初めは最近流行っている転生ものかと思っていた。
二回目は、ループもするのかと驚いた。
三回目になったら、誰か代わってくれないかと本当に思った。
うちはに転生したけど、死亡フラグが折れません
プロローグ
強くてニューゲーム、だからといってクリアできたわけではない
通算何回目になるかもわからない転生を、俺うちはライは経験している。
はじめ転生したという事実を知った時は、これは人生勝ち組なのか負け組なのかと真剣に考えたことを思い出す。
だが悲しいかな、俺はこの世界についてアドバンテージとなるような知識、俗に言う原作知識というものを持っていなかったのだ。(まあ、原作があるのかどうかも知らないが)
うちはサスケの双子の弟として生まれた俺は、うちは虐殺の夜を乗り越えることができなかった。
しかし俺はまた転生した。以前と同じ体に。
今度は死んでたまるかと、頑張って抵抗したが現実は無常である。俺は虐殺の夜を乗り越えることはできなかった。
そんな感じで何度か繰り返し転生をしているときに、サスケが生まれる際たまたま死産だったことがあり、俺が「うちはサスケ」として生まれた世界があった。
そして、なんとその世界で俺は虐殺の夜を乗り越えることができたのだ。
虐殺の夜を乗り越えたときは兄さんサスケのこと好きすぎるだろ、と思いながらへこんでいた。我ながら微笑ましい。
しかし、数年後俺はまた死ぬこととなる。死因は、桃地再不斬に首切り包丁で斬殺。
アカデミー時代、もっとまじめに授業を受ければよかったと後悔したものである。
次の転生からは、胎内でサスケを殺して流産させ、「うちはサスケ」に成り替わることによって虐殺を回避した。
はっきり言って、外道以外の何者でもなかったがこれ以外に生き残る方法が思いつかなかったので仕方なかったのである。
アカデミーで必死に授業を受けトップを維持し、うちは一族の血継限界である写輪眼を使えるようになって桃地再不斬が出てくる任務を無事達成したときには、喜びに打ち震えたものである。
中忍試験の時に、大蛇丸の呪印に耐えられずに死んだのだが。
こんな風に少し生き延びてはまた別の死亡フラグが立つという、壮絶な人生を送っている俺。その死の記録を記してみたいと思う。
中忍途中、呪印に耐えきったがその後我愛羅に殺された。
木ノ葉崩しを乗り切って安心したのが運の尽き、ナルトとナルトの双子の妹であるキリ、自来也の頼みを聞いて、綱手捜索を手伝うが大蛇丸とエンカウント。さらわれてBADEND。
度重なる危機(死)によって覚醒した俺は、万華鏡写輪眼というチート眼を手に入れ調子に乗って戦っていたら失明した。BADEND。
経験とか知識を引き継げる俺は何度目かの強くてニューゲームで、俺一人では無理だと判断。ナルトとキリと早い段階で友達になり、二人を鍛えるものの木ノ葉崩しでなぜか大蛇丸+歴代火影が俺のところに来襲。万華鏡写輪眼を惜しみなく使い、善戦するものの四代目の時空間忍術に完敗、BADEND。
時空間忍術をどうにか使えるようにならないかと試行錯誤していると、キリが不安定ながらも使えるようになっていた。ガッデムさすがは四代目の娘。しかし、そのおかげで無事に綱手の火影就任まで生き延びた。やったね!
しかし現実は非情である。音の四人衆に拉致られて大蛇丸END。
大蛇丸大蛇丸大蛇丸。あいつにほとんど殺されたり、それに近いBADENDになったりしてるんだがどうしてくれようか。
しかも自分だけでは飽き足らず、たまにキリまで一緒に拉致って俺とキリの子供を産まさせる→万華鏡写輪眼と時空忍術が使えるスーパーチート誕生→子供を大蛇丸が乗っ取り、万華鏡写輪眼まで開眼→俺の目をえぐり取り、俺たちは死ぬまで子供を産む家畜になった→大蛇丸True END。
地獄っていうレベルじゃなかった。
俺一人ならまだしも他人を巻き込むのはマジ勘弁。いや、サスケのことは悪いと思っている。
そして俺は考えた。俺がこんなに死ぬのは俺が悪いんじゃない、「うちはサスケ」が悪いんだと。
俺だけじゃなく、サスケもいれば狙われる確率は低いし、劣等生のふりをしていれば俺に大蛇丸が俺に目を向けることはないだろう。
サスケ、いや兄さん。今まで殺して悪かった、反省はしている。殺されたほうがましという目に遭うかもしれないが。
まあ、なんにしてもイタチ兄さんに殺されないようにしないとな!
そうして始まった次の人生、俺は三つ子の三男として生まれましたとさ。
……あれ?