[七ツ夜と魔法(MELTY BLOOD×魔法少女リリカルなのは)]
題材:MELTY BLOOD______魔法少女リリカルなのは(とらハも含む)
時系列:MELTY BLOOD Actress Again 七夜√ED+複数キャラ要素
~はじめに~
この作品は―――作品と呼べないようなものは、一応MBの七夜志貴を主人公としたリリカルなのはの世界における物語にしてあります。
はじめての投稿作品なので、というよりも、能無し・七夜厨・リリカル馬鹿の作者なので、割愛ください。
~OP~
七夜志貴、遠野志貴の使われない行動原理にして、タタリの夜の悪夢。
そんな彼に劇の終幕、カーテンコール。
死の瞬間が迫っていた。
膝をつき、空を見上げる少年が一人。ボロボロの学ラン。
悪夢の時間の終わりを告げる朝日が今にもみえようとしている草原の中。
「未練は捨てた…義理も果たした……七夜の誇りも―――これで清算できた……」
紅赤朱、軋間紅摩には既にとどめを刺して、一面は血の海と化していた。
それは鬼と殺人鬼から溢れた血液であった。
服のあちらこちらには、破れた所から折れた骨が付き出ている。
多量の失血のせいで蒼く輝いていた浄眼もかすれ虚ろな状態である。
「ああ、本当に目的が無くなっちまった……志貴の後釜も考えたが、どうも俺には相に合いそうにないしな。まあ、翡翠の顔も最後に見れたし、閻魔の顔でも拝みに行くかな。」
そう思っていると、先ほどまでの夏の草原に白銀の世界を割り込ませようとする、とてもよわよわしい存在が近づいてきた。
「―――せない、な――やは、絶対に死なせない!」
「?ああ。なんだ、まだ息があったのか…ご主人様。」
お互い生き汚いモノだな。と、言ってみるが、そろそろ声が出なくなってきた。
肺には穴が開き呼吸もできていない。
レンの純白のコートは血に染まり体中が真赤に染まっている。
紅赤朱と対峙する前に見つかり、仕方なしに屠ってしまった…はずだったが。
「いやはや、どうにも丸くなっちまったみたいだ。まさか止めを刺し切れていなっかったとは。それでこのざまだ。女子供に優しくしすぎたか。」
「お願い―――死なないでっ――――死なないで!っ七夜っ!!」
まともに動くこともできない体を無理矢理引きずり、懇願するように、
朝日が覗きかけ既に体が消えかけている七夜に、世界に叫びかける。
「お願い―――お、お願いします!!誰か、誰か七夜を助けて!!助けてよ!!」
それは少女の悲痛な願いの叫びだった。
もはや彼を助ける手段など無く、自身も数分で死ぬ運命にありながら。
それでも少女は叫び続けた。
「五月蠅いな、……猫なら叫ぶにしろ、もっと綺麗に鳴け。」
「誰!?」
「私か?そこで倒れている小僧に、私の『手足』を痛めつけられた魔術師だ。まあ、用件は依頼の品を届けに来たんだが…クライエントがまだ来ていないってところだ。」
ひとりの女性だった。茶色の髪を後ろでまとめ、眉間にしわを寄せながら煙草を吸っている。
「それで?いいかげん待ちきれんのだが?キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ」
「いやはや、気付いておるのなら隠れとる必要も無いか、蒼崎の長女。」
「!!ゼルレッチって!?」
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
第二魔法の使い手にして死徒二十七祖の第四位。
アルクエイド・ブリュンスタッドの後見人の宝石翁がなんでこんなところに?
「いいから早く妹の居場所を言え。その約束で私をここまで呼びつけたのだからな。」
「まぁ待て。先にこちらの要件を済ませてからだ」
「??」
混乱するレンを後目に宝石翁が最早風前の灯もない七夜に向かい口を開く。
「小僧、白き姫の連れている小僧がえらく心配しておったぞ。タタリとして現れたロアを屠り、オシリスの砂を倒し…話を聞けば、お前の行動で何人もの人が救われたそうじゃ。」
「白き姫が珍しくワシを呼びつけるから何かと思えば、その小僧が『七夜は義妹の都ちゃんを助け、シオンの話だとオシリスって奴を独りで倒し、街を救いました。その上、軋間っていう鬼まで、傷ついた体で倒そうとしています。お願いです!あいつを救ってください!』と詰め寄ってな。ブルーの教え子の片割れと聞いていたので暇つぶしに来たんじゃ。」
「爺、長話はいいが、そろそろ小僧が死ぬぞ?」
「お?それはいかん。またと無い実験材り―――モルモットが。」
「………(言い直してさらに表現が悪くなった気が…)」
「それで私の人形にタタリの魂を移し替えるというのだな?」
「そういうことじゃ。」
それを聞いてレンは七夜を見る(ああ、七夜が助かる!七夜が死なないで済む!)
しかし、七夜の魂を人形に移し替え無事に術を終わらせた蒼崎橙子は
「それで?後はこいつを異世界に飛ばせばいいという訳だな?」
「え゛?」七夜を―――何て言った?
「そうじゃな、肉体を確立してしまった以上、同一人物が世界に存在することはできん。世界がどちらかの小僧を消す前に。この小僧を異世界へ送るとしよう。」
「!?」「まって、そんなのい――――」
遅かった。レンが言葉を絞り終える前に、七夜は宝石翁が作り出す光の渦へと消えてしまった。
「っ、七夜は!?七夜は一体どこに飛ばされたの!?」
「案ずるな。奴にはもう一度新しい、まっとうな人生を送らせたいとブルーたっての頼みでもあったからの。餞別に想定できる限りの必要物をトランクに詰め一緒に送った。なに、うまくやるじゃろう。」
勝手なこことばかり言ってくれる、もしもこの体が自由に動けば後先など気にせず殺しにかかっている所だけど
「ほれ、貴様も早くワシと契約せんと消えてしまうぞ。様子を見に行くのはその傷を治してからだ。」
「え?」
~あとがき~
………色々とサーセン
続きたい
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