ヨコアス外伝 とらいあんぐるリリカル ヨコなの! 第4話 初めてのチューなの! 後編 転移した先は海の上。 既にジュエルシードの封印は終わっているのか、特に暴走体らしき物は見当たらない。 だと言うのに、なのは達は剣呑な様子。 黒の魔法少女を庇う形で、なのはが見知らぬ黒い少年と睨みあっている。 そのなのはを更に庇うように美由希と久遠が、そしてその事に少し戸惑っている黒の魔法少女。 波間をプカプカ浮かんでいる白い少年と人狼の女。 ……マズイな。美由希はともかく、なのはじゃ黒い少年には勝てねー。 単純な魔力はなのはの方が上だが、力量は向こうの方が圧倒している。 見かけの年齢以上に場数も数多くこなしているのだろう、スキのない構え。 美由希なら大丈夫だと思うが、敵?があの少年一人とは限らん。 いや、それ以前になんで敵意剥き出しで睨み合ってんの、お前ら? とりあえず状況が掴めんので、声を掛けようとしたその時、ビリビリとした悪寒が全身を貫いた。 長年望んでもいない戦いに身を委ねてきた俺の勘が、致死性の危険が迫っていると警鐘を鳴らす。 次の瞬間、どんより曇った空を割り、魔力が込められた雷が、なのはと黒の魔法少女に降り注いだ。 俺は咄嗟に身体を割り込み、なのは達の前に出る。 続けて降り注ぐ雷を文珠で『引』き寄せつつ、身体全体を覆うように展開させた2つのサイキック・ソーサーで受け止めた。 ってか、今更だが何でオレに引き寄せちまったんだ! 他にもあるだろ! 有効的な文字が! 今は思いつかねーけどな! 凄まじい衝撃が俺を襲う。 サイキック・ソーサーを貫いてくるダメージ。 激しい痛みで目がチカチカする。 それでも俺の後ろには攻撃を届かせん! 「さっさと逃げろ! いつまで持つかわかんねー!!」 叫びながら霊力を振り絞る。 文珠を使って今度こそ如何にかしたいが、それを使う暇を与えてはくれないようだ。 サイキック・ソーサーを貫く雷が、次第に腕を焦がしていく。 焦げた嫌な臭いがやたらと鼻についてくる。 視界の端に、波間を漂う白い少年が感電しているのが見える。これはまあ、どうでも良いか。 そして、逃げろって言ったのに、今だ俺の傍を離れようとしない美由希、久遠、なのは。 くそ! こんな事ならアリサちゃんからも魔力を徴収しとくんだったぜ! 雷系魔法にジリジリ押され始め、このままじゃ、俺の力も限界…… 病み上がりの俺じゃ、これ以上はムリか? いいや、今のこの子供の体じゃ、どっちにしても無理臭い。 バシュンッ! 左手で展開していたサイキック・ソーサーが弾け飛ぶ。 同時に左腕が完全に黒く焼け焦げ、灼熱の様な痛みが俺を襲う。 額から汗が滝の様に流れ落ち、鼻から出る息が荒くなる。 食い縛る口中からは血の味がする。 唇が切れたのか、それとも何気に内臓までダメージが達したのか。 『元』の俺ならともかく、こんなん何時までも受け切れねー!「美由希……、なのはを連れて逃げろ!」 美由希が俺に向って何かを叫んでいる。 だが、もう彼女の声は俺の耳には届かなかった。 ただ解るのは、アイツがなのはをキチンと連れて逃げてくれたって事だけ。 久遠が俺の腰にしがみ付こうとするも、黒い魔法少女が抱きかかえて逃げてくれた。 ホッと息を吐く。何かババア臭い笑い声が聞こえるが、それはスルー。 視界の端でジュエルシードが空間転移している様に見えるが、そんなんは俺の知ったこっちゃねー。 それにしても何だ。こんな巨大な雷系魔法なんざ、久しぶりに見たぜ。 雷系の魔法か……、ナギやネギと最後に会ってから、どれだけの時間が過ぎたんだろうな…… すでに生を受けてから優に100年以上は生きた。 イオが俺に押し付けた神核。 それのおかげでココまで生きてこれた。充分過ぎる程に長い人生。 すでにおキヌちゃんは逝き、美神さんも逝き、雪之丞やタイガーも逝き、当然の事だがオヤジやオフクロも逝っちまった。 みんな首を長くして待ち侘びているに違いない。 あれ? 異世界で死んだら、美神さん達が居る所には逝けないかもしれんな。 まあ、それもいっか…… 使徒達がどうなるかは心配だが、それはカオスのじいさんが何とかしてくれるだろ。 もしもの時の為に、前々からずっと言っておいたことだ。大丈夫なはず。「あ~あ~、こんなんだったらさくらさんにコナかけときゃ良かった。あの耳と尻尾、ワイの好みやったのになぁ。それによ、あの人絶対エロティカルもふもふ……」 俺は死を覚悟し、諦めた様な笑みを浮かべた…… んな訳があるかぁーーーーーーッ! 死なんですむならウンコだって食ってみせる俺がこんな事で諦められるくぅわぁーーーーッ!! 大体においてだ、こんなんでも一応は不老不死者だ。 生半可なダメージじゃ死なねぇっつぅーの! 例えばだ、首を薄皮一枚残して切り落とされても、虫の息だろうが死なんでいられる。 死んだ方がマシ級の苦しみを味わうだろうがな。 この場合、 俺諦める→雷で黒こげ→でも死なない→超絶痛苦しい! ああ、冗談じゃねぇ。嫌だ、ひと思いに死なせてくれるんならまだしも、死んだ方がマシになるのはイヤだ! いや、やっぱ死ぬんもイヤじゃ! どうする? どうするよ俺? 死んだフリしたらそのまま殺されそうだし、だったらあれか? 久々にのっぴょっぴょ~んでもやってみるか? もしかしたらズッコケてくれるかも知れんし。 ……良し! 逝くぜ!! そうして、必殺のポーズを取るため身構えようとしたその時、チリ……チリリ…… 耳の奥に響く、石が擦り合うような音。 瞬間、俺の全身を竜気が包む。 黒く炭化した左手は瞬時に治療され、灼熱の痛みもスゥーっと引いていく。 外から見たら、さぞや俺は光輝いて見えるだろう。 いや、ワイ自身が確かに光輝く存在であることには間違いないのだが。 それはともかく、その竜気は雷を完全に食い止めながら、そこから少しづつ押し返してすらしている。「ご主人さま、相変わらずおバカなことしようとしてますね?」 懐かしい声が耳に響く。いつも肌身離さず持ち歩いていた竜の牙。 その竜の牙に宿る心優しき精霊の声。 暖かく懐かしい彼女の気配が、竜の牙から飛び出した。 時代がかった黒のセーラー服に身を包んだ、真っ白い髪の少女。 彼女は俺の背後に廻り込むと、ムギュッと抱きついてきた。 小さい俺の体には、彼女の体が酷く大きく感じさせる。 実際彼女の然程大きく無い筈の胸が、俺の頭の天辺にポヨポヨした感触を与えていた。 ホッと息を吐く。これで死なんですむぜ。 ようやく復活を遂げた使い魔に微笑を向けながら、俺は俺が出来る最強の一手を打つ。「助かった~! さよちゃんグッドタイミング!! いよっしゃあー! 愛(ラブ)合体、やぁーってやるぜ!!」 さよちゃんは笑いながら頷くと、俺の頬にチュッとキスをする。「んじゃ、いっきますよ~!」 彼女の気配が四散する。 パァーっと光の粒子になって俺の周囲を漂い、そして俺の中に吸い込まれていく。 俺の中に、さよちゃんが入ってくる感触。 2人は1人となり、彼女は俺の力の制御をする要となる。 竜の牙に宿り、俺と性魔術による契約を結び、使い魔となった彼女の、彼女だけに備わった俺のための力、『精霊憑依(ポゼッション)』 本当ならば、今の俺の体では耐え切れない筈の力の奔流を、さよちゃんが引き受けてくれる。 俺は遠慮なく神核から力を大量に引き出す。 すると右手のサイキック・ソーサーが消えうせ、代わりに竜の牙たる光る一本の竜神の剣が現れた。 それを手に取り、身体の中から聞こえてくるさよちゃんの声に耳を傾ける。≪敵位置、この近辺じゃないみたいですよ? どうします?≫「とりあえず、いつもみたく力の制御を頼む。今の俺じゃ、精々2文字しか文珠を同期出来ん。だから……」≪は~い、ご主人さまぁ。文珠展開、敵性攻撃、反射します! ぎゅおおーんっ!!≫ 気の抜けた声と同時に、俺の身体の中にしまい込んである文珠が外に飛び出す。 次の瞬間、全ての雷が一瞬にしてこの空間から消え去った。 今頃術者は黒焦げになっているだろう。 あの雷全てを、反射してやったんだからな。 静まり返る周囲。呆気にとられる者達。 ただ、黒い少年の呟く「ユニゾンデバイス……なのか……?」と言う言葉が、この場に居た全ての者の耳にやたらと響いた。 荒れた波は治まり、俺を除けば感電して気絶した白い少年以外は被害がなく。「さよちゃん、おかえり」≪ただいま、ご主人さまー! ところでアスナさん達はどうしたんです? あと、何かちっちゃくなってません?≫ 場違いに明るい声に、ちょっとだけ苦笑。 ああ、説明すんのだりぃ~なぁ。 そんな感じで身体を疲れでふらつかせる。 呆然としていた美由希が、急いで俺の下へと駆けつけるのが見える。 涙目で、なんかすっごく怒っているのがわかる。「美由希、文句は後で……な? オレ、もう限界だから、あとは……任せる……」 顔を美由希の胸の谷間に沈めると、疲労から来る眠気に身をゆだねた。 美由希の胸……オレのおっぱお……ぱふぱふや……≪はじめまして~。あの~、私は相坂さよと言います。あなたは?≫「へっ? どこから声聞こえてんの!?」≪ご主人さまの中からですよ。で、どこの誰さん?≫「あ、高町美由希です……」≪あのー、美由希さん。一つお聞きしたいんですが……≫ う、うるさいぞ、さよちゃん! 頼むから素直に眠らせろ! このあーぱー(元)幽霊!! って思いながらあっさりといびきをかき始めた。「あー、もう戦闘行為はしないって事でいいのかな? 君たち」 黒い少年が少し呆れた感で声をかける。 美由希は苦笑い。さよも少しだけ苦く笑うと、要は済んだと勾玉の中に戻ってしまう。 なのはは黒い少年のことなどどうでも良さ気。 そして黒の魔法少女は、久遠を抱きかかえて茫然自失。 それもそうだろう。彼女はたった今、大切な母親に捨てられたのだ。 役立たずと罵られ殺されかけたのだ。 そんな黒の魔法少女を元気付けようとするアルフ。なのははチラチラと心配そうに2人を見る。 黒い少年はイビキかいて眠る横島を見、「彼の治療もある。こちらに従ってくれないか? 身の安全は執務官の名において保障する」「結構です。私達は家に帰ってこの子の治療をしますから」 美由希が丁寧に、だが完全に黒い少年の申し出を断る。 今の今まで敵対していた相手のフィールドに飛び込むなんて有り得ない。 今の美由希は、妹のなのは、愛しい男の横島とその使い魔である久遠、母親に捨てられた少女フェイト、その4人の絶対なる守護者を自認する。 そうそう軽はずみな行動は取れない。 だが、空気を読めないおバカが一人。 いや、それは言いすぎだ。彼がこうなったのは、美由希達のせいなのだから。「行く! 行きます!! ボクはユーノ・スクライア! 救助願いが出てませんか!! ユーノです! スクライア一族のユーノ!!」「ちょっとユーノ! フェイトを置いて行く気かい!? 確かに今のご主人はアンタだけどさ、あたしにとってフェイトは一番大切な存在なんだ! あたしに自由と命をくれて、色んな事を教えてくれて、いつも傍にいてくれて、そんなフェイトを守る為にあたしは!!」 虚ろな目をアルフにむける黒の魔法少女。 黒の魔法少女、フェイト・テスタロッサは彼女にとっての全てを失ったばかり。 たった一個のジュエルシードしか集められなかった罰として、使い魔であり大切な家族だったアルフを強制的に捨てさせられた。 そして今度は、自分があの人の娘じゃなく、本当の娘の代わりに造られた存在だと暴露された。 役立たずの人形だと、もうお前はいらない、どこへなりとも消えなさいと言われ、そんな自分を庇ってくれた男の子を呆然と見ていた。 フェイトは思う。新しいご主人さまが出来たのなら、アルフはその人と一緒に居た方が良いと。 こんな人形である自分となんかいるより、ずっと幸せだろう。 心からそう思うのだ。「出来れば皆さんに来て欲しいと思うのだけど?」 目の前の空間にディスプレイが現れる。 映し出されるのは長い髪の妙齢の女性。落ち着いた物腰で、柔らかく微笑みを浮かべる。 突然現れた未来科学な現象に唖然とする美由希だが、それを一切顔に出す事無く自然に振舞う。 そのモニターに映し出されている女性に向かい、軽く頭を下げてキッパリと断った。「お断りします。この子、フェイトちゃんも私の方で面倒みますのでお構いなく。 あー、ユーノくん?でいいのかな? は自分の思うようにして。本人の意思が一番だから」「はい! ありがとうございます美由希さん! 今までお世話になりました。あっ、帰る前に一度高町の皆さんにご挨拶したいんですけど……」「それは私じゃなくって、あの人に聞いた方が良いと思うな」 視線をモニターに映し出されている女性に向ける。 美由希はもう用事は終わったとばかりに、胸の谷間に顔を埋めて眠る横島と、ぼんやり横島を見つめるフェイトをそれぞれ抱き抱える。「なのは! 久遠! 帰るよ!」「うんっ!」「わかった、みゆき」 そのまま一気にすずかの待つ臨海公園へと飛び去った。 それ以上の交渉すら許さず、あっと言う間に飛び去ってしまった美由希達を、残念そうに見るモニターに映し出される女。「どうします提督。追いましょうか?」「いいえ。こちらで追跡するからいいわ。それよりも、詳しい話を艦の方で聞かせて貰えるかしら?」 とユーノの方を見る。 ユーノは勢い良く何度も頷きながら、美由希達の方へと行こうとするアルフに「あっ、よろしく言っておいてね?」とあっさり。 アルフはそれに頷いて後を追おうとするも、時既に遅し。身体を転移の光に包まれた。 これもまたユーノにとって幸いだったと言える。 これがなければ、彼女がユーノと一緒になる未来は無かったであろうから。 光が消え去り、誰も居なくなった海。 先程までの喧騒が嘘のように、そこはただ、静かに凪いでいた。 懐かしい、そう懐かしい光景。これは夢か……? だって、目の前で小さなアスナが泣いている。 タカミチから託されてすぐの頃のように。 決して涙は見せなかったけど、確かに泣いていたのだ。あの頃のアスナは。 表情を失くした彼女の、精一杯の悲しみを表に出して。「また泣いてんのか……?」「…………」 感情を失くした小さなアスナが、横島の声に反応する。 横島は苦み走った顔をすると、手を伸ばして彼女を引き寄せた。 寂しがり屋で、悲しくなるとすぐに自分の布団の中に入ってくる小さい頃のアスナ。 まあ、大きくなってからも一緒に寝てるが、別の意味で。 その少女が、再び小さな姿に戻って、声無き声を上げて泣いている。 横島は郷愁に囚われながら、ベンチの上で横になっている自分の身体に抱き上げると、いい子いい子と頭を撫でる。「なんかあったんか?」「……かあさんの子供じゃなかったんだ」「そっか……」 返事をしながら頭を捻る。 だがすぐに、これはこう言う夢なのだろうと勝手に納得。 横島は元気でろ~、とばかりに小さいアスナの頭をグチャグチャになるまで撫で回す。 いつもなら怒り出すほどにグチャグチャにしても、小さいアスナは成すがまま。 こりゃ、随分と重症だな。 そう思いながら今度は頬を引き寄せ唇を重ねた。 小さいアスナにはした事が無い、マウス・トゥ・マウス。 ピクッと軽く身体を震わせるも、やはり抵抗無く受け容れる。 ピチュ、ピチュ……と音を響かせ舌を嬲る。 唾液の味が違うな? と思いながらも、服の下から手を差し込み、直接胸を揉みしだく。 ふくらみの無い平坦な胸を、大きくなーれ、大きくなーれと念を込めながら撫で回す。 しばらくはただそうして横島に嬲られるままだったが、次第により快感を引き出そうと横島の舌先に合わせて自分の舌先を絡めだした。「んぅ……んんっ……」 くぐもった声を漏らし、もっと確かな繋がりが欲しいと身体を横島に押し付けた。 唾液が唇の端から零れ落ち、横島の顔を汚していく。 もっと奥、もっと奥へとばかりに舌を横島の口中へ差し込み、無茶苦茶な勢いで暴れだす。 それは小さいアスナの現実逃避。快楽に溺れ、嫌な事を忘れようとする心の動き。「んふぅ……ンンっ!」 突如積極的になった小さいアスナに、横島はちょっとだけ驚くも、胸を弄る手を残したまま、せっかくだからと残った手でスカートの中へと侵入する。 下着越しにお尻を撫で回しながら、徐々に股間の盛り上がりへと指を伸ばす。 しっとり湿りを帯び始めたそこを、ワレメをなぞり更なる快感を引き出す。 盛り上がりを包むように揉みながら、クリトリスの辺りをグリグリと親指で刺激した。 すると小さいアスナは横島の唇から「プハァっ!」と放れ、背筋を逸らし弓なりになって絶叫する。「ヒィァァァアアアァァアアッッ!?」 身体に電流を流されたみたいにビクビクと激しく痙攣する小さいアスナ。 顔を涙と唾液で汚しながら、先程までとは違った意味で目が虚ろ。 痙攣が次第に小さくなり、だが最後にもう一度、ブルルッと大きく震えると、股間を弄っていた横島の手がじんわりと熱くなる。「アア……ダメ……ダメだよ……ンあッ!」 横島の手と、小さいアスナの太腿を勢い良く流れ始める雫。 熱く湯気立つそれで身体を濡らす横島。「ご、ゴメ……んなさい……きらいに……ならないで……」 ようやく出来た『何か』の繋がり。 それが何かは小さなアスナにはわからない。 でも、それを失いたくない。全部が偽者だった自分に、たった一つ出来たモノだから。 しくしくと静かに泣く小さいアスナ。「なに言ってんだ? 嫌いになる訳ねーだろうが」 横島にとってみたら今更な話だ。 小さいアスナの、今だ発達していない性感を刺激してしまったんだ。 100%の確率で悪いのは自分だと決まっている。「ほ……ほんと……?」「ああ、本当だよ」 失った表情が哀しみに変わり、そして今、ほんの少しだけど確かに小さく微笑む小さいアスナ。 横島はホッと胸を撫で下ろす。自分の大切な使徒が泣くところなんざ見たくない。 だから、「で、何がしたいんだ? それを俺が絶対に叶えてやる。だからもう泣くな」「か……かあさんに、会いたい……、会ってもう一度、お話したい……」 おもらしで濡れた下着を脱がし、ポケットの中にあったハンカチで少女の股間をキレイに拭きながら、ようやく横島は気づいた。 あれ? この子、もしかしてアスナじゃないのでは……? だが、時はすでに遅し。 真っ赤にしてる『黒い魔法少女』 その背後から恐ろしい顔の美由希。 ああ、傍から見たら、これってすんげー変質者だよな。 だが待ってくれ。寝ぼけてたんだ、解るだろ? それに今の俺は見かけ10歳児。 妹思いのお兄ちゃんに見える事もあったりなかったりだ! ゴメスッ! 正面の美由希に気をとられ過ぎて、背後に居たなのはとすずかに気づかなかった横島は、2人のコンビネーションブローによって静かに意識を閉じた。 笑顔で横島を瞬殺せしめたなのはとすずかに、恐怖の感情を見せる少女、フェイト。 だが美由希は、そんなフェイトを見て安心する。 さっきまでの虚無とは違い、確かに感情を見せているのだ。 やり方は酷いものだったが、やっぱり2人っ切りにしておいて正解だったかな? 問題は、公園の中という公衆の地でこんな行為に及んだ事だけど、まあ、幸い周りに誰も居なかったから良しとしよう。 実の所は先程の黒い少年の一味、時空管理局の面々がこっそり覗いていたのだが……「さ、帰るよ、みんな」「ぶー! ただおくん、フェイトちゃんとキスしたー! なのはだってまだして貰ったことないのにぃっ!」「ずるい……私もして欲しいってずっとずっと言ってたのに。ずるい……」 美由希はフェイトの涎とおしっこで汚れた横島を、それでも大切に抱きかかえ、苦笑いをなのは達にむけた。 自分とただくんの関係、気づかれないようにしないとマズイよね? なんて今更バレバレな事を思い。 そして横島が隠し持っているだろう勾玉のことを考える。 ちょっと前にそこから出てきた女の子。今は再びそこに居るのだろう女の子。間違いなくトラブルの種の一つ。「ああ、もうっ! 難題山積みだよぅ。ま、いいか。後で考えよ……さあ、フェイトちゃんも一緒に帰るよ?」 不安な様子を見せ始めたフェイトを優しく促す。 横島の暖かい体温を感じながら、美由希はゆっくりとした足取りで歩き出す。 これからの喧騒と、そしてその後に待ち受けるだろう戦いを思い、重い息を吐くのを堪えながら。 その頃、高町家では……「うっわー。アリサちゃん、ドラマのヒロインみたいやったわ~」「は、はやて! アンタ見てたの!」「見てたも何も、ずっと一緒だったやないか。あーあー、私なんかキスどころかお尻まで触られてもうたのに、ずるいわアリサちゃん」「そんなの知らないわよっ! アイツに言いなさい、アイツに!」 「さてと。今の内にパンツ取替えな……」「なによ、漏らしたの?」「うっ……なんや、頭真っ白になってもうて、そしたらちょっと漏らしたみたいなんや……」 2人とも耳まで真っ赤。 下半身丸出しで下着選びに夢中なはやて。 鏡の前で、色んな表情を色んな角度で、そして色んなポーズをこれまた色んな角度で検証するアリサ。 2人とも時折身体をくねらせ、変な唸り声を上げる。 2人には何一つ不安なんてない。 だって、あの男の子に任せておけば大丈夫だって知っているから。「んなぁ、アリサちゃん」「なによ?」「ただ兄ちゃん帰ってきたら、どこまでさせてあげるつもりなんや?」「あぅぅぅ………………よ」「何て言ったん?」「う、うるさいうるさいうるさーいっ!」 更なる修羅場の元が、こんな感じで美由希達を待ち構えていた。 続きは70万HITなの? でも2回やったから80万HITかもなの! 後書き 適当に書いてる筈のスペシャル企画の方がPVの伸びが凄い件について。 ヨコなの強者番付け 横島+さよ(ラスボス)>久遠(ラスボス)>横島(大人)>越えられない壁>恭也>美由希>クロノ≧横島(子供)≧久遠≧なのは>フェイト>>アルフ>>ユーノ SAYOちゃんとYOKOSHIMAの精霊憑依。それはYOKOSHIMA無双で戦闘終了の合図w 文珠の制御はYOKOSHIMA、力の制御はYOKOSIHIMAと一体化したSAYOちゃんの仕事。 当然のように憑依中は、YOKOSHIMAの身体の中の文珠の出し入れに文字の刻みも自由自在。タイムラグ無しで文珠の展開が可能に! 流石はパネェっすSAYOちゃん! こんな設定つけてたの忘れる位、出番がまだまだ先なんだぜ! ってか強すぎだって? いや、YOKOSHIMAもSAYOももう全ての冒険を終えてLv99+スキル完全習得状態なんで、今更成長とかナイナイ。 YOKOSHIMA子供状態でなければ苦戦とか一切ないからw 数の子全員纏めて相手にしてもまだ余裕が有るくらい強いって思って良いよ、横島(大人)は。