 横島はその指を優しく払うと、我知らず頭を抱える。 最初に抱いた美砂はともかくとして、円と桜子には手をだすつもりなんてなかった。 ……いいや、美砂にだってそうだ。 なんか浮かない顔してる彼女を慰めていると、よくわからんうちに『そう』なったのだ。 横島は、自分がモテル男だなんて、決して思ったことはない。 まあ、最近モテ期が来た!とも思ってはいるが、それも半分冗談混じりである。 横島『個人』が思うに、なにもなく自分を好きになってくれた女は片手の指の数ほどもいない。 ルシオラ、イオ、愛子、そして夏美。この4人だけだと横島は勝手に思ってる。 実際はそうでもないんだが、横島がそう思っている以上、横島の中では当然そうなんだろう。 だからだ。ナンパが成功し、なおかつベッドINまで行くと考えていなかったのは…… なもんだから、この展開は流石の横島も茫然自失だったり。 最初の一人である美砂は、まあ、うまい具合に話が進んだといえるけど、残りの2人は、どうして自分なんかに初めてを捧げたのかさっぱりだ。 美砂とやってるトコ見てあてられたか? とも思うのだが、その前から妙に好感度が高いような気がしてならん。 低いよりは断然いいけども、というか、基本的に低いのが当たり前な感じのする横島にとって、理由のわからん好意はちょっと怖い。 そう思いながらも、しっかり最後までヤルんだから、煩悩に忠実な横島らしいといえよう。 なんてつらつらと考えながらも、現実逃避気味の自分から我に返った。 いや、返らなければならない。なんせ…… 「今日はアスナの誕生日じゃねーか……」 やばい……やばいやばいやばいやばい……超やべぇ! 家を飛び出したんは、エヴァに部屋を盗られたからだけじゃなく、アスナの誕生日プレゼントをアスナに気づかれずに買いに行く為だったのだっ! なのに、誕生日プレゼントどころか、アスナのクラスメイトをナンパして朝帰り。しかも3人まとめて頂きました! ……バレたら死ぬっ!? 当たり前のように結論を出した横島は、実はいろんな意味で幸運だったことに気づいてない。 なんせ横島が今いるこの場所は、麻帆良女子寮である。 そしてここは横島忠夫の第2使徒、雪広あやかの縄張りだ。 主と使徒は繋がっている。 繋がっているから、大体どのあたりにいるのか分かるらしい。 らしい、というのは、横島にはあまり分からないからだ。 もちろん、それはアスナも、そしてあやかも。 それは横島が『主』として、まだまだ未熟だからだろう。 そして、アスナとあやかも、使徒として未熟なのだろう。 だから主従としての絆の感応力はとても低い。 ただ、あやかは横島やアスナよりも『分かる』『ようだ』。 と、それはともかく、あやかならば、この距離……同じ建物内にいるのならば気づけるのだ。 だけども運がいいことに、あやかは横島宅に外泊中。 裕奈の時のような状況にならずに済む。 言うならば、浮気の相手バレはしないのだ。 しないはずなのだが…… 朝になっても帰らない横島に不満を持った千鶴がバラす可能性は結構ある。 知らずに女を増やされるのは腹立つけれど、自分の手の中でなら、どれだけ増やしてもかまわない。 しかし、いつまでも『無関係』の女の所にしけこまれるのは、ムカッとくる。……微妙な女心である。 例を出すなら、アスナ、あやか、夏美達ならばオールオッケー。 どれだけしけこまれても文句の一つも出はしない。 むしろ混ぜて欲しい。 木乃香、アキラ、のどか、夕映達は、色々と条件付でならオールオッケーだ。 何より彼女達は千鶴の中で、いずれはアスナ達と同じ領域までくるだろうし。 裕奈、亜子、そして今回の3人は、ちょっとした火遊び状態。 軽く肌を合わせる程度なら問題ないけど、一晩独占するのはそうそう許しはしたくない。 まあ、彼女達も、その後の付き合い方では木乃香達の領域へ、更に頑張ればアスナ達の所まで至る可能性はある。 特に、亜子は横島へのアピールを頑張っているからか、もう少しで木乃香達の領域に達しそうだ。 そんな千鶴は現在横島宅にお泊まりで、リビングにお布団敷いて就寝中。 彼女が寝ている間に家に帰れれば、首の皮一枚で助かるだろう。 こんな感じで、横島は時間が指し迫っているのに気づいているのか、眠っている3人娘を起こさぬように静かに脱ぎ捨ててある服に袖を通す。 そして服を着ながら、自分が『女』にした彼女達の艶姿をガン見した。 ゆったりとした寝息と、鬱陶しい自分の精臭を打ち消す、芳しい女の芳香に囲まれて。 昨日の出来事を回想しながら鼻の下を伸ばす横島であった。 閑話の5 円SPイベント ① 肢体を惜しげもなく開き、今日会ったばかりの男のモノを誘いこむ。 そうして女は純潔を捧げ、いや心こそを捧げたのだろう。 円は、全身を白濁した液体で汚す友人の姿にそう思った。 心が疼く。ゴクンと生唾を飲む音が鼓膜を震わせ、だがその音を立てたのが自分なのか、それとも隣の桜子なのか。 ただひとつ分かるのは、心以上に身体が疼くのを知覚していることだけだ。 清掃中と書かれた看板をどかす横島と、そんな彼に甘えるようにしなだれる美砂。 精臭を漂わせ、まるで陵辱にでもあったような姿の美砂を、どうやってこの場から退出させるか? 当然考えなきゃならないそのことよりも、異常なほど疼く身体を鎮めて貰いたい。 既に蹂躙され尽くした美砂はともかく、円も、桜子も、その身は男を知らぬ真白の乙女。 だけど、その身は乙女なれど、精神(こころ)は知らずに凌辱されきっている2人である。 もちろん、それは横島とて知らぬこと。もっとも、知らぬとて、成したのは確かに横島であるけれど。 だがその事実こそが、この場において全てを物語る。 とはいえ、まずは美砂である。 なんとかこのカラオケボックスから脱出しなければ…… しかし、その心配は無用であった。 「3人とも、ちょっとだけ目をつぶってくれ」 イタズラッ子みたいな顔する横島に、もう完全に信頼しきっているのだろう。 美砂が真っ先にまぶたを閉じた。 こんなことをしてる場合じゃ…… そうは思うものの、正直どうしようもなく。 円も素直に目を閉じようとすると、すでに桜子は閉じていた。 なんでだろう? 出遅れた!って思ったのは。 まあ、ともかくとして、円も素直に目を閉じた。 そうしてすぐに、「目あけてもいいぞ」と言われ、目を開ける。 まず、臭い。 横島と美砂から放たれていた精臭が、跡形もなく消え去っていた。 当然、それだけじゃない。 全身至る所にこびり付いていた精液までもが消え去っていた。 ゼリー状の白濁液に犯されガビガビになっていた筈の髪は、さらさらとした触感を取り戻し、見られたもんじゃない服は、買ってきたばかりのような真新しさ。 当人である美砂はもとより、円も桜子も、頭がなんだかわけわかめ。 えっ? えっ? えぇっ!? 口から飛び出しそうな困惑の叫びは、だがしかし、その直前で、 「横島イリュージョンっ!」 変なポーズをキメル横島さんに、その叫びは口から出ることはなく、楽しげな笑い声に変わった。 その後、溜息混じりに美砂が携帯で彼氏と連絡をとり、この場から一抜け。 このまま解散かな?と横島は思ったけれど、結局は3人でカラオケを続けることになった。 最初に予約した時間が3時間であり、まだ1時間しか使ってないのにもったいない。 そういう理由が主ではあるけど、 「これからが本番だよ~っ!」 「そうそう。せっかくの横島さんのおごりだしね」 それ以上に桜子と円がまだ遊び足りないと感じたのである。 彼女達がその気なら、横島に否やはない。 「ふっ、ならばカラオケタダちゃんの異名をとる、この横島忠夫について来いっ!」 「「お~~っ!!」」 そうして30分くらいの間は普通に歌い、気づけば桜子と円で横島をサンドイッチにしつつ歌い…… 歌声の中に、「~~♪~~♪~~っぁ、ぃ♪~~ん、あ……♪~~くっ……ふ、ぁん♪」とくぐもった女の甘い喘ぎが混じり始めたのは1時間ほど経過した頃だろうか? なんせ邪魔するスケベ男がいるのだ。まあ、仕方ないよね? そう円は思う。 桜子はしぼるように胸を揉まれ、円もお腹の辺りとはいえ、肌を嬲るように撫でられていた。 だから声が羞恥と快感に震えてしまっているのだ。 更には、自分の下腹を撫でる彼の手が、次第に下へと……ジーンズの中へと、そして更にショーツの中にまで侵入してくる。 手を振り払わなきゃ。 そう思う一方で、手の侵入を心待ちにしてる自分がいるのに気づいてしまう。 たぶん、桜子も一緒なのだろう。 円は、今まで見たことのない艶のある顔で歌い続ける桜子に視線をやりながら、そう確信した。 その歌声は、ゾクリとするほど色気を湛え、円の心を、肢体を、震わせる。 ナニカに耐えられなくて、太ももを擦り合わせるようにモジモジすると、くちゅ……とアソコが濡れて淫音を響かせた。 「くぅ……っ」 恥ずかしくて顔を俯かせながら、円は堪え切れなかった声を漏らした。 気づけば、唄声はやんでいた。当然だ。 桜子の唇は、横島の唇によってふさがれているのだ。 歌える訳がない。だからだろう。 ただ、リズミカルに唾液が混じり合う音が、くぐもった声に合わさるように聞こえた。 まるで、今流れている曲みたいに。 桜子ばっか…… そう、不満に唇を尖らせた。 円は知っている。たぶんだけど桜子も知っているのだろう。 横島忠夫に抱かれる悦びと快感。そしてそれ以上の愛情を。 なんで知っているのか分からない。 でも、知ってしまっているのだから、もうどうにも我慢のしようがなかったのだ。 だから自らの秘所地を荒らそうとする彼の指先が、いっそもっと自由に動かせれるようにと、ジーンズのファスナーを下ろして緩くする。 熱い吐息を吐きだしつつ、そのままジーンズを太ももの半ばまで脱いで見せた。 露わになったショーツが、彼の手の形に膨らんでいることよりも、ワレメの形にうっすらとシミが出来ている事の方が恥ずかしい。 こうして、ただでさえ熱い頬が、更に紅潮さを増した。 あまりの恥ずかしさに思わず両手で頬を覆い隠そうとする円だったが、それは叶わなかった。 そうする直前に、たった今まで桜子の唇をふさいでいた横島の唇が、円の唇をふさいだからだ。 「んっ!」 抗議の声が出そうになるも、唇をふさがれているのだ。 当然、出る訳がない。 思わず、トントンと彼の胸を叩いて抗議する。 でも、聞かない。聞いてはくれない。 イキナリなんて酷い……! そう思うけれど、唇を割って侵入してくる彼の舌先に意識が集中する頃には、もう愛おしさしか感じられなかった。 これも、何でか分からない。 分からないけど、どうでもいいや。 トントン胸を叩くのをやめ、横島の首に腕を絡める。 唾液の味がする。 2つの味が入り交じった。 そしてたった今、自分と桜子。それに横島さん。3人の味が混じり合い、口の中を犯していく。 ぴちゅ、くちゅ、くちゅ、こ、くん…… 唾液を飲まれ、飲まされ、それがちっとも嫌じゃない。 舌がはぐきをなぞるたび、身体がピクピク細かく跳ねる。 気持ちよさと切なさで瞳が潤み、彼の顔がぼやけ、思った。 イッちゃうっ! キスされてるだけなのに、私イッちゃうよぉ…… 「んっ、んぅうっ!?」 何かから逃げるように喉を反らした。 でも、逃げられない。 股間の間に膝を入れられ、グリグリ押し潰されて。 ああ、ダメ……きも、ち、いいよぉ……「ンンンッ、ン……ッ、ンぅっ!!」 円の意識が遠のき、四散した…… そうやって意識が何度も飛ぶ中、思い出せるのは、桜子が貫かれる瞬間。 円はその時、桜子の中に蹂躙する横島の背中に覆いかぶさり、苦痛の声を上げる桜子の意識をやらずに、ひたすら甘えるように横島の首筋に唇を押し付けるだけだった。 そして一番覚えているのは、自分の番の時に決まってる。 「くっ、力抜いて、円ちゃん」 「ぬ、抜いてますってっ! い゛っ、いだ、いだい゛っ!!」 「なんつー、手応えのある……こんな手強いんは初めてだ……っ」 彼が、グッと腰に力を入れ、前へと進めようとしているのが、円には分かる。 でも、大きい彼の肉杭が、入口から先へとまったく進めない。 すぐそばで、股間から血の色が混じった白濁液を垂れ流す桜子は、あれほどやすやすと挿入ったというのに。 「じゅうぶん濡れてんだがな~」 そう言いながら横島は腰を引くと、円の未熟なスジに指を這わせた。 溢れだす愛液を指に塗り込むと、慎重に慎重を重ね、膣内へと潜り込ませる。 ぐ、ぐ、ぐぐぐ…… 横島の中指が、かなりの抵抗にあいつつ、少しづつ円の中を犯していく。 「ぎぃっ……」 苦痛に顔を歪ませる円。 初めてがこんなに大変だとは思わなかった。 美砂と桜子も、こんな痛みに耐えたのかと思うと、尊敬の念が湧くほどだ。 実際は円の『鋼の処女膜』と違って、2人は極々普通であっただけなのだけども、彼女は当然それを知らない。 知らなかったから、悔しく思った。情けなく思った。 美砂も桜子も、この痛みに耐えて横島さんを迎え入れたのに、私は痛くて泣いて、それできっと途中でやめてしまったんだ、と。 なんて思ったのもホンの一瞬だけ。 円はすぐに腰を大きく跳ねあげた。 慎重に膣内に挿入された中指だけじゃない。 いまだ皮を被っていたクリトリスの包皮を、愛液でヌトヌトになってる人差し指で剥かれつつ、親指で執拗に愛撫され始めたのだ。 「ひぁああっ!? んぁあ……な、なにコレっ? ダメッ、ダメッ、ダメぇぇえ!!」 円が喉を反らせて嬌声を上げると、横島の指が差し込まれている淫裂から、大量の飛沫が噴き出した。 それでも横島は愛撫をやめようとはしない。 むしろ、ココが先途とばかりに尚一層激しく刺激し始めたのだ。 声にならない絶叫をあげる円。 円にとって、ここまで強い刺激は生まれて初めて。 快感に蕩けるどころか、苦痛になるレベルである。 少しでも行き過ぎた快感から逃れようと、激しく首を左右に振る。 そうして足をばたつかせるも、気づけば横島ではなく、桜子にその足を押さえられてしまった。 「しゃ、しゃくら、こ……?」 呂律の回らない口調で問いかけるも、当人である桜子は円の方を見てはいなかった。 彼女が見ているのは一点、横島のみである。 「ねーねー、知ってるかなー?」 嬉しそうに横島に話しかける桜子の表情は、イタズラッ子のような……それでいてご褒美をねだる子供のような。 「私と美砂と円はね? チア部でぶいぶい言ってるから、こーんな風にしても平気だったりするんだよねー」 桜子は、円を長椅子に横たえさせると、その背中に回りこみ、彼女の膝を掴んで持ち上げる。 横島から見ればその格好は、まるで『 U 』の字になっており、円の股間の盛り上がりが強調される、とてもエロい格好であった。 まあ、いわゆるまんぐり返しといってもいい、その格好。 円の羞恥心を煽るにはじゅうぶん過ぎた。 「さ、桜子、はなして……」 蕩け切った頭が冷え、呂律もだいぶ正常に戻りはしたが、それでも何度もイかされた身体はいう事をきかない。 鼻血を堪えるようなポーズで鼻を押さえる横島の、ギラギラした欲情オープンの眼に、ゾクッとする恐怖を感じて仕方ないというのに…… 「ほにゃらば本番行くよ~~~」 能天気な桜子の声に、イラッとするも、それより何より、再びアソコに押し付けられた横島の肉杭が恐ろしく思う。 「角度、よし! 円ちゃん、イクぞ?」 恥丘の土手の盛り上がりを、下から攻めるような45度の傾斜角。 美砂と、桜子と、そして横島のそれぞれエッチな体液塗れの肉杭が。 「息吸って、そして吐く……」 言われた通りに息を吸い、吐く。そして再び吸おうとした瞬間だ。 ギヂィッ!「ヒィッ!?」 先端がワレメを開き、僅かに円の膣内へと入り込むのに成功した。 先程挿入に失敗した時以上の痛みが円を遅い、思わず腰が引けてしまいそう。 だけども、引こうにも背中にはびったりと桜子が張り付いており、逃げようにも逃げられない。 「だいじょうぶか、クギミー?」 「く、クギミー言うなっ!」 そう悪態をつけた瞬間、横島の逞しすぎる肉棒が、円の膣内の奥を目指して進行し始める。 恐ろしく狭く、そして堅い。 横島はそう思いながら、円のやや小ぶりな胸に両手を置き、体重を掛ける。 これだけ堅固な処女膜。時間をかければかける程、ただただ辛くなるだけだろう。 横島としても、ここまで硬いのは経験になく、少し自信がないものの、そんなそぶりは一切見せず、一息。 ギギィ……ッ! ゴム同士が擦りあう様な音だ。 それが、ヂヂヂヂヂィィ……ブヅンッ!! そのゴムを、無理矢理引きちぎった様な感触がしたかと思うと、円は身体を大きく跳ねさせた。 「ヒッ!? ギィアアアアアァァッ!!!」 円の甲高くも痛々しい悲鳴が、狭い個室に反響する。 「イ、イだ、イ゛ダ……」 痛みに悶え、涙をボロボロ流す円だったが、横島もまた痛い。 まるで膣痙攣にでもあったみたいにキツ過ぎる締め付けは、横島という豪の者にとっても、快感よりも先に苦痛が来る。 どうする? 今日は処女膜貫いたってことで良しとするか? まあ、ナンパした相手との情事に、次があるかどうかは不明だが。 それでも、どちらにとっても苦痛なら、続けるよりは…… そう考えていたはずなのに! 横島が実際にした行為は…… 「んふぁっあああ!」 苦痛の声が一転、円は不自然なまでに明らかに快感混じりの嬌声を上げた。 性魔術……ではない。 文珠『淫』『媚』『蕩』『愛』 4つの文珠の効果を、その身一つで受け止めさせられた円の肢体と心。 卑怯ということなかれ! このまま鋼の膣道でするよりは、万倍も億倍も円にとってはいいはずだ! どこまでも『淫』らに。 まるで『媚』薬を使ったみたいに敏感に。 『蕩』けてしまう肢体でもって。 思う存分『愛』される。 鋼の膣道の窮屈さはそのままでも、泉の如く湧き出て止まらない『愛』液のヌメリのおかげで、思いのほか容易く行き来が可能になった円の膣内。 何より円自身の横島への狂おしいまでの感情が、どれだけ苦しくても…… いいや、むしろ苦しければ苦しい程、横島に抱かれているのだと思えて嬉しくてならなかったりする。 「よ、横島さん……」 「……くっ、な、なんだ?」 「わたしのなか、気持ちいいかな……?」 「お、おう。ここまでキツイんは、初めてだっ」 「それって、いいこと……ん、なの?」 「ゆるゆるよりは、キツキツの方が断然いいに決まってる。それに円ちゃんのココは、もう全部オレのモンだからイイも悪いもないしな」 円の横島への溢れんばかりの『愛』が、この言葉で爆発した。 横島の肉棒をギュギュウと締め上げる円の膣壁が、凄まじい勢いで痙攣し始めたのだ。 彼女を背中から抱きしめるよう拘束していた桜子にまで響くその痙攣は、文珠の効果を遥かに超えて、内臓がめくれそうな激痛を、完全なる快感へと変えてしまった。 年相応に成長してはいるものの、美砂や桜子に比べれば遥かに小ぶりな、でも素晴らしく形の良い胸の膨らみが小刻みに激しく揺れ。 ピンと勃起した乳首が、その存在感を誇示していた。 「な、なんかへん……まるで私の身体じゃないみたいに……んぅあぁぁぁぁぁっ!」 凄い。凄すぎる。 身体の敏感な部分が、まるで剥き出しになったみたい。 激しく、それでいて間断なく続く絶頂の嵐は、自分を犯す横島を心に強く焼きつけた。 桜子のせいで、はっきり見えてしまう2人の結合部が、その気持ちを更に確かな物にしていく。 へその下辺りが膨れる程突き入れられ、それがカリの部分辺りで引っ掛かるまで引き抜かれて。 そんな淫靡な光景を、ライブで見せつけられるのだ。 しかも自分の身体である。興奮しても仕方ない。 だから10を遥かに超えて連続に絶頂する円は、完全に心も身体も『蕩』けきった。 ……ここまでイッてしまえば、普通なら気絶しても可笑しくはない。 それほどのイキっぷりではあったが、横島への『愛』なのか、一向に落ちる気配はなかった。 流石の横島も、『淫』や『媚』、それに『蕩』はともかく、『愛』はやりすぎだったな……そう後悔するほどだ。 行き過ぎる快感は苦痛しかもたらさない。 だから人は限界を超えたら気絶するのだ。 なのに円は、チア部で鍛えた身体と精神。 なにより横島への溢れんばかりの『愛』から生まれる献身によって、意識を絶対に落とそうとはしない。 これは危険だ。 横島は、自身のしでかしたことにそう思うも、同時に、どうしようもなく想ってしまう。 涙と唾液で汚れに汚れ、アへ顔を晒す円の顔をそっと撫で。 「かわいいな、おまえは……」 思わず横島はそう囁いてしまった。 円は、美少女といってもいいだろう容姿の持ち主である。 ただ、それは可愛い系というよりも、短くショートにした髪形のせいもあるのだろうが、カッコいい系と言った方がいいだろう。 はっきりと言えば、こう面と向かって可愛いなんて言われたのは初めてだった。 正確にいえば、何度も言われたことはある。 円もそうだが、大抵一緒に行動する美砂や桜子も美少女だ。 当然、街を歩けばナンパされるのは日常茶飯事。 そんな男どもからチャラチャラした口調ではあるが、可愛いね、とは言われていた。 言われていたが、記憶の欠片にも残していなかったのだ。 いや、所詮はナンパ男の言う事だと、意識に留めていなかったのだろう。 ここで、横島さんもナンパ男だよ?なんて言うのは、空気を読まないセリフだと、桜子は円ごと力強く抱きしめられながら思ったのはナイショである。 そんな感じで桜子と横島にサンドイッチされた円は、快感からだけでなく、瞳が喜びに潤んだ。 その瞬間、彼女を縛っていた文珠の効果、全てを超えたのだ。 『同/調』『淫』『媚』『蕩』『愛』 大した力を込めてなかったせいもあるのだろうが、様々な事が絡み合って作られた想い。 そう、確かに作られた想い。しかしそれを切欠にしたとはいえ、その想いが、本物になった。 円は横島の胸に額を押しつけながら、喉が裂けるんじゃないかというぐらい、大声で泣き叫んだ。 そして、その瞬間。自分の中で蠢く愛おしい存在がビクビク震え、爆発する。 悶え、喘ぎながら精を受け止める円は、脳天まで突き抜ける甘美の中、得も知れぬ解放感と、そして肉の悦び、何より横島への愛情に、にっこりと笑う。 その笑みは、この淫靡な雰囲気漂う中では、あまりにも場違いな笑みだった。 欲しくて欲しくてたまらなかった玩具を、ようやっとの思いで買って貰った子供の笑み…… どうしてこんな気持ちになったのか分からない。 ナンパ男なんて嫌いだし、何より彼はクラスメイトの恋人だ。 横島と桜子。2人に挟まれ身動き一つままならない円は、唯一自由に動かせる腕を彼の背中に回す。 ダメだ。こんな奴、好きになってはダメだ。 そう思うのに、どうして? なんで? でも、うん、そう……彼のバカっぽいとこは、確かに好みかも。 背中に回した手で、しっかと彼にしがみつく。 ああ、そうだ。 順番は少し……いや、かなりおかしいけれど。 もうムリ。こう思っちゃたんだから、しょうがないよね? トゥルルルル♪ っと室内機が鳴った。 個室の使用時間の終わりがきたのだろう。 だから円はいうのだ。 万感の想いを込めて…… 「また、会ってくれますよね?」 ナンパでの情事なんて、その殆どが一夜だけものだ。 でも、そうはさせない。させて、たまるかっ! その言葉に応えるよう、引き抜かれかけた肉棒が、もう一度勢いよく最奥を突き。 円は大きく嬌声を上げて、遂に意識を遠のかせた。 ああ、答え、聞いてないのに。 せめて。そう、せめてメアドくらいは…… そう思いながらも、意識をつないでられない円の耳に、親友の桜子の声が聞こえた。 「えへへ~、くぎみんも言ってるしさ、どっかで続きしよっ」 「門限あんだろお前ら」 「えーっ! でもぉ……」 「だから、どっかじゃなくて……」 ……それってどうなんだろう? 横島の発言にそう思いながら、プツリと意識が切れた。 目を覚ました時、横島さんが横にいてくれたら、いいなぁ…… その想いが叶ったのか、円が目を覚ますと、一応は隣に彼がいた。 ただ、美砂と、そして桜子の2人を相手にハッスルしてたけど…… 「あっ、起きたの?」 なぜか頬を赤く腫らし、髪から何から、白濁液まみれでうっとり蕩けてる美砂。 「んんっ! で、でちゃうっ、またでちゃうってばぁ~~っ!!」 横島さんにおっぱいをしぼられて、母乳らしきものを噴出させる桜子。 そんな2人に目が点になった円に、美砂は全身に精液を塗り込みながら気だるそうに言うのだ。 「桜子ももうすぐ終わると思うからさ、次は円でいいわよ? 正直キツくなってきたしさ、もう満足しちゃったのよね」 まるで乱交のような状況で、当たり前のようにそういう美砂に、何に、誰に対してなのか良く分からない嫌悪が少しだけ顔を出すも、円は素直にコクンと頷いた。 聞きたいのはさっきの答え。 ううん、それ以上の言葉…… 桜子を蹂躙し終わった彼の背中に飛び乗った円は、思いの丈をぶつけるように彼を求める。 自分の指でアソコを割り開くと、小さく開いた穴から、大量に注がれた白濁液が溢れ出た。 円に余裕はない。横島が欲しくて欲しくてたまらないのだ。 お腹が熱い。どうしようもなく、欲しいから。 そんな浅ましい自分を自覚した円だったが、不思議とそんな自分が嫌いにはならなかった。 そんなことよりも、はやく欲しくて、頭がおかしくなりそうで。 だから早くと懇願しつつ、それでも待てない円は、そそり立つ肉棒を自分の股間にあてた。 そうして再び自分の中に彼の分身を迎え入れ、じんとする痛みと、きゅんてする刺激に背筋を大きく弓なりに反らしながらも、 「円のここ、ほんと最高の狭さだぜ」 「私を選んでくれたら、いつでもその最高を味わえるよ?」 軽口で返せる円は、もう一端の女であろう。 もっとも、そんな余裕はスグに吹っ飛ばされてしまったけれど…… 「んじゃ、その最高で、たっぷりしようっかな~」 円の膣内は、もう横島の精液と自らの愛液でぬっとりと濡れている。 元がどんなにきつかろうと、これだけ濡れてたら意味がないと言えるほど。 そんな場所の、奥深くまで抉られているのだ。 主導権は完全に横島のものである。 「んあっ!?」 円の腰が跳ね上がる。 横島の肉棒が、ドリルの様に回転しながら膣粘膜を掻き回し始めたのだ。 それは、普通ならありえないこと。 だが、横島には可能だ。文珠『回/転』。まさに文珠の大盤振る舞いである。 「ひああぁぁっ! な、なにコレ!? ヤダッ、ダメッ! おかしくなるっ! おかしくなっちゃうってばぁ────ッ!!!」 人外の成せる技に、円は悶絶した。 そんな円に、横島は一切の容赦はない。 腰を動かさずとも、激しい快感を与えているだろうに、更に抜き差しを繰り返し始めたのだ。 円は、そのあまりに凄まじい威力に、もはや軽口どころではない。完全に心が屈服した。 口の端から止め処なく涎を垂らし、横島の成すがままに身体を揺らすしか出来ない。 だがその文珠『回/転』は、円だけでなく、実は横島からも余裕を失わせることになる。 以前使った『双/根』程ではないにしろ、やたら狭くキツイ円の膣の締め付けの中で、激しい回転を強いられてみろっ! とてもじゃないが、余り長くもちそうにない。 もっとも、それ以上に円の方こそ余裕がないどころか、すでに軽く限界を突破している。 横島は、そんな円の様子に安堵しながら彼女の腰に腕をまわして持ち上げると、肉棒の先端の回転を最高速にしつつ、一気に最奥へと突き込んだ。 そして子宮腔にピタリとその先端を押し付けると、 「こ、のまま、出すぞ、円っ」 流石の横島も、あまりの快感に息もたえだえとしながら宣言する。 泣きながらコクコクと何度も頷く円を見た横島は、ぶるると腰を震わせたと思うと、大量の精を放った。 その熱い精の迸りに、円はガクガク身体が震えて止まらない。 「あぁああっ! アぁああっ!! 熱いっ、熱いよっ! いっぱいっ、あはぁあっ、なかにぃ、あ、あぁ、かちゃん、できちゃ……アァアアァアアアアアア────ッ!!」 円は、休む暇なく、何度も駆け上がっていく。 何度も、何度も、そう、果てしなく、何度もオーガニズムにガクガク身体が震える。 横島は、それを愛しむようにゆっくりと引き抜き、再び突き入れた。 「ふっ、くっ……くぅぅぅ……ま、また、入ってぇ……」 円の膣内だけじゃない。何度も射精しただろうに、横島の肉棒は、まだ力を一切失わせていなかった。 それを、嬉しいと円は感じているのだ。 少しづつ抽送が激しくなる横島。 それに合わせて円の腰も揺れ始める。 「あっ……あぁっ! もっと、もっといっぱいして……もっと……奥に、熱いのかけて……」 円がそうねだるなら、その願いはすぐにかなうだろう。 横島とて、もう遠慮はしない。 ドロドロのぬちゃぬちゃになろうが、変わらずキツイままの円の膣粘膜を、凄まじい勢いで荒らしていく。 とても尋常ではない。 ドリルのように回転する肉棒を、激しく出し入れされるのだ。 快感に狂っても可笑しくはないはずだ。 当然のように彼女の嬌声は激しさを増していく。 だから、きっと、そうなのだ。 この状態で言う言葉。それは事実なのだ。 嬌声に混じった胡乱な言葉。 僅かにだが、意味の通じたその言葉は、横島の心を震わせて。 今日、初めて会った女だ。 しかもナンパした女だ。 それでも。 そう、それでもだ。 いつか。いつの日か。 この女を孕ませてやろう。 そんな欲望に囚われかけながら、横島は多量の精を円の膣内に注ぎ、彼女の全てを自分色に染め上げながら、こう耳元で囁いた。 「もうおまえはオレんだ」 凄まじい快感と、終わらない激しい絶頂感の中、円はこの言葉を心に刻まれた。 ああ、そうなんだ。 私、もう、横島さんの、ものなんだ…… 大声で絶頂の声を上げながら、円はそう思った。