暗殺
「最初に袁紹のところにいった時の事を覚えてる?」
「はい、覚えています」
「あれも、星ちゃんに袁紹の様子を探る機会を作ってと言って、袁紹のところに行くことにしたの。
それで、袁紹や参謀、将の様子を見てみたら、どうも聞いていた印象と違うのよ。
確かに袁紹は無能だったけど、他の参謀や将はそれほどばらばらではない感じ。
おかしいなあと思って後から星ちゃんに客将になって袁紹の所に潜り込んでもらって、その理由を調べてもらったの。
そうしたら、原因は一刀が来たからだというのよ。
それ以前にも肥料がどうとか色々あったらしいんだけど、決定的だったのは愛紗ちゃんとあの男がいきなり愛し合ったことらしいの。
朱里ちゃんも、愛紗ちゃんが一刀と愛し合っていたことは知っていたんでしょ?」
顔を赤くする諸葛亮。
「私もその時は自分が無能な振りをし続けていることを後悔したわ。
ちょっと愛紗ちゃんに苦労かけすぎていたのかなぁって。
あ、でも朱里ちゃんや愛紗ちゃんに不満を言っているわけじゃないからね。
3人とも本当にこの無能な私を諦めることなく支えてくれて本当に感謝している。
感謝してもしきれるものじゃないわ。
本当よ。
星ちゃんだけだと、これほどうまくいかなかったと思う。
3人が私の意向に沿って、動いてくれたからここまでうまくいったと信じている。
で、とにかくあの一刀と言うのが袁紹軍をまとめている中心なのよ。
それから、あの男が袁紹に参謀の考えを採用してもらうように口八丁手八丁で進めるようにしているというのは昔言ったわね。
袁紹のところの人材の厚さは半端じゃないから、その参謀が最適だと考えた意見を行うだけで袁紹軍は大陸を制覇することが出来るでしょう。
袁紹は下手に何かをしないほうがいいのよ。
そして、袁紹軍はそうやって大陸を制覇しつつある。
だから、あの男さえいなければ袁紹軍はがたがたになるの。
それで、どうにか一刀を排除することを考えた訳。
氾水関で……ああ、汜水関といえば、先陣を志願したけど、あれは袁紹軍の力を見たかったからよ。
そうしたら、あの一刀が将としてやってきたけど、別にあの男、戦争なんかしたことない全くの素人なのに、袁紹軍は凄まじい強さで華雄を倒していた。
これは、どうにか早めに一刀を消さなくてはならないと思って、星ちゃんに戦にまぎれて一刀を殺してとお願いしたんだけど、主従の契りを結んだし、体も許した間柄だから、それは協力できないと言われて、できなかった。
延々と説得したけど、こればっかりは星ちゃんも意志を曲げなかった」
汜水関では劉備と趙雲はそんな物騒な話をしていたのだ。
「この時は、私の考えをもう少し何人かに知ってもらって一刀を殺そうかと思ったんだけど、私の考えを知っている人が多いと必ず秘密は漏れていくから、まだ時期でないと涙を飲んで一刀を殺すのを諦めたの。
私が自分で、とも思ったんだけど、私はそこまで強くはないし、ああ一刀も弱いと思うけど、足がつかないように殺せる自信がなかったから諦めた。
だったら愛紗ちゃんに頼んで引き入れようとしたんだけど、愛紗ちゃんて奥手、というより律儀だからこれもうまくいかなかったの。
鈴々ちゃんに頼んで攫うことも考えたんだけど、そうしても愛紗ちゃんが『すぐに返してきなさい!!』っていうのが明らかだったから、これも諦めた。
もしあの男を引き入れることができたら、私は完璧だったわ。
あの男、袁紹に参謀の意見を聞かせることと、参謀や将をまとめるだけじゃなくて、本来持っている力は農業を盛んにする能力で、袁紹領の様子をみてもそれは明らかだから、あの男の力があれば私の国は今以上に豊かになったと思う。
でも、味方に来ないで敵にいるんだったら、いないほうがいいでしょ?
それで、曹操に一刀を倒させようと思って、彼女に一刀の秘密を言ったら、覚えてる?小沛で曹操が何て言ったか。
正々堂々と敵をやっつけるんですって。
情けなくて涙が出そうになったわよ。
これじゃあ、今の袁紹には対抗できないって思ったわ。
それでさっき言った作戦を実行させようと思ったら程昱が邪魔したわけ。
曹操陣営は荀彧だけかと思ったら程昱も相当有能ね。
だったら、少しでも役に立つかと思って、曹操に甚振られるのを覚悟で愛紗ちゃんを曹操陣営に置くことにしたの。
愛紗ちゃんには悪いなあと思ったんだけど。
朱里ちゃんも、曹操が追撃することはないと思うようならまだまだよ。
曹操、あれで結構短絡的なところがあるから、かっとなったら周りが見えなくなるの。
絶対追ってくるって判断しなくては。
それで、愛紗ちゃんなんだけど、男女の愛とか主従関係には不器用なほどに実直だけど、その他の人間関係とか結構器用なところがあるから、曹操陣営に入っても何とかやっていけると思った。
これが鈴々ちゃんだと無理ね。
愛紗ちゃんに袁紹軍の将の一人や二人殺してもらえば少しは袁紹軍に痛手を与えられると思っていたら、これもあの一刀に邪魔されたでしょ?
まあ、愛紗ちゃんは嬉しかったかもしれないけど。
厄介者の袁術もあの男がなんとかしたらしいの。
袁術が蜂蜜好きなのを知っていて、蜂蜜を採る仕事にしてしまったんですって。
全く、あの男は私の策を悉くつぶしてくれるのよ」
劉備は蜀の独立の考えも諸葛亮に説明する。
「蜀の独立の宣言も相当な賭けだったのよ。
今や漢は劉協、袁紹の元、着実な施政を行っている。
漢が悲惨な状態だったり、うまくして既に滅亡していたら漢の再興とかいう独立の面目が立ったのに、今私が蜀を興す意味は何?
単なる反逆者じゃない。
幸い、というかそれを見越してなんだけど、蜀の人は盆地で他の地域との交流が少ないせいか、独立機運が強い。
だから、私が独立を宣言したときも、それを受け入れてくれた。
本当に、そうでもしなかったら私が皇帝になる可能性はなかったのよ。
それも、あの男が袁紹に変な入れ知恵をしたためでしょ?
曹操が袁紹に敗れたけど、もし曹操が袁紹に下るようなことがあったら、蜀は終わりかもしれない」
この時、まだ劉備は曹操が袁紹に、というより一刀に下ったことを知らない。
「あの自尊心の塊のような曹操は絶対に他の人の臣下にはならないと思うのだけど……少なくとも私の臣下にはならないわね。
臣下になるなら引き入れる工作を、とも考えたのだけど、私にはあの曹操は使いこなせないわ。
袁紹に下るようなことがあったら、ああ、下るといっても袁紹にはそんな力はないから、多分またあの男が絡んでくるだろうけど、そうしたらもう天下はあの男のものになってしまう。
曹操は生かしておけば反逆の芽になるだろうし、殺してしまえば部下が反逆を起こすだろうから、袁紹の力を削ぐのに役立つはずなんだけど、喜んで袁紹の配下に入ったら、もう袁紹陣営磐石ね。
私が苦労して孫策軍10万近くを手に入れたと言うのに、そんなことになったら袁紹軍は曹操軍30万以上を手に入れることになるじゃない。
30万の兵が敵から一瞬で味方になってしまうのよ!
国力の差が開く一方よ。
曹操軍が袁紹軍に敵対していたらどうにか蜀にも希望が出来るけど、曹操が袁紹についたらおしまいね。
もう、漢に敵対しているのは蜀だけになってしまうけど、国力が違いすぎる」
だが、曹操は一刀の下半身の攻撃に蹂躙され、心から一刀の配下になってしまったあとだった。
「一刀はウィスキーを作ってくれていて、少しは私も利用しているけど、あの男は私にとっては災厄以外の何者でもないの。
私はどうにか私が大陸を統べたいの。
そして、そのためには私の意向を国や軍全体に直接伝える人間が必要なの。
それで、朱里ちゃんにその役をお願いしたいの。
私はあくまで無能なの。
お願い、朱里ちゃん。
私のお願いを聞いてちょうだい」
諸葛亮は震えながらも、
「もし……もし、私が拒否したらどうなるのですか?」
と質問をしてみる。
劉備は、少し考えて、
「そうだなあ……この話を白蓮や孫策に知られたら、私の味方にはなっていないだろうから………きっとみんなで私を殺しに来るわね。
愛紗ちゃんは、さすがに殺しに来ることは無いと思うけど、私の味方になることはないでしょう。
だから、秘密にしておいてくれるとうれしいんだけど。
でも、やっぱり秘密は守らなくちゃならないから、陶謙や劉焉に盛った毒を朱里ちゃんにも飲んでもらわなくてはならないかもしれない」
と、普段の笑顔で答えるのである。
「え?………………
で、でも、でも、陶謙様が亡くなった時は桃香様は小沛にいたから……」
そんなことはないと思いたい諸葛亮は必死に否定しようとするが、
「星ちゃんがいたじゃない」
震えがひどくなってきた諸葛亮に、劉備は何の疑問もないように、にっこりと答える。
それを聞いて諸葛亮は、歯ががちがちと恐怖で音を立て始める。
「………な~~んてね、桃香ちゃん、そんな恐ろしいことしないよ。
二人とも寿命だっただけだよ。
やだなあ、朱里ちゃん、私を死神でも見るみたいな表情で見ないでよ」
劉備はそう今の自分の発言を否定はするのだが、真偽はともかく、劉備ならやるかもしれないと言う気持ちを諸葛亮の体に染み込ませるには十分であった。
しかも、劉備は最初からずっと諸葛亮を抱きしめるようにして、……というより逃げられないようにしているので、どんなに怖くても諸葛亮は劉備に付き合わなくてはならない。
それに、諸葛亮は、恐らく殺したと言うほうが本当だと思っている。
「周泰に命じて、一刀を殺して」
諸葛亮には肯定以外の解はないのであった。
黙って頷いて返事とする。
「よかった、朱里ちゃんなら引き受けてくれると思ったんだ。
桃香ちゃん、とってもうれしい!」
【据置コース】
劉備はそういって諸葛亮と口付けを交わす。
だが、それは愛の口付けというよりは、諸葛亮を服従させるための口付けのようだった。
諸葛亮は、恐怖の余り、気を失ってしまった。
そのあと、劉備は諸葛亮の服を剥いで裸にし、自分も裸になり…………
何故か湿っている寝巻き類を交換し、シーツを取って閨を乾燥させ、水浸しで寝る場所がなくなった諸葛亮を自分の閨に運び込んで、そこで一緒に眠りについていた。
諸葛亮は、翌朝劉備の閨で目覚め、驚愕の事実を知ることになる。
【発育コース】
劉備はそう言って諸葛亮に自分の乳首を含ませる。
諸葛亮は恐怖を振り払うかのように必死に劉備の乳を吸い続ける。
そして、それに比例して諸葛亮の胸は次第に豊かになっていくのであった。
あとがき
最後のコースはお好きなほうを選んでください。
どちらにしても諸葛亮はもう劉備から逃げられなくなってしまいました。
ただ、発育コースにすると鳳統に勘繰られてしまう可能性があるかも。