それは彷徨っていた。
意味もなく。
体もなく。
ただ意思を持っているだけだった。
特別なにかを考えているわけではない。
ただそこに在り、彷徨っているのだ。
それにとってはこれから起こることは幸運かもしれない。
もしくはとても残念な不運となるかもしれない。
それでも、それにとってはどちらでもいいのだ。
それに意思があろうとなにもできない。
ただ感じる事しかできない。
この現状を変えてくれるならなんでも良かった。
「ん?なにこれ?」
その一言でそれの現状が変わる。
あれは一体なんだろう?
僕が創った丸い者でもない。
もしかしたらプランナーが新しく創ったものかもしれない。
でも、僕はなぜかそれに魅入っていた。
「ねえ、それってローベン・パーンが創ったの?」
隣りから声がする。
その方向を向くとプランナーがいた。
「いや、僕が創ったわけじゃないよ。最初からここにいたんだよ。
でも見た目が丸い者に似てるけどね。」
そうこれは丸い、ただ自分で創ったにしては覚えがない。
「ふーん。」
プランナーはそれから少し考えるような仕草をして僕に言った。
「ねえ、これに丸い者の特性とか、ドラゴンとかいろいろ混ぜたら
面白いものができるんじゃない?」
その言葉に僕は感銘を受けた。
なんせ混ぜるなんて発想がなかったからだ。
これはもしかしたら第3のメインプレイヤーになるかもしれない。
そんな気がしてならなかった。
「まあ、仮に混ざったらの話だけどね。
今は地上にいる生物だって少ないしやってみるよ。ルドもそのほうがいいだろうし。」
僕はそれを手にとって丸い者の特性である「自己進化能力」を手に在るものに注いでいく
「なんか吸収するように入っていくね。
なんかおもしろいよ。」
それは形状をじょじょに変えながら形を作ろうとする。
ドラゴンについても入れておこう。
新しいメイインプレイヤー候補が完成しようとしたとき、
「まって、どうせなら魔人についても入れてほしいものがあるんだ。」
プランナーはそう言って僕からそれを奪うようにして手に取り、
なにかを注いでいく。
「試作品の魔王もしんで、ククルククルもいるんだけど、
いろいろ試してみたいことがあるんだよ。」
「試す?」
「そう、試すんだよ。
地上でこれを魔人にするために、力と匂いをつける。
魔王が気に入りさえすれば血を与え魔人になる。
これ、他にはいないみたいだから魔人にしたいんだ。
ククルククルも魔人を作らないしね。」
そして、それは完成した。
まだ体はできてないが完成するまで時間はかからないだろう。
「そうだ、名前をつけよう。
プランナー、何かある?」
名前のアイディアをプランナーに求める。
時のセクロス?だっけ?
プランナーはいいネーミングセンスを持ってる。
「時のセラクロラスだよ!間違えないないで!
とまあ、それはいいとしてこれの名前はね、トロスでどうかな?
試作品と同じ名前だけど、これはもっと強くなる。あの試作品よりも強く。」
「ならそれで決まりだ。
君は第3のメインプレイヤーだ、トロス。
たった一つしかいないのが君だ。
がんばってルドラサウムが望む世界を創ってくれ。」
そして地上へと落ちていく。
これはまさに不運だろう。
だがどうでもいい。
体を得た、それには感謝するだろう。
あとは生きるだけ。
これは神の遊びのために生きる魔人の物語。
Ifなんてない、残酷な世界の物語である。
あとがき
それっていうのは、まあ超神から見たら、丸い者の突然変異みたいな感じに扱ってます。もしくは亜種とか。
口調に関しては適当です。
僕が第一人称なんてかわいいじゃないですか。
もう作者の趣味ですね。すみません。
まだ最初なんで、これから口調が変わるってこともあるかもしれません。
そこはごめんなさい。
最後に読んでいただきありがとうございます。
ちなみに「匂い」に関してですが、
匂いっていうのはプランナーが面白半分で創ったものです。
魔王、魔人に嫌われないフェロモンみたいなもんです。
というよりこの匂いの効果は不明。
結果を知りたかったのでプランナーが入れました。
相手に関しては好かれることもあります。
まあ、匂いだけで恋愛感情まではいきません。
説明多いですが、入れるっていうのは遺伝子に組み込む感じです。
まあ、超神だから出来るっていう設定です。