2月13の2日目特別編
※注意
何でM&Bの世界にチョコレートがあるかなどは気にしてはいけません、だって番外編でもなく特別編ですから。
どうしても気になる人はシベリアで木の数でも数えてくると落ち着くかもしれません。
<和樹視点>
───知らなかったんだ、こんなことになるなんて……
───だってさ、誰も想像できないだろ……?
───そう、あれは……あっちの世界歴で2月14日のことだった……
~2月14日~
「お、おはようあなた!」
「……ん、おはよう。どしたの朝から?」
ん、朝起きたらいつもは隣で俺の髪をいじくってたりするはずのセニアが、なんでかノルドールの民族衣装+エプロンという最強コンボでもじもじしてました。
なんだこれは、夢か、幻か、それとも俺を萌え殺そうとする第三勢力の陰謀かっ!?
「きょ、今日はその……あれの日ですねっ! えとそれでその、えと、だから……その」
「今日? 今日って何か予定がはいっていたっけ?」
萌え死にしかけている頭を使ってなんとか考えてみるもののそこまで慌てる用事はなかったような気がする。今日……たしか今日は2月の───
───ドガッ!
「おはようカズキ起きてるか! よし起きてるな、さあ今日は早朝から訓練だっ!!」
「あ、おはようございす兄上様。ちなみに朝っぱらから『海兵隊式』は勘弁してください。その日どころか明日にまで響くんですよ」
「……チッ」
朝っぱらから起きてること前提で部屋に完全装備でやってきた兄上様。お願いですからドアは手で開けてください、ドアは蹴破るものではありませんよ。
あとできれば突っ込まずにスルーしたかったんだけど……いまセニア舌打ちせんかった? 気のせいだよね、ソンナニコワイカオデチガズベテコオリツクヨウナギョウソウヲシナイデ
「まあ兄上はいったんおいておいて、実はあ……じゃなくてカズキにこんなものを作ってみたんですけどよかったら───」
───ドガッ!
「おはようございます隊長っ! 今日はあの日ですから私も隊長の言っていたあれを作ってみま……お、お取り込み中でしたね。さ、先に食堂に行ってきますね」
「ちょっと! この展開わけわかんないんだけどって勝手に逃げないでセイレーネっ! 少しはこの状況の収集手伝ってくれてもってそもそも何しに来たんだっ!?」
わけがわからん、兄上様に引き続きドアを蹴破って入ってきたのは騎士甲冑+エプロンという誰得スタイルのセイレーネ……なんだけど勝手に入ってわけわからん事言って帰って行きました。だめだ、寝起きなこともあいまって正直わけがわからん。
後ろからは「ゴゴゴゴゴゴ」じゃなくてもはや「ドドドドドドドド」と言ったほうが適切なまでのオーラが伝わってきて正直冷や汗で溺死しそうです。だれか助けて……
「あーまあなんだ、とりあえず訓練に───」
「ごっほんっ! えーとカズキ、今日が何の日か覚えてませんか? 今日はカズキが教えてくれたバ───」
───ドガッ!
「いよーうっ! おはようさんだぜカズキって……おじゃましますたんーアタイは逃げるよ。邪魔して悪かったね」
「なに!? 俺は朝っぱらから人がいろいろ来るところに突っ込むべきか、それとも毎回蹴り破られてんのに律儀に閉まる扉に突っ込めばいいのっ!?」
「むぅ、俺でもわかるぞ。これは名誉ある転進をしたほうが安全そうだな」
「……クスクスクス」
アパームっ! 早く鎮静剤もってこーいアパーーーーームッ!! もうわけわからんがわかるのはただ一つ、逃げないとガチで死ぬ。これは間違いない、まず逃げよう、今逃げよう、すぐ逃げよう。
この際兄上様には生贄となってもらおう、兄上様なんだからきっとなんとかしてくれる。今はできるだけ不自然さを感じさせないようにゆっくりと扉に向かうだけだ。大丈夫、できる。俺にならこのカオス空間からの脱出はできるはずだ!
───ガチャッ
「おはようございます、隊長?」
普通の入り方の子きたああああああああああああああああああ!!
「ちょうどいい所に来たねカルディナ! ちょっと朝飯付き合ってくれじゃあいっしょに行こうかちょっと急ごうねさあ早くしないとご飯冷めちゃうよ!!」
「えっ、た、隊長!?」
よし、ナイスタイミングでカルディナ一名様はいりまーす。では兄上様、後のことは頼みました。心の中で敬礼しておこう、我々を逃すために殿を務めたことを決して忘れることはないでしょう。
そして俺とカルディナは寝起きテンションのままカオス空間と化した部屋から離脱するのでした。
「し、しまった先に逃げられたかっ! ま、まて落ち着けセニアいったいなにをぬ、ぬがああああああああっ!?」
「キシャアアアアーーーーッ!!」
「た、隊長……今すごい、声?」
あーあーキコエナイキコエナイ
さて、なんとか自室から離脱した俺たちは、とりあえずセイレーネが待っているであろう食堂に行くことにした。魔王と化したセニアと戦うにあたって少しでも戦力をかき集めんといかんからね。勝てるかはおいとくけど。
「あ、たいちょ……朝からそうですか、これが今日のセニアさんのアレの原因ですね」
「え、何が?」
「隊長……その、手?」
「のわっ!? ご、ごめんっ!」
「あっ……」
これは恥ずかしい、部屋から逃げてくるときについついカルディナの手を握ってきてしまった。しかも食堂に入る時も手をつないだまんまで入場……これはカルディナに恥をかかせてしまったし迷惑だっただろう。
ところでカルディナ、なんで手を放した瞬間残念そうな顔をするのかね。ちょっと罪悪感が湧いてしまうんだけれども?
「まあ特に突っ込みませんよ。というわけでこれをどうぞ」
「え、なにこれ?」
セイレーネが手渡してきたのは食料品の携帯に使う通称『お弁当箱』だ。なにか作ってきたんだろうか?
「私も、あげる?」
「ん? カルディナもか」
さてさて、お二人から渡されたお弁当箱にはいったい何が入っているんでしょうか……いざ御開帳っ!
「こ、これはっ……!」
受信した電波の通り表現しよう。
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺は生まれてこのかたチョコをもらえてないなあ思ったらいつのまにかチョコを貰っていた』
な……何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何でもらえたのかわからなかった……
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ(ry
「こ、これはいったい!?」
「隊長が教えて、くれたから?」
「『ばれんたいん』ですよね今日は、確か隊長の国では一番大切な男性に女性が……あぅ、えぇとですねこれは、その……」
バレンタインだと……そんなばかな、俺にとって最も無縁な行事だったはずだ。どうしてこうなった……いやうれしいですけどね。
「……はい、隊長にあげる」
「お、ここにいたのかぁ。ほーれおまちどーさん! アタイの手作りだよ~食ってみ食ってみ」
「た、たたた隊長っ! ぼ、ぼぼぼぼぼぼぼ僕もつ、つつつつつ作ってみましっ!? あぅ……舌噛んだ」
いつの間にかカザネとレッドさんにデニスも参加して食堂の円テーブルひとつ占拠しての大試食会の様相をていしてまいりました。開けてみるとそれぞれみんないろいろ工夫を凝らしたチョコだ……麦チョコ1つでも貰ったことのない俺にとっては天国です、本当にありがとうございました。
あとデニス、いろいろとやばいだろう。そんなにかわいくされると「3月目ーの浮気ぐらーいおおめにみーろーよー」「両手をついて豚のような悲鳴を上げるほど痛めつけてもゆるしてあっげなーい☆」のフラグが立ちかねない。
いかんいかん、不埒なことを考え始める前にさっさといただいてしまおう。そう、喜びをかみしめながらいざはじめてのチョコへっ!
「みんなありがとう……そ、それじゃあいただくね」
「甘いもんはいいよなー」
「……どうぞ、確かにレッドの言う通り頭の回転がよくなる気がする」
「作るの、がんばった? でも食べ過ぎると、太る?」
「はっはっは、そんなの訓練で動けば問題ないって」
「あ、味のほうは大丈夫なはずだけど、えと、その、うえええと」
「あ、試作品も含めて多めに作ったのでみなさん一緒にどうぞ?」
「「「「「「いっただっきまーす」」」」」」
……ん? 今一人人数が多かったような?
───パクン モグモグ
……あれ、みんななんでフリーズしてるのかな、かな? 俺が最初に食べたのはデニスの作ったちょっと焦げたチョコの塊だったけどちゃんと食べれたよ。
まて、なんかみんなの様子がへんだぞ?
「あっれー? なにこれめちゃ気分が高揚するんだけど-☆」
ちょっ! カザネのキャラがおかしいことに!?
「きゃっ!? わ、私なんで鎧なんかってた、隊長!? 見苦しいところを見せてごめんなさい! も、もう穴を掘ってうまってます~!」
まてまてまて、セイレーネそのガッツさんとかアリューゼさんとかに匹敵する大剣で地面掘ろうとしないでっ!
「あーかずきー、らからいったんらよー、さっさとだねーアタイらをねーひゃひゃひゃ」
レッドさんは意識朦朧ー!?
「みんな、どうしたの?」
「おお、カルディナは無事だったか!」
よ、よかった……さっきもそうだけどカオスの中の救世主はやっぱり君しかいな───
「無事、ですよ? まずはこの雌豚共をひき肉にして、から?」
「ぜんっぜん無事じゃないだろう!?」
これはまずいぞ! 阿鼻叫喚の地獄絵図だ! ま、まて食堂にいた他の皆様。逃げないで! おいてかないでっ!!
「た、隊長……これはいったいなにが?」
「今度こそ正常な人がいたか……えっと一応確認するけどデニスはんむっ!?」
ホワイ? 何が起こった? この唇の温かい感触は何?
「ぷはっ! ちょっといったいなんだ!?」
「ふふふ、それ以上は言わなくてもいいの……だって、僕がそうしたかったんだから」
「えっ?」
「なぁに? 知らないふりするのね……なら、あむ」
「なっ! ちょっ!?」
み、耳かぷって、甘噛みされてちょ、ちょっとまてい、息が耳にってまてまておかしいぞこの状況!?
「ちょっデニスさん! これはいったい!?」
「さんなんてつけなくていいの。あぁそうだ……隊長、カズキって呼んでも、いい?」
「え、あ、うん、えっと、別に構わないけどってまて」
「ふふっありがと……じゃあ素直なカズキにはごほうびをあげちゃおうかな、このお菓子よりももっとあまぁいあまぁいの」
───スルスルスル
まてまてまて、なんで服ぬいどるんですか。というかなんで俺に馬乗りしてるんですか、なんでそんな火照った顔でゆっくりとボタンをはずして行くんですか。
「さぁ、来てカズひでぶっ!?」
───ドゴッ! ドゴーンッ!!
え、なに、何がおきたの? 服をはだけさせたデニスがいま俺のズボンに手をかけた瞬間、デニスの頭部に突如として左ストレートがクリーンヒットして壁に見事な人型をあとを残して吹っ飛んで行きました。
ぼかぁもうわけがわかりませんよ、もうね、おれも、さっきのデニスの口についてたチョコでですね、はへ? ふはへ? なんだか意識が朦朧と……
「みぃつけた」
「んなっ!?」
すべての混乱状態に陥った人をせん滅して片手にチョコをもって接近してくるのはセニアじゃあーりませんか。
「さぁ、あーん」
「え、まって、そのチョコのせいでみんなこうなったんだよね?」
「あーん」
「な、なにで出来てんのそれ!? 薬物かなにかですかっ!?」
「カズキへの愛です、さぁあーん」
ちょっと、おま、まって
ほんと、らめらって、も、だめだって
アッーーーーーーーーー!!!!!
ビクンビクン
「どうかしたんですか、ずいぶんと騒がしいようです……何がどうなってるのですか?」
「あ、レスリーも食べる? たべるよね、ねぇ、食べてよ、たべなさいよっ! たべぐふっ!」
───ドスッ!
「き、危機一髪でしたね……今日この日のためだけに気絶させるための手刀を覚えたようなものです。で、私にこの状況をいったいどうしろというのですか?」
あとがき
ついむしゃくしゃしてやった、反省は多分にしていますごめんなさい。