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No.16220の一覧
[0] こんなはずじゃなかった。(H×H オリキャラ有)[藍燈](2010/02/11 03:55)
[1] 2話。 クロロ「今度から慈善事業の項目にストーカー相談室とか加えよう・・・」[藍燈](2010/02/10 01:20)
[2] 3話。 スーラ「おとーさーん!おきゃくさんきたー!」[藍燈](2010/02/10 01:20)
[3] 4話。 パクノダ「あんなに急いでいくなんて、よっぽど大切なのね・・・」[藍燈](2010/02/11 03:56)
[4] 閑話。 スーラの半日+α【お食事中の方は注意】[藍燈](2010/03/29 03:17)
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[16220] こんなはずじゃなかった。(H×H オリキャラ有)
Name: 藍燈◆04f20ceb ID:9070469b 次を表示する
Date: 2010/02/11 03:55
こんにちは、藍燈と申します。はじめまして。

まず最初にご注意を少々。

この作品はオリキャラ×キャラ要素をふんだんに含んでいます。
(けしてキャラ×オリキャラではないのでご了承をば。)
また、
そんなつもりは一切なかったのですけれど、クロロがかわいそう。
そんなつもりは一切なかったのですけれど、クロロがクロロじゃない。
そんなつおりは一切なかったのですけれど、クロロのイメージがゲシュタルト崩壊。

が、最前提です。ご容赦ください。

また、この作品はアダルト用語、またそれを示唆する単語がふくまれています。
描写はないのでこちらの板を使わせていただいておりますが・・・さてさて。

ちなみにタイトルは私の心の声です。ほんとにこんなはずじゃなかった・・・。


















「私は、お前が欲しい」

ニィッと獰猛に笑って見せたその大柄な女に、クロロは呆気にとられてふだんはキュッと固く結ばれている口をポカンと半開きにした。
しかしその呆気にとられた顔がお気に召さなかったらしい女は、憤然と「何だその顔は」とつぶやく。

「せっかく私が愛をささやいたというのに」
「・・・いや、なんていうか、その・・・お前はブラックリストハンターだろう」
「いかにも。"返り血"の異名を持つリオ=クレイヴだ」

何を今更、と彼女は鼻息も荒く自分の異名と本名を明かす。
一方愛をささやかれたクロロは頭を抱えた。
この多少ぶっきら棒な話し方をする大柄な女は、つい1年ほど前から幻影旅団を追っかけていると噂の二つ星ハンター。
それが何でいきなり敵方の自分に愛をささやくのか理解不能であった。
さらにいえばこの状況が――ビジネスホテルのスプリングがあまりよいとはいえないベッドの上で、マウント・ポジションをとられ両手を片手ひとつで拘束され、挙句愛をささやかれた。それも大柄ではあるが、女に――意味不明すぎてクロロにはついていけなかった。

「俺を・・・というか幻影旅団を追っているんだったよな?」
「いや、私は"お前"を追っていた。クロロ=ルシルフル」
「・・・ハンターとして追っていた、んだよな?」
「私は確かにハンターだ。だが、ハンターとしてお前を追っていたわけではない。何故なら捕まえても協会に突き出すことをしないからだ。・・・私はお前という存在がほしいんだ、クロロ=ルシルフル」

切なげに歪められるその赤銅色の瞳はしかし、奥底で欲を秘めていてなんとも艶かしい色を見せている。
本来ならばここでコロッといくのが定石なのだろうが、冗談ではない、とクロロは心のそこから罵倒したい気分に襲われた。
そもそもコロッといくとしたら、クロロが女でこの大柄な女が男だった場合だろう。それでもコロッといくなんて怪しいものではあるが。
というか、ハンターとして追っていた訳ではないとしたら、この女は個人でクロロを追っていたことになる。

度々のつまりはストーカーだ。

どんな言い訳をしようと、彼女はクロロのストーカーでそれ以上でもそれ以下でもなく、しかも今まさに彼は襲われている。

オブラートに包みようのない、貞操の危機である。

ギリギリと心の奥底で歯軋りする彼の心情を知ってか知らずか、彼女は「多少なりともハンターのコネは使ったが、まぁ恋路に障害はつき物というから仕方あるまい」とつぶやいた。
クロロはゲッソリとため息をつくよりほかない。
目の前の彼女は本気で自分を欲している。
そして自分はすでに彼女の手の中・・・そう、逃げようにも、クロロの大事なところは彼女の手の中。

ただ今現在進行形で、彼の息子は悲しいことに弄ばれていた。

いっそのこと生娘のようにさめざめと泣いてみれば目の前の彼女の興がそれるかも知れないが、そんなことをするぐらいなら逆に食われてしまったほうがいい・・・――と、クロロは半ば投げやりに彼女をその真っ黒いガラスのような瞳で見つめた。

「・・・逃げないのか?」
「・・・この絶対的不利な状況で?」

あきれ気味につぶやいたクロロに「それもそうだな」と彼女は低く笑う。
それにもまたため息をついて彼はふ、と思いついたことを口にしていた。

「ひとつ聞きたい」
「なんだ」
「なぜ、俺なんだ」
「顔がいいからだ」
「・・・」
「そんな顔するな。これは死活問題だぞ。生まれてくる子供とて、見目麗しいほうがいいだろう」

な?と、同意を求めて笑うその女に、クロロはその真っ黒いガラスのような瞳をぱちくりさせた。

なんといったのだろう、この女は。
いやむしろ何をいっているんだろう、この女。

クロロの、普段は能面のように無表情なその顔が全力で疑問を訴えている。

いやまさかそんな・・・一回ぐらいでできるわけ・・・一回ですむのか?
そんな保障どこにあるんだ?
まさかこの女・・・まさか、そんな、まさか・・・。

しかし女はそれに答えることなく再度獰猛に笑って見せる。
クロロはこの日初めて、声にならない悲鳴を上げた。























なんて5年ぐらい前のことを思い出したのは、今この目の前にいる子供のせいだ。
クロロは目の前でジッと見上げてくる真っ黒い瞳の子供にめまいを覚えた。
似ている。あの女に。

「・・・で?」
「あのね、おかーさんからおてがみもらったの!」
「・・・」

おかーさん。
その言葉にいやな予感がしたクロロは、とっさに今もっている本をぽーいと後ろにほん投げて全力で耳をふさぎたい衝動に駆られたが、なんとなくプライドが許さなくてグッと我慢する。

「スーがよんでっておかーさんがいってたから、よむね!」

子供はニコニコ笑ってショルダーバックの中から曰く"お手紙"を取り出した。
縦約3センチ、横約15センチ程度の"お手紙"というよりメモに近い紙。だがしかしそれは確実にメモでも、ましてやお手紙でもなかった。
子供が読むために顔の目の前まで持ってきたその瞬間、"お手紙"の裏に印字された某牛丼屋のマークをクロロは見た。
明らかにレシートである。

「えーとね!"にんちしろ"だって!」



にんち・・・ニンチ、NINNTI、認知、か。



クロロは思わず瞼を下ろした。
心の中で「あー今日はもう閉店ですよー」なんてつぶやいて、ガラガラガラとシャッターを下ろす妄想もわすれない。
シャッターを閉じた瞬間に脳内会議をはじめてみるが、脳内クロロは全員が全員現実を受け入れようとせず挙句の果てに満場一致で「これはたちの悪い白昼夢だ」という結論に至る始末。
会議結果が出てしまったらそれを確認するしかないので、クロロは重いため息とともに、瞼を押し開けた。

目の前にあの女に似ている子供が一人。

クロロは全力で絶望した。


「えっと、あのね!ちょっとのあいだ、おせわになります!おとーさん!」


ニカッと笑う子供の口から八重歯がチラッとみえて、ああこの子も将来は母親のように獰猛な笑みになるに違いないと思う傍ら、クロロはもう死んでしまいたい衝動に駆られた。









<言い訳>
はい、ありがとうございました。
あとがきなんてたいそうなものはありません、これは、言い訳です。

こ、こんなはずじゃなかったんだ・・・本当は仲睦ましいルシルフル一家(父母娘)を書きたかったんだ・・・。

でも、そういえば女性のオリキャラとか転生とかトリップとかで"主最強しかも見た目カワイイ女の子"はよく見るけど"最強で女だけど見た目ワンピの○桃丸"とか"最強で女だけど見た目シルバ"とか"最強で女だけど見た目ビスけちゃま戦闘モード"とか"最強で女だけど見た目ウヴォー"ってないよなぁ~・・・なんて思っちゃったのが運のつきでした。
でもさすがに戦○丸はかわいそう(クロロが)だからシルバとビスケちゃま戦闘モードを足して2で割った感じでどうkごめん。

本当は某海賊王と女王様のハーレクイーンロマンス(苦笑)の女王様をトリップさせようと思って書いていたので、話の流れがそのようになっています。(たぶん、わかる人には最初の時点で「アッ」って思っていただけたのでは)
ただなんで彼女ではないかというと、彼女は海賊王とイチャイチャしてるのが一番いいとおもったので。

ちなみに、この作品のタイトル当初の予定では
『イケメンはコンドームを常備しろ。でないと後から痛い目をみる』
『クロロの受難』
『怪獣は大変なものを奪っていきました(クロロの貞操です)』
の、どれかにしようとおもってたんですが、続くかどうかも怪しいですし、かといって名無しはかわいそうなのでとりあえず(仮)ってことで。

さて、続くんでしょうかこれ。
むしろ続いていいのか・・・これ・・・。



<人物>

リオ=クレイヴ
二つ星ブラックリストハンター。
スーラの母親。
大柄。天上天下唯我独尊傍若無人。
笑みが獰猛。瞳の色が赤銅色。

スーラ=クレイブ
リオとクロロの娘。
悲しいことにリオと似ている。ただし瞳の色が黒い。
八重歯。天真爛漫。


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