注!!!この作品はageのマブラヴオルタネイティブのオリキャラ介入型二次創作です!2月24日発売ですので"まだまだネタバレはいやーん"という方や"えーオリキャラ~?ダメポ"って方はお読みにならない方が良いかもしれません。※注釈を記入せずに投稿いたしましたことを御許しください(´・ω・`)いまさらながら以上で注釈とさせていただきます。 序章 2006 2/26 横浜市某所 カチカチッ パソコンの前で唖然としている男が一人。「―――こうくるか……」 彼の眼前にあるパソコンでは、白い画面に文字が流れていた。「FinalEpisodeで救済…ってことになるんかなぁ…でもなぁ…すっきりしないなぁ」 彼は腕を組みながら考えては唸り考えては……を繰り返していた。「武は一人でやろうって思うから失敗すんだよなぁ…まぁ、あんな突拍子もないことを言ってもだれも信じないよな…」 そう言いながらパソコンの電源を落とし立ち上がる。頭を掻きながら部屋から出て行く。 MUV-LUV ALTERNATIVE β 2月下旬、昼間は暖かくなってきたが夜はまだまだ寒い。黒のジャージに黒のニット帽そして黒のシューズを履き、携帯電話、財布、家の鍵を持って家からでる。 西の空はオレンジ色に、東の空には月が昇っていた。「はぁ―さっみ―ぃ、暖かくなってきたかと思ったらまた冷え込んできたなぁ」 独り言を言いながら簡単なストレッチを始める。「よっし、行くか……」 フードを被り、彼は走り出した。 タッタッタッタッタッタッタッタッ 一定のリズムで走る音が辺りに響く。(まりもちゃん、冥夜、委員長、たま、彩峰……伊隅大尉、柏木、水月、遙……いくらなんでも死にすぎだろう……) 刺すような寒さの中、黙々と走り続ける。歩道橋を渡りコンビニの前を通りすぎる。「あっ! 東海林さ~ん!」 コンビニから出てきた男に声を掛けられた。「おう、山口か、今バイト終わりか?」 パッと見ひ弱そうな彼。名前は"山口敬一郎"アパートの隣の部屋に住んでいるフリーターだ。「はい、今上がりです。東海林さんはいつものランニングですか? あっ【オルタ】クリアしました?」 捲くし立てるように聞いてくる。少し忙しない。「ああ、さっき終わらせたよ。なかなか賛否両論がありそうな内容だったな」「そうですか、ストーリーは良いんですが……人が死にすぎだと思うんですよね。それに……あと……」 (始まった、山口の"マシンガントーク"……なかなか止まらないんだ…これが……しかも人の話聞かなくなるし。………ん?山口の背後が陽炎みたいに…………半透明でゆらゆらと"何か"がいる……なんだ?アレ)「…………」 目を細め、山口の背後を睨むように見る。「でもあれですよね、悠陽たんだけで丼飯3杯はいけますよ……あとですね……と思うんですよ」 まだ喋り続けている。「…………!?」(ゲームのしすぎか? なんで山口の背後に"兵士級BETA"が……夢幻か?) "兵士級BETA"通称『ヴェナトル』対人用のBETAで全長1.2m 全幅1.4m 全高2.3m キノコのような大きな頭、その頭に比例するかのように巨大な口、人間のような両腕、芋虫のような下半身。ただ作中と違う点がひとつ、半透明で所々にノイズのようなものが走っている。「山口!!」 BETAはその巨大な口で山口の頭に齧りついた。だが……。「え? どうしました? 東海林さん」 BETAは口を閉じていたが山口の体を擦り抜けていた。そしてそのまま"ゆらり"と揺れて消えていった。「…………」「あっ、東海林さん。鼻血でてますよ? はい、ティッシュ」 そう言いながらポケットからティッシュを取り出す。「えっ? うあ……ほんと……だ……ぐっ」 ティッシュを受け取ろうとして手を伸ばす。だが霞み掛かったように目がぼやける。「うわっ! 大丈夫ですか!?」 慌てながら傍によって来る。「ああ……大丈夫だ……ありがとう」 そう言いながら貰ったティッシュを鼻に詰める。「本当に……大丈夫ですか? 気分悪いなら家に帰ってゆっくりしたほうがいいですよ? 送りましょうか?」 心配そうに顔を覗いてくる。「……いや大丈夫さ、今日はこれで切り上げて帰ることにするよ」 目頭を揉みながら息を整える。「そうですか。それじゃ、気をつけて帰ってくださいね?」「わかった、じゃあな」 山口はアパートと反対方向に向かって歩いていき人ごみに紛れて見えなくなった。「ふぅ……まだ眩暈がするけど……帰るか」 少しふら付きながら来た道を戻っていく。(なんだ……気持ち悪い……はやく帰ろう) 自宅(さっきのは一体なんだったんだ……あの"幻のBETA"を見たとたん気分が悪くなった……) 家に帰り熱いシャワーを浴びる。鼻血はまだ止まっていない。(幻覚だよな…………) キュッキュッ ガラッ 浴室から出て身体を拭く。寝室に行く前に冷蔵庫から1本コーラを取り出す。 プシッ ゴッゴッゴッゴッゴッ「はあ―……げふっ、とりあえず今日は寝るか」 鼻にティッシュを詰め布団の中に入る。(少し頭痛がするけど、寝れなくはないな……明日からまた大学か…………) そして俺はゆっくりと眠りに落ちていった。 ???―――ん…………ここはどこだ? 一面白…壁も、床も、天井も、自分が着ている服も白一色だった。―――なんだここ………『………を、助け………がい、……』だれだ!? 悲しげな声が聞こえてきた。男か女かも、何を言っているかも分からないが。―――なんなんだ一体! あれは……なんだ? 目の前に黒い球体が現れ高速で回転し始めた……。―――………………。 更に回転し光を発しだし……最後には光り輝き、脈動する"モノ"に変わった。―――……綺麗だ……なんだこれは…… その物体に手を伸ばす―――暖かい…………『カッ!!!!』な……なんだっ!? 光が爆発しその部屋を包み込んだ。―――……………… 横浜市"東海林"のアパート 東海林の部屋には誰もいなくなった……いや、あたかも"初めから誰も存在しない"様になった。家具や布団といった"物"、誰かが生活していたという名残、それらが全て消え去ったのだ。それではなく…………人々の記憶から"東海林 将司"と言う人物は存在しなくなった。 東海林 将司が消え去った"世界"……一人の青年の命の火が消えた。 街頭テレビから流れてくる音声……。『被害者は横浜市○○に住む"山口敬一郎"さんで……死因はダンプカーに跳ねられ頭を損傷……即死だったそうです』 続く(´・ω・`)かんとりーろーどです!少し改訂しましたー描写も増やしてみました……どうでしょう?将司が迷い込んだ"白い部屋"この部屋は世界を渡るための"ロビー"と考えてください。迷い込んだ理由としては誰かしらの思惑が絡んでますが……。以前のVerだと"どうして将司が【オルタ】世界に来たのか"が表現できてませんでしたので、こういう風にしました。