題名通りリリカルなのはとFateのクロスです。
出来るだけご都合主義がないようにします。
リリカル世界に行くのはギルです。(fateルート)
性格はホロウよりです。
ギル以外のサーヴァントも登場します。
型月世界で死んだ人間が出てくるかもしれません。
「憎らしい女だ・・・最後までこの我に刃向かうか」
だらりと下げた腕を上げ目前の騎士を確かめるように、彼女の頬を指でなぞる。
「だが許そう。手に入らぬからこそ、美しいものもある」
指が滑る。上がっていた腕が、力無く地に落ちる。
「ふん―――ならばこそ、我がおまえに敗れるは必定だったか」
不機嫌に舌を鳴らす。
そうして、最後に。
「ではな騎士王。―――いや、中々に愉しかったぞ」
口元に皮肉げな笑みを作り、黄金の騎士はかき消えた。
(ふん。―――結局セイバーは手に入らなかったか・・・・まあいい、よい暇潰しにはなった・・・・)
ギルガメッシュの意識は緩やかに薄れていった。
「何だ?ここは・・・・・・」
彼が目を開いた時、広がっていたのは全く理解が出来ない光景だった。
「ここは何かの屋内か・・・いや待て忌々しいがサーヴァントが消滅すれば聖杯に取り込まれる筈、これは何の茶番だ」
少なくともここが聖杯の中には見えない。
「ちっ―――だが致し方ない・・・・まずは此処が何処か確認せねばならんな・・・・」
そういい彼は建物の中を進んでいく。
中は広くまるで誰かの屋敷のようだ。
「ふんっ汚らわしいな。これ程の妄執、どれのものかは知らんが不愉快なことだ」
到る所に染み付いた鬼気迫った妄執を感じ取り不愉快そうに吐き捨てる。
だが
「しかし、これ程の怨念、並みの雑種に出せる物ではない、これはまっ、ん」
いつの間にか彼の前には大量の意思の無い兵士が傀儡兵が刃を向けていた。
「ほう人形が王たる我に刃を向けるか・・・失せろ!!!」
その言葉と同時に数多の宝具が飛び傀儡兵を粉々にする。
たかが傀儡兵が彼の魔弾を受けられる筈が無い。
「ほう、漸く、この館の主の御出ましか?」
皮肉げな笑みを浮かべながら目前に現れた女を見る。
だがその瞳は明確な殺意をもって女を睨みつけている。
「あなたは何者?管理局の人間じゃないようだけど」
「我が拝謁の栄に浴してなお、この面貌を見知らぬと申すなら、そんな蒙昧は生かしておく価値すらない。といいたいが貴様には聞きたい事があるのでな。今しばらく生かしておいてやる」
どこまでも上から目線のギルガメッシュにプレシアも不愉快になる。
そして、
「少し眠りなさい」
魔法を放った。
「愚か者が格の違いすら分からんか、女」
王の財宝から鏡のような盾を取り出す。
魔法は盾に当たるとそのまま放った本人を襲った。
「なっ!!ぐっあああぁぁ!!!」
予想外の出来事に避けるのが送れてモロに自身の魔法を喰らってしまう。
「我は少々、機嫌がいい。二度目までは許した。・・・・・だが次はないぞ、女」
そのままプレシアの目の前まで歩いていくと思いっきり蹴り飛ばした。
「ぐっうう」
蹴られた彼女は呻き声を上げるが英雄王は全く気に止めた様子もない。
「さて、最初の質問だ。ここはどこだ女?」
目の前に堂々と佇む男を見て思ってしまった。
それは理解というよりは生物としての本能からの思いだ。
こいつには絶対に勝てない。この男は自分を殺す事に何の躊躇いも無い。
今、自分が生き永らえているのは単なる気紛れにすぎないのだと・・・・
「時の庭園・・・私の居城よ・・・」
時の庭園・・・彼には覚えの無い単語だ。
「ほうで時の庭園とは、どこにある。日本か?それとも中華の国か?」
日本という単語にプレシアには聞き覚えがあった。
確かジュエルシードが落ちた世界の国名が日本だったはず・・・
「日本と言う事は貴方は地球の人間なの?」
問い掛けに対して不機嫌そうに宝具を飛ばす。
放たれた剣はプレシアのすぐ横に突き刺さる。
「女っ質問しているのは我だ。――――だが気になる事を申したな・・・地球の人間だと?如何いう事だ?地球以外に人間がいるのか」
目の前の女の言い方はまるで自分が地球人ではないような言い方だった。
「何を今更・・・・・・ああそう、そういう事、貴方、次元漂流者ね」
「次元漂流者?何だそれは?」
「簡単に言えば迷子よ・・・異なる世界から他の世界に何らかの理由で転移してしまった人間、それが貴方、でも良かったわね地球の人間なら直ぐに帰れるわよ。座標も知っているし・・・」
本来ならばこのような親切はしないが、彼女も目の前の男には早々にここから立ち去って欲しい。
「成る程・・・で貴様が先程、使った魔術。あれは何だ?我は今まであのような魔術は見た事がない」
「魔術?ああ魔法のことね・・・そんなに変かしら。ミッド・チルダ式は一般に流通している魔法よ」
(魔術ではなく魔法か・・・・ふん茶番と思ってはいたが中々に我を愉しませてくれそうではないか・・・)
「その魔法とやらについて詳しく説明せよ。簡潔にな」
詳しく簡潔には少々矛盾しているが、そこはギルのクオリティ
大魔導師であるプレシアは人に教えるのも非常に旨く、彼にデバイスの事や基本的な魔法について説明していく。
「ほお・・・実に興味深い・・・で最初に言っていた管理局とはなんだ?」
「管理局っていうのは時空管理局のことよ。言ってしまえば次元世界における警察みたいな組織で主に次元犯罪者の逮捕やロストロギア・・・古代の遺失物の事だけど・・・の管理・確保などが仕事よ」
管理との言葉で彼には気になる事が含まれていた。
「聞くが地球は管理局とやらの支配化にあるのか?」
気のせいか先程より威圧感のある声色で訊く。
「いいえ地球は管理局の管理下には無いわ.ただ管理外といっても次元犯罪者が逃げ込んだりロストロギアが落ちたりした場合は別、管理外世界だろうと必要であれば介入するわ・・・実際、地球出身の管理局員もいるし・・・」
(成る程、そんな輩が忍び込めば魔術師どもや教会の奴等が気付かぬ筈が無い。やはり平行世界か・・・・・だが例え平行世界であろうと王たる我の庭に無断で荒らすとは許し難き雑種共よ!!!我直々に滅ぼして・・・・いや王である我の庭を掃除した者として恩賞を与えるか・・・・)
「そうか。ではデバイスとやらを寄越せ」
いきなり変わった話に一瞬だが唖然とする。
「デバイスって・・ええ分かったわよ。持ってくればいいのでしょう!!!」
何か言い返そうとしたが宝具の群れがプレシアを真っ直ぐに狙っていたので何も言えずに従う。
(そういえば、あの男が何者か聞いてないわね)
いくら自分でも、あんな規格外は相手にしたくない。さっさと持ってくるとしよう。
「はい。これがデバイス・・・一応、私の持っているデバイスの中でも最高の物よ(フェイトとプレシアのデバイスを除いて)どう満足した」
(粗悪品渡そうかと思ったけど・・・・)
その場合、自身の体が串刺しにされるのは目に見えている。
「ほうこれがデバイスか」
「Yes.My lord」
「ほう聞いてはいたが本当に言葉を話すか・・・・いいだろう、貴様を我が財に加えてやる」
「Thank you My lord」
そう言うと王の財宝にデバイスをしまう。
「ちっ不味いな・・・セイバーとの戦いで魔力を使いすぎたか・・・」
セイバーとの戦いで受けた傷は何故か元通りになっていたが魔力は元通りではなく・・・否、更に減っていた。
いかに受肉したサーヴァントであろうと魔力の供給なしでは存在できない。
早急に魔力供給を受けなければ困った事になる。
(だが、この女では満足に魔力供給はできん。どうやら優秀な魔術師・・・いや魔導師らしいが、これは病に侵されているな)
「女、ここには他に魔導師とやらは居ないのか?」
駄目元でプレシアに聞いてみる。
「ここには居ないけどさっき地球に向かった子がいるわ・・」
疲れているのか、つい正直に答えてしまう。
「そうか、で豊富な魔力を持っているか?」
「・・・・・・・ええ持っているわ」
(ほう、この間、その者に何か思う事があると言う事か・・・いい退屈凌ぎにはなるか?)
「そうか、なら早々にその者を呼び出せ。ああ、まさか嫌とは言わぬよなぁ、もし断るならば今死ぬだけだ」
「はあ~分かったわよ!!呼べばいいんでしょ呼べば!!!」
色々とあり過ぎて自棄になり叫ぶ。
そしてそのまま自身の・・・・・・娘であるフェイトにここに来る様に伝える。
「ふっ、精々我を愉しませろよ世界!」
誰に言うでなくそう呟いた。
後書き
次回はフェイトが登場します。