第四話 学園編と思いきや・・・
どうも、へっぽこ魔法少女アニスです。
前回、魔法Lv3だけでなく神魔法Lv2と武器戦闘Lv1だということが判明しました。
千鶴子さまいわく、武器戦闘というのは剣を練習すれば剣戦闘に斧を練習すれば斧戦闘になるそうです。
蛇足ですが、殆どの人はLv1の才能が眠っているそうで修行や経験を重ねる内にLv1になれるとか。
なるほど、それでランス6の才能なさそうなロッキー君が斧戦闘Lv1を持っていたのですね。
最初から武器戦闘のLvが出ている人は優秀なLv1に成れる可能性が高いと言われています。
なお、千鶴子さまが驚いた理由は、高Lvの戦闘技能Lvを持つている人が複数の戦闘Lvを持っているのは珍しくないそうですが技能を3つ持ちその内2つが高Lvというのはかなり珍しいからだそうです。
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だんだん説明キャラ化してますね、千鶴子さま。
イネスさんを越える日は近いのかもしれません。
そのうち『なぜなにランス』とか始めるのでしょうか。
おっと、脱線してしまいました、元に戻りましょう。
しかし、なにか別の存在の意志を感じますね。
……しろくじら、係わってないよね。(ちょっと弱気)
まあ、もし係わっていたところで今のところ出来る事は何もないのですが……。
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《怖い考えになった。》
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深く考えるのはやめましょう、人間、ネガティブよりポジティブに生きた方が道は開けるものです。
◇◇◇◇
さて、その後ですが、むろん私は千鶴子さまと同じ名門女学校に入学しました。
これで近所の幼なじみから、先輩後輩にレベルアップです。
ここはやはりアクセサリーを渡してスールの誓いをした方がよいのでしょうか?
『千鶴子お姉さま』とお呼びすべきでしょうか?
ドキドキが止まりません。
これからは禁断の学園乙女ライフの始まりですね。
などとお気楽に考えていた時期も私にもありました。
先生がいません。
ついでに友達もいません。
なに、これイジメ?
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もともと入学試験自体は8歳から受けられますが大抵の人は12歳以上から受け始めます。
その為、私の同級生はみなさん年上です。
それでも私は
『魔法Lv3』
珍しさも手伝って皆さんよく話しかけてくれましたし、先生も自分こそ伝説の魔法Lv3の師匠になろうと色々気にかけてくれました。
……最初のうちは!
なんで名門学校なのに先生は魔法Lv1なのですか!!
……いえ、わかってはいるのですよ、Lv2ならもっと待遇のいい軍や研究所にいってしまうことは。
ゲームでは結構いた様に見えた魔法Lv2ですが、実際のところゼス全軍の中でも20人いないそうです。
ゼス全軍で12万位いると千鶴子さまから聞いた事があります。
その全軍のうち魔法兵だけでも2万人はいたはずです。
その中の20人て、どれだけレアな才能なのですか。
まぁそれでも、それなりに熟練した魔法使いならLv1でもLv2に魔法の制御方を教える事が出来るのですが……。
しかし、悲しいかな私はLv3。
しかも千鶴子さまいわく、歴史上類を見ないほどの魔法力、結果どうなるかと言いますと、
『どっかーん!』
はい、爆発です。
3回ほど魔法制御に失敗して爆発させ、学校の先生数人を病院送りにし、学校の施設の一部を丸ごと破壊したところで私の周りから誰もいなくなりました。
シクシク(泣)
な、泣いてなんかいないんだから、ちょっと目に汗がしみただけなんだから。
今では魔法の練習に学校の設備を使うことを禁止され、周りからは『先生殺し』『へっぽこ』『歩く災厄』などと呼ばれるようになりました。
……あれれ、目から汗が止まりませんよ。
しかし、私には強い味方がいるのです。
そう、千鶴子さまです。
一人で孤立している私に何かと話しかけてくれたり、ご自分の勉強も忙しいはずなのに私の魔法練習に付き合ってくれます。
今までも散々私の魔法に巻き込んでいるというのに未だに見捨てないでくれていますよ。
ありがたいことです。
しかし、千鶴子さまには借りばかり増えています。
いずれお返ししないといけませんね。
◇◇◇◇
さて、今日も魔法の練習の開始です。
ふ、ふ、ふ。
今まで遊んでいたわけではないのですよ。
なんと、アニスは今では上級魔法のレーザー系まで魔法が使えるようになったのですよ。
8歳にしてこの実力!
アニス無双はすぐそこです。
ただ……。
中級や初級魔法はよく爆発させますし、上級魔法にいたっては魔法構築に時間が掛かりすぎて実戦に使えたものではありません。
ゲームの時は、技名唱えるだけで簡単に見えたのですが…。
千鶴子さま曰く、魔法はイメージと意識構築だそうです。
イメージというのは炎の矢なら飛んでいく炎の矢をどれだけリアルにイメージできるかということでイメージがリアルになればなるほど発動しやすくなるとの事。
これはすぐにパスできました。
脳内妄想満点の思春期を過ごしてきた現代人の妄想力、侮ってはいけません。
あれっ、なぜか胸が痛いよ。
痛い!痛い!!
あ、あ、あー、黒歴史がー!!
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ゼイ、ゼイ、失礼しました。ちょっと心の傷が……。
さて話を戻しましょう。
しかし、意識構築が問題でした。
これは魔力の型を作りだしそこに魔力を注いで使用する魔法を作り出すという作業なのが。
イメージとしてはチョコレートをハートの型にいれてハートチョコを作るようなものと思っていただいたら良いかと。
基本的に型を作り出しやすいように呪文を唱えます。
これは自己催眠の様なもので、そのような精神状態にもっていけるなら決まった文言でなくても構いません。たとえば
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽ばたき・人の名を冠す者よ
焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ!炎の矢! 」
でも、
「魔力形成、ワン、ツー、スリー!炎の矢!」
でも良いわけです。
そして慣れれば発動ワードの
「炎の矢!」
だけで良くなります。いわゆる詠唱破棄ですね。
私の場合、魔力を型に注ぎ込む段階で問題がでるらしく。
ぶっちゃけ、バケツの水をコップに注ぎ込もうとするからコップが割れて爆発するそうです。
シクシク、こんな所で魔法Lv3の弊害がでるなんて。
千鶴子さまによると
「慣れれば躰が自然と覚えるでしょう。」
とのことです。
慣れるまで私の躰が持つのでしょうか?(泣)
ええーい、女は度胸です。
特訓を再開しますよ。
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「雷撃!」
『ちゅどーん』
ヒューン
・・・ボコッ!
ををっ!いきなり視界が真っ暗です。
「大丈夫?アニス、今出してあげるから。」
今日も今日とて、魔法に失敗して爆発させた私は犬神家よろしく地面にうまり、身動きのとれないところを千鶴子さまに助けていただきました。
「すごいじゃないアニス。」
あれ、千鶴子さま、今の失敗にほめられるようなところありましたか?
「以前の記録より50センチも飛行距離が伸びたわ。」
コケッ!
千鶴子さま、一体何に感心しているのですか?
もしかして私の失敗楽しんでいませんか?
こうして私の学園ライフは、話すのは千鶴子さまだけ、座学にでる以外はひたすら人気の無いところで修行という寂しい物になってしまいました。
シクシク、せっかくの乙女の花園なのに。
そんな灰色の青春を送っていたある日のこと、千鶴子さまにお友達を紹介してもらいましたよ。
のんびりした感じのくせ毛の美少女さんです。
お名前を
『パパイア・サーバー』
とおっしゃるそうです。
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えっ!パパイア、
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いーやー!
爆弾フラグがきたー!(大泣)