「あなたは、何をしてるんですか?」
風呂に入ろうと準備をしに来たら先客が既に、風呂に入っていた。
赤毛の上にタオルを乗せて、二つの物体をお湯に浮かしていた。
「あら、サイト。お先に入ってるわよ」
「別に入るのいいけど、なぜ?」
「この前この辺りを歩いてたら気持ちよさそうにコレに入ってるサイトを見て気になってたのよ」
シエスタといい、学院にいる奴は覗きが好きなんですね。
「貴族用の風呂があるだろ。ついでに言えば俺が今から入る予定だったんだぞ」
「あら、なら一緒に入れば問題ないわね」
それが当然と言わんばかりに言ってくる。
よし、見てろ。俺を誰だと思ってやがる!
服を脱ぐ。
さすがに恥ずかしい部分はタオルで隠した。
「いらっしゃい。外でのお風呂もなかなかいいものねぇ」
風呂の所為で顔が赤いキュルケ。髪を纏めているので、いつもと印象が違う。
あと、物体Xを少しは隠せ。もろ見えだ。
「キュルケ、俺は男だ」
「そうねぇ」
「少しは恥らいとかないのか?」
キュルケは平然としている。
そこまで、堂々としてるとこっちが恥ずかしいわ。
「ここまで見せたのはサイトが初めてよ?」
「へ?」
一ダースいるはずのボーイフレンドはどうした?
「失礼なこと考えてない? こう見えても身体を許したことないわよ」
処女宣言である。
「意外だ。いや、うん。勘違いしてた。キュルケにとっては本当にお遊びってことか」
「そうゆうこと。青臭い子供相手に本気になるわけないじゃない」
キュルケも子供なんだけどねぇ。だが、俺はそれを言わなかった。
「だから、本気なのはサイトだけよ。ここまで見せたんだから責任とってね?」
「しらん。勝手に入ってこいって言ったのはそっちだ」
身勝手なのはいつもと変わらないキュルケ。
だが、真剣な表情だった。
「でもね。サイトには抱かれてもいいかもって思ってるわ。見た目は私と同じ位なのにしっかり知てるし、頭もいい。ゲルマニアにきて貴族になれば家族も納得するわ。そうしなさいな」
以前にも言われたことだ。
キュルケのマジな表情に少しドキッとした。
「お誘いはありがたいが、まだやることも多い」
火の魔法を使った事業も考え中だし。
「残念。私は諦めないからね」
キュルケ。
「火」の系統の魔法を得意とする優秀なトライアングルメイジだ。
「そうだ!」
バシャっと音を立てて立ち上がる。
思いついた。風呂、火の系統。
風呂屋作ればいい。
火の系統はボイラーの代わりにすれば銭湯ができる。
しかも、水、風、土も銭湯を作るには最適。
水には水の管理。
風には風呂場の建設及び、熱伝達の手伝い。
土は銭湯建設。
「きゃああ。サイト。前、見えてるから!」
「あ」
隠していたタオルはお湯の中。
キュルケの顔の目の前には俺のアレが。
「すまん。でも、キュルケのおかげで新しい仕事が思いついた」
「もう! 何考えてるのよ! あんなもの見せて!」
顔を赤らめて怒るキュルケは可愛かった。
恥じらう乙女。
キュルケの珍しい一面を見れた。
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短いですが、外伝でした。
即興で作りました。ツン素直クール?なキュルケ。
キュルケは母性的な女性だと思ってます。
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