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No.21737の一覧
[0] 【ネタ】マテリアル似の娘(リリカルなのは)[rattu](2010/09/06 16:05)
[1] 星光似の娘[rattu](2010/09/06 16:07)
[2] 雷刃似の娘[rattu](2010/09/06 16:09)
[3] 統べる王似の娘[rattu](2010/09/06 16:10)
[4] 中書き[rattu](2010/09/07 16:37)
[5] マテ似三人娘と父親の苦労[rattu](2010/09/07 16:39)
[6] マテ似三人娘の無限書庫見学[rattu](2010/09/07 16:41)
[7] マテ似三人娘の弟予報[rattu](2010/09/08 15:57)
[8] マテ似外伝 彼女達の幸せの形[rattu](2010/09/08 15:58)
[9] マテ似外伝2 弟が可愛すぎてお姉ちゃんどうにかなっちゃうの[rattu](2010/09/08 16:00)
[10] マテ似三人娘の劇練習[rattu](2010/09/10 17:34)
[11] マテ似三人娘の夏の一時 前編[rattu](2010/09/10 17:35)
[12] マテ似三人娘の夏の一時 後編[rattu](2010/09/10 17:36)
[13] マテ似三人娘の拾い物[rattu](2010/09/12 17:12)
[14] マテ似三人娘の暴走[rattu](2010/10/01 16:48)
[15] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  前編[rattu](2010/11/02 19:10)
[16] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  後編[rattu](2010/11/03 16:18)
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[21737] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  後編
Name: rattu◆50c335cc ID:c73723c0 前を表示する
Date: 2010/11/03 16:18
一夜明けて次の日の日の朝。
既に仕事に出かけている人もいれば、休みなので少し寝坊している人達も一家の家。
その中で、もう明日くんなと思いながら眠りについていた五女が、目覚ましの鳴る少し前に目を覚ます。
もう少し寝ていたいと思いながらも、学校もあるので起きる事にする。
身体を起こした後、周りを見て昨日の事を思い出す。

(……出来れば今日の内に効力が切れていてくれると非常にありがたいのだが)

まだ寝ている三女と四女の方を見て、面倒な事はしたくないので石の効力が無くなっている事を祈る。
だが、まだあれから24時間も経っていないので、正直切れているとは五女自身思っていない。
一つ溜息を吐きながら、ベットから立ち上がり着替えようとすると、部屋の隅に狼の状態で座っているザフィーラの姿を見つけた。
昨夜五女に言われた通り、ずっとここで見張っていてくれていたのだろう。
ぱっと見では解らないが、恐らく一睡もせずに見張っていたであろうから相当眠いはずだと思い、もう大丈夫だとザフィーラに伝える。

「すまないなザフィーラ。後は私が見ているから戻って構わない」
「解った」
「母さんには今日はザフィーラを休ませてくれと言っておく。今日はゆっくり休んでくれ」
「……助かる」

そう言いながら部屋を出て行くザフィーラ。
五女の方も、昨日は自分の方から頼んだのだから、これ位はしないと申し訳ないと思う。
ザフィーラが部屋を出た後、服を着替え、授業に必要な教科書などを鞄に入れ準備完了。
自分の準備が終わった後は、次はまだ眠っている三女と四女の事である。
正直このまま石の効力が切れるまで寝ていて貰いたいのだが、学校もある為そのままに放置しておくわけにもいかない。
二人が羽織っている掛け布団を片手ずつ手に持ち、思いっきり二人から引っぺがす。

「ほら起きんか。もうすぐ学校に行く時間だぞ」

二人の掛け布団を引っぺがすと、二人共少しもぞもぞした後に目を覚ます。
まだ完全に頭が覚醒しきっていないのか、二人共ボーっとした表情で何が起きたのかと周りを見渡す。
そして二人が掛け布団を手に持っている五女を見て、その次に時計を見た後、今度はお互いを見る。
暫く見つめあった後、二人共少しだけ顔が赤くなり、ちょっと照れたように話し始める。

「えへへ、おはよ!」
「ええ、おはようございます」
(やっぱりまだ効力切れてないか……)

嬉しそうな顔でお互いにおはようの挨拶をする二人を見て、予想通り効果が切れて無いのが解り脱力する五女。
まあしかしある程度予想していた事なので、別にあまり落胆はしていない。
その後は二人が着替えてる時に何か起こらない様に見張りつつ、二人が出かける準備が終わった後、朝食を取る為に一階に降りる。

「おはよう。三人共」
「おはよう。今日はヴィヴィオ姉さんが食事当番か」
「うん。今日は私は休みだからね」

一階には、食事当番のヴィヴィオの他に、まで仕事に出ていないはやてと先程部屋から出たザフィーラ、そしてリインの四人が残っていた。
既に朝食の準備が出来ていたので、三人共すぐに朝食を始める。
美味しい朝食を食べつつ、丁度はやてがすぐそこに居るので、五女が先程の事をはやてに伝える。

「母さん、昨日ザフィーラに少し無理を言ってしまってな、出来れば今日は休ませてあげて欲しいんだが」
「うん、解った。ザフィーラ、今日は家でヴィヴィオとゆっくりしとき」
「了解しました」

娘の提案に二つ返事で答え、ザフィーラの方に話しかけるはやて。
はやて自身も、昨夜戻ってこなかったザフィーラの事を考え、この日は休ませておこうと思っていた為丁度良かったと思っている。
そして、家に居る人達が全員食事を終え、各々が出かけようとする。

「それじゃあ私達は学校に行ってくる」
「私達も仕事に行こか。学校では頼むで……(ボソ)」
「……最善は尽くす」

お互いに出かける間際に、はやてが五女に学園での見張りを確認する。
五女の方は、正直まったく気が乗らないのだが、学園では二人を止めれるのは自分しかいない為、全力で頑張る事にする。
はやてとリインと家を出た後、玄関で別れ、こうして五女の激動の一日が始まる事になる。


「♪~」
「ふふ……ご機嫌ですね」
(家を出て早速これか……)

はやて達と別れた後、学園に向かって歩いている三人だが、五女は目の前の光景を見て溜息を吐く。
五女の目の前では三女と四女が仲良く歩いているのだが、別にそれは構わない。
自分も含め、普段は三人で喋りながら登校しているので、傍から見れば仲良く一緒に歩いていると言うのは自分でも解っている。
だが目の前の二人は、会話だけでなく、楽しそうに手を繋いで歩いている。
最初はやめさせようと思ったのだが、これ位だ色々言ってたらこの先更に面倒な事になると思い、手を繋ぐ位なら放置しておこうと心に決める。

(そう言えば、昔初めて学校に行く時、不安で三人で手を繋ぎながら登校した事があったな……)

手を繋いでいる二人を見て、ふと昔の事を思い出す五女。
まあ目の前の状況と昔とでは、手を繋いでいる内容はまったく違うので、正直あまりいい気がしない。
暫く二人を見張りながら歩いていると、学院に到着する。
手をつないだまま学園に入って行く二人を見つめ、勝負はこれからだと気合を入れなおす五女。
何で普段の学校生活でこんな事しなきゃならんのだと一瞬思いながらも、すぐにその考えを頭から取り除く。



「えっと……、八神さん?あの二人どうしたの?」
「……今は何も聞かんでくれ」

一時限目の授業が終わった後の最初の休み時間、次の授業の準備をしている時、横からクラスメイト男の子が話しかけてくる。
彼は五女の隣の席に座っており、クラスメイトの中ではそれなりに話をする程度の仲である。
その彼が何とも言えない表情で、三女と四女の方を指さし五女の方に尋ねて来る。
五女に取っては、出来ればその二人を無視して貰いたかったのだが、やはりそう言う訳には行かないらしい。
他のクラスメイトも、全員ではないが、やはり何人かのクラスメイトは二人の方を変な目で見ている。

「えへへ、暖かいね」
「まったく、あまりベタベタするのはどうかと思いますよ?」

男の子が指を指している先には、三女に後ろから抱きついている四女の姿があった。
普段の四女は、仲の良い相手に抱きついたりする事は結構あるので、それに関しては別に問題は無い。
だが、三女の方は特に意味も無く抱きつかれるのは嫌なので、普段は抱きついてきた四女をすぐに引っぺがすのだが、そんな事をせずに四女を受け入れている。
それ所か、自分の身体に絡みついて来る四女の手を、優しく握ったりと、普段ではありえない行動を取る三女に、クラスメイトも何事かと言った表情で見つめる。
仕方ないので、五女が二人を止める為、席を立ち二人の元に歩いて行く。

「ほらお前等、見てる方が暑苦しいかとっとと離れろ」
「ええ~、良いじゃん別に」
「仕方ないですよ、さ、離れましょ」

五女に注意され、四女が不満の声を出すが、三女にも言われてしまった為大人しく言う事を聞く。
このままで大丈夫なのか?と思い、溜息をつき自分の席に戻っていく五女であった。
そして、学校の授業は進んでいき、外に出て体育をする事になった三人娘のクラス。
体操服に着替え、各々が自由に身体を動かす。

(授業中ならあいつ等も大人しくしているだろう)

そう思いながらも、念の為少し離れた所で二人を見張る五女。
一応二人は別々のグループに分かれている為、特に気にする必要はないはずなのだが、一応と言う事で目を離さないようにする。
特に何事も無く授業は進み、これならこの時間は大丈夫か?と安心していると、離れた所から聞きなれた声が聞こえてくる。

「んぎゃ!?」

何事かと声のした方向を振り返ってみると、何故かそこには地面に頭から突っ込み、えび反り状態の四女の姿があった。
一体どうしたんだ?と五女が四女と一緒に行動していたクラスメイトに尋ねると、飛んで行ったボールを追いかけジャンプして取ろうとすると、着地に失敗してああなった、と言う事らしい。

「まあ、何時も通りのあいつと言う事か」

普段から元気な四女は、たまに張り切り過ぎてこうなってしまう事が多々ある為、五女にしてみれば何時もの事と言った感じである。
大した事無いと考え、すぐに授業に戻ろうとすると、三女が慌てて四女の元に走り出したのが目に入った。

「大丈夫ですか!?」
「うう……、痛い……」

すぐに四女の元に駆け寄った三女。
顔面から落ちた為、四女の顔に傷が付いていないか、自分の顔を四女の顔のすぐ近くまでもっていき確認する。
怪我をした四女を助ける三女の姿は、他のクラスメイトもよく見かけるが、いつも以上に激しく四女の心配をする三女の姿に、やはりどうしたのかと言う視線を向けるクラスメイト達。

「八神さん……、やっぱあの二人って……」
「だから聞かんでくれ。頼むから」

先程の男の子がまた五女の方に話しかけるが、色々喋るのは精神的にも疲れる為、あまり話しかけないで欲しいと頼む。
どうしようかと考えていると、三女が立ち上がり、体育の教師の方を向き、普段では滅多に聞かれたい大きな声で喋りだす。

「先生!私は彼女を連れて保健室に行きます!良いですよね!?」
「え?……あ、ああ……言って良いぞ」

三女の迫力に押されたのか、体育の男性教師が思わず許可を出してしまう。
教師から許可を貰い、四女を抱きかかえて急いで保健室に向かん三女。
その手際の良さに、教師だけでなくクラスメイトも唖然とした表情で、保健室に向かう三女と四女を見つめる。

「すまん先生、私も一緒に行ってくる。一応姉妹だから心配でな」

五女がそう言い放った後、教師が許可を言う前に既に二人の元に走り出す。
一応保健室には先生は居るのだが、たまに居ない時があるので、万が一に二人っきりなると危険なので、二人付いて行く事にした。
幸い、保健室には先生が居た為、四女の傷の手当てをして貰った後、すぐに授業に戻ったので何も起らずに済んだ。
その後の授業と休み時間も、何事も無く進み、ついにお昼休みの時間がやってくる。
三人娘は近くの机を引っ付け、三人一緒にお昼ごはんを食べる事にする。
この三人は何時も一緒にお昼ごはんを食べている為、特に他の人達に怪しまれる事も無く食事を続ける事が出来る。
そして、いざ食べ始めようとする、急に五女の立ち上がった。

「悪い、ちょっとトイレに行ってくる。先に食べておいて良いからな」
「解りました、ゆっくりしてきて下さい」
「行ってらっしゃ~い」

急に尿意を感じた為、食事の前にトイレへと向かう五女。
目を外し、二人だけにするのは少し戸惑ったが、別にトイレから戻ってくるのにそれほど時間もかからない為、別に良いかと思い二人から離れる。
二人から離れ数分、トイレを終え教室まで戻ってくると、先程の隣の男の子が誰かを探しているのか、教室の前でキョロキョロしながら誰かを探していた。
何をしているのかと思いながらも、別に彼に用は無いので無視して教室に入ろうとする五女。
男の子の近くまで歩き、教室に入ろうとすると、男の子が見つけた!と一言言った後五女の方に近づいて行く。

「八神さん、良かった見つかった」
「私か?一体どうした?」

探しているのが自分だと知り、どうしたのか?と思い話を聞いてみる。

「えーとね、あれ見てくれる?」
「あれ?」

そう言いながら、男の子がある方向を指さす。
何があるんだ?と思い、男の子のが指さした方を見てみると……

「はい、あーん」
「ん……、美味しいですね。では私も、はい、あーん」
「あーん。……うん!美味しい!」

指を指した先には、もうなんて言うか色んな意味で凄い光景が繰り広げられていた。
三女と四女が、お互い食べているお弁当を交互に、俗に言うあーんで食べさせあっている姿を見て、五女のついうぇ……、と変な声が出て来てしまう。
周りのクラスメイトも、その異常な光景に引いているのか、二人の半径五メートル位には誰も入ろうとしない。入りたくない。

「その……、頑張ってね、八神さん」
「……応援に感謝させて貰う」

もうすでに悟りきったのか、あえて何も聞かずに声援だけ送る男の子。
五女もその応援に少し励まされたのか、凄い近づきたくないが、二人の元に歩いて行く。
二人のすぐ傍まで近づき、少し怖い顔で二人を見る五女だが、二人共それに気付かずイチャイチャを続ける。
流石にそれには五女もカチンと来たのか、かなり声を荒げて二人に対して注意をする。

「貴様等!馬鹿な事せずぬ普通に食え!」
「別にかまわないと思いますが……、ご飯位仲良く食べれば良いのではないのかと思います」
「そうだよ!別に周りに迷惑かけてる訳じゃないよ!」
「ああ!?」
「「ごめんなさい。普通に食べます」」

五女に怒られながらも、納得がいかないのか言い返す三女と四女。
だが既に半分所か、9割位マジでキレている五女に睨まれ、流石に怖かったのか素直に言う事を聞く二人。
他のクラスメイトも、五女の迫力に恐れたのか、先程とは違う意味で引いている。
その周りの反応に気付かずに、自分も昼食を食べる為お弁当を広げる。
結局、その後はクラス中静かに昼休みを過ごしたと言う。



「また明日ね!三人共!」

この日の授業が全部終わり、やっと下校の時間がやって来た放課後。
すぐには帰らず教室で雑談する生徒もいれば、さっさと家に帰る為皆に別れの挨拶をした後教室を出る生徒となど様々な生徒が居る。

(や、やっと終わった……)

長い長い学校が終わり、力が抜けたのか机に身体を預ける五女。
彼女にしてみれば、今日の授業は入学してから一番長く感じたであろう。
後は家に帰った後、ザフィーラとヴィヴィオが居る家に帰って、ゆっくりするだけである。

「何してんの?早く帰ろうよ」
「体調悪いんでしたら、保健室に行きますか?」
「……いや、良い。教室の入り口で待っててくれ」

五女にそう言われ、大人しく言う事を聞く二人。
二人が離れた後、すぐに机から身体を起し帰宅の準備を進め、忘れ物が無いかを確認する。
そして、準備を終え二人の元へ行こうとすると、隣の席の男の子が五女に声をかける。
どうしたのかと思い、五女が男の子の方を向くと、苦笑いしながら一言語りかける。

「えっと……、お疲れ様。八神さん……」
「……ありがとう。とだけ言っておく」

それだけ言った後、男の子に別れを告げ二人の元に歩いて行く五女。
この日はお互いに、少し仲良くなった気がする。
その後二人と合流し、玄関で靴を履き替え、三人で家へと向かう。

(疲れた……、家に帰ったらゆっくりさせて貰おう)

登校の時と一緒に、手を繋ぎながら下校をしている二人を見て、ひそかにそう思う。
学校では自分だけだったが、家に帰れば他の家族、この日はヴィヴィオとザフィーラが居る為、後は二人に任せようと考える。
そんな事を考えて歩いていると、ふと頬に冷たい何かが当たり、一瞬ビクッとする五女。
何だと思い空を見上げてみると、そこには黒い雲に包まれた空があり、また一つ何かが五女の顔に落ちて来る。

「これは……まずいな。二人共!走るぞ!」
「え!?急になんですか!?」
「空を見てみろ!」
「空?……って空黒!?」

このままだと雨が降ってくると判断し、二人に話しかけた後三人で一気に走り出す。
しかし、三人が走り出した直後、すぐに雨が降り出し、10秒もしない内に大雨へと変わり、三人に降り注いで行く。

「まったく……、今日は雨は降らないと言っていたのに」
「もう最悪!」
「ごちゃごちゃ行っている暇があったら走れ!」

持っている鞄を傘代わりにし、一生懸命走る三人。
だがしかし、そんなので大雨を防げる事など出来る訳も無く、家に着く頃には三人共ずぶ濡れになっていた。

「ただいまー……」
「お帰り。災難だったね。着替え持って来てあげるからシャワー浴びてきたら?」

服が体に張り付き、気持ち悪い状態で家に入ると、ヴィヴィオが三人を出迎えてくれる。
ヴィヴィオと一緒に居たザフィーラからバスタオルを人数分貰い、ヴィヴィオの言う通りシャワーを浴びる事にする。
学校の荷物を適当な場所に置き、脱衣所の方まで歩いていき、服を脱いでシャワーを浴びよとする。
しかし、ふとある事が気になり、三女と四女の方を振り向く。
そこには、下着姿でイチャイチャしている二人の姿があり、二人と一緒に入るのを少し躊躇い始めた。

「……やはり私は後で良い。二人が上がったら教えてくれ」

イチャついている二人を見て、何やら身の危険を感じたのか、二人と入るのを止めようとする五女。
何故だかは解らないが、何も服を着ていない状態で二人の空間に入ると、非常にまずい事が起きそうだと本能が警告する。
だが、二人はそんな五女の言葉に耳をかさず、それ所か二人揃って五女の方へ歩み寄ってくる。

「もう、そんな事言ってると風邪をひきますよ?」
「そうだよ。たまにはさ、三人で一緒にお風呂も良いんじゃないかな?」
「ちょ!近づくな二人共!」

そのまま逃げだそうする五女を、三女と四女が腕を掴んで止める。
何とか振りほどこうと頑張る五女だが、二人がかりで掴まれている所為か、中々振りほどく事は出来ない。
そうしている内に、三女の腕か五女の腕に絡みつき、四女が五女の後ろから抱きつく。

「ほら、三人で一緒に……、ね?」
「そうだよ、楽しもうよ!」

一体三人で何を楽しむのかは知らないが、二人共怪しい目で五女の事を誘う。
そして五女はと言うと、何やら先程から何も言わず、プルプルと震えており、二人共どうしたのかと思う。

「貴様等……」

そして五女が小さく一言呟くと、いつの間にか五女の右手にはエルシニアクロイツが握られており、顔も相当怖い表情をしていた。
二人共五女が何を怒っているのか解らず、一体どうしたのかと思い困惑するが、それでもお互いに五女にしがみつくのをやめない。
そして、ついに堪忍袋の尾が切れたのか、エルシニアクロイツを大きく上にあげる。

「いい加減に……!しろー!」

そして、三人を包む程度の小さな爆発が脱衣所で発生し、大きな音が家の中に響き渡る。

「……ザフィーラ」
「……着替えを取ってくる、三人をソファーに寝かせておいてくれ」
「解った」

脱衣所から聞こえてくる爆発音を聞き、何があったのかを瞬時に理解するヴィヴィオとザフィーラ。
二人共溜息を一つつき、ザフィーラは三人の着替えを取りに行き、ヴィヴィオは爆発で気絶しているであろう三人を救出に向かった。



「うう……、ん?ここは?」
「あ、目覚ました?」
「フェイト母さん?」

脱衣所の爆発から数時間経ち、気絶していた三人の内五女が先に目を覚ます。
まだ完全に頭がはっきりしていない為か、ボーっとして周りを見渡していると、既に帰宅していたフェイトが五女に声をかける。
フェイトの姿を確認した後、他に誰が居るかを確認すると、既にフェイト以外の両親三人と、シャマルとシグナム、リインと言った面子が既に帰宅していた。
時計を見てみると、既に夕食前の時間帯になっており、意外と長く気絶していたんだと解る。
頭もはっきりしてきて、横になっているソファーから立ち上がると、はやてが五女にちょっと顔を怖くしながら話しかける。

「まったく、家の中であんま大きな魔法使ったらあかんやろ?」
「あ……、すまん母さん。体の危機を感じてつい……」
「……ごめん、そんなにあぶなかってんな」

娘が魔法を使った事を少し叱るが、予想外に色々あった事を娘の顔から感じ、つい謝ってしまった。
他の家族も五女のその言葉を聞き、何とも言えない表情で娘達三人の方を見る。

「さて、もうすぐご飯だし、二人を起こそうか」
「家だと私達も居るし、変な行動も取らないだろうしね」

ユーノとなのはがそう言いながら、まだ気絶中の三女と四女を起こす事にする。
幸い今は家族もそれなりの人数も居る為、五女に苦労もかける事も無い。

「はい、二人共起きてね。もうすぐご飯だよ」
「う……ん」
「あうあー」

なのはが二人の身体を揺らし、早く起きるように促す。
二人共まだ少しだるそうにしているが、しつこく体を揺らされた所為か、のっそりとソファーから身体を起こす。
二人共ボーっとしている頭で周りを見渡し、お互いを見た後、どうして寝ていたのかを考えだす。

「何で私達寝てたんでしょう?覚えてますか?」
「さあ?全然覚えて無い」
(?)

話している二人を見て、五女がある事に疑問を持つ。
気絶する前の二人なら、目を覚ました後四女が抱きついたり、三女が四女の手を握ったりとしていたと思うのだが、二人共特に素振りを見せない。
どうにもおかしいと思い、二人に対して色々質問してみる五女。

「二人共、何も覚えていないのか?」
「?何をですか?」

五女の質問に、何を聞いているのかと言った表情で返してくる三女。
四女の方にも一度聞いてみるが、四女の方も三女と同じく、気絶前の事はあまり覚えていない様子。
自分があれだけ苦労したのに、何で張本人二人が覚えていないんだと、若干思いながらも、質問を続ける五女。

「ほれ、石がぶつかった後気を失っただろ?その後の目を覚まして次の日学校を帰るまでの事だ」
「ちょっと待って下さい。……ふむ、少し思い出してきました」
「えーっと、確か目を覚ました後……」

細かい所を教えて貰い、少しずつ思い出して来たのか、ゆっくりと何が記憶の整理をする二人。
そして、しばらくした後全部思い出したのか、三女と四女がお互いに目を合わした瞬間……

「「うわぁ!」」

二人共変な声を出しながら、お互いに一気に距離を取る。
それを見て、既にどうなってるのかは想像できたが、一応ユーノの方を見て説明を求める五女他家族全員。

「多分さっきの爆発で、石の効力もぶっ飛んだじゃないかな?」
「随分適当だなおい……」
「まあ相当昔の物だからね。色々不良な所もあるさ」

かなりあっけらかんと答える父親に、五女もそんなんで良いのかと思ってしまう。
だが、とりあえず二人共元の戻ってくれたので、それに関しては物凄く安心する五女。
しかし、三女と四女は、石の効力が効いている時の記憶の所為で、二人して盛大に悶えており、ちょっと可哀想に思えてくる。
そんな二人の事など気にせず、晩御飯の準備が出来た為、とっとと食事を始める事にするなのは達。

「ほら二人共、ソファーの上でゴロゴロしてないで、ご飯食べるよ」

なのはにそう言われ、お互いに距離を開け、目を合わさない様にしてテーブルの方に歩く。
普段は三人娘のテーブルでの並び順は、三女 四女 五女と言った並びなのだが、この日だけは三女 五女 四女と言う並びになっていたと言う。
結局食事を終え、その後お風呂から上がった後も三女と四女は一言も会話が無かった。

「さて、じゃあそろそろ寝るか」

夜も更け、既に時刻ももう少しで日付が変わる位に差し掛かり、そろそろ就寝時間と言った所である。
しかし、三人娘は今は一緒の部屋で就寝している為、どうにも三女と四女は今一落ち着かない様子をしている。
やはり正気に戻ったとはいえ、すぐにはお互い割り切れるものではないらしい。
五女がどうしようかと思っていると、三女がなのはの方を向いて話しかける。

「あの、お母さん。今日はお母さんと一緒に寝て良いですか?」
「ん?……ああ。うん、良いよ。一緒に寝ようか!」

いきなりの三女のお願いに、一瞬どうしたのかと思うなのはだが、すぐに三女の考えてる事が解り、すぐに良いと答える。
それを聞いて安心する三女だが、なのは自身も最近娘に甘えて貰った事が無い為、この申し出は渡りに船と言った所で存分に甘えて貰おうと思っている。
その様子を見て、今度は四女がフェイトの方に歩いていき、フェイトも微笑みながら四女から出てくるセリフを待つ。

「母さん!今日は僕と一緒に寝よ!」
「はいはい。一緒に寝るのも久しぶりだね」

フェイトの方もなのはと同じく、甘えて来てくれない娘からの提案である為、間髪をいれずに良いと答える。
さて、二人が自分の母親と一緒に寝ると聞き、自分はどうしようかと五女が思っていると、ふと後ろの方から何やら視線を感じる。
振り向きたくないなーと思いつつも、無視をするのも流石に嫌なので、視線の感じる所を振り返ってみる。
そこには、予想通りはやてが五女の方を見ながら、凄く良い笑顔でカモン!と言った感じで五女の方に両手を出すはやての姿があった。
恐らく三人の内二人が自分の母親と一緒に寝ると言いだしたので、今度は自分達の番と思っている。

「……じゃあ私は部屋に戻って寝るとしよう」
「ちょう待てい!」

そんなはやてからの視線を無視して、自分の部屋で寝ようとする五女に、はやてが大きな声で突っ込みを入れる。
流石に関西方面の言葉で喋っている所為か、突っ込みも中々キレがある。

「なんでなん!?普通流れを読んだらここは私と一緒に寝るって言うのがお約束ちゃうん!?」
「いや、別に私は石の影響も何もないし……」

何か本気で怒られているのかと思い、少し驚きながらも理由を説明する五女。
だが、はやての方はそんな事関係なく、折角の母娘の触れ合いが実現すると思っていたのに、まさかの娘の裏切りにあい、力が抜け地面に膝をつく。

「そんな……、折角久しぶりに娘と一緒に寝られると思ったのに、あんまりや……」

地面に伏せながら、物凄く落ち込みながら泣くはやて。
まさかマジ泣きされるとは思わず、五女も流石に少々悪い事をしてしまったかと思い始める。
仕方ないので、今日は他の二人と同じ様に、母親と寝ようとする。

「あー、解った。私も母さんと一緒に寝るから……」
「ほんま!?」

五女がそう言った瞬間、瞬時に泣きやみ良い笑顔で五女の事を抱きしめるはやて。
正直少々鬱陶しく思ったりもしたが、まあ母親の喜んだ顔が見れたので良しとする。

「それじゃ寝ようかな。皆、お休み」

寝るにも良い時間になったので、なのはが三女を連れて自分の寝室に向かう。
フェイトとはやても、自分の娘と一緒に寝室へと歩いて行く。
こうして、三人娘に取って、色んな意味で記憶から消したい一日が終わる。



「……おはよう……」
「……おはようございます」
「朝っぱらから気が滅入る様な挨拶をするな」

一夜明けて次の日。
其々の母親の寝室か起きて来た三人が、朝食を食べる為に同じ部屋に集まる。
三女と四女は、まだお互いに昨日の事を割り切れていないのか、お互いに目を合わそうとしない。

「ほれ、さっさと食事をして学校に行くぞ。今朝は私達しかいないんだ」

この日の朝は、家族全員が仕事の為、朝はこの三人だけである。
三女と四女もこのまま微妙な空気で居たくは無いので、さっさと用意されていた朝食に手を付ける。
会話も殆どなく食事を終え、登校の準備を整え、家に鍵を閉めた後学校へと歩き出す三人。

「あ~、学校行きたくない……」
「私達が昨日してた事……」
「諦めろ。その内皆忘れる」

物凄く落ち込んでいる二人の前を歩く五女。
昨日のたった一日の出来事だが、間違いなくクラスメイト達は覚えている。
出来れば学園を休みたいと思っている二人だが、そんな事で学園を休む訳にもいかないので、諦めて学園に向かう事にする。
その後、学園の間で三女と四女の関係が色々噂になり、それになぜか五女も加えられ、五女が暴れだす事になったのだがそれは別に関係ない事。
これに懲りたのか、二度と怪しい物に手を出さないと心に決めた三人娘であった。


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