よくぞ。
良くぞ間に合ったと自分をほめたい。
孤児院に隠された地下室を見つけ三年。
わずか六歳の身では材料を集めることすら困難だった。
失敗した回数など数えるのも馬鹿らしい。
俺をこの世界に転生させた悪魔――メタトロンと名乗る悪魔から貰った、『天狗眼』をもってしても作業は難航を極めた。
そもそも術の基礎理論から学ぶところからはじめたのだ。
禁術を超える忌術とも言うべき『穢土転生』、それを更に発展させた『尸解仙転生』をたった三年で構築したのは奇跡とも言える。
しかし、この部屋を見つけたとき――『穢土転生』の理論と大蛇丸が実行しようとした転生体を呼ぶための媒体を見たとき、俺はこの妄想ともいえる難事に取り付かれた。
そして三年。
忍具にも使われるチャクラを通しやすい物質と、膨大な符で作られた三体の人形の間に立つ。
部屋を覆うように書き敷き詰められた呪文は、すべて俺がチャクラをこめながら書いた血文字だ。
俺はゆっくりをめを開くと人形を凝視した。
そして眼にチャクラを廻し集中していくと膨大間文字と数字の羅列が見えてくる。
これこそが俺が悪魔に貰った『天狗眼』の正体。
六道より外れたる外道の力。
世界より外れるゆえ世界に干渉できる力。
天狗眼の『世界の根源を見て改変する力』を使い、人形に膨大な仙気を集めていく。
仙気――外気、外功とも呼ばれる森羅万象を司る大いなる力だ。 固めたものを仙丹などと呼び、これを頓服することが仙人に至る一つの道である。
そして、尸解法とは仙人に至る至高の方法。
仙気を体内に入れるのではなく肉体を捨て去り、新たな体を仙気自体で練り上げ作り出す途方もない術であり、その核として口寄せ穢土転生を用いて、人形の中心に埋め込まれた陰陽八極の思想から作られた珠に封じる。
人形はその過程で霊山に匹敵する莫大な仙気を圧縮し留める器であり、穢土転生の生贄とする小動物の檻でもある。
余談だが生贄は身代わり用のウサギで、霊格は通常であれば人間に遥かに劣るが、天狗眼を使い底上げしている。
閑話休題。
影分身三体にそれぞれの起動印を任せ、まるでオーケストラの指揮者のように天狗眼を使い術を調整していく。
天狗眼を使い自らのチャクラ容量。 チャクラ運用能力。 術理解力。 など片っ端からドーピングしているので行えるが、素の状態でこの術を起動したなら一秒と持たず失敗していただろう。
術難易度で言えばトリプルSクラス。
スペランカーを足で操作しながら1回も死なずクリアーする難易度と言えば分かるだろうか?
とにかく泣きたくなるほど難しいのだ。
やがて人形は激しく発光すると砕け散り、中から一人の青年と二人の少女が現れた。
本来ならば三人の青年が現れるはずなのに二人の少女になっている。
あまりのことに愕然とした俺はつぶやいた。
「ん~~~? 間ぁ違えたぁかなぁ?」
合掌
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もし続いたらほめてください。
あと、TSしてしまったお二方の名前募集。
もし応募がなければ
衝撃の・あるべる子
と
素晴らしき・ひっつからる子
にしようと思います。
ちなみに姉妹です。