「あー、そりゃ無理じゃ」 もんの凄く怖い顔でやってきたアスナ達に、素気無く手をパタパタ振るドクターカオス。 彼の後ろには、アスナ達が求めてやってきた物、異世界間移動航行艦 『逆転号』 がある。 しかし、逆転号は10年に一度の大分解整備の途中であり、とてもじゃないが使えそうもない。 「整備が終わるのには、半年ほどかかる予定です」 「むぐ……っ、んじゃ、逆転号以外の方法でアノ人の所に送ってよ!」 「逆転号以外の方法で行くとなると、そうじゃな、1人か2人が限度じゃろう」 「それにご主人サマの居場所を特定するのに時間がかかるヨ?」 「どの位でしょうか?」 「そうダナ、2~3ヶ月といったところネ」 ガックリ肩を落すアスナを始めとした女達。 この怒り、如何にして晴らそうか……ッ! でも、次の言葉でそれ所ではなくなった。 「では、誰が行くですか?」 先ずは第一使徒であるアスナが名乗りを上げた。 彼女以上に横島を知る使徒はなく、彼女以上の戦闘力を持つ使徒もまた居ない。 だけど完全魔法無効化能力が仇になり、通常より転移に負担が掛かると、ドクターカオスにより却下される。 ガンガンと壁に頭を打ちつけ、無念さを現すアスナを放っておき、次に名乗りを上げたのはなのは。 アスナと匹敵……いいや、完全魔法無効化能力さえなければ、確実にアスナを越えるだけの力を手に入れた魔神。 だがしかし、 「なのはちゃんは忠夫くんの使徒じゃないんだから、除外だよ?」 幼馴染の少女の一言。 勿論、納得いかないなのはは抗議の声を上げるのだが、実姉である美由希の裁断により却下された。 「ただくんの下へ行くのは使徒の役目だよ? なのはは逆転号の準備が出来てからにしなさい」 ヤンデレちっくななのはだったが、大切な姉の説得、耳を傾けない訳にはいかなかった。 それに、キャロやヴィヴィオといった彼女の養い子達まで美由希の援護に回り、母としてなのはは引き下がらざるを得ない。 アスナとなのは、最強の2人が脱落し、牽制し合う面々。 本来ならば、使徒達の纏め役であるメイド長あやかが行くべきなのだが、彼女はメイド以外にも事業を幾つも手がけており、この世界からは離れられない。 ならば次席メイド夕映の出番だろうが、彼女自身は逆転号と共に行く気である。 自身が居なければ、この灰汁の強い面々の抑え役が居なくなってしまうコトを良く理解しているのだ。 それを知る使徒達は、次第に闘気を高め、カオスの研究所どころか世界を壊さんばかりの力を放出し始める。 このままで歴史に残る最大の事件、アシュタロス侵攻に匹敵する霊的災害が起きても可笑しく無い。 そんな時だ。 悠然と大きな胸を突き出し、頬に掛かった髪を軽く払いながら前に出る女。 「なら、私が行きますね? 私達だったら転移の負担が少し減りますし」 使徒と言う名の従者でありながら、自身もまた従者を持つ変り種の使徒。 元の色がすっかり抜けた白い髪をなびかせ、その髪が掛かる頬には禍々しく波打つ紅き闇。 妖しく嗤う彼女は、使徒最恐の名を欲しい侭にしている存在だ。 直接戦闘こそアスナ達武闘派に劣るが、それさえも彼女の従者が居れば何の問題もない。 いいや、破壊した筈の大聖杯の一部をその身に取り込んでいる彼女のことだ。 自身の深層意識(イド)を用いた魔術を使えば、対等以上に戦う事も可能なはず。 何より、繋がりのあるこの主従ならば、転移の負担も通常の半分程度で済むだろう。 「ふむ……そうじゃな。それが一番じゃろうて」 カオスの言葉にガックリと肩を落とし、でも彼女なら仕方ないと何処か納得する。 残念そうに踵を返す同僚を見て、女は満足そうに頷いた。 恩人である彼はやはり大切な人。 そして、彼女の従者が愛している男でもある。 何より彼が居るからこそ、心底欲した平穏で穏やかな日常を送れるのだ。 「ウフフフ、あの白いマシュマロみたいなの、私が食べちゃいますね」 主と従者。2人の想いは重なり合って、狙いは白まんじゅうの首一つ。 こっそりこの世全ての悪を喰らい、正気を失いかけた彼女を何気にもう一度救ってくれた男を取り戻す為に。 先輩じゃない…… 先輩みたいにアナタを想えない。 でも アナタは 私のモノだ 「でしょう、ライダー?」 「……アスナとなのは、2人を出し抜くのは至難ですよ?」 「ウフフフ、アハハハハ……」 嗤う女の影が、獲物を求めてゆらりと波打った。 影はどこまでも深く、暗く、澱み…… ヨコアス外伝 スーパーロボット大戦 オリジナルジェネレーション YOKOSHIMA OGYⅠ-3 『おっぱい』 爪を振るい、牙を剥き、雲を纏いて雷を落す。 だが、その攻撃のどれ一つとっても、目の前のロボットに傷一つ負わせられない。 歪曲フィールド、ロボットの操縦者が言っていたバリアの名前。 アレが有る限り……いいや、そうではない。 アレの乗り手、ソレ自体が化け物なのだ。 と横島は関心したように唸り声を上げた。 人の可能性を見た。 人は、人のまま神をも越えたと。 アーマードモジュールと言う名の機械で出来た鎧を纏い、鍛えに鍛えた肉体と操縦テクニックで、サウザンド・マスターの千の雷すら超える砲撃を難なく放つ。 ブルル……ッ 身体が小刻みに震える。 この世界の人間は、ある意味本当に凄まじく化け物だ。 魔法使い、妖怪、悪魔、魔族、神…… それ等とすら互角以上……、違う。 モノによっては遥か遠けき力。 特に、今クスハと戦っているアーマードモジュールの操者は。 「こりゃ、まじーな……」 横島の顔が強張った。 クスハの初めての実戦の相手としては、やばすぎた。 それに、ここに来てようやく間違いに気づいた。 白まんじゅうの言った 『我の与える力の半身』 クスハじゃねぇー! クスハは、ただの協力者。 魔神である虎王と龍王が白まんじゅうがくれた力だとすれば、力の半身ってのは人じゃなくて…… その時だ、クスハの操る龍王が、ヴァルシオンの猛攻に捕まったのは。 ディヴァインアームの一撃が、龍王の蛇体の腹に打ち込まれ、その衝撃により吹き飛び距離が出来るや、 「メガ・グラヴィトンウェーブ!」 黒き重力の衝撃が、龍王に乗るクスハを襲う。 ミ、シ……ミシミシミシ……ッ!! ズズゥンっと小爆発を繰り返しながら、機体が重力により軋む。 「だ、ダメ、これ以上……持たないっ!?」 恐怖に声が霞む。 初めての実戦。初めての明確な死の恐怖。 目に涙が溜まり、救いたいと願った自分こそが、本当は救われたいのだと声を上げたくなった。 でも、クスハは弱気になりかけた心に負けたくない。 唇を噛み、口中を鉄の味一杯にして感覚を現実に引き戻す。 「負けない……負けないんだからぁ!!」 声を張り上げ、自らを押し潰す重力に打ち勝たんと力を振り絞る。 龍王がクスハの闘志に応え、咆哮を上げた。 だが…… 「追の一撃……塵となれ、クロスマッシャー!」 虹色の死の光線。 単純な出力なら先のグラヴィトン・ウェーブに劣るが、単体への破壊力ならば遥かに勝るヴァルシオン最強の一撃! 少し離れた場所から戦況を見守っていたリュウセイが、焦燥の声で幼馴染の名を絶叫する。 その場に居た全ての者が、ヴァルシオンの勝利を確信し、神獣が敗北するのを幻視した。 が、突如、龍王の手前に出現した人影。 横島が焦りまくった顔してクロスマッシャーを、『反/射』した。 物理法則どころか、ありとあらゆる常識を翻し、クロスマッシャーというエネルギーが何の気無く進行方向を逆にする。 だがヴァルシオンはその巨体に似合わない敏捷さを持ってあっさりと自らの放った攻撃をかわし、横島と言うちっぽけな目標に向ってディバインアームを振り下ろす。 ガ、ギィンっ! 固い金属が擦り合わさった音。 横島は涙をちょちょびらせながら、必死で巨大なサイキック・ソーサーでその攻撃を受け止めた。 キシキシとヴァルシオンの間接が軋みを上げ、それでも目の前の大きな盾は破られない。 とは言え、神格者と言えど所詮はちっぽけな人間。 恐怖から背筋に電流が走る。 「だあああああああ! むっちゃこえ~~~っ! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死んでまう~~~ッ!?!?」 絶叫を上げながら、考えられることは逃げる事だけ。 何より相手は巨大な人型兵器だ。 それも一体で世界を相手取ることさえ出来る究極のロボット。 恐ろしいまでの力が横島を襲い、とてもじゃないが、この状態を維持出来ない。 横島が、文珠使いでなければ、の話だが。 いっそ、死んだふりしたい!などと口にしながら、横島はサイキック・ソーサーを破壊せんとするディバインアームを『弾』く! ディバインアームが、 ヴァシュッ! 気の抜ける様な音と共にサイキックソーサーから弾かれた。 「な、なんだ、と……ッ!?」 驚きの声を上げるヴァルシオンのパイロット。 またもや物理法則を無視した事象に、ヴァルシオンの上体が崩れ…… その隙を狙って横島はサイキック・ソーサーを放った。 しかしその攻撃は歪曲フィールドによって防がれ……無い! フィールドを『貫』き、その無傷の赤い機体を、ズガァン! 破壊音を立てて最初の傷を付けるコトに成功する。 だがヴァルシオンのパイロットは、衝撃によろめく機体をあっさりと立て直し、再びディバインアームの剣先を横島に向ける。 「見事だ、異界からの来訪者よ。我はディバイン・クルセイダース総帥、ビアン・ゾルダーク。汝の目的は如何? コトによっては、我が全ての力を持って貴殿を排除せねばならんのだが……」 サイキック・ソーサーによって出来た破壊跡から、 バチッ! バチバチバチッ……!! 決して小さくない火花を撒き散らせ、それでも尚轟然と覇王足らんとするビアン・ゾルダーク。 横島は息が切れそうになるのを堪え平然とした風を装うが、次の一撃が来たら、もうどうにも出来ん。 あの傷を付けるのに、どれだけの霊力と精神力を用いたか! あの一撃は、横島にとっての必殺だったのに……! 横島にはもう虎王を呼べるだけの力も残されておらず、クスハを連れてどうやって逃げるかだけを考える。 それに、これ以上の戦いは無意味だ。 目の前の男……ビアン・ゾルダークは世界の秩序を乱し、世界征服を目論んだ悪党。 だと思っていたのに、どうやら違うようだし。 これでは、単に戦場を荒らしただけの道化ではないか…… いや、元々道化ではあるけども。 「目的、か? 悪党を懲らしめに来たんだが……どうも話と違うみたいだしなー。もう、帰っていい?」 まさか、クスハの修行の為、そこそこ強そうな相手とバトりに来ましたなんて言えやしねー。 しかも相手がそこそこ所か、世界最強を名乗っても良い位の相手だったとか、マジで笑えん。 動きを止めたヴァルシオンを横目に、敗北し、もはや龍王の状態すら維持できなくなったクスハの下へと行くと、じゃ!っと手を上げ横島はさっさと『転/移』した。 ようするに、逃げた。 「一個体存在の力による空間転移ですか。興味深いですね」 「……アレをどう見る、シラカワ博士」 「そう……ですね。恐らく害は無いでしょう」 「そうか。ならば、後は計画通りに頼む」 「ですがヴァルシオンも傷つきました。ここは公平に、彼らにも少しダメージを負ってもらいましょうか。このグランゾンで……」 「いや、その必要はない。もう時間も差し迫っているでな」 天空に幾つもの流れ星。 そのひとつひとつが、沢山の命が失われた証なのだ。 中でも一際大きく輝き堕ちる流星。 ビアンの盟友たるマイヤー・V・ヴランシュタインの乗座。 コロニー統合軍が旗艦マハトが、大気圏の熱に燃やし尽くされている輝きである。 今、この星の未来をヒリュウ改に集いし剣に託し、散ったのだ。 であれば、ビアンも一刻も早くハガネの力を試し、マイヤーに続かねばなるまい。 ズシンッ! ヴァルシオンの脚をハガネの主力、R-1に向けて一歩前へと進める。 突如現れた龍王と、そして横島の非常識さに圧倒されて時間を止めていた者達が、ハッと我に返った。 それは龍王のデータを只管に取っていたイングラムも同じで。 彼も真のサイコドライバー個人の力に目を奪われていたのだ。 だが、それもここまで。 ここから先は…… 「総員、いつまで呆けている。戦闘、開始だ……!」 自らの駆るビルトシュバインの固定武装、サークルザンバーを起動させた。 ヴァルシオンの歪曲フィールドは確かに強力だったが、サイコドライバーのお陰で綻びを見せている。 ただの人間に出来ることが、機械の鎧を纏った我等に出来ないはずは無い。 「リュウセイとマサキは、俺とイルムが開けた穴を突け! イルム、遅れるなよ? 行くぞっ!!」 イルムが駆るグルンガストと共に、ヴァルシオンへと突撃するイングラム。 口元に浮かぶ笑みは、いつものニヒルな笑みではない。 サイコドライバーが見せた霊力の輝き。 あの輝きで、失われた何かを取り戻した感じがする。 今のイングラムは喜びに満ちていた。 彼は確信する。彼のサイコドライバーの力さえあれば、自らを縛る楔からの解放が叶うと…… 安堵。そして 『仲間達』 と共に在ることに、心躍る。 「俺達の行動は無意味ではなかった。だから、それぞれの世界に何らかの結果を生み出しているはず。 そしてこの世界にもユーゼス・ゴッツォが居るのなら、奴を倒すのは……俺の役目だ!」 一人の人間として…… そう、人造人間でありながら、人間としての心を決して捨てなかったキカイダーのように。 例え出自が何であろうと、リュウセイ達と共に、『地球人』として、この星の未来の為に。 ガイア・セイバーズの一員だった頃の意識が、一瞬だけだが僅かに顔を出す。 そしてその瞬間、ビルトシュバインのサークルザンバーとグルンガストの計都羅睺剣が、ヴァルシオンの歪曲フィールドを完全に打ち破った。 続くリュウセイのR-1とマサキのサイバスター。 「おらぁーッ! TーLINKぅ、ナッコーッ!!」 「いっけぇー! アカシックバスターッ!!」 R-1の腕に纏う念動フィールドの輝き。 サイバスターの全身を覆うプラーナの輝き。 目映いばかりの光が戦場を覆い、R-1がヴァルシオンの装甲を破壊したと同時、アカシックバスターの突撃がヴァルシオンのコックピットを貫いた。 「この光……そして、先ほどのサイコドライバーが放った光……そうか、これこそが……」 イングラムは光に魅せられ……思い浮かぶ過去の情景に向かい、優しく微笑んだ。 ヴァルシオンと言う作られた『巨悪』に、ハガネに集いし勇者達が剣。 ビアンとマイヤーが望んだ、痛みを伴った世界の認識の改変。 人類に 逃げ場なし。 地球圏の未来を担う剣を研ぎ上げる為に、ビアンとマイヤーは散ったのだろう。 彼らが最後に思い描いたのは、奇しくも同じ、自分の子供の未来であった。 「こら、反省せんとアカンな……」 苦々しく呟いたのは、クスハを連れてスタコラサッサと逃げ出した横島である。 意識を失い、微かにだが時折辛そうに呻くような声を漏らすクスハ。 初めての実戦。なのに相手は最強クラス。 言うならば、未だ未熟だというのにメドーサやラカン辺りのとんでもクラスと戦わされたのだ。 しかもその原因が、横島の慢心と勘違いときたら、もう反省するしかない。 その源泉は白まんじゅうから貰った力、魔神。 ロボットに乗り込んで戦うなんて、ガキの頃に見た夢の光景。 心が踊り、少し調子に乗っても仕方がなかったとも言える。 それが自分ひとりで済む話だったなら……だけども。 「クスハ……」 治癒の霊力を込めた手で、優しく頭を撫でる。 名前を呼ぶ声には後悔と懺悔が入り混じり、情けない自分を殴りたい。 救うべき世界へと誘われない理由、それを横島はクスハの力足らずと判断した。 それがそもそもの間違い。 白まんじゅうはこう言ったのだ。 ───我が与える力の半身を探せ 白まんじゅうから貰った力、それは魔神である虎王と龍王であろう。 先にも言ったがクスハではない。 クスハは協力者で、言うならば横島のこの世界での半身。 虎王と龍王の半身なんかじゃない。 「う、うう~ん……」 身をよじり、苦しそうに唸りながら僅かに目を開けたクスハ。 何度か目をパチクリ瞬きながら、ハッと気づいたように起き上がる。 「ご、ごめんなさい、わたし……」 クスハの胸に去来する申し訳なさ。 あれだけ修行をつけて貰って、尚且つ性魔術で力を分け与えて貰って、なのに、結果を出せなかった不甲斐ない自分。 悔しくて、情けなくて、もうどうしていいのか分からなくなって、クスハは泣きそうになった。 でも、 「違う」 横島も、また泣きそうに顔を歪めていた。 「謝るんは、俺だ」と言って。 他人から貰った力に溺れちまったと…… 齢百数十年、久方ぶりに童心に返り、ハシャギ、調子にのった挙句、女を戦わせた。 でもクスハは首を傾げた。 自分が力足らずで実戦不足なのは本当だ。 だから責められるのは私。 いんや、俺だ! 私です! 俺だ! 私ったら私です! ……………………………………………………………… 決して短くない時間、そうやって言い争っていた2人。 むむむむ……ッ! ぬぬぬぬ……ッ! シカメっ面で睨み合っていたが、何だかおかしくなって、横島とクスハは一緒に大口開けて笑った。 「ありがとう、横島さん。私ね、きっとアナタと一緒に居るのが楽しいんだと思う」 そう言いながら立ち上がり、短いスカートがふわりと捲くれ、真っ白い清楚な下着がチラリと見えた。 むっちりとした太腿に、そのデルタゾーンはとっても艶かしく、横島は「おおっ!」っと地面に這い蹲るようにして手をつきながら、下から覗き込む。 戦闘前にあれだけ睦み合ったというのに。 クスハは「もうっ! 真面目に聞いて下さいっ!」と口調だけ怒ってみせた。 楽しい。 これから先、戦いに明け暮れるだろう未来を想っても、なお楽しく感じられる。 それは横島が一緒だからだ。 私はアナタの半身。 アナタは私の半身。 アナタの失敗は私の失敗で、私の力足らずはアナタの力足らず。 クスハは地面に這い蹲っている横島を立たせると、左手で彼の手をとり、残った手で頬をなぞる。 「楽しくて楽しくて、だから忘れちゃいそうになる。私は、運命に翻弄される人達を助けたいが為にアナタの手を取ったのに……」 頬をなぞる彼女の右手に、横島は残された左手を重ねると、いつものおバカな道化の顔でなく、歳を経た落ち着きの有る表情になる。 「いんじゃないか? 世界や他人より、まず自分。自分を不幸にしてまで他者を救う必要なんかねーよ」 「そう……かな? いいのかな?」 良いんだよ。 そう囁きながら、横島はクスハを抱き寄せ、地面へと座り込んだ。 横島の膝の上に座る形になったクスハは、僅かに抵抗してみせたものの、すぐに大人しく腕の中に納まった。 和やかで優しい空気が2人の間を流れ、だがふとした拍子にクスハが先ほどの戦闘のコトを思い出す。 「アレからどうなったんでしょうか……?」 「さあ、な。多分だが、あのおっさんの負けだろ」 ここまでは良かった。 気になるのは当然だ。 だが、 「リュウセイ君、大丈夫だったかな……」 ヒク……横島の頬が引き攣る。 腕の中のクスハが、他の男の名を呟きながら、心配そうに遠くの空を見上げてる。 リュウセイ・ダテ。トリコロールの機体に乗ってた、クスハの幼馴染にして想い人。 嫉妬の念が、体を支配する。 「ハ───、あ……」 胸をムニュムニュと揉まれ嬲られ、熱い湯船に入った時のように、クスハの口から自然と漏れ出す甘い喘ぎ。 「胸だけでイカセたる……っ」 少しだけ怒った声に、クスハは自らの失敗を悟った。 だけども、もう遅い。 上着を捲くられ、たわわに実った双乳を外気に晒される。 戦闘前の行為と、初めての戦闘で得た緊張感。 この2つの所為なのか、それともただただこれからの行為に期待しているからなのか? 染み一つ無い形の良い乳房は、薄っすらと汗ばみ、乳首がプクっと膨らんでいた。 横島は、ビンビンにそそり立ったその乳首を指先で抓り、グリグリと転がす。 「ひぃっ、んっ、んあああぁっ! よ、横島さん、痛い!」 「痛い? んなん、当たり前じゃ! これは、お仕置きなんだからな……! でもな、こんなはしたなく乳首を勃起させる淫乱娘にゃー、無意味なお仕置きかもな」 笑いながら、更に乳首を摘む指に力を込め、捻り上げる。 指の腹で潰され、捻られる刺激に、クスハは仰け反りながら絶叫した。 ソノ顔は、確かに苦痛よりも悦楽の色が濃く出ており、淫乱娘なんて侮辱的発言も頷けられると言う物だ。 もっともっとよがれ。 俺以外の男の顔なんざ、もう一生思い浮かべられなくなる程に…… 乳首を摘んだまま、残った3本の指と手の平を使い、弾力のある乳房をグニグニと揉み、クスハの口から一際甲高い嬌声を引き出させる もう、この女は俺んだ!と、子供が玩具を手放さない様に良く似ている。 「おっぱいだけで、こんなに感じる変態は、クスハぐらいなもんだろうな……」 「うぅあっ、そ、そんなことっ! 私は、変態なんかじゃありませんっ!」 否定するクスハに、いんや、お前は立派な変態だよと、耳元で囁く。 なんせ、お前は俺の半身。 だったら、変態に決まってるだろ? 「あ、あぁあ……」 どこか納得したみたいに小さく喘ぐような声を漏らし、ガックリ肩を落すクスハ。 「だからな、オッパイだけでイクような変態でいいんだ。俺の相棒なんだから、俺だけの女なんだから当然だ」 悪い男の顔になり、クスハのピンク色の突起をピンピンと爪弾く。 「きゃふぅぅっ! ち、乳首、弾かないでぇ……あっ、あっ、あひぃっ!」 乳首を叩くリズムに合わせ、クスハの体がビクビク跳ねる。 瞳が潤み、段々と熱を帯びていく視線で横島を見つめた。 否定の言葉と裏腹に、期待と情欲に濡れた視線。 それがあまりに色っぽく、迂闊にも頭がクラクラする。 思わず、ク~スハちゃあああああん! なんて言いながら飛びかかってしまいそう…… だが横島とて百数十年、ただ黙って生きてきた訳じゃあない! おっぱいだけでイカセまくっちゃると決めたからには、曲げる訳にはイカンのだ! とは言え、横島自身の欲棒もまた、臨界点間近。 ギンギンにそそり立つ息子が、我もとばかりに主張してくる。 しばし懊悩する横島だったが、先ほども言った通り、百数十年生きた経験はダテじゃなかった。 ファスナーを降ろし、いきり立つ肉棒を外に出すと、お宝……もといクスハのオッパイの谷間に挟み込む。 これでオッパイだけを責めつつも、自分も気持ちよく一石二鳥! そう言えば、これだけ見事なおっぱいを前にして、未だパイズリの一つもしてないとは、横島忠夫一生の不覚! 大きな乳に包み込まれた肉棒、その深い谷間から飛び出た亀頭をクスハの口元に突きつけながら、ゆっくりと腰を揺らし始めた。 汗で濡れた柔い乳肉に、欲棒がしっとりと吸着する感触がたまらなく気持ちいい。 「あ、あん……な、なに……なん、なの……?」 「これがパイズリだ」 クスハの乳を支配している感に、倒錯めいた喜悦を口元に浮かべる。 「クスハの全ては俺のモンだかんな。だから……」 だから……の後に続く言葉。 それを容易く想像できるクスハ、子供なんだからと苦笑い。 こんな子供の部分が、クスハの胸の奥をキュンキュンさせるのだが、それを横島は気づいていない。 リュウセイは初恋の人で幼馴染の特別な人ではあるけれど、今はもう、恋愛的な感情は全て彼に捧げられているのだというのに。 だからクスハは、激しく乳房の間を行き来する肉棒に、愛おしげに舌を伸ばす。 唾液を垂らし、肉棒の抽送を助けるためだ。 そして、こうしたらいいのかな? なんて思いながら、自らのおっぱいで肉棒を揉んであげた。 「き、気持ち、いい……?」 「お? お、おう!」 少し驚いたあと、嬉しそうに頷く彼に、本当に可愛い人だと思った。 荒っぽく胸を揉み、激しく胸の谷間を行き来する肉棒。 更には乳首の先端をキツク摘まれ、クスハは腰を悩ましげにくねらせながら、うっとりと甘く熱い息で喘いだ。 「私で、気持ちよくなって。だって私はもう……」 本当、何度言ったら分かってくれるのだろう? あの日、アナタに抱かれてからは、ずっとアナタだけを見ているというのに…… 胸の中で暴れる愛する男の肉棒を、恍惚とした瞳で魅入ってしまう。 ああ、胸だけじゃなく、私の胎の中に来て欲しい。 いっぱい、いっぱい、アナタの精液で満たして欲しい…… クスハは横島の肉棒の先端から噴出する精液を、顔一杯に浴びせられながら、そんなコトばかり考えていた。 唇についた精液を手で拭い、汚れた肉棒を口の中に迎え入れて扱き出す。 口の中に溜まった唾液と、肉棒にこびり付いた精液を舌に絡めるようにしながら音を立てた。 ぐちゅ……じゅぷっ、じゅぼっ……ちゅぱ、ちゅっ…… 力を失いかけた肉棒は、クスハの口の中で再び力を取り戻す。 先端部分を唇で吸い上げながら、もう一度とばかりに乳房で竿の部分を激しく扱く。 そうして益々逞しくなった肉棒を一旦口から追い出すと、熱い視線を横島に向けるのだ。 口の端から唾液が零れ、クスハの大きな乳房を濡らしていく。 それはとても扇情的な光景で、横島をいきり立たせるのに充分だ。 「あの、次は、ここ、で……」 そう言いながら下着をズリ降ろし、アソコをクパァっと指で広げてみせる。 糸引きながら広げられたヴァギナは、彼を求めてパクパク蠢き、クスハがどれだけ興奮しているのか分かると言う物だ。 だけど、この後クスハはオッパイだけを延々と嬲られ続けてイカされまくる。 結局本番は一切なく、身体の奥に淫らな痺れを残したまま欲求不満になってしまったクスハは、これ以降安易に他の男の名前を口にする事はなくなったとか何とか。 ユニットデータ(スパロボOGS風味) 魔神龍王ユエ HP 7500 EN 220 運動性 110 装甲 1400 地形 空 S 陸 B 海 S 宇 A 特殊能力 念動フィールドS HP回復(小) 武器名 雷精招来(MAP) 攻撃 2800 射程 2~5 命中0 CT0 EN120 空S 陸S 海― 宇A 雷精招来 攻撃 3700 射程 2~8 命中+30 CT+10 EN20 空S 陸S 海― 宇A 雷爪襲破 攻撃 4200 射程 1 命中+20 CT+30 EN0 空S 陸B 海A 宇S 尾巻襲破 攻撃 4500 射程 2~4 命中+10 CT+10 EN10 空S 陸B 海A 宇S 雷光逆鱗破 攻撃 5200 射程 1~2 命中+20 CT+30 EN80 空S 陸S 海C 宇S 属性 一般ユニット クスハ・ミズハ Lv.30 性格 強気 成長 万能系 SP 156 精神 必中 15 鉄壁 25 集中 15 熱血 45 覚醒 60 愛 65 ツイン精神 祈り 20 特殊技能 念動力 L6 援護防御 L3 集中力 属性 メインヒロイン 後書き すまんが、原作知らない人への配慮はあんまりありません。 あしからずご了承の程を…… 今回の原作…… スーパーヒーロー作戦 スーパーロボット大戦α(PS版&DC版) スーパーロボット大戦OG(GBA版) スーパーロボット大戦OGs(PS2版) スーパーロボット大戦OG(アニメ版) スーパーヒーロー作戦は、130万HIT企画後、こっそり買ってプレイ済みですw いや、クスハがセーブ要員だとか聞いたんで、どういう感じでの出番なのか、どうしても知りたくなっちゃって…… 感想板で教えてもらいはしたんですけど、どうしても好奇心が抑えきれずにw ちなみにお値段は300円でした☆ あとは…… HIT企画はネギま!キャラ以外のキャラで話が中心です。 簡易データ表の下の方に注目だ! 最後に…… 大聖杯が何だとか、世界のバックアップがどうたらこうたらとか、スパロボOGのイングラム設定は等々……そんなん俺知らねーしw 知らねーからゲームやった印象と小説読んだ印象とアニメ視た印象まんまで書いても問題ねーべ?ww