SIDE:サイト・ヒラガ
「あんた誰?」
どうやらフラグを立ててしまったようです。
目の前にはピンク髪のツンデレロリがいました。
なんてこった(;^ω^)
死んだはずの俺。
死後の世界? で妄想という名の中二病を発病していたせいでどうやら見事にフラグを立ててしまったらしい。
しっかし、ルイズだな。うん、貧乳はステータスだよ。
現生でみるルイズはめちゃかわいい。
いや、髪の色とかピンクですけど、なんていうかコスプレ用のカツラとは違ってまさに天然ヘヤー。
周りを見渡すと原作通りに生徒たちが騒いでいた。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
「間違いって、ルイズはいっつもそうじゃん」
「さすがはゼロのルイズだ!」
なんという放置プレイ。
このままではダメだ。
人と人の出会いは第一印象が大事!
「あの~、これってどう言う事ですかね?」
とりあえず、何も知らない振りして近くにいたコルベール先生に問いかけた。
うん、ハゲ答えろ。
キュルケはやらんぞ。
「え?えぇ、そうですな。オホン。ここは、トリステイン魔法学院。私たちは、といっても生徒たちのことだが、二年に進級するための、春の使い魔召喚の儀式を行っている。君はその『使い魔』の召喚で呼ばれたというわけだ」
やっぱりそうか、そうなんだな。
ここは本当にゼロの使い魔の世界なんだ。
ん?
そういや、俺ってどういう格好してんだ?
この世界に来て初めて自分の体のことを思い出した。
「って、サイトの格好のまんまじゃん」
彼のトレードマーク?のパーカー着てるし。
なんつうかアニメのコスプレしてるみたい。
二次創作物も憑依?
まー、ありがちだよねー。
なんの因果か俺はサイトになっちまったのか?
まあいいっか。
まずは所持品の確認だ。
さて、この服には何があるのかと思いポケットやらを探る。
ん? なんだよハゲール先生じゃなかった、コルベール先生。
コルベール先生は鋭い目付きで俺の動作を見ていた。
ああ、そういえばコルベール先生は元軍人か。
「すいませんね。ちょっと所持品の確認してただけですよ?」
「「!」」
遠巻きにタバサも何故か俺を見て驚いていた様子。
といってもタバサは無表情がないのでよく解らんが、俺を凝視しているのでそうしておこう。
「はは、なんのことですかな?」
質問を質問で返すな!
と言いたかったが今のコルベール先生は擬態としてマヌケを装っているので適当に相槌をうった。
「ミスタ・コルベール!」
「なんだね。ミス・ヴァリエール」
「あの! もう一回召喚させてください!」
「そんな、ヒドイわ。勝手に呼び出しておいて」
ギロリとルイズに睨まれた。
はは、そんな目をしても結果を知っている俺には通じんのだ。
「それはダメだ。ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!」
「決まりだよ。二年生に進級する際、君たちは『使い魔』を召喚する。今、やっているとおりだ」
「そうだ。決まりなのだよ。プリティガール」
ついつい会話に入っちゃうんだよね。
「それに、一度呼び出した『使い魔』は変更することはできない。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。奸むと好まざるにかかわらず、彼を使い魔にするしかない」
ナイスだぜ。
俺は期待を裏切らないセリフに満足した。
さあ、チューだ。
覚悟はいいか? 俺は既に出来ている
ルイズはううぅ~とか唸っている。なんだそんなに嫌なのかよ。
「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。例外は認められない。彼は……」
SIDE:コルベール
「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール。例外は認められない。彼は……」
ただの平民ではない。
そう言いそうになる。
いきなり召喚されたのにあの大人数の中で私を責任者として見抜いた洞察力。
所持品の確認といって誤魔化したが、あれは……、おそらく実力者を見ぬくための行動。
結局、武器は出さなかった。ここで暴れるのは得策ではないと考えたのか?
逆にこの程度の奴らならいつでも殺せると思ったのかは定かではない。
いずれにしろ、メイジに囲まれた状態で武器を出そうとする平民だ。
かなりの実力を持つメイジ殺しだ。
「ただの平民かもしれないが、呼び出された以上、君の『使い魔』にならなければならない。古今東西、人を使い魔にした例はないが、春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。彼には君の使い魔になってもらわなくてはな」
そういって彼に視線を向ける。
SIDE:サイト
やべ、そういや俺の名前どうしよ?
サイトってたしか16だったよな。
俺が死んだのは24か。
でも、体の感覚からしてなんか高校時代の絶好調~みたいな感じなんだよな。
なんつーか、何年も鍛えに鍛えた体みたいな感覚?
二次創作物の憑依による効果か?
なんてご都合主義。
もしかしたら、チート能力もちかもと、密かに期待。
ともかく、早いうちに力の具合を見とくか。
それよりも早くキスしたい。
キス、させろ~。
名前? もちろん平賀才人って言っちゃった(^ω^)
だって考えまとまらないうちに話し振ってくんだもん。
「――そういうわけなんだが、ヒラガサイトゥくん。悪いが契約してくれないかね?」
「いいっスよ」
SIDE:ルイズ
「いいっスよ」
なんなのこいつ?
ミスタ・コルベールもなんでこんな奴に畏まってるの?
そもそも、平民の癖に貴族に気を使わせるってどうゆうことよ?!
もう一度だけミスタ・コルベールにやり直しを要求しよう。
「君は召喚にどれだけ時間をかけたと思ってるんだね? 何回も何回も失敗して、やっと呼び出せたんだ。いいから早く契約したまえ」
それを言われたら何も言い返せない。
そもそも、やり直してもまた同じくらい時間をかけてしまうかもしれない。
いや、一番問題なのはうまく召喚できるかどうかだ。
留年……はまずい。というか両親にしれたら間違いなく私は家に監禁されてしまうわ。
「ねえ」
「んぇ?」
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」
私は杖を振る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・プラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
「イヤ、近寄らないでぇ」
「いいからじっとしてなさい!」
ルイズの唇が、才人の唇に重ねられる。
SIDE:サイト・ヒラガ
ルイズの唇が、俺の唇に重ねられる。
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
「ん……」
「んぅ……んんん!」
舌を入れてしまいました☆
ルイズが可愛かったからしかたなかったんだお。
「こ、このエロ犬~~~~!」
「くぎゅううう」
あ、やべ俺死んだ。
俺が見たのは眩しい光だった。
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2011/05/21
加筆&修正