「なんだ? この白まんじゅう」 ある日、ある時、ある場所で、彼、横島忠夫は不思議な生き物に出会った。 額に紅いルビーのような宝玉が貼り付いた、マシュマロみたいな不思議な生き物。 ぷぅぷぅ♪ 機嫌良く鳴きながら、横島の足元をウロチョロ、ウロチョロ。「新種の妖怪か……?」「ぷぅっ! ぷぷぷぅ~」 横島にとって、この手の不思議な生き物に懐かれるのはいつものことだ。 この世に生を受けてから、おおよそ二百年。 最早、対処にも慣れきっていた。「もう帰るんだけどよ、いっしょに来るか?」 いやそ~に、そう言う横島。 そう、この白まんじゅうから面倒事の匂いが、もうっ! って位に凄まじい。 逃げられるモンなら逃げ出してしまいたいほどだ。 でも、逃げても追っ払っても無意味。 結局は巻き込まれ、下手をすればもっと面倒になったりさえするのだから。「ぷぅ~、ぷぷ~っ!」 横島の問いかけに、嬉しそうに首……はないけど上下して頷いてみせる白まんじゅう。 そうして身体(?)を屈め、勢いをつけて……ビョンッ! と跳びはね、横島の頭に乗っかった。「ぷぅ! ぷぅ! ぷぅ~!」 そのまま頭の上でビョンビョン跳ねながら、とても楽しそう。 多分、さっさと連れて行けとでも言ってるんだろうな。 横島は小さく乾いた笑いをしながら、ゆったりとした歩調で家に帰るのだ。 この10年ばかりの平和な時間。 それが終わりを告げたと、誰に言われるまでもなく自覚しながら…… そう、今この瞬間から、横島忠夫の新しい試練が始まったのだ。 数多の世界を駆け抜け、数多の世界に救いをもたらす戦いがっ! なんて予定は特に無い。 PV1000000HITありがとうスペシャル企画 横島の予想を覆し、数週間が過ぎ去った今も、何事も起きずに静かに時が流れていた。 週に一度は行われるアスナとなのはのガチンコバトルを見つつ、 膝にイリヤの尻。 右腕にあやかのボイン。 左腕にフェイトのボイン。それらの感触に鼻を伸ばす。 ただ、頭の上を跳びはねる、「ぷぷっぷぅ~、ぷぷぷぷぅ~♪」 この白まんじゅうだけは余計だったが。「ご主人さま、予想を裏切り何も起きないですね?」 エターナルロリータの称号を横島から贈られているメイド服の少女が、手に持つお盆から飲み物を手渡しつつそう言った。 その立ち振る舞いは、百年を越える研鑽の賜物なのか、とても自然で、ただのメイドとは思えないほどに優雅である。「うーむぅ……、俺の勘も衰えたんかな~」「いえ、こんなの誰が見ても面倒事だと思うですよ?」 ロリメイドの視線は当然に白まんじゅう。 どこか咎める様なその視線に、だが白まんじゅうはどこ吹く風。「ぷっぷぷぅ~♪」 実に楽しそうだ。 気がつけば、恒例のアスナvsなのはも終わりを告げ、2人仲良くノックダウン。 初めの頃はアスナの一方的勝利が続いていたのだが、最近はなのはの巻き返しが凄い。 アスナもそんななのはに警戒しているのか、この頃は修行に励んでいる姿を良く見かける。 そんな感じで戦闘力がグングン伸びて……横島はこの2人、どこまで強くなるつもりだ!っと恐怖を感じていた。 なんせ、今はもう勝てる気がしない。 ただでさえ才能に溢れる2人。それが衰えぬ身体で数十年休むことなく修行を重ねたのだ。 修行なんざしない横島を越えるのは当然の理だろう。 とは言っても、下半身のバトルでは絶対に負けない自信がありはする。 一日といえども、欠かさずにセクロスバトルをしているのだからっ!「んじゃ、見せ物も終わったし、そろそろ寝るとすっか」 見せ物じゃないわよっ!? なんて声が聞こえてきた気がするものの、横島も、その周囲の女達もかる~くスルー。 まったく相手にしない。 正直、このやりとりを10年以上繰り返しているのだ。 最初はグダグダ言っていた纏め役のあやかでさえ、最近では何も言わずに放置である。 ぶっちゃけ、何か物を壊すとか、周囲に迷惑をかけるとかじゃない限り、もうどうでもいいのだ。 それに、今もフェイトとイリヤに、「今日は小さい忠夫さんでイキませんこと?」などと言いながら、きゃっきゃっウフフ状態だし。 ショタだお推進委員会会長を務める雪広あやかは布教に熱心である。 しらけているイリヤはともかく、フェイトなんかは、「初めて会った頃のちっちゃいタダオ……」なんてホッペが赤くなっていた。 これは危ない流れだ…… 横島は自分に引っ付いている3人を纏めて抱き寄せると、これ以上話が変な方へと逝かないように、本日のメインディッシュを頂くことにした。 今日のローテーションは、あやか、イリヤ、フェイトの3人。 本来だったら出会うことが無かった筈の3人を、横島は自分のベッドの上でまとめて愛するのだ。 そんなルンルン気分な横島は、今日はどんなプレイでいこっかな~、なんて考えながら寝室へと向かう。 期待から股間が唸り、ズボンがもっこり盛り上がっている。 あやかも、イリヤも、フェイトも、瞳が潤んでいた。 女の匂いをかもしだし、スリスリと身体を擦りつけてくるのだ。 はやくはやくはやく…… 横島だけじゃない。女達もまた、横島を求めて身体が熱い。 この所の横島は、戦闘力等の向上はないものの、なにやら神気めいたモノをまとっていた。 胸の神核が、完全に身体に馴染んだ証拠。 最早、横島は神魔の一角に名を連ねてもおかしくはない。 ただ、流石に元が人間であるだけあって、昔以上に使徒との交わりが必要となってはいるが。 それにつられているのか、彼の使徒達も横島を激しく求め…… それとも横島の心の負担を減らすために、そんなフリをしているのか? 恐らく後者ではあろうが、まあ、どちらにしても、横島に百年近く開発されまくっている肢体。 彼に軽く触れられるだけで、恍惚と痙攣してしまう。 そんなエッチな身体を、アスナとなのはがバトっているのを観戦中、ずーっと愛撫され続けていたのだ。 キスして欲しい。唇だけじゃなくて、色んなところに…… そう想って瞳が潤んでも仕方ないだろう。 でも、その願いは叶わないのだ。 突然、横島の頭上で跳びはねていた白まんじゅうの額の紅いルビーが、黄色く色を変えて激しく輝きだした。 驚いて目を大きく見開く女達。 そして、頭上の白まんじゅうから凄まじい力を突如感じる様になった横島も、大きく目を見開いた。 その力の大きさは、異常なんて言葉がいっそ生易しい。 桁が違う。 横島が知る最強の力の持ち主、アシュタロスさえ頭上の白まんじゅうに比べれば赤子以下の存在。 いわんや、横島と頭上の白まんじゅうとを比べたら…… 逃げようにも頭に貼り付いている今、それが叶う筈もなく。 どうすれば…… そう思ったその時だ、 ───時は来た。 直接頭に響く声。 頭の上だから横島には見えないが、白まんじゅうは背中に真っ白い翼を生やし、神々しく光り輝いていた。 何度も言うが、なんでか横島の頭の上で。 余程気に入ってるのだろうか? 離れようとする素振りが全く無い。 ───横島忠夫、汝に願おう。 一つの世界を救わねばならなくなった気高き心の持ち主。 その心の持ち主の手助けをして欲しい───「それは……女か? 美人のねーちゃんだなっ!?」 ───そうだ。14才の……美少女。「チッ! ちょい若すぎんな……」 横島のその言葉に、じと~っとした視線を向ける複数の女達。 彼女達の心は一つ、今更何言ってんの? このバカ! である。 ───だが、今のお前では、それは叶わぬ願い……「修行でもしろってーのか?」 ───違う。我が与える力の半身を探すのだ。 そして、その力を完全に自らのモノとした時、再びお前の前に現れよう─── 相変わらず横島の頭の上で、神々しい光を発しながらそう言う白まんじゅう。 その白まんじゅうの口が丸く開くと、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ……周囲の空間とは違う空間が、その口の中に現れた。 そして、丸く開いている口を、ガバッと大きくすると……バクンッ!! 横島の頭にかぶりついたのだ! じたばた抵抗しながら、頭から首、そして胴体へと、徐々に白まんじゅうに食われていく横島。 とてもシュールな光景である。 そして遂に足の爪先までもが飲み込まれると、白まんじゅうは満足げに口を閉じ、 けぷっ っとゲップした。 完全にこの世界から消え去った横島。 使徒達は彼と繋がりがあるために、それが解る。 生きてはいる。だが、この世界にはいないと。 そうして思うのだ。 なぜ? 彼を行かせるならば、使徒である自分たちもなぜ一緒に行かせないのだ? ギンッ! と厳しい視線を白まんじゅうへと向ける使徒+α。 特にあやかとフェイトにイリヤは、とても恐ろしい眼光だ。 ようやくの夜のお勤め日。 それが、台無しになったのだ。 恨まずにいられよう筈がない。 だが白まんじゅうは、「ぷっぷぷっぷ~~♪」楽しそうに鳴きながらビョンビョン跳ねる。 跳ねて跳ねて跳ねて、そして、突如その姿がこの世界から消滅した。「ちぇっ、逃がしちゃったか……」 イリヤは柔らかい口調でそういうものの、その顔は恐ろしいまでの怒りを含んでいた。 そして思いついたのか、足をとある方向へと向けて動かし始める。「マッドどもの巣窟に行くわよ!」 その言葉に、その場に居た全ての女達が頷いた。 追いかけるのだ。彼をっ! そして、あの白まんじゅうに、報復の放火をっ!! この場に居る全ての女達の心は一つになった。 アスナも、なのはも、イリヤも、その他諸々に、横島の姓を持つ娘達も…… 初めて全員の心が一つになった。 そう、これ以上の女(ライバル)は必要ないのだっ! さて、そんな感じで女達がヒートアップしていた頃、件の横島忠夫は、子供みたいにはしゃいでいた。 様々な世界を渡り歩いて来た彼だったが、目の前の光景は、そんな横島の漢心をくすぐるものだったからだ。 崩れ落ちるドーム状の建物。 その周囲を飛び交う虫の形をした飛行物体。 そして、それ等を迎撃する白いロボット。 しばし、そんなSFチックな光景に見惚れていた横島だったが、崩れ落ちたドーム状の建物の近くで怪我をして倒れている少女を発見した。 目の前の漢心をくすぐる光景なんぞより、女の子の方が大切だ! 当然の様に横島はその少女の下へと駆け寄ると、頭から血を流している少女を抱き上げた。 そうして安全そうな建物の影まで連れて行き、膝に少女の頭を置くと、額の患部に霊力を流してヒーリングしていく。 少女は、年の頃は18才くらい。 髪は青空色のショートヘア。 この少女の、特に特筆すべき点は一つ。 苦しそうに身をよじる度に、ブルンブルン上下に揺れるオッパイだろう。 ノーブラか……? いいや、横島アイにはこの娘がキチンとブラをしていると出ている。 だとすれば……! なんて……、なんて神秘的なオッパイなんだっ!! 白まんじゅうへの怒りは消え、逆に心からの感謝を送りたい。 こんな素晴らしいおっぱいの所に連れて来てくれて、ありがとう! そんな素晴らしいオッパイを凝視しつつ、それでもしっかりと少女の傷を癒していると、「う……うう……りゅ、りゅうせい……くん……」 少女のその言葉に心底絶望した。 なんせ、ナンパする気満々だったのだ。 それなのに、ああ、それなのに……目の前のおっぱいが、男憑きだったなんて……っ!!「あ……あの、アナタは……?」 そうこうしている内に完全に覚醒してしまったのか、少女はやや不審な者を見る目つきで横島に尋ねた。 確かに、目を覚ますと見知らぬ男の膝枕だったなんて、ビックリにも程がある。 「うん? ああ、横島だ……」 男付きである事実にガッカリしてしまっていた横島は、非常に元気の無い声で、少女の問いかけに答えた。 答えになっていない答え。 でも、特に害がある人じゃない。 少女はそう確信すると、不意に気づいた。「あれ? そういえば私、怪我をしていたと思うんだけど……?」 首をコテンと傾け、不思議そうに呟いた。 ちなみに、首を傾けただけで、横島の目の前のケシカランおっぱいが、ブルンっと上下に揺れたのは、実にケシカラン。 そんなお前がけしからんよ! な横島は、「俺が治したんだよ」 と言いながら、再び霊力によるヒーリングをしてみせた。 もう殆ど残ってはいない傷。 それでも女の子の顔だ。 毛筋ほどの怪我でも残すわけにはいかない。 それに、目的もあった。 この世界で、この手の力がどう見られるか。 日常的に使われるなら良し。 禁忌な力ならばこの先隠す。 知られていないのならば、やっぱり隠す。 それを、目の前の体内に恐ろしいほどの霊力を内在させている少女に使う。 この世界で普通の力なら、簡単に礼が返って終わり。 隠されていたり、使われることのない様なモノなら驚きの顔を見せる。 禁忌ならば、嫌悪の表情だろうか……? まあ、それはこの子の性向しだいだろうが。 ともかく、そんな試金石的意味合いもあったのだ。 もちろん、メインはこの娘の傷を治すことだが。 そして、少女の反応は……驚きだった。 目をパチクリさせている。「あ、あのっ! この光は、いったい……」「これか? これは霊力って言ってだな、こうやって怪我を治したり、悪の化け物を退治したりする時に使う力だよ」 少女の反応から、この世界ではこの手の力は使われていないか、それとも隠されているかのドチラかだろうと当たりをつける。 様々な世界を渡り歩いた経験からそう判断すると、目をキラキラさせて色々と聞きたそうにしている少女の手を引き、少しひらけた所にでた。 ロボットの戦いがいよいよ佳境に迫って来たからだ。 周囲を飛び交う虫型の飛行物体の攻撃が激しさを増し、それに呼応するかのように、ロボットの動きも洗練されていく。 一体づつ確実に、拳と、サイキックソーサーみたいな兵器で虫型飛行物体を破壊していく白いロボット。 そして、そんなロボットの活躍に、「りゅーせーくーんっ、頑張れーっ!!」 ピョンピョン飛び跳ねながら応援する少女。 当然、おっぱいは激しく揺れていた。 もったいねー、もったいねー。 横島は少女のおっぱいをガン見しながら、呪詛のように呟いた。 と、その時だ。目の前の空間が歪みを見せたのは。 ビシッ! ビシビシビシ……ッ!! 音を立て空間が歪み、軋み、その先から、大きな青い手が飛び出した。 それから三角の頭が、そして、足、胴体……、そう、2機目の巨大ロボットである。「すっげー」 思わず飛び出した言葉。 この世界、なんてちゅうに心をくすぐる世界なんだ! 女の子に囲まれ楽しくエロスに過ごす毎日だったが、どうやらこんな刺激も欲しかったようだ。 横島はここ最近の停滞していた日常から飛び出し、本当に滅多に無いことだが、楽しさと喜びでワクワクがどうにも止まらない。 だが、そんな横島と違い、さっきまで白いロボットを応援していた少女の顔が、恐怖に染まった。 身体を緊張させ、不安そうに白いロボットと青いロボットを交互に見る。 横島もそんな少女の様子に気づき、「あれ、敵なんか?」「私にはわかりません……、で、でも! なんかとっても嫌な感じがするんです!」「ふ~ん……」 気のない返事を返し、視線を2機のロボットに戻す。 2機のロボットは、確かに対峙し、緊張を高めていた。 そして、先に動いたのは白いロボット。 サイキックソーサーみたいな兵器を青いロボットに向けて発射した。「ダメだろ。動きが素直すぎる」 横島の呟き。 そして、その通りに青いロボットは簡単にその攻撃をかわした。 そして続けざまにどこからともなく槍を取り出すと、白いロボットの胴体目掛けて突き出すのだ。 シュザザァァアアッッ!! 衝撃だけで地面を抉るその一撃は、胴に吸い込まれる寸前、白いロボットが右腕を犠牲になんとか回避。 だが、槍撃を喰らった腕は破壊され、宙をクルクル舞い、そして地面に激突する。 その衝撃で揺れる大地。 顔を真っ青にする少女。 少女は焦った様子で横島の方に向き直ると、彼の手を握り締め、必死の視線をむけた。「助けて! リュウセイ君を助けてくださいっ!!」 そう、少女の脳裏に浮かんだのは、さっきの暖かい光。 もしかしたら、目の前の青年ならなんとか出来るかもしれない。 だって、悪い化け物を退治する力だって言ってたもの。 だけども、横島だってそんな事を言われても困る。 幾ら何でも、目の前の巨大ロボット同士の戦いに割り込むなんて冗談じゃない。 全力全開でいけば倒せそうな気もするが、流石にそこまでしようとは思えない。 第一、そんな事をすれば目立つではないか。 ああ言う巨大兵器があると言うことは、生身での超人的な存在が、この世界には居ないのだろうから。 とは言え、目の前で必死に助けを求める少女の願いを無下にはしたくない。 例えそれが自分以外の男を想ってのことだとしてもだ。 ん~~、しゃーないか…… 少女に聞こえぬように「タハハ……災難や……」と諦めた笑いをすると、横島は体内に存在する神核を全開に回し、力を外へと放出する。 ブワッ!! 身体に力が満ち満ちてくる。 今ならば、確かに目の前のロボット程度、一蹴してみせる自信があった。 そう、普通の人間如き、例えスーパーなロボットに乗っていたとしても、俺の敵では……ないっ!! さあ、行くか。目の前の存在を破壊しに…… 右手に煌く破魔の剣。 左手に輝く破邪の盾。 ハンズ・オブ・グローリーと、サイキックソーサーである。 そして足に力を込め……、それ等を使って眼前の敵をぶった切るッ!! だがその寸前、横島はピタリと動きを止めた。 頭に響いてくる、神々しくも厳かな声を聞いたために。 ───汝、我を纏いて敵を討て!「へっ?」 ───我が名を呼べ! 我は魔神! 虎王───────── 横島の心に浮かんでくる言葉。 フッ……と横島はニヒルに笑った。 齢200近くになって訪れた、ちゅうにの心が彼を燃え滾らせる。 少女の腰に手を回して自分の方へと抱き寄せると、目を瞬かせる少女ににっこり微笑みかけた。 そして叫ぶのだ! 自らの半身の名を!!「でろぉーーーっ! 虎王ケルヴェロォースッッ!!!」 横島の足下を中心に、半径ン十メートルの魔法陣が大きく描かれた。 いいや、足下だけじゃない。 彼の頭上にも魔法陣が現れ出でる。 その2つがジリジリと引き寄せ合い、横島と少女を押し潰すように重なり合うと、遂にその姿を現したのだ。 獣の魔神 虎王ケルヴェロォスがっ!! その姿はまさに王者。 黄金色に四足歩行のその姿は、少し離れた所で戦っていた白いロボットの搭乗者、リュウセイを狂喜させた。「ゾイド……かよ。ホントに居たんだ、ゾイド……っ!」 青いロボットに押されてピンチだって言うのに、その声には喜びが混じっている。 しかし、次の瞬間、焦りに目を大きく見開いた。 光り輝く獣の王者を、まるで従えているかのように傲然と立つ青年の腕の中に、彼の良く知る幼なじみの姿があったからだ。「クスハーッ! なんだってお前そんなトコにっ!! クソっ! うらやまし……じゃねえっ、危ねーから、さっさと逃げるんだっ!!」 そして、それより更に離れた場所で、そのリュウセイの戦いを見ていた男もまた、狂喜と愉悦の混じった笑いをする。「あれは……、なんだっ!? ククク……フハハハハ……アーハッハッハッハッハァッ!!」 件のパイロットのデータに驚かされ、エアロゲイターの未確認人型機動兵器に恐怖し、そして、今現れた神々しい獣の機動兵器に目を奪われいた。 そんな時に、その場の最高責任者であったイングラム・プリスケンの狂笑。 彼を深く愛するアヤ・コバヤシでさえ、今の彼には背筋が怖気走る。「ああ、そうか。そう言うことか、アカシックレコードよ! これで俺の願いが……ようやく、俺は、ゴッツォの楔から解き放たれるのだっ!! 来いっ! 俺の下へっ!! 真のサイコドライバーよっ!!!」 ヨコアス外伝 スーパーロボット大戦 オリジナルジェネレーション YOKOSHIMA OGYⅠ-1 『魔神 降臨』 つづくんか? 次回は110万HIT……だといいね…… 後書き ちなみに今回の話、スパロボOG(α混じり)+魔法騎士レイアース。 それにちょっとだけ●ー●●●●●ー ●●●に続けれるようには考えてる。 ああ、そうさ! 作者はレイアースがスパロボに参戦するのを、只管に待ち続けている愚か者なのだよ…… いつか、いつかきっと…… そして! ヨコアス無印プロット公開! まとめるの面倒だったんで、中止! あとはあれかな? 今回、100万いってもいかなくてもヨコアスRって言ってたんだけど、次話が、またまた長くなっちゃって…… 夕映&のどかSPイベントは、前中後編の3部になっちゃった。 んな訳で、今更話がぶった切れるも糞もねーや……、って訳で、100万HIT公開に。 みなさんが望んでいただろうヨコなのSTSや、アセリアで横島は、無しっ!! じゃっw