※15禁だと思ってます。
SIDE:フーケ
年齢23歳にして、男性経験なし。
いや、キスやデートくらいはあるが、その先はなかった。
マチルダ・オブ・サウスゴータと名乗っていた頃は女性としてまだ未発達だったし、
その後の盗賊生活に入ってからは己を鍛えるので時間を費やしていた。
恋愛をする暇もなく、盗みを続ける日々。
貴族に対する復讐のため。
そして、ティファニアのためにも……。
そんな私にも転機が訪れた。
学院に忍び込み破壊の杖は盗めなかった。
たかが平民にしてやられたのだ。
私の歩んできた人生、これから先歩んでいく人生でも二度とないと思える最も衝撃的な出来事だった。
私は盗みが本業だった。
そう、私はもう盗みをしていない。
なぜなら、私より盗みのうまい奴がいるからだ。
それに、世間的には私は死んでいるから盗賊業を再開すると色々とまずい。
それよりもサイトの手伝いが儲けがいいから再開することなど二度とない。
それよりも、重大なことがある。
私の心を盗んだ奴。私よりも盗みのうまい奴。
まあ、サイトの事だ。
気づいたときには恋に落ちていた。
まさか、年下の坊やに惚れるとは、私もどうにかしている。
いや、実際見た目よりも中身だ。
サイトはしっかりしている。
というより、全てが規格外。
考えることも、腕っ節も。
この学院の生徒たちのような精神的な幼さはない……とおもう。
貴族の老獪な爺ども相手にもスクエアクラスのメイジにも負けない才覚と実力がある。
その行動を恐らく一番近くで見てきた私だからわかる。
サイトはこの先大物になる。
女生徒、いや、女はそれを感じ取っている。
だからサイトはモテる。
私のところにもサイトに手紙を渡してくれという女生徒と取引先の貴族婦人、おおっぴらに出来ないが名門貴族の方からもお声が掛かることがある。
『ぜひあの平民の賢者様を婿に、いや、この際嫁にやってもいい』
と言われた時は決まって
『そう申されましても、サイトさんはヴァリエール家のモノですので』
これを言えばトリステイン貴族達は沈黙するしかない。
最もサイト自身はこの事をしらない。
うん、私って優秀な秘書ね。
良からぬ悪い虫は早めに駆除しておくに限る。
「はあ、いったい本命は誰なんだろうね。今のうちに奪っちまおうか?」
口にだして思い出す盗賊の本能。
サイトはある意味お宝だ。
なら奪って自分のモノにすればいい。
「はは、すっかり骨抜きになってたよ」
私は決意を固める。
淑女とは程遠い考えを思いつき私は笑った。
フーケこと、マチルダ・オブ・サウスゴータは今宵サイトを頂くことにした。
サイトが無防備な時を襲う。
サイトの一日の行動は把握済みだ。
ああ見えてサイトは強い。特に武器を持たすと敵わない。
そのサイトが唯一武器を手放す時がある。
それが……。
「坊や」
「ん?なんだ。ロングビルさんじゃないか、学院内ではロングビルさんと呼んでますがなにか?」
「誰に話してるんだい?」
「いや、何でもないっす……」
広場の隅にあるサイト専用の風呂場。
そう、サイトが最も無防備になるのが入浴時だ。
「相棒、なんだか様子が変だぞ」
「おだまり」
私は杖を抜いてインテリジェンスソードを土に埋めた。
「どうした?俺裸。無抵抗な人間に何する気だ~?」
杖を振りサイトを拘束。
ディテクトマジック…サイトが偽物でないことを確認。周囲に魔法感知なし。
サイレント…対象物の沈黙完了。
レビテーション…対象物を移動。
全てが一瞬の出来事。
過去どんな盗みよりも上手くいった。
自室に入り、扉にロック。
入念にディテクトマジックとサイレントをかける。
泣いても叫んでもこれで周りにはわからない。
「なんだ~?乱心か?!」
「正常だよ。ま、本来の職業に少しばかり戻ったけどね」
「俺、裸なんですけど?」
「構いやしないよ。手間が省けた」
サイトをベッドの上に拘束している。
魔法をかけた特製のロープ。
生身の人間ではまず引きちぎれないシロモノだ。
「目的はなんだ~?ご、拷問には屈しないぞ?」
「拷問?もっと良い事だよ」
するりと私は服を脱ぐ。
ドクンドクンと、心臓の音が聞こえる。
く、これほど、裸を異性に見せるのが恥ずかしいとは。
だけど、この先やることに比べれば!
「ちょ、何で脱いでんの?」
「なんでってサイトを襲う(逆レイプする)ためだよ」
私はパンツ一枚になりサイトの上に覆いかぶさる。
有無を言わせず唇を奪い舌を入れた。
「チュ、クチュクチュ、チュパ」
今までにない感覚。
自分がものすごく興奮しているのがわかる。
「ぷっはぁ」
「ハアハア、いきなりなにすんの?」
サイトが頬を赤らめて聞いてきた。
やばい。可愛い。
年下って思っていた以上に良い!
「何言っても説得力ないよ。こんなにしてさ」
私の下腹部に当たっている固いもの。
男を象徴するものが大きくなっていた。
嬉しい。
もっとしたい。
私は女としての喜びを感じていた。
「ぐぬぬ」
「だから無駄だって。そのロープ特製さ」
「くそっ。ハメられた。いや、ハメられるのか?」
「なにいってんだい?ま、関係ないね」
すっとサイトの大きくなったものを握る。
「いや、やめて~。犯さないで~」
「生娘じゃないんだ。大人しくヤラれな!」
私は湿ったパンツを脱いだ。
その時、窓ガラスが割れて何者かが侵入してきた。
「……」
「おや、ミス・タバサ。人の情事を覗きなんて悪趣味だねぇ」
「た、助けて。犯される~」
青い髪。
無表情が、その瞳は私を射抜くように見ていた。
やれやれ。
「はっ。アンタも同じ口かい?」
サイトに惚れているモノ同士分かり合える直感的な敵意。
「興が醒めたよ。このまま続けようにも私が殺されかねないね」
タバサは無表情のままサイトの拘束を魔法で解いた。
「……。無防備」
「いや、まさか身内に襲われるとは……」
「さっさといきな。サイトも"これから"気をつけるんだね」
サイトはタバサの使い魔に乗って私の部屋を去っていった。
さっきまでの事を思い返す。
ボッと顔が赤くなり私はベッドの上で悶絶した。
「~~~っなんて事を」
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。
でも、気持よかった。
私は人生初、自慰をしてしまった。
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ギリギリだ。
18禁じゃない。きっとギリセーフなはず。
久しぶりのフーケ登場はお色気担当でした。
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