外伝7の各話に登場する神性などのまとめクトゥルフ神話関連の物語のネタバレが含まれますのでご注意下さい。外伝7-6のクルデンホルフ大公家についてですが、感想で予想されていたように、シャンリット侯爵家の直系だと想定しています。大まかな流れは以下のような感じです。多分外伝7-7で詳しく描写しますが。シャンリット侯爵家(@トリステイン)→シャンリット大公家→紆余曲折(ゲルマニア勃興など)→カンプリテ大公家(@ゲルマニア)→紆余曲折(当主とか嫡子が謎の奇病で全滅して傍系だった家が本家になったり)→クルデンホルフ大公家→独立→クルデンホルフ大公国=================================その1『グールズ・サバト』 ブリミル歴5500年くらいを想定 ・『グールズ・サバト』の噂 死体画家の集まりらしい。モチーフになる死体を集めるために殺人を犯すことも厭わないとか。 メンバーの中にはヒトでは無いものも居るとか居ないとか。・グール(食屍鬼) クトゥルフ神話におけるグールは、屍肉を食う化物。犬のような頭、蹄のある脚、鋭い爪のある手、ゴムのような表皮が特徴。毛の少ない狼男のようなイメージ。 グールの子供はグールだが、それ以外にも、人肉を食べ続ける人はグールに変化する。また、赤子の取り替えっこ(チェンジリング)を行うこともある。取り替えられてグールによって育てられた人間の子供もグールになる。・ピックマン教授 『ピックマンのモデル』に出てくる精密画を得意とする画家から命名。リチャード・アプトン・ピックマン。=================================その2『大図書館の開かずの扉』 ブリミル歴5100年前後 ・『大図書館の開かずの扉』の噂 最下層の床に張り付いている扉。いつの間にか図書館の階数が増えている。本もついでに増えている。妖精さんの仕業とか。 新しい階にある本はどんな魔書があるか分からないので素人は手を出してはいけないらしい。・ユリウス・カステル教授 『妖蛆の王』のジュリアン・カーステアズをフランス風にしてみた。きちんとフランス風になっているかは不明。 蛆虫(マゴット)を通じて身体を乗り換えていく。型月の間桐臓硯、と言えば想像がつくだろうか。・『ウンダーゼー・クルテン(深海祭祀書)』、『ハイドロフィネ(水棲動物)』、『水神クタアト』 海の魔物に関する魔道書たち・石造りの円筒が並ぶ街 太平洋の到達不能極に沈んでいるとされる古の都市、ルルイエ。クトゥルフが眠っていると伝えられる。・クトゥルフ タコ頭に羽根の生えた邪神。眠っているというか死んでいるというか、どっちにしてもクトゥルフにとっては余り変わらないが、とにかく封印されて不活性化している。時々星の巡りによっては若干活性化し、毒電波を撒いて世界中の芸術家達を発狂させたりする。=================================その3『エリザの歌声』 ブリミル歴5100年前後、その2と時期的に連動 ・『エリザの歌声』の噂 とても綺麗な歌声のエリザという歌手がいる。あるいは“いた”らしい。美しい歌声は遥か星辰の彼方にも届くとか。 彼女が暮らしている――暮らしていた――という音楽家専用寮の前には、時折、彼女の歌声に囚われたファンたちが時空を越えて現れては、彼女の歌声に耳を傾けているそうだ。 耳慣れない美しい歌声を夜道で聞いたら注意すること。 その歌声に魅せられて、彼女のファンの集まりに加わってしまえば、あなたは二度と戻って来られないだろう。・エリザ・ツァン 『エーリッヒ・ツァンの音楽』のヴィオル弾きの老人の名前をもじったもの。・クラブ『クラブ・オーゼイユ』 『エーリッヒ・ツァンの音楽』より、地図に記されていない、オーゼイユ街という街から命名。・“――Look to the sky, way up on high,There in the night stars are now right――” ウクライナのクリスマスソング『Carol of the Bells(キャロル・オブ・ザ・ベル)』の替え歌で『The Carol of the Old Ones(旧支配者のキャロル)』という歌の歌詞。・異次元の色彩をしたヴェールの人影 【門の導き手にして守護者、古ぶるしきもの】タウィル・アト=ウルム。ヨグ=ソトースの比較的安全な化身。ウルム・アト=タウィルとも。銀の鍵を持つものが通る最後の門を守る存在。灰色のヴェールを纏った存在。片手に虹色の球を持っていることも。=================================その4『特務機関“蜘蛛の糸”』 ブリミル歴5800年代後半を想定(シャンリットを含む東部地域がゲルマニアとして独立した後) ・『特務機関“蜘蛛の糸”』の噂 学術都市の秘密を探る者たちを狩る特務機関があるそうだ。 規模も不明、構成員も不明、何もかも謎に包まれている。 ……おや、こんな時間に誰か来たようだ……。・ロンドルフ・カルティール 夢見る人(ドリームランドと覚醒の世界を行き来する人)ランドルフ・カーターをもじったもの。『銀の鍵の門を越えて』『幻夢境カダスを求めて』などの主人公。猫好きなのは当SSでも、ドリームランド関連の小説でも変わらず。・ドリームランド(幻夢境) ハルケギニアとは異なる時空にある夢の世界。特殊な方法で行き来が可能だと言われている。・老猫将軍 ドリームランドのウルタールという街に住む歴戦の猫将軍。ウルタール(またはウルサル)は猫を大事にしている街である(一説には賢者バルザイの助言によってウルタールで猫を保護する法案が提出されたとか)。・長老 ドリームランドのセレファイスという街に住む長老猫。250歳を超える。猫を大事にし、長老に気に入られれば、彼の持つ膨大な知識の恩恵に浴することが出来るだろう。・ムーンビースト(月棲獣) ドリームランドの月に棲む、灰白色の脂っぽい目のない蟇蛙(ヒキガエル)のような生物。拷問愛好者。ニャルラトホテプを崇拝している。 猫とは敵対的。土星からの猫とは同盟関係。・土星猫(土星からの猫) 唐草模様のような、幾本もの虹色の極彩色の蔦が絡まったような身体をしている。抽象芸術のような見た目だが、なんとか二つの目が確認でき、猫っぽいような印象を与える顔つきになっている。地球の猫とは敵対関係。ムーンビーストとは同盟関係。・バースト 猫の頭を持った女神。エジプトで信仰されていた。ゼロ魔世界では、恐らくエルフが信仰している(あるいは信仰していた)。=================================その5『朽ち果てた部屋』 ブリミル歴5900年代後半を想定 ・『朽ち果てた部屋』の噂 中央大博物館に付属している天空研究塔イエール=ザレムは、〈ゲートの鏡〉によって各アトリエのドアを繋いでいる。 だが稀に〈ゲートの鏡〉が誤作動を起こしてしまい、過去に何らかの理由で廃棄されて朽ちたアトリエへと繋がってしまうことがあるらしい。 何百年も放ったらかしにされているような、その廃棄されて埃だらけの朽ち果てた部屋に入った者は、二度と戻って来られないという。・“エルトダウン・シャーズ”、“グハーン・フラグメンツ”、“ドジアンのスタンザ” はるか昔、人類誕生以前に記された記録群。旧支配者たちについて伝えている。・奇妙に縦に避けた口と二股の腕を持つ巨人の骨格標本 ガグという地下世界の巨人族の骨格標本・世にも珍しいケイヴ・パール(岩屋真珠)の鉱物標本 クトーニアンの卵・小箱の中に固定された妖しく輝く偏四角多面体の美術品 輝くトラペゾヘドロン。ニャルラトホテプの化身を呼び出せる。・象の頭を持つ遥か東方の神像 邪神チャウグナー・フォーンの神像・〈カルナマゴスの遺言(テスタメント・オブ・カルナマゴス)〉 一目見ただけで最低でも10年は老化する魔道書。クァチル=ウタウスについて記している数少ない魔道書。みるみる埃が積もる。・クァチル=ウタウス 干からびたミイラみたいな格好の神。滅びと腐敗、風化を司る。灰色の光と共に現れては、いろんなモノを灰にして足跡だけ残して去っていく。・アブホース 【不浄の源】アブホース。巨大な灰色のアメーバみたいな神。端っこが好き勝手に進化しては千切れて本体から離れようとするが、それを本体は自分で捕食する。アトラク=ナクアの架ける橋の先に居る。・暗黒王ネフレン=カ ニャルラトホテプの化身の一つ。古代エジプトのファラオだが、当SSではエルフの古代王として扱う。・土星(サイクラノーシュ)からやって来た蟇蛙神の落とし子 ツァトゥグアの無形の落とし子・星の彼方のクスクス笑うように鳴く吸血生物、不可視の恐怖、牙のある無数の口吻と鉤爪に覆われた無色の怪物 星の精。スターヴァンパイア。=================================その6『消える留年生』 ブリミル歴6000年代(ゲルマニアからクルデンホルフが独立後)を想定 ・『消える留年生』の噂 何年も留年している学生は、卒業した訳でもないのにいつの間にか居なくなっている。 彼ら彼女らは何処に行ったのだろうか。 国元に帰ったのだろうか。何かの事故に巻き込まれたのだろうか。新興宗教の怪しげな儀式の生贄にされた? 人体実験の材料に使われた? 研究所から逃げた凶暴な獣に喰われた? どれも信憑性に乏しいが、だからと言って一笑に付すには、どのような想像にも真実味がありすぎる。・蜘蛛神教 地下世界の深淵の谷に橋を架け続ける蜘蛛神アトラク=ナクアを崇拝している。第一部の主人公ウードが教皇を名乗っていた。・食屍鬼の崇めるモルディギアン 納骨堂の神、モルディギアン。死体を食いまくる神様、アンデッドの天敵。崇める信者は屍体喰らいの衝動を抑えられなくなり、やがては食屍鬼に堕ちる。・千の仔を孕みし黒山羊シュブ=ニグラス 豊穣の母神。魔女が崇拝する定番の神様。色んな邪神の母だったりする。シュブ=ニグラスの仔という、象の上半分を触手に置き換えてでたらめに口を配置したというか、巨大イソギンチャクに蹄を付けたような存在をポコポコ産み出して使役する。・這い寄る混沌ナイアルラートホテプ 無貌の神。陰謀好き。混沌好き。千の姿形を持っていて、とにかく化身が多い。女神転生とかで有名な邪神様。・ダオロス 【ヴェールを剥ぎ取るもの】。この宇宙の外に位置する超次元的な存在。三次元空間には灰色の金属色の棒と半球の無数の組み合わせによって知覚される。接触すると問答無用で異次元送り。遠近感が狂うような無限に絡み合った存在を認識した者は、その輪郭を辿ろうとして必ず気が狂う。なので通常、ダオロスを崇める神官は、直接ダオロスを見ないように、暗闇のなかで招来の儀式を行う。ダオロスは次元を超える性質上、未来や過去、異次元を見ることも出来るし、その能力を信者に与えるかも知れない。不幸にも直接にダオロスを目にした犠牲者は、恐ろしいこの宇宙の真理を目撃した代償に、その後一生、毎日、その時の光景を幻視し、正気度が減少する。ただし、目を刔る、視神経を断ち切る、脳の視覚野を破壊するなどして視覚を無くせば、日々継続して襲い来る正気度減少は避けられる。・ティンダロス・ハイブリッド ティンダロスの猟犬とのハイブリッド(キメラ)。外伝7-6で生まれた子供は、矮人(ゴブリン)たちによる千年の技術研鑽によって、かなり人に近い外見になるように調整されている。普通はキュビズム絵画のような形になって現れる。本編シャンリット防衛戦・後編にも少し登場。=================================その7『千年教師長』 ブリミル歴6100年代後半(原作40~50年前)を想定 ・『千年教師長』の噂 教師長ウード・ド・シャンリットは千年前から生き続けている蜘蛛の化物らしい。・魚人でも クトゥルフと言えばインスマス面。・半端な混血であっても ゼロ魔原作でもティファニアとか元素の兄弟とかみたいな混血は出てますが、他にもクトゥルフ的種族の混血も居るかも?・蜘蛛神アトラク=ナクア 蜘蛛の姿の神様。好奇心と猜疑心が強い。・カルナマゴスの遺言、クァチル=ウタウス 外伝7-6参照。危険な魔導書と腐敗の魔神。・水の精霊に狂わされた調査員が持ち帰った遙か古代の神々の戦いについての記憶 『蜘蛛の糸の繋がる先は 16.時を翔ける種族』の最後のシーンで水精霊に狂わされたゴブリンから回収した記憶・火星で出会った古のもの かつて南極大陸に居た五方放射相称の樽型生物。火星に生き残りが居たというのは当SSの設定。・セラエノ 時を渡るイースの偉大なる種族の図書館がある星。(彼らとエルフの関係は『外伝6.ビヤーキーは急に止まれない』を御覧ください)・古の偉大な魔導師たちが書き記した秘術の記録 〈エイボンの書〉とか〈カルナマゴスの遺言〉とか。・アイホートの迷宮が縦横無尽に広がり 八本足の白くてブユブユした迷宮を司る神。脳を神経回路の迷路に見立てて生物を操ることも出来る。『外伝4.アルビオンはセヴァーンにてリアルラックが尽きるの事』にて幼生体(アイホートの雛)のみ登場。・森には黒山羊がうろつき シュブ=ニグラスの仔。・シャッガイの蟲が飛び回り 半物質の拷問好きの昆虫。『外伝4.アルビオンはセヴァーンにてリアルラックが尽きるの事』に登場。・湖底にはグラーキが潜み 夢を用いて夢遊病にして生贄を集め(“夢引き”と呼ばれる現象)、毒液を注入して半端なアンデッドにして操る。巨大なウミウシにヤマアラシみたいな棘を生やし多様な姿で、顔から伸びた3本の茎状組織に支えられた目が特徴的。・穿地魔蟲クトーニアン 巨大なイカミミズの化物。水に弱い。・風の魔神、“風に乗りて歩む者”イタクァ イタクァ、イタカ。歪んだ骨格の爛々と輝く目を持った巨人として現れることが多い。あるいは嵐や吹雪そのものとして顕現することもある。主に北極圏に現れ、ヒトを攫って、しばらくして(数週間から数ヶ月後)に高空で解放する。・ウェンディゴ イタクァの影響を受けて変質した人間。イタクァに仕える。食人衝動があり、炎に弱い。しかし炎や高熱の物体で凍りついた心臓を破壊しない限りは、何度でも夜になると蘇る。共食いをする性質がある。2011.08.16 誤字修正