前回のあらすじ
・ノルドールと香辛料
・セニアさんコワス
・この時代の食料安すぎ
<セニア視点>
カラヴァウルドさんに研究用の道具が貯蔵されている倉庫を見てもらったところ、今ではほとんど使われていない珍しい武器などもあり、交換でOKとのことです。ただ、焼け太りかもとムフフと笑っているところはしっかり見てしまったので、交換する際にはレスリーさんに立ち会ってもらえば
まぁ不正は無いでしょう。ちなみに奥の箱に入っていた『ニンジャブレード』というものは特に価値が高く性能も抜群とのことで、一度兄上に見てもらう必要があるかもしれませんね。兄上はなぜか鑑定もできるのです……なぜ頭だけ残念なのかはわかりませんが。
それにしてもこれでまたカズキが新しい『にほんしょく』を作ってくれると思うと……いけない、まだ隣にはカラヴァウルドさんがいるのだからにやけた顔など見せるわけにはいきません。
「ではありがとうございました、一旦隊商の皆と話してきます」
「はい、それでは」
緩みそうな顔を気合で引き締めていると、カラヴァルドさんはそのまま隊商が仮設の待機所を作っている馬止め前に行ってしまったので、私はとりあえずカズキのいるノヴォ村長の家へと向かうことにしました。
しかし、家の前についたとき、なにやら中から声が───
「……ん、っく」
「……我慢……しちゃえよ……」
「……気持ち……お礼……」
……なんですかこの声は? 先ほどのニンゲンの女とカズキのようですが。
そのままこそこそとノヴォ村長の家の玄関前に来ると、中から声がはっきりと聞こえたのでちょっと聞き耳を立ててみることにします。
「だ、だめだって……っく!」
「ふふ、こんなに硬くなって……」
「あら、本当ですね……では私も……」
今の声はナンダ、あのニンゲンとカズキはいったいナニヲしているンダ
「だ、だめだってっ!ちょっと待ってっ!!」
「いいじゃんかよぅ、助けてもらった礼だよ……ほら、ほれほれ……」
「ぐっ、だ、だからっ!」
「ふふふ、口ではそんなこと言って……気持ちいいくせに……」
ギシギシと聞こえてくる寝床の音。家にはニンゲンのオスとメスが3人……
「ちょっ!?もう……!」
「ふふふ……」
「ほれ、ほれほれ~」
アノメスブタドモヲハヤクカズキカラトオザケナイトカズキガニンゲンニオセンサレテシマウ
オイダサナキャイタメツケナキャオドサナキャコロサナキャハメツサセナキャキリコロサナキャブチノメサナキャ…………
「ナニヲシテルキサマラーッ!!!」
私が全力で玄関をぶち怖して家の中に突入した時、カズキが治療を終えて寝ている寝床には───
「あででででっ!!だめだって!!」
「よほどあの兄上にしごかれてたんだなぁ……筋肉がかっちんこっちんだぜ?」
「それに先ほどの戦闘でだいぶ体に疲れがたまっています。どうでしょう、気持ちいいですか? レッドの言うとおり、これは無理のしすぎですよ」
マッサージを受けているカズキと、それを行うニンゲンが二人いたのでした。
<和樹視点>
いきなり服脱がされてキャーエッチーとか考えてたらマッサージされました。そういえばこちらの世界に転移してから訓練→ごはん→訓練→ごはん→現代医療・工学知識教育→ごはんの繰り返しで休んだことが無かったなぁ。
これでもばぁやとかに肩たたきとかすると気持ちいいって言われたし、農作業の後とかにも、家族や一緒に作業した人みんなにやってたから、こっちの世界の皆さんにも腕が治ったら俺もマッサージしてみようかな。
まぁ、そんなことを考えながら気持ちいいけど痛い(特にレッドさんわざと痛くやってる)マッサージを受けながらほんわかしていると、最初に想像していたフラグが光臨したのでした。
「ナニヲシテルキサマラーッ!!」
どごぉーん!!という音と共に玄関の扉が吹っ飛んで反対側の壁にぶつかって粉々になった。声の主を立ち上る土煙の中で探してみれば……あばばばばばばばばばばばば
「な、いきなりなんで……セニア、さん?」
「げほっげほっ!なんだよ、も……」
「小便はすませました? 神様へのお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はよろしいですか?」
どこの執事だ!? まずいセニアさんがめっさ黒いオーラ出しながらこっちに最大級の笑顔で接近してきます、めーでーめーでーっ!至急救援を、至急救援をっ!!
───撤退は許可できない、現有戦力を持って部所を死守し、武人としての責務を全うせよ!
……幻聴まで聞こえてきたよ。今までの死亡フラグの中でも最もレベル高いんじゃないの? 野盗相手にあわあわしていたあの可憐なセニアさんはどこにいっちゃったの?
というか呼吸音がコーホーコーホーって聞こえるよ、息がまだ秋なのに白く見えるよ、目が光ってるよ!!
「あわわわわっ」
「はわわわわっ」
レッドさんにレスリーさん、はわあわ言っちゃってかわいいなぁってそんなこと言ってるレベルじゃない!!命が危ない、俺が危ないっ!!
「安心してくださいカズキ、なんっにも心配することはありません。あなたに近づくニンゲンをちょっと処理するだけです」
「しょ、処理ってアタイたちをかい!?」
「あぅ……」
レスリーは気絶した!
というかセニアさん、その手に3枚持った鉄のおぼんはどうするつもりなのでせうか?
「なんの音じゃさわがしへべらっ!」
騒ぎを聞きつけてきたノヴォ村長はセニアさんのおぼんの投擲で気絶したっ!顔面痛そ。
「の、ノヴォ村長!こ、これはいったひでぶっ!」
あ、兄上様ーーー!? 兄上様までおぼん投擲に一撃で……投擲武器でヘッドショットとか難しすぎるでしょ。
というか振り返らずに当てるセニアさんにはジギスムントさんでもきっと勝てない。700人のフィアーズベインベルセルク兵でもきっと勝てない。
ああ、我々の想像を超える、聖母のような笑みを浮かべて、ああっ!前に、前にっ!!
「すこし……頭を冷やしましょうか……」
結局、セニアさんが正気に戻ってジャンピング土下座を敢行するまでの数分間の間に、人間3人は地獄を見たのでした。
あとがき
作者には……エロはむりだった……話がそうえばほとんど進んでないなぁ
ああ、窓から桃色の光が……