最強
閨のシーンの続き。
「そうではないわ。
私が皇帝になって理想の国を作りたかったのよ」
「本当にそうなんですか?
だったら、麗羽様の許で理想の国を目指したっていいじゃないですか。
結局、曹操さんは自分が一番偉くなりたかっただけなんじゃないですか?」
「それは……」
「でも、皇帝になって本当にいいんですか?
皇帝になったら、今度は帝位を狙われ、親族すらも疑心暗鬼で見なくてはならない孤独な日々。
そんな生活、俺は嫌ですけどね」
「だったら、一刀は皇帝なんかいないほうがいいとでもいうの?」
「そうですねえ。皇帝とか王様とかあんまりうまくいかないほうが多いような気がするんですけど。
西のほうに大秦(ローマ)という国があるけど、あそこは皇帝は優秀な人間が継ぐということにしているんですけど、やっぱり自分の子供を皇帝にしたい人が時々でてきて、その結果子供が帝位を継ぐと大秦の政治は傾いてますね」
「よく知ってるわね」
「ああ、俺、この世界の住人じゃないんです。
この世界に似た世界の将来から来たので、その知識を元に話しているだけです」
「そうなの。
だったら、あなたの世界ではどんな皇帝がいるのかしら?」
意外にあっさりと信じられない事実を受け入れる曹操。
柔軟性が高いのか?
「まず、皇帝はいるけど、象徴的な存在で、権力はほとんどない種類。
これは結構うまく機能してましたね。
それから、皇帝のような立場の人間をみんなで選ぶような種類。
大統領っていうんですけど、任期は数年で交代です。
他には皇帝のような立場の人間はいなくて、代表を何人も選んでその人々がその国を統治する種類、これが一番多いですね。
あと、本当に数は少ないですけど、王がその国を治める種類。
これは、王様が国を本当によく治める種類と、独裁的な専制君主になる種類がありましたね」
「一刀の国はどうだったの?」
「俺の国は皇帝がいるけど、権力はほとんどない種類でしたね。
立憲君主制っていうんです。
皇帝はそれから世襲制を千年以上続けて、世界で最も長い家系になったようです」
「漢はどうなるの?」
「漢は、皇帝が国を治める国が何千年も続いて、それから代表を何人も選ぶ種類に変わりましたね。
でも、知ってのとおり、秦が漢に代わったように、皇帝は別の一族に取って代わっていますけど。
ああ、俺の知っている世界じゃ漢の次の国の礎を作ったのは曹操さんなんですよ。
俺が色々やっていたのは、俺の世界の知識もあるんですけど、曹操さんがやった施策を真似したものも多いんです。
だから、絶対曹操さんには死んでもらいたくなかったんです」
それを聞いて、今まで以上にすっきりした表情になった曹操。
もう、迷いがないという様子だ。
「そう……全部知っていたのね?
もう、私には最初から勝てる見込みはなかったのね?」
「えー、まあ、そうかもしれませんね。
怒らないんですか?」
「ええ。やっぱりあなたは天の御遣いだったのよ。
私が皇帝になると言う運命はなかったのね。
昨日も負けたと思ったけど、もう完敗だわ。
喜んであなたの臣下になるわ。
一刀も私が皇帝にならないのだから、私を孤独から救ってくれるのでしょ?」
「ええ、まあ、俺でよければ」
「じゃあ、私は一刀の友というわけね。
しっかり閨の友として愛してもらわなくては。
一刀も私を抱けて嬉しいのでしょ?」
「え?……いや、どちらかと言うと迷惑かも」
それを聞いてかなりむかついた表情をする曹操。
「何ですって!!
本当にむかつく男ね、一刀は。
この私が裸で接していると言うのよ!
それでは私の裸を見せびらかした責任を取りなさい!」
曹操はそう言って一刀の体の上に乗ってくる。
と、別の女性も一刀の体にくっついてくる。
「一緒」
呂布である。
初めて一刀の体を求める呂布だ。
「ちょっと!呂布は何もしないんじゃなかったの!」
「そ、そうだったんだよ。
恋、どうしたんだよ、一体?」
「発情期」
「はぁ?」
それから3人で何やらごそごそと妖しい行為を始める。
「ちょ、ちょっと一刀!止めなさいよ!
そんなに激しくされたら……」
「恋と一緒にいると体が勝手に……」
「もっと激しく」
「いやあ!お願いぃ、休ませてぇぇ!私が悪かったから。
これ以上やると、本当に……」
「俺だって止めたいんだよ!」
「はげしく」
「い、いやーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」
一刀は、呂布に操られるように、曹操と呂布と体力の限界を超えて交わり続けるのであった。
朝が来た。
数十分、二、三時間経ったのではない。
本当に翌朝になった。
普段ならそろそろ起きる時間だ。
「まんぞく」
呂布はそう言ってまたくーくー眠り始める。
息も乱れていない。
呂布は、この方面でも最強であった。
「ぜー」「はー」
「they」「her」
「ぜー」「はー」
「they」「her」
閨で息を整えているのは、常識的な体力の男女2名。
寝不足と極度の運動で、二人とも目が真っ赤だ。
「she………her, her……死ぬかと思ったわよ。hers」
実は死ぬほど気持ちよかった曹操、もはや許攸も荀彧も児戯にしか感じられなくなってしまっている。
もう、一刀から離れるのは無理そうだ。
「they, their, them……俺も。theirs」
「男とするのは初めてだと言ったでしょ?もっと優しくしなさいよ!I, my, me」
「ごめん。
でも……you, your, you」
一刀は曹操の顔をみてにこりとする。
「な、なによ?he, his, him」
「曹操ってさit, its, it」
もう、曹操を呼び捨てにする一刀である。
「華琳と呼びなさい」
「わかった。
華琳ってさ、肌は滑らかだし、中は気持ちいいし、なかなかよかった」
結構、曹操を気に入ってしまった一刀であった。
「は、恥ずかしいこと言わないでよ、馬鹿!
もう、一刀は一生私の友なんだからね。
一生閨の友なんだからね。
私を捨てたら許さないんだから」
「うん」
そして、二人は軽く口付けをして、曹操は一刀に抱きしめられながら幸せそうに眠りにつくのである。
二人とも朝まで一睡もしていないから、一瞬で眠りに落ちていく。
…………もしもし、一刀さん、それは曹操を側室にするということですか?
色々怒り狂いそうな女性がいますが、いいのでしょうか?
数十分後、一刀一人、
「仕事!we, our, us!!!」
と正室たちに叩き起こされる。
可哀想過ぎる。
曹操と呂布は一刀のいない一刀の閨で心行くまで眠り続けるのであった。
呂布の発情期はそれから一週間続いた。
曹操と一刀が一緒に寝るのはその日限りで、次の夜からは今までどおり田豊、沮授が一緒に寝ることになって、田豊も沮授も毎晩絶叫していた。
一刀は、何で3人とも体が持つのだ?と疑問に思いつつ、その3人と行動を共にする必要があった。
ぼろぼろになってしまった。
あとがき
英語は……全く筋には関係ありません。
ぜー と はー が出てきたので、なんとなくくっつけただけです。
すみませんm(_ _)m
追伸
weが抜けていましたので足しました。
って、全くどうでもよいことですがm(_ _)m