<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.21737の一覧
[0] 【ネタ】マテリアル似の娘(リリカルなのは)[rattu](2010/09/06 16:05)
[1] 星光似の娘[rattu](2010/09/06 16:07)
[2] 雷刃似の娘[rattu](2010/09/06 16:09)
[3] 統べる王似の娘[rattu](2010/09/06 16:10)
[4] 中書き[rattu](2010/09/07 16:37)
[5] マテ似三人娘と父親の苦労[rattu](2010/09/07 16:39)
[6] マテ似三人娘の無限書庫見学[rattu](2010/09/07 16:41)
[7] マテ似三人娘の弟予報[rattu](2010/09/08 15:57)
[8] マテ似外伝 彼女達の幸せの形[rattu](2010/09/08 15:58)
[9] マテ似外伝2 弟が可愛すぎてお姉ちゃんどうにかなっちゃうの[rattu](2010/09/08 16:00)
[10] マテ似三人娘の劇練習[rattu](2010/09/10 17:34)
[11] マテ似三人娘の夏の一時 前編[rattu](2010/09/10 17:35)
[12] マテ似三人娘の夏の一時 後編[rattu](2010/09/10 17:36)
[13] マテ似三人娘の拾い物[rattu](2010/09/12 17:12)
[14] マテ似三人娘の暴走[rattu](2010/10/01 16:48)
[15] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  前編[rattu](2010/11/02 19:10)
[16] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  後編[rattu](2010/11/03 16:18)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[21737] マテ似三人娘の夏の一時 前編
Name: rattu◆50c335cc ID:c73723c0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/10 17:35
「あーつーいー」

夏の暑い日にここ高町、ハラオウン、八神合同一家の自宅に大きな声が響き渡る。声の主はこの家の四女。何時もは元気いっぱいの彼女なのだが
ここ最近は暑い日が続いている所為かどうにもだらけた生活を送っている。そんな四女に近づいて行く一つの小さな影。

「全く。何時までそんなだらけて過ごしているんですか?」

そう言ったのは三女。さっきまではおとなしく過ごしていたのだが、あまりにもだらけている四女の姿を見てつい口が出てしまった。
いくら暑いとは言え、折角今は長い休みの最中だと言うのにだらだら過ごすのはもったいないと思いどうしても文句の一つも言ってしまう。

「だって暑いんだもん。クーラーつけて良い?」
「駄目です。余りエアコンに頼り過ぎるのは身体に悪いですし、それに電気代もかかるんですよ?」

三女の言っている理由の為、この家ではエアコンは使わないか、使っても弱めの設定にしているので余り効果が無い。

「だらだらする位なら家事を手伝うか宿題位して(トントン)…やっと起きて来たようですね」

二階から降りて来る足音を聞き溜息を吐く三女。今二階に居るのはまだ寝ていた五女だけ。既にお昼とも言える時間だと言うのに今更起きたらしい。
長期休みを利用して毎晩夜遅くまで起きている所為か、ここ最近は起きて来る時間が随分と遅くなっている五女。流石に何時までも
こんな不規則な生活をさせる訳にはいかないので、ここは一つきつめに言ってやろうと心に決める。

「ふあ~、おはよう…、しかし今日も随分暑いな」
「遅いです。今一体何時だとおも…」

降りて来た五女に説教をしようと喋りながら振り向くが、降りて来た五女の姿を見て一瞬固まってしまう。

「ん?まだ昼前だろう。休日はまだ続くのだからしばらく寝ていても良いだろう」
「そっちじゃありません!いや、間違ってはいないのですが…、と言うかなぜ下着姿なんですか!?」

降りて来た五女の恰好は、服もズボンも何もつけていない下着姿のままであった。うすいグリーンの下着を身に付けそれだけで降りて来た。
流石にそんな恰好のままで居るのは非常にはしたないため、三女も少々声を大きくして五女を叱る。

「ああそっちもか。いや暑くて仕方が無くてな。まあ別にかまわないだろ」
「構います!すぐ服を着て来て下さい!」
「だったら冷房をつけてくれ。そうすれば服も着るが」
「少し位我慢してください!」
「あー、五月蠅い…僕も脱ごうかな?」

服を着るように叱る三女と、それだったら冷房を強めろと言う五女と、五女にならって自分も服を脱ごうかと考える四女。特に三女の声が大きく
まさに隣の家まで聞こえてきそうな大きさである。普段は物静かな三女だが妹二人のだらしなさと、自分も内心感じていたこの暑さの所為なのか、
随分ときつめな言い方になってしまっている。その後しばらく三女と五女の言い合いが続きお互いにかなりヒートアップしているのか、かなり激しくなっており
既に喧嘩と言っても良いほどになっている。四女も暑さに嫌になったのか、五女と同じ様に服を脱いでいる。そんな中一人の男性が三人の居る部屋に顔を出してくる。

「どうしたの?なんだか随分騒がしいけど?」
「あっ、お父さん!」
「あー、お仕事終わったんだ…。お疲れ様~…」
「ああ、おはよう父さん」

やって来た男性は三人の父親のユーノ。この日は無限書庫には行かずに家で仕事をしていた為家に残っていた。そして丁度残っていた仕事を終わらせ
ほっと一息つくと、リビングの方から何やら騒ぎ声が聞こえて来るので心配になり様子を見に来たのだが、随分と怖い顔をしている三女と
下着姿の四女と五女の姿を見てどういう状況なのかと思い一瞬固まってしまう。

「えーと…どう言う状況なのかな?それに二人共なんて格好で…」

とりあえずまずは娘達にどうしたのか事情を聴く事にする。機嫌の悪そうな三女と五女に聞くのは少し怖いが仕方がない。

「聞いてくださいお父さん!この二人は暑いからってこんな格好をして」
「暑いのだから仕方がないだろう!それだったら冷房をつけてくれと言っている!」
「ヴぇー…」

三女と五女の話を聞き大体のことを理解したユーノ。確かに今日は今までに比べるとかなり気温が高い。四女と五女が暑がるのも解る。
三女も解ってはいるのだろうが自分達だけでクーラーを使うのは少しためらっているのだろう。大人達の誰かがいたら良かったのだろうが
生憎自分以外は出払っていたから仕方がない。まずは四女と五女に服を着せる為に話しかける。

「えと、とりあえず二人共服を着ようね。いくらなんでもその格好のままははしたないからね」
「とは言えこの暑さは流石に我慢できんぞ?父さん?」
「や~だ~…あ~つ~い~」

ユーノに言われても服を着るのを渋る五女。四女は既に暑さでまともに喋る気が無い様だ。

「うん。だからクーラーつけて良いよ」
「本当!?」
「ただし、設定は弱めに、しっかり服も着るようにね」
「はーい!」

ユーノの許可を貰い早速クーラーをつける四女。涼しい風がエアコンから流れて来る。暑かった部屋もどんどん涼しくなり四女と五女も快適といった表情をしている。
しかし下着のままで居た為か、慌てて部屋に戻り服を着て来る五女と脱いであった服を着る四女。そんな二人を苦笑して見守るユーノ。三女も疲れた様な表情をしている。

「あれ位の事だったら僕に聞きにくればよかったのに」
「ごめんなさい…。でもお仕事中だったのでそんな事聞くのはどうかと思ってしまって…」

少し申し訳なさそうに答える三女を見て思わず頭を撫ぜてしまう。三女も少し恥ずかしそうにしながらも頭にある手を振り払おうとしない。

「それにしても、最近のこの暑さはどうにかならんのか?」

そう言いながら服を着終えた五女が降りて来て、そのまま四女が座っているソファに腰を掛け、そのまま適当にテレビをつけテレビを見始める。
三女はさっきまでやっていた洗い物の続きを再開し、四女は携帯のゲーム機を始める。三女はともかく、他の二人は折角外の天気が良いと言うのに
家の中でゴロゴロするのは今一感心しない。折角なので外に遊びに行くよう促してみるが…

「三人共若いんだし、もっと外に出て遊ぶのも良いんじゃないかな?」
「いくらなんでも、この暑さで特に目的も無いのに外に出たくありません」
「と言うか、そんな言い方だと父さんは若くないおっさんになるよ?あー、でも父さんの年齢じゃもう若いとは言い難いか?」
「ただでさえ室内勤務の所為で肌が白いと言うのに、少し位日に焼けた方が良いんじゃないのか?もう若くは無いし男なのだ。肌が荒れるとか別に良いだろう」
「・・・」

娘達の有難い(?)お言葉を頂戴し涙が出そうになるユーノ。確かにもう若くもないしお肌の事とかは気にしないが、こうもはっきり言われると
自分が普段どういう感じに思われているか改めて実感してしまう。とは言え、父親としてこのまま言われるだけには行かないので、何とか外に出る方法を考える。

「まあ確かに、ここ最近随分暑い日が続いてるからね。でも家に籠ったままはどうかと思うけど?ちょっと遠出するとか、色々遊べる事が有ると思うんだけどな」

何とか説得しようとするのだが、二人共あまり乗り気な感じがしない。洗い物を終えた三女にも聞いてみるが、これまた渋い表情を返されるだけであった。
その後も色々外に出る様に話をするのだが、三人共良い返事が返ってこない。そろそろ話題が尽きて来てどうしようかとユーノが思っていると、
今まで適当に返事を返してくるだけだった四女が急に起き上がり口を開く。

「だったらさ、父さんが何処かに連れて行ってよ」
「へっ?」

突然の四女の言葉に、間抜けな表情で返事を返すユーノ。

「確かにそれは良いかもしれませんね」
「私も賛成だ。外に出て遊べと最初に言ったのは父さんだからな」

四女の提案に三女と五女も喜んで賛同する。最初は戸惑っていたユーノも娘達が乗り気なのを見て、それも良いかなと?と思い始めて来た。
最近自分もあまり外には出ていない為、これは良い機会なのかも知れない。となると、後は何処に出かけるかなのだが…、これがどうしても思いつかない。

「えーと、皆は何処に遊びに行きたい?」
「それ位自分で考えてよ~、父さん」
「娘とは言え、女性にまかせっきりは男性としてどうかと思いますよ?」
「そんなので良く母さん達を物に出来たものだな」

娘達の愛のこもった言葉に涙が出てきそうになる。ちなみになのはの方からプロポーズをしてきたのは娘達は知らない。
とりあえず思いついた出かける所の候補地を適当に言ってみる事にした。

「ボーリングとかビリヤードとかしようか?たまに行ってみるのも楽しいよ?」
「それって結局室内じゃん。外に出ろって言ったのは父さんじゃん」
「あっ、そうか…、それじゃあ山にピクニックに行くとか」
「この暑い中山登りするつもりか?運動不足の父さんでは倒れるぞ?」
「倒れないよ!? えーと…無限書庫で本を読むとか…」
「室内な上そこは父さん仕事場でしょう。もう少し真面目に考えてください」

何か今日は娘達の自分に対する扱いが酷い。僕何か気に障る事言った?と思ってしまう。この後もいくつか候補案を出したのだが
どれも娘達のが納得する所は出ない。娘達も飽きて来たのか、どうにもやる気が無くなって来ている様だ。折角娘達と出かける良い機会だと言うのに
このままだとその機会が無くなってしまう。何とか良い所をとユーノが一生懸命考えていると…

「むっ…」

五女が何かに反応したので視線の先を見てみると、テレビのとある番組が映し出されていたのだが、どうやら海水浴の名所を紹介している番組らしい。
番組が終わり、ふと娘達の方を見ると三人がユーノをじーと見ている。流石に鈍いユーノにもこれは娘達が何を言いたいかは解る。

「…えーと、何処かに泳ぎに行こうか?」
「いえーい!さすが父さん!」
「流石にこれは気付きますよね」
「気付かなければ母さん達に言いつけていた所だ」
(危なかった…、なのは達に聞かれたらなんて言われたか)

起こりえた恐ろしい未来が回避されたことに安堵する。とにかく何をするかは決めたので、次は場所である。

「海は遠いから日帰りは厳しいですね。プールでも良いですよね?」
「この際泳ぎに行ける場所なら何処でも構わん。プールなら少し前に出来た所が良いんじゃないか?」
「知ってる知ってる!結構大きいし色んなプールとアトラクションもあるから賛成!」

ユーノをほったらかしで話を進めて行く娘達。優秀な子供を持って嬉しいやら悲しいやら複雑な心境のユーノ。

「ねえ他に誰か誘わない?」

そう言ったのは四女。四女が言うには他に休日が重なった家族と一緒に行こうと言う事らしい。折角出かけるのだから、出来るだけ皆と一緒に
出かけたいと言う事らしい。ユーノや他の娘達も賛成なのか何も言わずにうなずく。

「今日の晩御飯に休みが合う人を聞こうか。多分何人かは一緒に来れるとは思うけど」
「うん!」

本当にうれしそうな笑顔で答える四女。他の二人も四女程ではないが楽しそうな顔をしている。ユーノも久しぶりに外に出て泳ぐと考えると
楽しみになって来る。ただ五女にも言われたが運動不足で体力には少し不安はあるが…。とりあえずこの日は四人共家で過ごす事になった。


そして、その日の夜の夕飯時、何人か仕事でまだ帰っていない人はいるが、大体の人がいるので予定を聞くのは問題無い。
食事を続け皆が食べ終わったのを見計らって、他の家族に話しかける。

「えーと、皆ちょっと良いかな?」

ユーノの言葉に娘たち以外の家族がユーノの方を見る。なのはからどうしたの?と聞かれ、皆を見渡しながらプールの事を話す。

「朝に子供達と話して皆でプールに行こうと言う事になったんだ。それでもし休みが合えば皆と一緒にって話になって、それで皆はどうかな?」

ユーノの言葉を聞き、自分の予定を確認する家族達。それに最初に答えたのはなのはであった。

「私はここ最近ずっと暇だよ!」
『だめー!』

なのはの言葉を全員が速攻で却下する。折角遊びに行けるのに却下され少々不機嫌になるなのは。だが他の皆のそう簡単に許可を出す訳がない。
中々納得してくれないなのはにヴィータが少々きつめに注意する。

「お前なー…、もうお腹かなりでかくなってんだから大人しくしてろよな!」
「でも…、少し位運動した方が…」
「なのはちゃん、見てるこっちがハラハラして来るから…、出来ればあたしもやめといて欲しいと思うねんけど」

ヴィータとはやての説得で渋々ながら納得するなのは。ヴィータ達が言うように、新しい子供を妊娠しているなのはのお腹は、現在結構な大きさになっている。
そんな状態で泳ぐのは見ている方としては非常に心臓に悪い。皆なのはには悪いと思っているのだが、今回は何とか辞退をして貰う。
とりあえずなのはは参加しないとなり、他の人の予定を聞いてみるとする。

「アタシは駄目だな。ここしばらくは休みねーや。悪い」
「うーん…、あたしも無理やなー、最近忙しいし。フェイトちゃんにも手伝ってもろとるから、多分フェイトちゃんもあかんと思う」
「リインもはやてちゃんと一緒ですし、アルフも今はハラオウンの所にお泊りに行ってますから無理でしょうね」
ヴィータとはやてとリインとアルフとフェイトは不参加。この三人は最近帰宅も遅い日が多かったからある程度予想できた。
フェイトも帰ってこない日も多いのでこれも無理だろうと思っていた。次は最近あまり忙しくない人達の予定なのだが…

「私は大丈夫です。泳ぐのなんて結構久しぶりかも」
「それじゃあ、僕も参加させて貰っても良いでしょうか?」

エリオとキャロは参加。とりあえず娘達と4人だけで行く事は無くなって安堵するユーノ。

「私もしばらくお休み貰ったし行っちゃおうかしら♪シグナムもお休みよね?一緒に行きましょ」
「勝手に決めるなシャマル。まあ、私は別にかまわんが…、アギトはどうする?」
「勿論行くさ!折角の休日なんだし、しっかり楽しまないとな」

シャマルとシグナムとアギトは参加。シャマルはともかく、シグナムまで参加するのは少し意外だった。てっきり家でデバイスの整備をするから止めておく
と言うと思っていたのだが、理由を聞いてみるとやはりシグナムもこの暑さには少し参っていた様で、良い機会なので参加しようとと思ったらしい。
ユーノや娘達も、参加者が増えて嬉しいのでそれ以上は何も聞かなかった。後家に残っているのはザフィーラだけで参加するか聞いてみると

「我は遠慮しておこう。妊婦を一人で留守番させるのは少々心配だろうからな」
「ごめんねザフィーラ。本当は僕が残るべきなのに」
「お前にはなのはだけじゃなく娘達も居るだろう。我の事は気にしなくて良い」

ザフィーラはなのはの万が一の為に不参加。なのはの事はユーノも少々気になってた為、ザフィーラが残ってくれるとなると安心できる。
少し申し訳ない気がするが、ここはザフィーラに甘えさせてもらう。一応これで今家に居る人の予定は全部確認できた。後は一人今この家に居ない人物だが、

「ヴィヴィオ姉ちゃんは来れるのかな?」
「一応ヴィヴィオは休みだけど、もうすぐ帰って『ただいまー』…来たね」

丁度いいタイミングでヴィヴィオが帰宅する。ヴィヴィオの声が聞こえた瞬間、四女がすぐさまヴィヴィオの元に駆け寄って行く。

「お帰りヴィヴィオ姉ちゃん!姉ちゃんは遊びに行ける?」
「えっ?遊びにって何処に?」

いきなりの四女の言葉に何事かと驚くヴィヴィオ。流石に遊びに行ける?だけでは、ヴィヴィオも何処に遊びに行くのか解らないので答えようがない。
そんな混乱しているヴィヴィオに三女が詳しい事を説明する。ヴィヴィオも説明を聞いて何処に行くか解り喜んで答える。

「良いね、私も行く。こう言う暑い日には丁度いいかも♪」

ヴィヴィオの参加が決定し、これで参加する家族が決まった。ユーノと三人娘、シグナムとシャマルとアギト、エリオとキャロ、そしてヴィヴィオ。
合計10人と意外と多くの人が参加する事となり、中々楽しそうになりそうだとユーノは思う。娘達も沢山の家族と行けるのが楽しみなのか嬉しそうな顔をしている。
日にちは四女が早く行きたいと言うので翌日行く事になった。早速明日の準備をしようと動こうとすると、ふとヴィヴィオが呟いた一言で事情が代わる。

「明日かー、水着は去年ので行こうかな?」

水着と聞いてふと娘達を見るユーノ。水着と言えはこの子達はもう新しい水着は買ったのかという疑問が浮かんできた。念の為に聞いてみる。

「ねえ皆?ちょっと良いかな?」
「なんですかお父さん?」
「皆はもう新しい水着買ったの?」

それを聞いた瞬間娘達の口から「あっ!?」といった言葉が飛び出す。どうやら完全に忘れていたらしい。急いで娘達が集まって相談を始める。

「…去年ので良いよね?」
「流石にそれはどうかと…」
「学校の水着で行くか?」

去年の水着を着ようと言う四女だが、子供の成長の早さは侮れない。なのは達も娘達の服や下着が買ってもしばらくすると着れなくなると言っていたし
どう考えても着れるとは思えない。ただ四女はそれでも泳ぐ為なら無理してでも着てしまう気がする。三女もそれを解っているのか予め釘を打っておく。
五女は学校の指定の水着でと言っている。泳ぐだけならそれで良いのだろうが、折角遊びに行くのにそれでは少々楽しさに欠ける。一部の人には良いだろうが。

「明日、水着買いに行こうね」
『…はい』

結局予定は変更となり、明日は皆で新しい水着を買いに行く事となり、プールは明後日に変更となった。四女が少し寂しそうにしていたが、
ヴィヴィオが「可愛い水着選ぼうね」と行ったら嬉しそうな顔で俯いた。本当に喜怒哀楽が激しい子である。他の二人も納得してるのか
何も言わずに自分の部屋に帰って行く。ユーノ達も明日の為に今日は早めに寝る事にした。

-------------------------

次の日


「おはよう」
「おはようございます。シグナム」

目を覚ましたシグナムが自室から出て来た所に三女と遭遇する。挨拶をしてリビングに行くと、既に明日プールに行くメンバーが集まっていた。
少々待たせてしまったか?と思ったが、全員まだ朝食を食べ始めたばかりなのを教えて貰い安心する。

「あ、シグナムさん、おはよう。シグナムさんの分ももうすぐできるから少し待ってて下さいね」
「お母さん!食事の準備は私がしますから、大人しく座ってて下さい!」
「でも…少し位は『座ってて下さい!』…はい…」

三女に強く言われて、シュン…としながら自分の席に戻るなのは。自分の娘に言われて引き下がるのは、母親としてどうかと思うがこれが中々迫力がある。
正直貫禄だけなら当時のなのはと互角か、もしかしたらそれ以上かも知れないと思うユーノ。でも口には出さない、二人が怖いから。

「でも水着買いに行くのを付き合う位は良いよね?皆も居るし、買い物位は何時もしてるし」
「それは…(お父さん、どうしましょう?)」

なのはの言葉に迷ったのか、念話でユーノに判断を任せて来た三女。普段は大人っぽいのだが、こう言う所はやはり子供だと思い少し微笑ましく思えてしまう。
今日は皆も居るので何かあっても大丈夫だと判断し、三女に念話で一緒に行っても良いと伝える。三女もそれを伝えなのはもそれを聞いて喜んでいる。
妊娠しているから他の家族に大事にして貰って居る為、あまり外には出れないのが少々ストレスになっているのかもしれない。そう考えると
少し位は外に出ないとなのはにも悪い。そう思いふとなのはの方を見ると、ユーノの方向いて笑いかけている。

(ありがとう、ユーノ君)
(…気付いてたんだ)
(まあね。念話で話してたみたいだけど、一瞬ユーノ君の方を見たしね)

どうやら娘との会話はなのはには気付かれていたらしい。娘に押されているように見えても、そう言う所はやはり負けていない。母は強しと言ったところだろうか。
そうこうしている内に、遅れて来たシグナムも食事を終えている。それを見て早速出かけようと言う四女だが、五女がそれを止める。
どうやら買い物ついでに昼食も取ろうと言う事らしいので、しばらくは家に居て時間を潰すらしい。四女は早く行きたそうにしているが
三女が五女に味方した為大人しく従う事にした。ユーノも丁度いいので自室に戻り読みかけの本を読むことにした。各々も各自で時間を潰す事にする。

「僕達はどうしようか?」
「丁度いいので宿題をしましょう。今の内に少しでも進めておいた方が楽ですからね」
「え~?そんなの後で良いじゃん」
「馬鹿者。毎回そう言って最後の日に後悔してるだろうが。私も手伝ってやるからとっととやるぞ」
「う~」

文句を言いながらも、二人に言われ宿題の続きをやる為に仕方なく二人と部屋に戻る四女。それを見守って苦笑しながら自分の部屋に戻るユーノ。
そうして、しばらく自室で本を読んでいたユーノ。そんなユーノの部屋になのはがやって来た。

「ユーノ君。そろそろ出かけるよ?」
「えっ?もう時間だっけ!?」

なのはの言葉に驚き時計を確認すると、既にお昼前の時間になっていた。どうやら読書に集中し過ぎて時間が経つのを忘れていたらしい。
急いで支度し外に出ると、既に皆準備が完了しユーノを待っていた。

「父さん遅いよ!」
「まったく…、何をしていたのだ。時間位確認しろ」
「多少は余裕を持って来て貰えると嬉しいんですが…」

待っていた娘達にこっぴどく怒られるが仕方ない。特に四女はかなり楽しみにしていた為かなりご立腹のご様子。とにかく謝り倒して何とか許してもらった。
全員準備が終わったので早速出発する。途中財布を忘れた事に気付いたシャマルが家に一旦戻ったり、小さいアギトが犬に咥えられたり、
他所見をしていた四女が電信柱にぶつかって鼻血を出すなど、まあ騒がしい事はあったが無事に目的地に到着する。

「どうする?先に食事にする?それとも水着を選びに行く?」
「先に水着を選びに行かない?昼食には少し早いし」

ヴィヴィオの答えを聞き、一応他の家族に確認した後水着売り場に向かう。水着売り場に到着すると、そこには(当たり前だが)色取り取りの水着が置いてある。
皆で話し合った結果、とりあえず最初は皆自分で適当に探し、決まらないようなら全員で選ぶと言う事にした。そうして各人思い思いに自分の水着を探しに行く。

「私は今年は泳げないかな?この子生まれる頃には涼しくなってるだろうし」
「流石にお腹も目立ってきたし、今年は我慢してね」

ユーノはなのはと一緒に水着を選んでいる。選ぶと言ってもなのはは自分のはいらないし、ユーノは男と言う事もありあまり悩まず水着を決めた。
会計も済まし、このまま二人で待っているのも退屈なので、二人で他の人たちの様子を見て回る事にした。二人で探していると最初に見つけたのは
シグナムとシャマルとアギトのヴォルケンリッター組。少し離れた所から見ているとシャマルとアギトは楽しそうに、シグナムは少し困った様子をしている。
どうしたのかと思い近づいてみると、それに気付いたシグナムが安心したような表情でこちらを見る。

「どうしたのシグナムさん?何か困った様に見えるけど?」
「ああなのは、ユーノ、助けてくれ」
「ちょっとシグナム!?助けては無いんじゃないかしら」

何が有ったのか気になり事情を聞いてみると、どうやらシャマルとアギトがシグナムの水着を選んでる内にエスカレートし、シグナムが少し困っているらしい。
事情を聞いたユーノがシャマルとアギトに注意すると、二人からも言いたい事が有ると言うので一応聞いてみる。

「あのねユーノ君。最初は私達もシグナムに自由に選ばせてたのよ?でもそれだとどうしてもシグナムに似合わないダサ…地味なのばっか選ぶんだから」
「挙句の果てには去年ので良いだろ?とまで言い出すんだから。新しい水着選ぶ為に来たのに、それじゃあ意味無いだろう!」

熱くなったのか、アギトの言葉の最後の方の少々五月蠅かったが大体の事は理解できた。両方の言い分を聞いて、正直どっちの味方に着こうか迷ったが、
今回はシャマル達に味方をする事にした。それを聞いたシグナムが「えっ!?」と声を出すが、シャマル達の言うと通り今日は水着を買いに来たのだから
シグナムには可哀想だが多少我慢してもらう。だがシャマル達にも一応やりすぎない様に注意はしておく。恨めしそうに見ているシグナムを無視し、
他の人達を探しに行くユーノとなのは。後ろからシグナムの声が聞こえてくるが気にしない。三人と別れて少し歩いていると、二人の視界に
長身の男性と小柄の女性の姿が見える。すぐにエリオとキャロである事に気付いたので、二人の元に行って声を掛ける事にした。

「エリオ、キャロ、決まったかい?」
「あ、はい。僕は決まったんですが…」

そう言いながらエリオが振り向いた視線の先には、真剣な顔で水着を吟味しているキャロの姿が有った。エリオの話だと自分のはすぐ決まったのだが
それからずっとキャロの水着選びに付き合っているらしい。エリオとユーノ達の会話が聞こえたのか、キャロが此方を振り向いた。

「あ、ユーノさん、なのはさん」
「どうしたのキャロ?随分悩んでるみたいだけど…」
「はい…、何とか二つまでは絞ったんですが…」

そう言うキャロの手には二つの水着が握られていた。一つは子供向けに見える可愛らしい水着。もう一つはシンプルなデザインで大人っぽい水着。
この二つが今キャロの中で迷っているらしい。ユーノにしてみればどっちも似合いそうで良いと思っている。エリオも同じ事を考えているのだが
キャロにとってはかなり重要な事らしい。どうして男性二人はそんなに悩んでいるかと思っていると、なのはから念話が聞こえて来た。

(多分自分の見た目にあったのを選ぶか、年齢にあった物を選ぶか迷ってるのかもしれない)
((あー…))

それを聞いて納得する二人。正直キャロは見た目が相当若く見える。と言うかぶっちゃけ幼い。キャロもそれを自覚しているのか最近は
「可愛い服選べて良いですよ!」と半ば開き直っている。だがやはり心の中では年齢にあった物を着たいと思っているのだろう。そう思うと少し
悲しくなってくる。とりあえず自分達では力になれそうに無いので、キャロをエリオに任しユーノとなのはは別の人の所に行く事にする。
後は娘達の誰かだと考え歩いていると、何処からともなく声が聞こえて来る。

「なのはママー、ユーノパパー、こっちこっちー」

声のした方向を向いてみると、水着を持ったヴィヴィオが此方に向かってくるのが見える。

「丁度探してたんだ。選んでみたのあるからちょっと見てもらえる?」

ヴィヴィオのお願いに快く応じる二人。早速三人で試着室に向かう。試着室に入る直前にヴィヴィオがユーノの方を向いて一言。

「パパ?覗いちゃ駄目だよ?」
「覗かないよ!」
「ハハハ、ちょっと待っててね」

ヴィヴィオがたちの悪い冗談を言いながら試着室に入って行く。なのはは少し怒っているユーノをなだめる。最近ヴィヴィオはユーノをからかうのがマイブームらしく、
こう言ったちょっとした冗談が良くある。ユーノにしてみれば勘弁してもらいたいのだが、他の皆は楽しそうにしている為誰も止めない。
なのはとユーノがその事で話していると、ヴィヴィオが着替えが終わったらしく中から声が聞こえて来る。そしてカーテンが開くとそこには…

「じゃーん!どう?」
「「…」」

当然そこには水着を着ていたヴィヴィオの姿が有ったのだが…、その姿を見てユーノとなのはが一瞬固まる。ヴィヴィオが着ている水着なのだが、
これがかなりきわどい水着を着ている。どう説明して良いか解りずらいが、一言で言うと布地が少ない。隠す所はちゃんと隠しているのだがそれ以外は紐に近く、
正直目のやり場に非常に困る水着となっている。今までは割と普通の水着を着ていたのに何の心境の変化が有ったんだ?と二人が心配してしまう。

「うーん、ちょっと地味かな?」
「「えー!?」」

ヴィヴィオの衝撃な一言に更に驚く二人。これで地味だと何で満足するんだ?紐か?オール紐か!?ブラジル水着とかそんなんか!?。
あまり個人の事に文句を言う事はしたくは無いが、これ以上の凄い恰好で公然の場に出すのは父親として止めなければならない。
そう思いヴィヴィオに注意しようとすると、突然ヴィヴィオが笑いだした。

「プッ…、あははは!やだなーパパ、ママ、冗談に決まってるじゃない!あはは…!」
「えっ…?冗談?」
「そうだよ。本当はこっち」

お腹を抱えて笑うヴィヴィオを見てポカーンとするユーノ。どうやら二人をからかう為にわざとこんな水着を選んだらしい。身体を張ったものだ。
どうやらなのはも騙された様で、安心したような気が抜けた様な複雑な表情をしている。ちなみに本当の水着は普通ので安心した。

「いくら何でもこんなの着れないよ~。フェイトママじゃあるまいし」

何気に酷い事を言うヴィヴィオに苦笑するが、良く考えると昔のフェイトは、真ソニックを中心に水着にかかわらず中々きわどい格好をしていた事を思い出す。
なのはも微妙な顔を表情をしているのを見て、恐らく同じ事を考えているのだろうと解る。フェイトには悪いがここは何も言わないでおく。

「あ!父さーん!なのは母さーん!」

声のした方向を見ると、大声で此方に向かってくる少女が一人。この声の大きさは言うまでも無く四女である。

「どうしたの?そんなに走ってきて」
「えっとね…、凄く良い水着見つけたから父さん達に見て貰おうと思って!」

それだけの為にユーノ達を探していたらしい。そう思うと本当にこの子が更に可愛く思ってくる。早速その水着を見せてもらう。

「えーと、これ!」
「へー、こ…れ…?」
「「…」」

四女の持ってきた水着を見た瞬間三人が固まる。四女の持ってきた水着は…、まあ解りやすく言うとヴィヴィオが冗談で着た物と負けづ劣らず凄い。
何でこんな物が子供用においてあるのかが解らない程に凄い。これも四女の冗談なのかと一瞬考えるが、四女の顔を見ると素晴らしく可愛い笑顔をしている。
恐らく褒めて!と言った表情であろう。この子はポーカーフェイスが出来る程器用な子ではない。そうなるとやはり本気でこれを選んだのか?
だが出来ればそれはあまり認めたくない。もし本気だと将来色々大変な事になるかもしれない。

「あ!ヴィヴィオ姉ちゃんの水着凄く良いね!僕もそれみたいなのが良いかも」
「えっ!?いやっ、これは違うよ!」
(…)

四女が本気である事が決定。これにはユーノも頭を抱える。まさか四女のセンスがこんなのだったとは思わなかった。

「蛙の子は蛙…(ボソ)」

ふとなのはが呟く。それを聞いて納得してしまった。四女はフェイトの娘、着る物のセンスも受け継いでしまった様である。迷惑な話だ。
とにかくこの水着で行かせる訳には行かないので、なのはと一緒に四女の水着を選ぶ事にする。折角選んだ水着を止められて不機嫌になる四女だが、
二人が一生懸命説得した為、何とか納得してくれた。ヴィヴィオはシグナム達の所に行くと言っていたので、三人で水着探しに行く。
四女の持ってきた水着を元の場所に戻す為に四女について行くと、三女と五女が水着を選んでるのが見えた。

「二人共、良いの見つかった?」
「お父さん!?お母さん!?」

四女が連れて来た父と母の姿を見て驚く三女。まさか二人を連れて来るとは思わなかったようだ。五女の方は此方に気付いた様だが、気にせず水着選びを続ける。
四女も五女の所に向かい一緒に水着を探す。それを見ていると三女が此方に向かってくる。

「あの、お父さんにお母さん。あの娘の水着なんですけど…」
「うん、止めといたよ」
「良かった…。私達では何度言っても聞いてくれなくて困ってたんです」

三女のその言葉を聞いて、他の二人はまともなセンスだと解り安心する二人。あんなのが他に二人いるのは流石に勘弁してもらいたい。
他の二人もまだ水着が決まっていない様なので、なのはと一緒に選ぶ事にした。

「やっぱりこれ位のが良いかな?」
「そうだね。三人共まだ小さいんだし、こう言う可愛いタイプのが似合うだろうし」

なのはと二人で選んだ水着を娘達に見せると、四女は少し物足りなそうな表情をしているが、他の二人は非常に喜んでくれた。
水着も決まったので、早速会計を済まし皆と合流しようとする。

「ねえお父さん。これほんとに駄目?」
「…せめてもう少し大きくなってからね」

四女の服装の趣味は少し何とかしないといけないかもしれない。その後皆で昼食を食べ、買い物を済ませて家に帰る。明日はいよいよプールに行くのだ。
娘達は早く明日にならないかとウズウズしているが、ユーノも久しぶりの大人数で出かけるのは久しぶりの為、内心楽しみにしている。
最後に明日の準備をした荷物の再確認をし、ユーノは眠りに入る…。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.029419898986816