前回のあらすじ
・鎧の強化マダー?
・夫婦の会話
・二日酔い
<和樹視点>
ただいた家族総出のお見送りを受けて意気揚々と出かけている最中です。ついに、ようやく念願の強化ノルドールコートを手に入れるぞ! これで今度こそTHE・主人公として戦働き……いや、生残性を上げるのに努めよう。
というわけで、隊商の生き残りの方が泊まっている来客用の建物にやってきました。ところが中に居る方々に聞いてみるとどうやらレスリーさんは今工房に居る様子。というわけで行ってみる事に。腕の怪我もあるのであんまり長距離は歩きたくないんだけど
まぁ失った血液増産ってことで歩くとしますか。
「こんにちわレスリーさん、鎧の様子はどうです?」
「あ、ちょうどいいところに来ましたね。でも一応仮止めしてあるだけなのでまだ着るのは待ってくださいね」
武具や防具を製造する工房に到着すると、目の前にはそこそこきれいになったノルドールコートに以前倉庫に眠っていた皮鎧が追加されている。首の下あたりに半月状に一つ。胸部に一枚、両腕と肩部分が覆われて……ぶっちゃけこれFateのはらぺこ王さんの鎧の鉄製の所が皮製になっただけな気がする。
あ、スカートと一体型になってるわけではないですよ。ただひざまでたけが来てる服だからそれっぽく見えなくも……
ちゃんと足は前面にのみ皮鎧が追加されてる。かっこいいなぁ……ケンプファーとか突撃思考の装備・兵器って好きなんだよね。でも個人的には防衛による敵兵力吸引後の大規模火力投射による反撃突破が好きなのです。消耗抑制+逆襲突破=アクティブディフェンス……なんちゃって。
H○I2とかE○Wとかの話はおいといて、レスリーさん午前中は二日酔いで休んでるはずじゃ……これは無理させちゃったなぁ、しかしこれは気に入った! 腕の怪我が泣ければすぐに着込みたいぐらい。
「いいですね、すっごくいいです! 腕の怪我さえなければすぐ装備したいぐらいですよ!」
「お気に召したようでなによりです」
「お、お気に召さないと姉さんの午前中の頑張りが無駄になるか、ら?」
新しい鎧を眺めていると、語尾に? マークがつく不思議ちゃんの空気漂う子がレスリーさんの後ろからちょっと顔をのぞかせてきた、隊商の人にこんな雰囲気の人いたっけ?
「ええと、初対面かな? 名前教えてもらっても───」
「ひぅ!?」
女の子は目に見えるほどびくんとはねてレスリーさんの後ろに隠れてしまう。俺今なにかそんなにびっくりすること言った!? お兄さんよくわからないけど罪悪感でいじけちゃうよ?
小学校のころカズキ菌ば~りあっ!ってされたトラウマ再発するよ!?
「こらカルディナ、ちゃんとカズキさんに自己紹介しなさい」
「こ、今回はきゅ、救援ありがとうございま、す?」
「あ、うん。どういたしまして」
「わ、私カルディナって言います。よ、よろしくおねがいします?」
むむむ、こっちの世界に来る前に似たキャラを知ってる気が……そりゃあんだけゲームしてたんだからキャラ被るのもあるか。
顔はアジア系で髪は短い黒、髪はヘアピンみたいなのでまとめている。背も小さくて見たまんまおとなしいというか不思議ちゃんだ。
「どうも、今後ともよろしく。昨日の宴会の時見かけなかったけれども……」
「へぅ……」
いかん、セニアさんの清楚な感じもたまらんがこの感じもなかなか……
とか邪なことを考えていたらレスリーさんが鎧の調整にはいってしまっていた。二人をおいてスルーですかそうですか。
「レスリーさん、何か手伝うことはありますか?」
「カズキさんはけが人なんですから気にしないでください。最終調整が終わるまであと二時間程度かかりますので少々お待ちくださいね」
うーん二時間は何気に長いなぁ、そういえばまだレスリーさん以外の隊商護衛兵の人と顔合わせしてなかったはず。隊商の一般人の皆様とは昨日の飲み会の時にしたんだけど、護衛兵の人たちは別にグループ作って飲んでたしなぁ。
そっか、ちょうど今カルディナさんがいるんだから紹介してもらえばいいのか。
「えっと、カルディナさん」
「へぅ!?」
「えっと護衛兵の皆さんにまだ自己紹介とかしてない人居るから挨拶しておきたいので、いっしょに来てくれます?」
「あぅ……了解?」
「ちなみにカルディナさんはどうしてこちらに?」
「えと……姉さんの手伝い?」
そういえばさっきからこの子レスリーさんのことを姉さんって呼んでたね。
でもレスリーさんはどう見てもカルディナさんみたいにアジア系じゃなくてアラブとかインド系のようなそんな感じだから、この大陸の事だし……多分いろいろあるんだろう。
そういえば生き残ったほぼ無傷な護衛兵の人ってレスリーさんとカルディナさんを除くと後3人か……もしかして全員女の人だったりしたら俺駄目だとわかっていてもウハウハなんだけどまぁ、そんなことないだろうし護衛兵の人たちに対して失礼だろう、自重自重。
なに、今日は俺の願いがかなう日なのですか?
「お礼が遅れました。今回は救援感謝します、私はセイレーネ、帝国出身です」
「助けてくれて有難うございます。僕はゲデヒトニス、変な名前かもしれないけどよろしく!」
「……カザネ」
あ、ありのままおこった事を話そう。『みんな女の子なわけない』って思ってたらみんな女の子だった。なにを言ってるか(ry
「あ、あの……」
「あ、ごめんごめん」
「へぅ!」
カルディナさんは話しかけるだけでビクッと俺的感覚ではオーバーに反応するとはこれまた対人恐怖症な子ですなぁ。あれか、人が怖いから迫ってくる敵を全部ぎったんぎったんにしてたら兵士として育っていたんですねわかりません。
語尾が?になるのが狙っているのか、しかし違和感がない。そして視線を向けると身長が一番高い護衛兵のセイレーネさんに隠れてしまった。
セイレーネさんは、肩の背中まで伸びる黒い髪をポニーでまとめ、かなり身長の高いTHE騎士という雰囲気。今は軽装だが、戦場では重いフルプレートをなんなく着ている上に、3mはあろうほどのハルバートをぶんぶん振り回す。それなんて関羽状態とのこと。
ゲデヒトニスさんは、中肉中背のちょっと褐色がかった肌の色をしたボーイッシュな方。
こちらもフルプレートを着込み、3m以上のヘヴィランスを使った騎兵突撃が得意だそうな。
護衛兵の皆さんに聞いたところ、一番武力で優っているのは彼女だそうです。ヴェッカヴィアという女尊男卑の国に生まれて訓練を受けていたものの、その国是に納得が行かずこのペンドールにやってきたそうだ。
カザネさんは、なんだかいつでも半目の弓兵。胸当てやすね当てなど最低限の装備とかなり長い髪が特徴的。
ロングボウより力が必要ないものの、精度を極めたらしい長弓を使っている。そして無口キャラなようで、出身とかあんまり話をしてくれない。ちょっとさびしい。
レスリーさんがちょっと茶色がかった髪の色に対して他の護衛兵の4人は黒髪だ。黒髪のヤツ族狩り……他の三人もポニーテールにしたら完全に関羽、いやいやなんでそこでゲームとかのキャラクターの発想に行くんだっ!? 煩悩退散煩悩退散ブツブツ
「今後ともよろしく黒髪の戦乙女達。俺の名前は加藤和樹。この村で技術指導・土木技師・医師として暮らしています」
「お、乙女っ!? ぼ、僕が!?」
「乙女だなんて……似合いません」
「……(ジーーーー)」
「乙女……いいかも?」
恥ずかしいこと言って穴があったら埋まりたいほど自爆したけども、やっぱりこういったきざっぽい台詞は予想通りウケてない。セニアさんには一度して反応が面白かったからきっとキザはノルドールにしかウケないんですね。
というか、やっぱりわかっていても言うだけではずかしい……ノルドールにウケても人間族にはウケないということが分かったので、大きな恥をかくまえに済んだんだと思おう。
「そ、そうだ聞いた所によるとカズキさんこの大陸の出身じゃないんですよね。カズキさんの生まれたところはどんなところですか?」
「ごほんごほん。えっとですね、自分が住んでいたのは機械文明が高度に発達した『日本』という国の……」
レスリーさんが完成したから着てみてくれと俺を呼びに来るまで4人娘に日本とか現実世界の話をしていました。ゲデヒトニスさんが一番食いついてたな、武力一番でありながらどうやら工作機械とかにも興味があるようだ。
カザネさんは本を読みながらちょこちょこと会話。カルディナさんはセイレーネさんの後ろに隠れてちょっとだけ。セイレーネさんがこまったやつだなぁといった感じで話をつなげてくれたりこの4人の関係とかがだいぶ分かってきた。
結論から言うとみんな良い人だ。こんな倫理観なんてゴミのような価値しかない世界でもこんな善人が居るなんて、ノヴォ村長の村以外にも良い人居るんだなぁ。
「いよーうっ! 鎧を改修したって聞いたから呼ばれてないけどきてやったぜ?」
「ノルドールのコートをどう人の手でいじるのかが楽しみで私も……」
「役に立つのか?」
そして所変わって先ほどの工房。レッドさんや兄上様にセニアさんもやってきたので早速レスリーさんから『レスリーの改良したノルドールコート』を受け取る。そんなにずっしりと重くなったと感じるほどではないからいけるかも。
さすがに怪我した腕は通せないのでそっちには袖を通さないようにっと。
「よっと……あ、片手だけでも着れますね。稼動範囲も装着感も悪くない……屈むのも……OK 重さも許容範囲内です。これなら長時間着ていてもへばらなくてすみそうです!」
「やはりプレートでの強化より皮にして正解でしたね」
「多少厳つくなってはいますがかっこいいですよ?」
「セニアさん!俺かっこいいんですか!?」
「かっこ、いい?」
「帝国や他では見ない感じになりましたね」
カルディナさん、疑問形で言ってるわけじゃないのはわかってるけど?マークは少ししょげます……まあいいや、新しいおもちゃを貰った子供のごとく今俺のテンションは有頂天っ!!
「よし、新しい防具を体に慣らすために模擬戦だ!」
「え゛っ、兄上様!?」
ちょ、ちょっとそれは無理じゃないかなー?。兄上様の訓練とかしゃれにならん、というか俺まだ病み上がりだって!
「兄上、まだカズキは病み上がりですから模擬戦は無理です!」
「医者の立場からすると傷開くってどころじゃないぜ?」
「むちゃ振り?」
「……無謀」
「僕もやめたほうがいいと思いますよ?」
「私は努力と根性は好きですが無謀は嫌いです」
「セイレーネは本当に根性などの言葉が大好きですね。ちなみにですが私も反対です」
兄上様の発言に総突っ込みでした。
あとがき
現在時間って戦いの次の日なんですよねこれがまた。