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No.19647の一覧
[0] 【ネタ】ヤムチャ in H×H(完結 ドラゴンボール DB ハンター クロスオーバー)[アズマ](2011/12/29 23:24)
[1] ささやき えいしょう いのり ねんじろ![アズマ](2010/06/29 15:21)
[2] ヤムチャさん参戦! 必殺の繰気弾![アズマ](2010/07/09 00:12)
[3] 遠い星から来た彼氏[アズマ](2010/07/19 16:48)
[4] へんじがない。ただのやむちゃのようだ・・・[アズマ](2010/07/29 00:36)
[5] ヤムチャさんが最強の地球人にパワーアップするようです[アズマ](2010/08/09 00:19)
[6] HISOKA×強過ぎ×ワラタ[アズマ](2010/08/29 00:11)
[7] ヤムチャ奮闘! 恐るべしHISOKA![アズマ](2010/09/09 23:59)
[8] 「再開×あらすじ×嘘予告」[アズマ](2011/07/09 23:37)
[9] ニコル×クラピカ×ギタラクル[アズマ](2011/07/29 23:45)
[10] キルア×ハンゾー×ヤムチャ復活?[アズマ](2011/08/19 00:15)
[11] 仙豆を食べたヤムチャさんは、無敵だ![アズマ](2011/08/19 00:25)
[12] スーパーヒーロータイム[アズマ](2011/08/30 08:45)
[13] 賭博黙示録 クラピカ[アズマ](2011/09/09 23:55)
[14] ハンター試験終了!![アズマ](2011/09/29 23:46)
[15] 天空闘技場のヤムチャ[アズマ](2011/10/19 23:20)
[16] 天空闘技場のウルフハリケーン[アズマ](2011/10/29 23:19)
[17] 天空闘技場の狼虎激突[アズマ](2011/11/19 00:06)
[18] 空と海と大地と捕らわれたヤムチャ[アズマ](2011/11/29 23:33)
[19] 最終話 帰ってきたヤムチャさん 前編[アズマ](2011/12/29 23:15)
[20] 最終話 帰ってきたヤムチャさん 後編[アズマ](2011/12/29 23:46)
[21] 劇場版記念 外伝「カストロさんまじカストロ!!」[アズマ](2013/12/19 00:14)
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[19647] HISOKA×強過ぎ×ワラタ
Name: アズマ◆f6e2fcf0 ID:71fd6e89 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/29 00:11

4次試験に参加する25名の受験生をのせた船が、ゼビル島に接岸した。

試験会場となるゼビル島は、島全体が樹木に覆われた自然あふれる無人島だ。


「それでは第3次試験の通過時間の早い人から順に下船していただきます!

 一人が上陸してから2分後に次の人がスタートする方式をとります!!

 滞在期限はちょうど1週間!

 その間に6点分のプレートを集めてまたこの場所に戻ってきてください!

 それでは1番の方スタート!!」


案内役の女の子から指名されたヤムチャさんが、

うっそうと生い茂る森の中へと歩いていく。


(2分置きにスタートってことは、

 最後の一人が出発するのは50分後か。

 あの色黒な男は何番目なんだ?)


「なるほど。先に行ける方が有利だな」

「ああ。自分は先に身を隠し、狙った獲物の動向をチェックできるからな」

ヤムチャさんを見送るクラピカとレオリオ。


そして2分後、ヤムチャさんを狙うヒソカがスタートダッシュをかけた。



・・・


森に入ったヤムチャさんはあたりを軽く見まわすと、

タン!

軽くジャンプして木の上に身をひそめた。

(このままスタート地点の近くで待ち伏せして

 ターゲットの順番がまわってきたらすぐにプレートを奪ってしまおう。)


しかし、

ザザッ!

「やあ。」

追ってきたヒソカにあっさり見つかった。

「…ヒソカか」

「キミのプレートを奪りにきたんだ。

 たしか42番はキミだったよね。」


ヒソカはクジで引いたカードを取り出して見せた。

カードに描かれている数字は42番。ヤムチャさんの番号だ。


(この殺気……戦る気まんまんって感じだな。

 武道家として、強いやつと戦いたくなる気持ちは分からなくもないが…

 ここだと人が来る。場所を変えるか)


ヤムチャさんは木から飛び降りると、森の中を駆け出した。

「逃がさないよ。」

島の奥へと移動するヤムチャさんを、ヒソカが追いかけた。




・・・・・・


スタート地点から遠く離れた草原で

ヤムチャさんとヒソカが向かい合っている。


「ここなら誰かを巻き込むこともないだろう。

 オレのナンバープレートが狙いなら相手になるぜ。」


ヤムチャさんは軽く拳を上げてかまえた。


「降参するか戦闘不能になったほうの負け。

 負けた方は勝った方に自分のナンバープレートを渡す。どうだ?」


「OK.この間の戦いの続きといこう。

 今度は手加減なしで最強の戦士とやらの本当の実力を見せてもらいたいな。

 今回は時間もたっぷりあることだしね。」


ヒソカはニタリと哂う。


「へえ、手加減してたの気づいてたのか。」

「キミがこの場に立っていることがそれを証明しているよ。

 自分の必殺技で自爆したのにピンピンしてるなんて不自然だろ?」


「なるほどな。

 一つだけ訂正しておくが、オレは最強の戦士なんかじゃないぜ。

 悟空、ベジータ、ピッコロ、世の中上には上がいる。」


戦いを前にヤムチャさんの気が高まっていく。

ヒソカも愛用のトランプを構えて臨戦態勢だ。

ばさばさばさ!

とたとたとた!

戦いの気配を察知した野生の動物たちが付近の森から逃げだしていく。


「オレが獲物(ターゲット)とは運がなかったな。

 ヒソカ、悪いがお前にはここで退場してもらうぞ。」


ジャッ!

「!」

ガガンッ!

高速で接近したヤムチャさんのワンツーパンチを

ヒソカはかろうじて防いだ。

シュッ! シュビッ!

ヒソカの反撃のトランプが空を切る。

ヤムチャさんは体勢を低くしながら前へと踏み出し、

「はっ!」

ドゴォン!!

強烈なアッパーカットで両腕のガードごとヒソカをぶっとばした。

タンッ、

ヒソカは地面に片手をついて半回転。体勢を立て直す。


(速いな。動きが以前とはまるで別人だ。)


「やはりな。

 お前は攻撃が当たるとき、瞬間的にその場所に気を集中させているんだ。

 だから見た目以上に打たれ強いし攻撃も重い。」


「正解。

 念の応用技の一つで『流』と呼ばれる技術だ。

 キミはまだ知らなかったようだけどね。」


ズ…


「目を凝らしてよく見てごらん。」

ヒソカは左手の人差し指と中指を立ててみせた。

「なに?」

ヤムチャさんは言われたとおりに目を凝らす。と、

(なんだこれは!?)

ヒソカの指先から伸びたオーラが、自分の左腕に張り付いているのが見えた。


「よくできました。」


ギュン!

「!?」

ヒソカのオーラに左腕を強く引っ張られて、ヤムチャさんはバランスを失う。

バキィ!

ヒソカの右ストレートがヤムチャさんの顔面を捉えた。

「ぐがっ」

そのままヤムチャさんは地面にたたきつけられるも、すぐさま飛び起きる。


「これ、伸縮自在の愛(バンジーガム)っていうんだ。

 よく伸びよく縮む。つけるもはがすもボクの意志。」


(バンジーガム! 気にゴムとガムの性質を持たせる技なのか!?)


「そろそろ本気でいかせてもらおうかな。

 あっさり死なないで愉しませてくれよ。」


「こんなものっ」

グニグニ、グニョーン。

ヤムチャさんはつけられたオーラをはがそうと手で引っ張ってみるが、

オーラは力を加えられた分だけゴムのように伸びるばかりだ。

…引っ張った右手にもオーラがはりついてしまい、

むしろ状況は悪化した。


「………」

「それで、どうするつもりなのかな?」


グッ!

「おっと!」

再び身体を引っ張ろうとするヒソカのオーラに対抗して、

ヤムチャさんはその場に踏みとどまった。

にやり。

「へっ、引っ張られるからなんだと言うんだ。

 力比べなら負けやしないぜ! 逆に振り回してやる!」


ヤムチャさんは得意げな表情でヒソカのオーラを引っ張る。が、

ウニョーーーーン。

引っ張ってもオーラが伸びるだけだった。ヤムチャさんはバランスを崩してたたらを踏む。


「………」

「あんまり隙を見せられると殺っちゃいたくてウズウズするんだよね。

 そろそろ本気で戦ってくれないかな?」


「…いいだろう。お遊びはここまでだ。

 念とやらについて教えてもらったことには感謝するぜ。」


ゴオッ!!

ヤムチャさんの身体から大量の気がほとばしる。

その圧力を受けて、ヒソカがヤムチャさんに張り付けたオーラが千切れとんだ。


(これは…)

「お前じゃオレには勝てない。終わりだ。ヒソカ。」

ギュアッ!

正面から超高速で接近したヤムチャさんの拳がヒソカを、


『奇術師の真実(レベルリミッターリリース)!』


バシィ!!

「なっ!?」

「――おどろいた。つい本気を出しちゃったじゃないか。」


ヤムチャさんの拳はヒソカの手で受け止められていた。


(ヒソカの潜在パワーが一気に膨れ上がった!?

 どういうことだ!? まだ実力を隠していたのか!?)


「よく熟れた果実はどうしてこうも美味しそうなんだろうねェ。

 これほどの力を持っているとは嬉しい誤算だよ。

 いいね。久しぶりに本気で戦えそうだ。」


ヒソカの顔は大切な宝物を見つけた少年のように紅潮していた。

空間に濃密な殺意が充満する。

ゾクッ!

(うおっ! こいつは……ヤバイ!!)

ヒソカの放つ邪悪な気配。それはかつて見たサイヤ人やフリーザたちと同質のものだ。

バッ、

ボウッ!

ヒソカから距離をとったヤムチャさんの右手に繰気弾が浮かぶ。

「その技はもう見切っているよ。」

ボウッ!

さらにヤムチャさんの左手にも繰気弾が浮かんだ

「!」

「繰気連弾(そうきれんだん)!!」

ギューン! ギューン!

ダン!

上空に跳躍することで

ヒソカは辛うじて繰気連弾の初撃を回避した。

(遠隔操作型の念弾を二つ同時に扱えるのか。)

左右で異なる動きをするダブルの繰気弾。

今回はヤムチャさんが手加減していないため、

以前に比べてパワーもスピードも格段に上がっている。

(悪いが手足を潰させてもらう。しっかりガードしろよ)

ギューン! ギューン!

一方の繰気弾を回避しようとすればもう一方の繰気弾が直撃する。

この絶妙の時間差攻撃が繰気連弾の真骨頂だ。


「なるほど。意のままに動く念弾を二つ同時に回避するのは難しそうだ。でも、」



ヒソカは自分に向かって飛んでくる繰気弾に手を伸ばすと、

バチュッ! バチュウッ!

飛んできた繰気弾を伸縮自在の愛(バンジーガム)で包み込んだ。


「避けるのが難しいんなら受け止めればいいだけだよね。」


(オレの繰気弾を自分の気で覆った!?)


「これも知らなかったようだから教えておいてあげよう。

 遠隔操作型の念弾は本体との連絡を絶つことで無力化できるんだ。」


ヒソカの両の掌にヤムチャさんの繰気弾が収まった。

繰気弾の表面は伸縮自在の愛(バンジーガム)でコーティングされていて、

ヤムチャさんの指示をまるで受け付けない。


(まいったな。

 本当ならパワーもスピードもこっちが上のはずなのに

 あのバンジーガムと『流』のせいでその差が埋められちまってる。)


「どうやってボクを出し抜こうか考えているのかな?

 かかっておいでよ。少し遊んであげよう。」

にやにやと悪戯っぽい笑みを浮かべながら

ヒソカはヤムチャさんを挑発している。


「やなこった。足元のそれをひっこめてくれるなら考えてやらんでもないけどな」


「あれ? 見えてるんだ。

 大量のオーラで全身を満遍なく覆っているから

 『凝』を使わなくても『陰』が見破れるようになっているわけか。

 『流』が使えていないことといい、キミはつくづく規格外なんだね。」


ヒソカを中心に半径5メートルほどの範囲の地面に

薄く伸ばした伸縮自在の愛(バンジーガム)が広がっている。

それはさながら獲物が掛かるのを待つ蜘蛛の巣、あるいはゴキブリホイホイだ。


(『凝』に『陰』に『流』か。

 言っていることの意味がさっぱりわからん)


「キミが無様に転げまわる姿が見たかったんだけどな。残念。」


ダァン!!

ヒソカはジャンプ一番、

大きく振りかぶって第一球を…投げた!

「!」

ドゴオオオオン!!

ヒソカが地上へ向けて放った繰気弾が大爆発を起こした!!



・・・


ドゴオオオオン!!


轟音が響きわたり

大気が弾け、地面がグラグラと揺れる。

あまりに危険過ぎてハンター協会の試験官でさえ近づかない

いま世界で最も危険な戦場の片隅に2人の受験生が潜んでいた。


(オイオイオイオイ! なんだよ今の爆発は!?

 なんなんだよあいつらの化け物っぷりは!?

 戦ってるときの動きが全然見えねーぞ!

 木はなぎ倒すわ地面は陥没させちまうわ!! 超能力バトルか!?

 オレみたいなパンピーが役に立ちそうな空気なんて欠片もねーじゃねーか!!)


ヒソカのスタートダッシュを見て

ヒソカのターゲットがヤムチャさんであることに気付いたレオリオは、

自分の命の恩人であるヤムチャさんの力になるべく、

こうしてほふく前進で様子を見に来ていたのである。


(空気がすごくピリピリしてる。

 ヒソカもヤムチャさんもすごい。

 オレに敵意が向けられているわけじゃないのに、

 見ているだけでこの場から逃げ出したくなる。)


ゴンもレオリオに同行しているが、

こちらはターゲットであるヒソカのプレートが目的だ。


(なんだろうこの感覚。

 すごく怖い。でも、

 なんだかオレ、ワクワクしてる。)


戦場から逃げだしてくる動物たちの動きを逆にたどれば、

ヒソカとヤムチャが戦っているこの場所を見つけ出すことは容易だった。

戦いの巻き添えになることを恐れて誰もが距離をとろうとするなか、

ヤムチャさんの身を案じるレオリオと、ヒソカのプレートを狙うゴンはこの戦いを見守っていた。




・・・


繰気弾の爆発によって発生した衝撃波で

周辺の草木はなぎ倒され、

あたりはクレーターのような荒野へと姿を変えていた。


「……ッ」


舞空術で上空へと逃れていたヤムチャさんが

険しい表情でヒソカをにらむ。


「キミは本当に強い。

 その高みに至るまでにどれほどの経験を積んできたんだろうね。

 幾多の戦いを乗り越え、何十年にも及ぶ鍛練を積み、最後にはここで無残な屍をさらす。

 これまで積み重ねてきた何もかもが無に帰する瞬間。最高だと思わないか?」


繰気弾の爆発が気に入ったのか、

ヒソカは恍惚とした表情で饒舌に語った。


(手加減したままで倒せる相手じゃないな。全力でいく!)


『界王拳(カイオウケン)!』


ヤムチャさんの身体が赤いオーラにつつまれ、その気が数倍にまで増幅される。

もはや人間ではありえないほどのオーラ量。

プロハンター100人分にも匹敵するほどのすさまじいオーラだった。

それを見せつけられたヒソカの顔に浮かぶ感情は、歓喜。


「クククッ、クァハハハハァーーーー!!

 本当に素晴らしい! キミは最高のエモノだよ!!」


ズズズ…!!

ヒソカのオーラがさらに強大さと禍々しさを増した。


(くそっ、なんだってんだ!

 気の大きさは圧倒的にこっちが上なのに、ひどくいやな予感がしやがる!)


ビギュオッ!

ヒソカはもう一つの繰気弾をオーバースローで上空のヤムチャさんに投げつける!

ガシッ、

ヤムチャさんは飛んできた繰気弾を右手でつかむと、

「ふっ!」

パアン!

そのまま力を込めて握りつぶした。

「!」

ギュン!

「新狼牙風風拳!」

瞬時に間合いを詰めたヤムチャさんの

流れるような連続攻撃がヒソカを襲う。

ボギィ!

ヤムチャさんの手刀をガードしたヒソカの左腕が折れた。

ヒソカは左腕にオーラを集中して防御したが、そもそものオーラ量が違いすぎて防ぎきれていない。

ボギョ!

続いてヤムチャさんの蹴りをガードしたヒソカの右腕も折れる。

「…っ」

たまらず距離をとろうとするヒソカだが、

ズドドドドドドッ!!

ヤムチャさんに滅多打ちにされて

タンッ、

「か・め・は・め・波ァーーーー!」

どーん!

ヒソカはボロクズになった。



・・・


「やれやれ」

自らの勝利を確信したヤムチャさんは界王拳を解いた。

かめはめ波の直撃を受けて仰向けに倒れたまま、ヒソカはピクリとも動かない。

ヤムチャさんはヒソカから44番のナンバープレートを回収した。


「悪いな。

 お前が強いもんだからうまく手加減できなかった。

 ハンター協会の人に連絡して回収に来てもらうから、それまでここで大人しくしていてくれ。」


ヒソカを気遣うような言葉を残して戦場を後にするヤムチャさん。


(意識はない。かろうじて生きてはいるようだが、

 完治するまで少なく見積もっても半年以上はかかるだろう。

 …ん、デジャブか? 前にもこんなことがあったような気がするな?)


ヤムチャさんが若干の違和感を覚え、

過去の戦いに思いをはせようとしたその時、




「油断大敵だよ。ヤムチャ。」





不吉な声がヤムチャさんの背後から聞こえてきた。

ガバァ!

死んだふりをしていたヒソカが起き上がり、

下半身から飛ばしたオーラをヤムチャさんの背中にぺたりとはりつける。

ヒソカがつけた伸縮自在の愛(バンジーガム)を通じてさらに大量のオーラを送りつけると、


バチュウゥウウ!


「ぐっ、なんだ!?」

ヒソカのオーラがヤムチャさんの全身を厚く覆った。


『変幻自在の愛(バンジーボール)』



ヒソカの念が具現化され、ヤムチャさんの身体を中に閉じ込めた状態で実体化する!

ヒソカが最初のオーラをつけてからわずかコンマ数秒の間に

ヤムチャさんを中心とした直径2m強の球体、バンジーボールは完成していた。


「両手に凝縮したオーラを一気に放出する、

 キミのかめはめ波はシンプルかつ強力な技だった。

 でも、詰めが甘かったね。」


グンッ!

ヒソカが気合を込めると、バンジーボールが収縮して内部に閉じ込められているヤムチャさんの全身を締めあげた。

「ぎ、がぁ!」

ギュォォオオオオオオッ!!

追いつめられたヤムチャさんは再び界王拳を発動する。

全身から気を放出して、収縮しようとするヒソカのバンジーボールに対抗した。


「すごい力だね。

 どんな怪力の持ち主でも身動きできなくなるはずなんだが

 全身からオーラを放出することで抵抗しているのか。

 すべてのオーラを使い果たすのが先か、それとも呼吸ができずに動けなくなるのが先かな。」


(くそっ、油断した! とにかくここから抜け出さないと!)

ボコッ! ボコッ! バコッ!

中でヤムチャさんが暴れる度に、バンジーボールが飛び跳ねる。


「無理無理。

 ボクの変幻自在の愛(バンジーボール)は内部からの圧力ではまず破れない。」


下半身でバンジーボールの手綱を握っているヒソカは、

破れるものなら破ってみろと言わんばかりの余裕の表情だ。


「これならどうだ!

 か・め・は・め・波ーーーー!!」


ゴオッ!


グニューーー

ヤムチャさんのかめはめ波に押しだされて

バンジーボールの上部が空へ向かって伸びていく。

ーーーーーーンンン……

大きく形を変えて、どこまでも伸びる。

100m、200m、300m、

あたかも一本の塔のようにそびえ立つバンジーボール。

その伸長が、ある高さまで伸びた時点でピタリと止まった。


(ぐっ、破れん!

 というかこれはもしかして…

 ちょ、やばいぞ!!)


ゴムの反動!!

バシュルルルルルル!!


バンジーボールを破りそこなったかめはめ波のエネルギーが、

ヤムチャさんにそのまま跳ね返ってきた。

溜まりに溜まったエネルギーに加え、

密閉空間による折りたたみ効果で倍率さらにドン!


「だああああ!?」


ちゅどーん!!!



すさまじいエネルギーの炸裂に、バンジーボールが赤く輝いた。

ボコボコボコボコ!

激しいバウンドと変形を繰り返し、

ぶしゅーーーー!

表面に入った無数のひび割れから、爆発のエネルギーが拡散していく。

ヒソカは即座にオーラを送り込んでバンジーボールを補強し、ほつれた部分を修復した。


「強化系の力技は通用しない。

 操作系や具現化系だと道具を使うためのスペースが足りない。

 そして変化系と放出系は自分の首を絞める結果に終わる。

 よくできているだろう。」


(さあ、どうするんだいヤムチャ。

 それともこれで終わりなのかな。)


これはヤムチャさん絶体絶命のピンチ!

むしろいまので死んだんじゃね? と思われたそのとき!


ドコッ!

ヒソカの頭部を釣り竿のルアーが直撃する。


ザッ!


「ヤムチャさんを離せ! ヒソカ!!」

「そこまでだ!

 それ以上やるってんならオレたちが相手がなるぜ!!」


釣り竿を握りしめているゴンと、

折りたたみ式の刃物を持ったレオリオ。


敗色濃厚なヤムチャさんを助けるために

2人の戦士が戦場に姿を現した!







*****


ヤムチャの予想を上回る実力を発揮する奇術師ヒソカ!

はたしてヤムチャは変幻自在の愛(スーパーボール)を打ち破り勝つことができるのか?

次回、

「ヤムチャ死す! 恐るべしHISOKA!」

みんなぜったいに見てくれよな!


*****



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