この社内の中で、一際仲の良い二人がいました。
Ⅳ専務(サブドミナント専務)の【直属の部下】であり、
実は【Ⅴ本部長(ドミナント本部長)の親友】でもある「Ⅱさん」です。
Ⅱさんは主にⅣ専務の部下としてⅣ専務の傍で仕事をしていて、
そのⅣ専務当人はⅤ本部長との架け橋的な役目もしてる人なのですが、
実は「やり取り」においては長年付き合ってきたⅡさんの方がⅤ本部長とのやり取りの愛称が良く、
彼らのそんな仲の良いツーショットを、彼らのあだ名を捩って「トゥーファイブ」と呼んでいました。
そんな彼らが絡んだ時の仕事の処理の速さは尋常ではありませんでした。
Ⅰ社長(トニック社長)がⅣ専務に指示。Ⅳ専務が他の社員と一緒に仕事に手を取られているので、
直属の部下であるⅡさんがそれを手伝う形でⅣ専務の代理として(代理コード)
親友でもあるⅤ本部長に素早く業務連絡。(トゥーファイブ)
その内容をⅤ本部長がⅠ社長に報告して仕事が終了。(ドミナント終止)
仕事をスムーズに、且つキレイな形でスパッと終わらせてしまうスゴい連係プレイです。
「Ⅰ→Ⅳ→Ⅵm」→「Ⅰ→Ⅱm7(Ⅳの代理)→Ⅴ7(トゥーファイブ成立)→Ⅰ(5度省略で静かにフィニッシュ)」
そんな彼らの仕事振りを見ていて、やはり自分の立場を取られたような気になるのは、他の社員。
同じマイナーを持つものなのに、Ⅱさんだけは特別なんです。そりゃ、あまり気が宜しくないでしょう。
Ⅶ君はただでさえ自分の才能の無さに打ちのめされた挙句、先輩の連係プレイを目の前で見せられて、
自暴自棄&鬱っぽくなって隅で引っ込んでますが。。。(^^;;;
しかし、マイナーな割に血気盛んな他の社員たち(笑)は
「よし、自分たちも社長の代理としての役割をもっと果たそう!」と、
彼らの連係プレイを見習って、自分たちの仕事を自分たちでもっと増やそうと考え始めました。
「そうだ!Ⅱさんに出来るのに、自分たちに出来ないわけがない!ただの雑用係で終わってたまるか!」
そんな社員の気迫溢れる意思により、この会社では「代理」が盛んに行われるようになっていきました。
Ⅰ社長の代理→Ⅲさん・Ⅵさん
Ⅳ専務の代理→Ⅱさん
Ⅴ本部長の代理→頼りないⅦ君
・・・まぁ、、、Ⅴ本部長は部下に恵まれなかったので、
それを気遣ってⅡさんが支援してるのかもね。。。(^^;;;;;;
そんなことを言ったら、またⅦ君が落ち込むかもしれないけれど・・・
早速「Ⅲさん」と「Ⅵさん」は、自分に出来る範囲で社長の代理を買って出て、
その光景が「ダイアトニック♪」の社内では、いつしか日常の風景のようになりました。
「Ⅲm→ⅣM7→Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅵm」
「Ⅵm→Ⅲm7→Ⅳ→Ⅵm」→「Ⅲm7→Ⅳ→Ⅴsus4→V7→Ⅵm」→・・・・・・
その場その場で「必要なものを付ける(7度を足す)」・「不必要なものを外す(7度を外す)」
「後味がシンプルなのが一番良い結果を出す(最後は5度も省略するのが良い場合もある)」などの
それぞれに臨機応変な応用やテクニックも周りを見て覚え始め、仕事を終わらせることは出来ないけれど、
それならそれで「仕事を充実させる」という方面に活路を見出した彼らの「代理行為」は、
きっと社内の活気をより一層盛り立ててくれることでしょう。