*本編開始以前からのあらすじ*
本場のドラゴンボールをめぐるナメック星での戦い。
超サイヤ人に覚醒した孫悟空は、全宇宙の支配をもくろむ宇宙の帝王フリーザを倒した。
それからおよそ1年半後のこと。
「あれが地球だよ。パパ…」
サイボーグ化して復活を遂げたメカフリーザと、その父コルド大王が地球に襲来する。
「いまだ! 全員でかかれ!!」
「魔貫光殺砲!」「魔閃光!」「気円斬!」「繰気弾!」「気功砲!」
フリーザ親子を迎え撃つベジータと地球のZ戦士たち。
「やったか!?」
「フフフ、宇宙最強である我が一族に挑んでくるとは命知らずなことよ」
「地球人…それにベジータとナメック星人か。また殺されに来るとはね」
威風堂々。舞い上がった土けむりの中から、無傷のコルド大王とメカフリーザが姿をあらわした。
「フリーザ! 貴様の相手はこのオレだ!!」
「くそっ、地球をやらせはせんぞ!」
「ピッコロさん!」
ベジータ、ピッコロ、孫悟飯。
「や、やっぱりダメなのかよ…」
「こんなのどうしようもないじゃないか…!」
「四身の拳・気功砲!」
クリリン、ヤムチャ、天津飯。
名だたる戦士たちが束になってかかってもフリーザ親子には歯が立たない。
だが、彼らがかせいだ時間はけっして無駄にはならなかった。
孫悟空が地球に帰還したのである。
「そこまでだ。フリーザ。」
「ようやく到着かい?
待ちくたびれて地球を壊してしまうところだったよ」
「貴様が孫悟空か。ふん、伝説の超サイヤ人といえども2対1では手も足も出まい」
「そうでもねえさ」
「減らず口を! やるよパパ!
こいつにはたっぷりと思い知らせてやらないと気がすまない!!」
そして開始される超サイヤ人孫悟空とメカフリーザ&コルド大王との闘い。
「おのれ! ちょこまかとうっとおしいやつだ!」
「あいかわらずだなフリーザ。パワーだけじゃオラには勝てねえぞ」
フリーザ親子の超パワーにもどこか余裕をもって対応する孫悟空。
「なんだとッ!?」
「ま、また消えた…!?」
「瞬間移動かめはめ波だーーーー!!!」
遅れて参戦した孫悟空の活躍により、フリーザ親子はこの宇宙から消滅した。
しかし、この戦いがきっかけで孫悟空は心臓病にかかり命を落としてしまう。
・・・
「心配するな。悟飯、お前はお母さんについていてやれ」
「ピッコロさん…」
たとえドラゴンボールを使っても病死したものを生き返らせることはできない。
母のため、立派な学者さんになるために戦士を引退する悟飯。
悟飯を戦わせないために地球の守護者となることを決意するピッコロ。
「カカロットが死んだだと!? ふざけやがって!
あいつはこのオレがぶっ殺してやるはずだったんだ!!」
怒りに震えるサイヤ人の王子ベジータは、超サイヤ人の境地を目指してフリーザ軍の残党狩りに明け暮れる。
そして…
「だぁっ! とうっ! 新狼牙風風拳!! てりゃー!!」
シュババババババッ!!
親友であった悟空の死に責任を感じたヤムチャさんは、
悟空に代わってみんなを守ろうと、きびしい修行を繰り返していた。
「はぁ、はぁ、はぁ、ダメだ。こんなんじゃいつまでたっても悟空には追いつけない!」
いったいどうすれば……
「ん? 悟空……? そうだ! その手があった!」
わりとかしこいヤムチャさんはカプセルコーポレーションへダッシュ。
「宇宙船だ! 悟空は宇宙で修行して強くなったんだった!!」
地球での修業に限界を感じていたヤムチャさんは、ブリーフ博士に頼みこんで人工重力装置と宇宙船を作ってもらう。
ヤムチャさんはトレーニンググッズや食料を買い込み、カリン様から仙豆を分けてもらって旅支度をととのえると、
「それじゃいってくる。留守は頼んだぞプーアル!」
新たな可能性と未知なる武術を求めて、宇宙へと旅立ったのだった。
・・・
「よし、あの星に降りてみるか。
地球よりも重力が強くて酸素が薄い。
修行にはおあつらえ向きの場所じゃないか」
やがて修行に最適な環境と優れた武道家が存在するH×Hの世界へと到着したヤムチャさんは、
「やあ。キミ、ここでなにしてるの? ちょっと身分証を拝見させてもらえるかな」
「えへへ、すみません、どうも家に忘れてきてしまったみたいで」
不審者として官憲に拘束されかけたりしながらも、
「うーむ、言葉が通じるのはいいが文字はうまく読めんな」
ネットカフェや図書館を利用してこの星の文化を学んでいった。
(来週にはハンター試験があるのか。いいタイミングだ。
天空闘技場にも行ってみたいけど、まずは就職して足場を確保しないとな)
プロハンターになってハンター協会に身分を保証してもらえれば国境を気にせず自由に動けるようになる。
公的施設はタダで利用できるようになるし、てきとうにノルマをこなせばお金には困らないだろう。
世界最強の武道家とうたわれているネテロ会長にも伝手ができるかもしれない。
…そしてなにより女の子にモテる!
「まさに一石四鳥ってわけだ。
よし! オレはプロハンターになるぜ!!」
こうしてヤムチャさんはハンター試験に参加することになった。
一次試験の耐久マラソンは脱糞アクシデントで出遅れるも無事合格。
料理が課題の2次試験は地球産の魚を調理することで難なくクリア。
3次試験の難関トリックタワーも舞空術であっさり一番乗りを果たした。
そして自然豊かな無人島、ゼビル島で行われている4次試験、プレート争奪戦の現状はというと――
*****
――ヤムチャとヒソカのプレート争奪戦は相討ちの結果となった。
渾身の力を込めた繰気斬を放ってヒソカは倒したものの、ヤムチャさんは力尽きてしまったのだ。
「ヤムチャさん、ヤムチャさん!」
「くそっ、こんなところで死ぬんじゃねェ! 目をあけてくれよヤムチャ!」
ゴンとレオリオの呼びかけにも返事はない。
ヒソカとの戦いで傷つき倒れたヤムチャ。
彼を助けにあらわれたのは意外な人物だった。
ザッ!
「ドンピシャだ いま助けるぜ ヤムチャさん」
「! 誰だよアンタ!?」
「名はバショウ この場はオレが 預かるぜ」
いつの間にあらわれたのか、そこにはダンディなオッサンが仁王立ちしていた。
『オレ様が 殴ったヤムチャは 蘇生する。
流離いの大俳人(グレイトハイカー)!!』
ドゴォッ!
死者蘇生の念を込めた右ストレート!!
「ぶふぉぅ!?」
なんと、死んでいたはずのヤムチャさんが息を吹き返した。
「ヤムチャ!」「ヤムチャさん!」
「こいつはオレの祖国が誇る文学で俳句という。
オレが読み記した句は実現する。以上、説明終わり。」
バショウはジャケットの内ポケットから紙札を取り出すと、スラスラと筆をはしらせる。
『オレ様が 殴ったヒソカは 蘇生する。
流離いの大俳人(グレイトハイカー)!!』
ドゴォッ!
死者蘇生の念を込めた渾身の右ストレート!!
バショウはヒソカの顔面を全力で殴りつける。
変化は劇的だった。
シュォォォオオオ…!
バショウの拳からヒソカの身体へと大量のオーラが注ぎこまれると、
ヒソカを構成していた各部パーツがオーラを纏い、空へと舞いあがった。
ガキーン! ジャキーン!
切断されていたヒソカの上半身と下半身、そして両腕が空中でドッキング!
ジュバッキーン!!
合体ロボットみたいな効果音とともに、道化師ヒソカは復活した。
「ん、呼び戻されたのか。
ボクは死ぬのって今回が初体験だったんだけど、
あの世ってホントにあるんだねェ。」
「ヒソカも生き返っちゃった!?」
「ぬお! い、いきなり殺しにかかってきたりしねェだろうな!?」
「ボクがそんなことするわけないじゃないか。」
ビビるレオリオに、ヒソカは心外だというポーズで無害をアピールしてみせる。
「キミがボクを蘇らせてくれたのかな?」
「そうだとも だから話を きいてくれ」
ヒソカの蘇生に大量のオーラを消費して、青色吐息になったバショウが頭を下げる。
「OK.いってごらん。キミの願いを聞き届けよう。」
・・・
ヤムチャ、ゴン、レオリオ、ヒソカの4人は一時休戦することに合意。
バショウとの話し合いの場を持つ。最初に口を開いたのはヤムチャさんだった。
「すまんな、助かった。
でもなんでバショウがこの島にいるんだ?」
バショウはヤムチャさんがジャポンに滞在していたころの知り合いだ。
ヤムチャさんがハンター試験を受験するためにジャポンから旅立ってまだほんの数日ほどだが、
いま目の前に現れたバショウは以前とはかなり印象が違う。
「いや、お前は……
お前はオレの知っているバショウじゃないな。」
「ごめいさつ オレは未来の バショウだぜ」
(?)
「疑問に思っている顔だな。
もういちど言っておくが、オレはお前が知っているこの時代のバショウじゃない。
そう、オレは歴史を変える為にタイムマシンでやってきた未来のバショウだったんだよ!!」
「「「な、なんだってーーー!?」」」
未来からやってきたというバショウが語った内容はおそるべきものだった。
そこはヤムチャとヒソカが死んでしまった未来の世界。
人類はキメラアントと呼ばれる危険生物との生存競争に敗れつつあり、絶滅の危機にひんしているというのだ。
キメラアントの王『メルエム』に対抗するためヤムチャとヒソカをスカウトしにきたタイムトラベラー。それがバショウの正体だった。
「本当にヒソカもいくのか?」
ヤムチャ、ヒソカ、バショウの3人は未来の世界にいくためにタイムマシンにのりこんでいた。
さっきまで殺し合っていた相手と行動を共にすることに一抹の不安を覚えるヤムチャさんだったが、
「もちろん。
相手はあのネテロ会長を殺してハンター協会を壊滅させた連中なんだろ?
すごく面白そうじゃないか。未来の世界で成長したゴンたちにも会ってみたいしね。
大丈夫、ボクとヤムチャが組めば絶対無敵さ。」
このヒソカ、ノリノリである。
「よし行くぜ! 未来世界に タイムリーーープゥ!!」
ぽちっとな!
バショウの声だけを残して、
ばみょーん!!
3人が乗ったタイムマシンは時空の彼方へと旅立ったのだった。
***
舞台はキメラアントによって支配された未来の世界!
キメラアントの王『メルエム』を倒すため、ヤムチャたちの快進撃がはじまる!!
「さっきのライオンくんは期待はずれだったけど、
キミはそこそこ楽しませてくれるのかな?」
ゴゴゴゴゴ……!!
「師団長クラスを倒した程度で調子に乗らないでいただきたい。
私はメルエム様に仕える直属護衛軍が一人、シャウアプフ。
ここから先へは通しません」
バシュッ!
「オレの繰気斬が効かない!?」
「私の能力『蝿の王(ベルゼバブ)』は無敵です。
あなたごときに破れるはずもない。それだけのこと…」
「ここはボクに任せてもらおうか。
ヤムチャはあっちのデカイのをヨロシク。」
「くらえ! 特大繰気弾!!」
「ケッ!
馬鹿正直に当たるかよ!
死ねやオラァ!!」
ギュン!
「ガァッ!?」
「知らなかったのか? 繰気弾からは逃げられない……!!」
直属護衛軍とヤムチャたちの戦いの行方は!!
彼らは伝説のハンター『ジン=フリークス』を喰らい完全体となった『メルエム』に勝てるのか!?
「悟れ。余に貴様らの攻撃が届くことはない。」
「ヒソカ!」
「ヤムチェ…キミは優し過ぎるんだよ。
相手を殺すことを忌避するあまりに全力を出し切れていないんだ…」
「20倍界王拳ッ!」
「逝け! ヤムチャ!!」
(四方を埋め尽くす夥しい数の念文字…!
これが余のチカラを封じているのか!?)
『こいつで終わりだ!! 超狼牙風風拳ーー!!』
*****
(´・ω・`) バショウのくだりから先はマルっと嘘ネタです。ツッコミどころ満載でお届けしました。