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No.21737の一覧
[0] 【ネタ】マテリアル似の娘(リリカルなのは)[rattu](2010/09/06 16:05)
[1] 星光似の娘[rattu](2010/09/06 16:07)
[2] 雷刃似の娘[rattu](2010/09/06 16:09)
[3] 統べる王似の娘[rattu](2010/09/06 16:10)
[4] 中書き[rattu](2010/09/07 16:37)
[5] マテ似三人娘と父親の苦労[rattu](2010/09/07 16:39)
[6] マテ似三人娘の無限書庫見学[rattu](2010/09/07 16:41)
[7] マテ似三人娘の弟予報[rattu](2010/09/08 15:57)
[8] マテ似外伝 彼女達の幸せの形[rattu](2010/09/08 15:58)
[9] マテ似外伝2 弟が可愛すぎてお姉ちゃんどうにかなっちゃうの[rattu](2010/09/08 16:00)
[10] マテ似三人娘の劇練習[rattu](2010/09/10 17:34)
[11] マテ似三人娘の夏の一時 前編[rattu](2010/09/10 17:35)
[12] マテ似三人娘の夏の一時 後編[rattu](2010/09/10 17:36)
[13] マテ似三人娘の拾い物[rattu](2010/09/12 17:12)
[14] マテ似三人娘の暴走[rattu](2010/10/01 16:48)
[15] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  前編[rattu](2010/11/02 19:10)
[16] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  後編[rattu](2010/11/03 16:18)
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[21737] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  前編
Name: rattu◆50c335cc ID:c73723c0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/11/02 19:10
「ただいまー!」
「お帰りなさい」

元気で大きな声が響いているここ合同一家の自宅。
外で遊んでいた四女が自宅に帰り、大声で帰宅の挨拶をすると、三女がそれに答える。
帰って来た後は、一度家に誰が居るのかを軽く確認し、部屋着に着替える為、自室の方に戻っていく四女と、それを洗濯物を畳みながら見送る三女。
現在この二人と、ここに居ない五女は休日である為、各々が好きに休日を過ごしている。
元気な四女は外に出て身体を動かし、三女は家に残り溜まっていた洗濯物の整理、及び家の掃除をしていた。
そして、今子ここに居ない五女はと言うと……

「ただいま。帰ったぞ」

丁度出かけていた五女が帰宅してくる。
五女の帰宅の挨拶を聞き、三女が玄関まで五女を迎えに行く。

「お帰りなさい。売ってましたか?」
「ああ。ほれ、中身を確認しろ」

近づいてきた三女が五女に何かを尋ねると、五女が手に持っていた袋を三女に手渡し、三女が中身を確認する。
中を見て確認すると、頼んでいた物が入っていたのか、三女の表情が少し柔らかくなるのが解る。

「うん、全部揃ってます。手間取らせてすみませんでした」
「別にかまわんさ、どうせついでだったしな。あのバカは何処かに出かけていたし」

そう言いながら、四女の靴がある事を確認し、部屋の方を見て溜息をつく五女。
さっきまで出かけていた五女はと言うと、何時も食べているお菓子が無くなったので、買いに行こうとすると、三女にお菓子と一緒についでに夕ご飯の材料を買って来てくれと頼まれていたのである。
五女から受け取った材料を三女が冷蔵庫に入れ、五女がテーブルの上に買ってきたお菓子を置き、さて食べようとすると、着替えが終わったのか四女が部屋の方から二人が居るリビングまで降りて来る。

「あ、帰って来てたんだ。お菓子僕にも分けて!」
「匂いで降りて来たのか?犬か貴様は」

降りて来た四女に悪態をつきながらも、特に追い払うと言った事もせず、三女と四女の分の飲み物を取って来る五女。
飲み物の準備も出来、さあ食べようと思うと、ふとある事に気付き、立ち上がって何かを探し始める。
最初はどうしたのかと思いながらも、すぐに見つけるだろうと思い、何も言わずに戻って来るまで待とうとした四女だが、何時まで経っても探して物を探して戻ってこない五女に痺れを切らしたのか、四女がどうしたのかと尋ねる。

「何してんのさ、早く食べようよ!」
「ちょっと待て。食べながら読もうとした本が見つからんのだ」

五女が探している物は、最近見つけた面白い本であり、それを見ながら食べようとしたのだが、どう探してもその本が見つからない。
折角良いのを見つけたと言うのに、読みたい時に見つからない為、五女の機嫌もだんだん悪くなってくる。
流石に不機嫌になって自分の方に色々来るのが嫌なので、洗濯を終え一緒にお菓子を食べようとしていた三女が妥協案を出す。

「見つからないのでしたら、今日は諦めて別の本にしたらどうですか?」

三女の言葉を聞きながらも、そのまま探し続ける五女。
だがしばらく探しても見つからない為か、探す手を止める。

「ふう……、仕方がない、父さんか母さんの部屋で何か適当な本でも取ってくるか」
「あっ、僕も行く!」

本を探すのを諦め、代わりにユーノの部屋に置いてある本を借りる為、両親の部屋に向かう五女。
四女も何か面白い本は無いかと、五女と一緒に本を探す為に五女について行く。
ユーノとはやて、どっちの部屋から先に調べようかと思ったが、とりあえず近くにあるユーノの部屋から探してみる事にした二人。
ユーノの部屋の前まで来て、中に誰も居ないと解っているが、一応ノックをした後に部屋に入る。

「やっぱ本が多いね」
「父さんと母さんは本が好きだからな」

読書家のはやてとユーノの部屋には、何時も沢山の本が置いてある。
その中にある本を適当に見繕い、其々一冊ずつ手に持ち部屋を出ようとすると、四女がある物に気付く。

「あれ?何だろ?」

四女の目に入って来た物は、ユーノの机の上に置かれている、小さな二つの石である。
その二つの石は、片方が赤い色をしており、もう片方は青い色をしていた。

「キレーだな……」

その綺麗な色に四女が惹かれたのか、その二つの石を手に取り近くでじっくりと眺める。
しばらく眺めた後、五女にも見て貰おうと思い五女の居た方を振り向くが、既に部屋を出て行ったのか、その場に五女の姿は見当たらなかった。
仕方ないので石を二つともポケットに入れ、三女と五女のいる部屋へと戻っていく。
手に本を持ち、ポケットに石をいれたまま部屋に戻ると、二人共ゆったりと本を読みながらお菓子を食べていた。

「遅かったですね。何をしてたんですか?」
「ちょっと面白いのを見つけて……、あー!僕も食べる!」

二人がお菓子を食べているのを見て、四女も急いで自分も食べようと二人の元に近づく。
その後は三人で本を読み、時には談笑などをしたりしながらお菓子を食べて時間を過ごす。

「ふう、ごちそうさま」
「美味しかったですね」

そして、お菓子も食べ終え本も読み終わった時、ふと五女が先程の四女の台詞を思い出し、何があったのかを聞く。

「そう言えば、さっき何か言いかけそうになったが、あれはなんだ?」
「え……、あー!そうだそうだ!父さんの部屋でこんなの見つけたんだけど……」

五女に先程の事を聞かれ、お菓子の事で石の事を忘れていた四女も思い出す。
ポケットに入れている二つの石を取り出し、三女と五女にその二つの石を見せる。

「ほう……、綺麗な物だな」

その二つの石の輝きを見て、五女がうっとりとした表情で見つめる。
だが三女は石の方には目もくれず、四女の方を少し険しい顔で振り向く。

「勝手にお父さんの部屋から持ち出して来て……、何か貴重な物だったらどうするんですか」

三女が怒っているのは、四女が勝手にユーノの部屋から持物を持ち出した事である。
別に持ち出す事位ではそれほど強く言うつもりはないが、父親であるユーノは色々と重要な物を調べる為、自宅に貴重な物を持って帰ったりしている事がある。
ユーノ部屋から持ち出したと言う事は、もしかしたら何か大切なものなのかもしれない。
そう考えると、勝手に石を持ち出して来て四女に、少しきつく言ってしまうのは仕方がない事かも知れない。

「でもさ、別に厳重に保管とかされて無かったし、テーブルの上に置きっぱなしだったよ?」
「ふむ、父さんの性格だと何か危険があったら私達の手の届かない所に置くだろうし、むき出しで置いてたと言う事はそれほど危険な物でも無いと言う事ではないか?」
「だからと言って勝手に持ち出すのは……」

四女と五女の二人に同時に言い返され、少し及び腰になる三女。
正直このまま言い負けるのは嫌だが、二人が掛かりで攻められると辛いので、これ以上は何も言わない事にする。
そう思い、ふと二つの石を見る三女だが、三女もその石の美しさに目を奪われる。
そして自分でも気付かず内に、自然とその内の片方の赤い石を手に取り、自分の顔の近くまで持って来てじっくりと眺める。

「それにしても、本当に綺麗ですね……」
「本当だよね。父さんこの石何で持って帰って来たんだろ?加工して母さん達にプレゼントでもするのかな?」

四女も再び青い石を手に取り、三女と同じ様にじっくりと眺める。
こうして見てみると、特に何か魔力を感じると言う事も無く、これと言って特別な何かとは思えない。
先程四女が言った言葉も、あながち間違ってはいないのかもしれないと二人は思う。
しばらく三人で石を眺めていると、五女が二人に話しかける。

「もう良いんじゃないか?もし壊したりしたらまずいし、とっとと父さんの部屋に戻してきた方が良いぞ」
「それもそうですね。ほら、父さんの部屋まで持っていきますよ」

石を見るのにも飽きたのか、五女がそろそろ石を戻そうと提案してくる。
五女の言った通り、例え特殊な力を感じなくても、壊したりすると後が怖い為、三女が石をユーノの所に持って行こうとする。

「はーい。もうちょっと見たいんだけどな」

まだ石を見たり無いのか、少し渋る四女だが、仕方ないので言う事を聞く事にする。
座っている椅子から立ち上がり、ユーノの部屋に行こうとすると、ふと無意識にある行動を起こしてしまう。
持っている石を     上に方に放り投げた。

「って!何してるかお前は!」
「ああっと!!」

五女が大声で石を放り投げた事を叫び、四女もそれに気付き、慌てて投げた石をキャッチしようとする。
しかし慌てている為か、落下を始めた石をどう取るか解らず、取ろうとした瞬間落ちて来た石が手に当たり、三女の方に飛んでいった。

「危ない!」
「え?」

四女の叫びを聞き、三女が振り返ると、自分の方に飛んでくる青い石と迫ってくる四女の姿を確認する。
二人共お互いにかわそうとするが、既に目の前まで来ている為、どうしても完全に回避できそうにない。
それでも出来る限りかわそうとする三女と、石を落とさない様に取ろうとする四女て身体が交錯する瞬間、三女の持っている赤い石と、落下している青い石が、四女が青い石をキャッチするのとまったく同時に激しくぶつかった。

『あっ!』

その瞬間、ぶつかりあった二つの石から強い光が発する。

「え!?」
「何これ!?」
「二人共!」

三人が叫び、光がさらに強くなって行き、既に目も開けれない位の強さになり三人を照らす。
そして光が消えた時には、三人共意識を失い、床に倒れていた。




「ッ……!」

三人が倒れてから少し時間が経ち、三人の内の五女が一番先に目を覚ます。
目を覚ました後、周りの状況を確認し、そして何が起こったのかを出来うる限り早く思い出す。
五女は何故自分が先に目を覚ましたのかと考えるが、恐らく二人程光を発した場所が近くなかった為だったと思う事にする。

「……とりあえず二人をソファーに横にさせるか」

まずは床に寝転がったままの二人を移動させる事にする。
床にそのまま寝かせるのも悪いので、とりあえずそれを最優先事項として行う。
二人をソファーまで連れて行くと、今度は身体に異常が無いかを調べる。
二人の服を少し脱がして、怪我や痣、または魔法的な何かが付着していないかどうかを調べる。
幸い軽く見た所ではこれと行った外傷が無い為、とりあえずは安心する。

「さて……、どうするか?」

やるべき事を一通りの終え、次の行動を考える五女。
念の為二つの石を少し調べてみるが、どうしても何か特別な力を感じる事は出来ない。
何も手がかりが見つからず、手詰まりかと思っていると玄関の方から扉が開く音が聞こえてくる。

「ただいまー」
「三人共居る?おやつ買ってきたよ」

玄関から聞こえて来た声は、三人の父親であるユーノと、三女の母親であるなのはの物だった。
二人が帰った事を知り、急いで二人の元に走っていく五女。
次男を抱いているなのはと、買い物袋を持っているユーノが、急いで此方に向かってくる五女を見て、何があったのかと思い、すぐに緊張した表情になる。

「父さん!なのは母さん!丁度良かった!」
「どうしたの?落ち着いて話して」

真剣な表情で五女に話しかけるなのは。
ユーノ持っていた荷物を床に置き、万が一の事に備える。

「えーと……、何処から説明したらいいのか……、とりあえず着いてきて!」

どうやって説明するのかが中々整理できず、まず二人をソファーの所に連れて行く。
なのは達を寝ている二人の所に連れて行き、なのはが一旦次男をユーノに預け、二人に何か異常が無いか調べる。

「それじゃあ、なのはが調べている内に何があったか、じっくり聞かせてもらえるかな?」
「うん、実は……」

寝ている二人の異常を調べるのをなのはに任し、(次男を抱きながら)何があったのかを聞きだすユーノ。
なのは達が居てくれるようになって落ち着いたのか、事の始まりを最初から説明を始める五女。




「……と、言う事なんだが」

しばらく時間が経ち、一通りの説明を終えた五女。

「えーと、要約すると『ユーノ君の部屋にあったの二つの石を持って来て、それがぶつかって瞬間光が出て、それで三人共気絶』と言う事で良いのかな?」
「そう言う事です、なのは母さん」

三女と四女の身体の確認を終え、ユーノか次男を返して貰った後、隣に座り一緒に話を聞いたなのはが聞いた話を簡単に纏める。
そして五女から話を聞いた後、ユーノの方を振り向き、少し厳しい感じの声色で話しかける。

「ユーノ君?遺跡発掘で見つけてきたり、詳しく調べる為に色々家に持って帰ってくるのは良いけど、子供達の手に届かない所に置いといてって約束したよね?10年くらい前に持って帰って来たロストロギアでエリオが女の子になったりしたって言うのに」
「ご、ごめんなのは。あまり危険な物じゃないから油断してた」
(女の子になったエリオ兄さんか……、少し見てみたいな)

なのはにすごまれ、少々情けなく謝るユーノ。
何やら昔面白い事があったらしく、その事に興味を湧く五女だが、今はそれ所じゃないと考え直す。
まずはまだ目を覚まさない三女と四女についてと、二つの石について尋ねるなのは。

「二人共ずっと眠ったままだけど、この石の所為かな?」
「うん。でも『身体』には何か影響がある訳じゃないから、もう少ししたら目を覚ますよ」
「それなら良かった。……(身体には?)」

ユーノの言葉を聞き、ひとまずは二人の身体が無事であると知り安心する五女。
だが、ユーノが発した『身体には』と言う言葉を聞き、再び嫌な考えが頭に浮かんでくる。
なのはもそれに気付いたのか、次の質問をユーノに投げかける。

「身体は……て事は……」
「あ、精神的な事も大きな心配は無いよ。発狂したり記憶が無くなったり二人の人格が入れ替わったりとかは絶対ないし、日常生活にはまったく支障は無いよ」

それを聞いてやっと本格的に安心する五女。
だがなのははまだ完全には納得していない。
ぶつかったら光が出て気絶する石位なら、ユーノが持って帰って来て詳しく調べるとは思えない。
ロストロギアでは無いにしろ、何か特別な力があり、詳しく鑑定する為持って帰って来たと考える。

「それで、この石ってどんな効果があるの?まさか光を出して気絶するってだけじゃ無いよね」
「まあね、後本当に大した事無いよ?僕も鑑定して詳しい事を知った時少し脱力したし」
「まあそれでも、子供達に起こった事だから、詳しく教えてくれる?」
「解った、あの石は……」

なのはに二つの石の説明を始めようとするユーノ。
その時、今まで眠っていた二人の内、四女に動きが出る。

「う~ん、……あれ?」
「目を覚ましたみたいね」

やっと目を覚ました四女だが、どうやらまだ事態を把握していないのか、ボーっと周りをきょろきょろしている。

「えーと、何があったんだっけ?」

意識は完全に戻っているらしいので、今まであった事を簡単に説明する。
その五女の説明を聞いた直後、凄い勢いでまだ眠っている三女の方に飛んでいく。

「大丈夫なの!?目を覚ますよね!?」
「え?……あ、ああ。父さんの話だと大した事は無いから、すぐに目を覚ますらしい」

何時もの様な天然元気バカな四女と違い、かなり真剣に、そして慌てた様子の四女。
それを見て、若干おかしいと思う五女だが、四女の所為でこうなった為、四女なりに責任を感じてると考えた。
それでも四女の三女に対する心配の仕方が少し度が過ぎている様に見える為、どうしたのかとユーノに聞いてみる。

「父さん。随分と様子がおかしいが、あれも石の影響か?」
「あー、うん。詳しい事は今から言おうと思ってたんだけど……、一度実際目で見た方がいいかもね」

そう言った父親の見ている視線の先には、身体を動かし目を覚まそうとしている三女の姿があった。
眠っていた三人の内最後の一人が目を覚まし、なのはも五女も一安心と行った所である。

「良かった!目を覚ましたんだね!」

そう言いながら、まだ頭がボーっとしている三女に思いっきり抱きつく四女。
いきなりの事態に何事かと慌てる三女だが、すぐに気絶する前の事を思い出し、自分の両親が居るのを確認し状況をある程度理解する。
そして、自分に抱きついている四女を抱きしめ変えし、優しい表情で語りかける。

「大丈夫ですよ。ごめんなさいね、心配させてしまって」
「うん。無事でよかった……」

不安そうにしている四女のを落ち着かせ、美しい姉妹愛が展開される。
だが、その二人の様子を見ている五女が、気持ち悪いと言った表情で二人を見る。
この三姉妹は別に仲は悪くは無い。
間違いなく姉妹仲は良好の関係ではあるのだが、今の三女と四女の様に至近距離で見つめあったりする程ではない。
何か二人の間に怪しい雰囲気が漂い、何やら日本の植物の本で読んだ気がする花が二人の周りに咲き乱れている様な錯覚が起きる。
正直血を半分分けた姉妹が、そんな怪しい雰囲気をしているのを見たくは無いので、目線を逸らすと同時にユーノの方を見る。
それを見たユーノが、何とも言えない表情で一言。

「まあ……、あんな感じになるって事だよ」
「解るかボケー!」

そう言いながら、素晴らし右ストレートをユーノの腹部に叩き込む五女。
なのはの方は次男を抱きながら、怒っている五女、怪しい雰囲気を続けている二人、そしてお腹を押さえて微妙に震えているユーノの姿を見ている。
何も知らずぐっすり寝ている次男を見て、大きなため息を一つつき、倒れてるユーノに話しかけるなのは。

「ユーノ君。夜に皆帰ってくると思うから、その時詳しく説明してくれる?」
「りょ……了解……」

なのはの言葉に、お腹を押さえながら返事をするユーノ。
五女の方もなのはの言う通り、皆が戻って来るまで説明を聞くのを我慢する事にする。
今だ見つめあっている二人から目をそらしながら。



「お互い両想いになる石だとー!?」

五女の叫びが家全体に大きく響き渡る。
なのはの言う通り、家族が全員集まるのを待ち、やっと揃ったので二つの石の説明を始めていた。
幸いにも、この日は珍しく家族全員が早めに帰宅する事となっており、それほど遅い時間にならず集まる事が出来た。
他の家族は帰ってくるなり、怪しい雰囲気の三女と四女を見て物凄い驚いていたが、なのはとユーノから後で説明すると言われ、二人には何も言わずしておいた。
そして最後のはやてが帰って来た時に、すぐさま三女と四女とザフィーラを別の部屋に移し、何があったかの説明を開始する。
そして、二つの石の効力の話になり、ユーノがその説明を終わった後、先程の五女の叫びへとつながる。

「もー、あまり大きな声出しちゃ駄目でしょ。この子も泣いちゃうし、サフィもびっくりして逃げちゃったよ」
「あ、ごめん。なのは母さん」

なのはにたしなめられて、少し反省する五女。
そして、ヴィヴィオが質問の続きをぶつける。

「その石を持って帰って来たのは鑑定する為って解るけど、何でそんな変な効力なの?」

ヴィヴィオが思いついた疑問をユーノに尋ねる。
別にこんな物が無くても、普通に恋人が居れば必要無いんじゃないかと、ヴィヴィオが思う。

「まあ色々使い方があったらしいけど、割と多かったのが政略結婚とかがある時、お互いに別に思い人が居たら後で面倒な事になる可能性があるから、この石で無理やりにでも両想いにしてしまえ。って言うのがあったらしいよ」
「うわー……、酷いねそれ」
「まあ昔の話だし、今の考えと一緒にするのはちょっと違うかもしれないかもね」

ユーノから昔の石の使い方を聞き、嫌そうな顔でヴィヴィオ。
一応アギトが時代の違いとフォローするが、言った本人も正直納得はできていない。
一通りの説明を聞き、話を元に戻す為、キャロがふと浮かんだ疑問を投げかける。

「あのー?あの娘達女の子同士なんですけど、何で効果が出てるんですか?」
「割と古い物だし、整備もされず長い間放置されてたみたいだからね、色々不具合が出てて男性と女性の区別も曖昧になってるみたい」
「随分適当やな……」

キャロの質問に、鑑定して解った結果を教えるユーノと、かなり適当な答えに思わず突っ込んでしまったはやて。

「まあ、大きな心配も無い事だし、慌てる事は無さそうだね」
「いやちょっと待ってくれなのはフェイト母さん!重要な事が一つあるだろ!」

とりあえずは大きな問題が無いとして安心するフェイトに、母親に続いて五女も突っ込む。
明らかに一つ、もっとも重要な事が現在進行形で残っていると言うのに、何で安心してるんだと思ってしまう。
あんな怪しい雰囲気が何時までも続くと、何時最終形態まで行くか気が気でない。
他の両親達も、五女の叫びに考えを改めなおしたのか、真剣な顔で二人の事を考える。

「確かに、私達がしっかり二人が過ちを犯さない様に見張らないと」

真剣に話し合う両親四人の姿を見て一安心する五女。
正直自分一人では、あの二人を止めるのは色々な意味で無理なので、両親達がやる気になってくれるのは非常に助かる。
まずは、二人をどうやって引き離そうかと考えると……

「まだ二人共幼いんやし、あまり進んだ所まで行くのはまずいな」
「そっちじゃねー!」

はやての見当違いの言葉に、実の母親だと言うのに容赦なく突っ込む五女。
いきなりの五女の癇癪(なのは達視点)に、一体何が悪かったんだと言った表情で五女を見る両親四人。
その表情を見て、更に一気に捲し立てる五女。

「まずそれ以前の問題だろうが!何で進んだ所までって吹っ飛んだ所まで行く!後何処が悪かったの?て顔するな!少し考えたら解るだろ!」

激しく言ってくる五女の迫力に押されているのか、四人共少々おっかなびっくりと行った感じで五女を見る。
仕方ないので、四人で五女が何処が悪いのかを言っているのかを考える。
そして、答えが出たのか、なのはが五女の方を向き話しかける。

「ごめんね、何処がいけないのか思いつかないんだけど……」
「なんでだよ!?」

なのはのすまなそうな言葉に、もう親子関係なしに突っ込む五女。
仕方ないので、自分が何処を心配しているのか教える。

「まず女同士って言う時点でおかしいだろ!?普通真っ先にそっちに気付く物じゃないのか!?」

まあまずそこに問題が行くだろう。
恐らく普通に考えれば、世間の大半がまず其方の方を問題が行ってもおかしくない。
だが待ってほしい。
この一家は色んな意味で普通ではない。

「……それって駄目な事なのかな?」
「はあー!?」

フェイトの言葉を聞き、変な声で叫ぶ五女。
まさか普通に駄目なのかと返されるとはまったくの予想外であり、五女はこいつ何言ってんだ?と、母親の一人だと言うのに一瞬思ってしまう。
予想外の言葉に混乱し、一瞬思考回路がショート寸前になるが、何とか持ち直す五女。
色々言いたい事はあるが、とりあえず一般常識(だよね?)に当てはめて話し合いをして見る事にする。

「いや、普通に恋愛って言うのは男女の間での物であって、父さんや母さん達だって……まあ妻が三人居るって言うのは百歩譲って良しとして……?なんだシャマル?」

何でまだ小等部の自分が恋愛の事で話さなならんのだと思いつつ説明をしていると、後ろの方から肩を叩かれ、振り返って見るとシャマルの姿があった。

「はい、これ」
「何だこれ?紙?」
「まあ詳しく読んでみろ、多分驚くから」
「?まあ読んでみるが」

シャマルから何やら紙の様な物を貰う。
いきなりなんだ?と思いつつも、ヴィータから読んでみろと言われたので、素直に紙に書かれている事を確認する五女。
そして暫く経った後、まったく表情を変えない五女に不安を感じたのか、アギトが五女の方に近づくと。

「……なんじゃこりゃー!?!?」
「まあそうなるわな」

渡された紙の内容を理解したのか、彼女が産まれて間違いなく最大音量の叫び声がこだまする。
他の皆もこうなるのを予想していたのか、別に驚く事も無く何時も通りにしていた。
そして暫く混乱した後、何とか頭が正常に戻ったのか、この紙に書かれている事を両親四人にすぐさま尋ねる。

「ちょっと待て!?ここに書かれてるの少しおかしいだろ!?」

五女の言葉を聞き、何処がおかしいの?と言った表情をするなのはとはやて。
そしてまあ仕方ないよね、と行った表情のフェイトとユーノ。
反応が別れている両者に若干違和感を覚えたが、気にせず話を続ける五女。

「この紙に書かれている母さん達の関係……!この際父さんがなのは母さんとはやて母さんと結婚していると言う一夫多妻まあ良しとする!」

正直一夫多妻もどうかと思うが、もう五女にしてみれば見慣れた物なのでそれは無視する。
そして話を続けようとする五女に、フェイトとユーノが驚いた表情で喋る。

「え!?そっちの事じゃないの!?」
「僕もてっきり複数の人と結婚してる事だと思ったのに」
「そっちの方かよ!?良いから私が喋り終えるまで黙っててくれないか!?」

五女に突っ込みと同時に、猛烈に怒られてしまったので、大人しくしている事にしたフェイトとユーノ。
二人が大人しくなったのを見計らって、本題を両親四人に尋ねる五女。

「私が聞きたいのは……、どうしてなのは母さんとフェイト母さんが結婚してますって書かれていると言う事だ!」

五女に取っては初めて知った新事実。
まさか自分の両親二人が同姓で結婚しているとは思っても居なかった。
確かに普段から仲が良いとは思ってはいたが、まさかそこまで行っているとは知らなかった五女。
もう何が何やらと言った感じで、混乱している五女に、母親であるはやてが近づき、優しく頭を撫ぜる。

「そう言えば、三人には私達が結婚した事詳しく教えて無かったな。皆、この際やから教えても別にええよな?」
「そうだね。別に隠しておく事も無いし」
「母さん……」

そう言いながら優しく頭を撫ぜてくれるはやてに安心したのか、少し気分が穏やかになるのを感じる五女。
そして、はやてに自分達の結婚秘話を教えて貰う。

--------------------

【説明中】


【説明終了】

--------------------

「結局母さんが一番の元凶じゃないかー!?」
「だって~、私だけ置いて行かれのん嫌やってんもん!」

すべての説明を聞いた後、結局の所自分の母親のアホみたいな提案でこうなったと知り、実の母関係なく問い詰める。
説明前ははやての優しさに嬉しさを感じたが、さっきの説明で全部台無しになってしまった。

「私達は今まで、ずっと父さんが三人を物にしたとばかり思ってたぞ……」
「ははは、当時はそんな事まったく考えて無かったからね」
「私もユーノも、なのはしか見えて無かったからね」
(惚気んなよこの両親……)

楽しそうに昔の事を思い出しているフェイトとユーノに、心の中で口悪く突っ込む五女。
この話をするのももう疲れて来たので、次の問題に移る事にする。

「はあ……、まあ良い。この際重婚や同性婚はもう良しとする!」
(妥協した……)
「だが!もう一つどうしても譲れない所がある!」

もう半ばやけくそ気味で話を進める五女に、他の家族が少し心配そうな目で見る。
そんな視線も気にせず、五女が話の続きを始める。
同性同士は諦めて良しとするが、もう一つ五女が納得でいない所。それは……

「兄弟で恋愛と言うのはおかしいだろ。普通に考えて」

五女の考えるもう一つの問題、それは二人が兄弟(姉妹)と言う事である。
五女の中では、ある意味同性同士より問題があると思っている。

「流石に姉妹同士って言うのも更に問題……、今度は何だシャマル!」

話を続けようとすると、またもシャマルが五女の肩を叩き振り向かせる。
流石に二回連続でやられると、五女の方も少し不機嫌なのか、かなりきつい感じで言い返してしまう。
シャマルも流石に申し訳なく思っているのか、少し苦笑いしながら五女の方に歩み寄る。
顔の怖い五女を宥め、落ち着いた所を見計らって、ある方向に指を指す。

「はい、向こうの二人を見てね♪」
「?向こうの二人……」

シャマルの指さした方を見てみると、そこには気まずそうな顔で五女から目を逸らすエリオとキャロの姿があった。
五女の方はその二人を見て、一体どういう意味だ?と一瞬考えるが、すぐに内容を理解して頭を抱える。

「……ああもう!何でこの家は色んな意味でまともなのが居ないんだ!?」
(まあそんな事言っても今更だけどな)

もう傍から見て可哀想に思える位に五女が叫ぶ。
それを見てヴィータがふと酷い事を思うが、当然口には出さない。
五女にとって兄と姉に当たるエリオとキャロ。
現在二人は子供はいないのだが、既に夫婦になっている。
だが二人は、元々殆ど兄妹と行って良い関係で育ってきており、先程の五女の問題もある意味まったく問題無かったと言う事になる。
暫く周りの環境に頭を抱え唸っていた五女だが、落ち着いたのか会話を続ける。

「もう良い……、もう何も言わない……」

落ち着いたと言うか、もう何もかもに疲れたと言った表情をしている五女。
それを見て家族全員が申し訳なく思ってくる。
何かこの数時間で五女が少し老けた様な気がするが、まあ多分気のせいであろう。
とりあえず五女の考えていた問題も解決(?)し、次の問題を考える。

「さて、所で父さん、あの石の効力は何時まで続くんだ?まさか一生あのままだと言う事は無いだろうな?」

まずはあの石の持続時間をユーノに尋ねる。
すぐに解けると言うのなら別にかまわないが、もし年単位で掛かると言うのならもしもの事を考えなければならない。
そんな不安を持っている五女だが、ユーノが笑顔で不安を取り除く事を言ってくれる。

「本当は色々儀式をして効力が続く時間を延ばしていたらしいけど、今回のは何も準備せずに偶然起こった事だから、多分長くて一週間前後で戻ると思うよ」
「長くて一週間か、まあそれ位なら我慢も出来るか」

ユーノからの予想の期間を聞き、長くは続かないと知り一応は安心する五女。

「出来るだけ私達も目を光らせておくけど、学校とか目が届かない所があるからね。そこの所はお願いできるかな?」
「まあ仕方がないか。出来うる限りはやるさ」

家族全員が二人を監視する事になり、一応この議題は終了する事になった。
一部家族が手を貸せない状況もあるが、そこは五女自身が何とかしようと考えている。
大体の話が終わり、各自自由にしようと思うと、リインがある事をなのは達に質問する。

「あの~、あの二人は解るんですが、どうしてザフィーラがここには居ないんですか?」

三女と四女は当事者である為、ここに居ないと言うのは理解できるが、ザフィーラまで居ないのはどうしてか解らない。
リインの他にも、アギトやヴィヴィオと言った辺りは、ザフィーラが居ない理由が解っていない様子。
既に話し合いは終わったので、ザフィーラが何処に居るのかを教えるなのは達。

「ああ、ザフィーラ二人の監視。万が一の事があるからな」
「あ、そうですか。だったら納得です」
「万が一があったら、本気で殴り倒してでも止めてって伝えてるから安心だし」
「……ザフィーラに本気で殴られるのはきついな」

はやての説明に、三人が納得する。
しかし、次のなのはの言葉に、両親四人以外が何とも言えない表情をする。
拳での戦いなら、アルフ、ヴィヴィオと一緒に3トップに入るザフィーラに本気で殴られる。
それを考えただけで、一度訓練で本気で殴られた事のある五女が殴られて箇所を無意識に抑える。

(まあ、いくら様子がおかしいとは言え、ザフィーラが居る前で馬鹿な真似もしないだろ、あの二人も)

そう考え、席を立つ五女。
聞きたい事ももう無いので、二人の居る部屋に戻り就寝する準備でもしようとする。

「それじゃあ私はそろそろ寝るから、部屋の方に戻る」
「はい、お休みなさい。明日の学校では宜しくね」
「了解した。お休み、母さん達」

なのは達と別れ、自分の部屋に向かう五女。
ザフィーラの事はどうしようかと考えたが、やはり頼れる者は一人でも多いほうが良いので、二人を見張って貰う為、一緒に居て貰う事にする。
部屋の前まで到着し、中で何が起きていても大丈夫なように、一旦呼吸を整え覚悟を決める。

「ふう……、良し!行くか!」

どうして自分の部屋に入るのにこんな事をしなければならないかと一瞬考えるが、そこは非常事態と言う事で気にしない事にする。
扉を開け中に入ると、そこには既に寝ている三女と四女の姿があったのだが、どうにも様子がおかしい。
そしてふと横を見てみると、そこには人間形態になっているザフィーラの姿があった。
普段緊急時位にしか人間形態にならないザフィーラが、何故人間形態になってるか一瞬疑問に思う五女。
だが、少し考えた後、二人の方を見てみると布団をかぶっておらず、何やらいきなり眠ってしまった様に見える。

「……すまんなザフィーラ。変な物を見させてしまった上面倒な事をさせて」
「いや……、こう言うのは昔主はやて達で何度も見ているから構わん」
(本当におかしいなこの家は……)

何か慣れているザフィーラに、それもどうなんよ?と思いつつそんな家庭で育ってきたんだからもういいやと、五女も諦める。
その後、二人を布団に寝かせて、ザフィーラに二人が起きた後また暴走しない様に見張って貰い、五女は眠りに着く。
次の日にどんな困難が待っているかを考えながら……。



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